勇者として神からもらった武器が傘だった俺は一人追い出された。えっ?なにこの傘軽く見積もって最高じゃん
黒服に絡まれました。
「なんだ? 今変な音しなかったか?」
「しましたね。私が見てきましょう」
黒服の男たちの一人が俺たちの方へやってくる。
森の木々が邪魔して向こうからは見えにくいようだが、段々と近づいてくる。
「みんな、少しずつ後ろに下がるんだ」
俺は手で合図をしながらできるだけ、音を立てないようにゆっくり下がらせる。
だけど、チョロさんだけは前のことがフラッシュバックしているのか、動けないでいた。
「チョロさん、頑張って動くよ」
『はっ……はいです』
チョロさんをゆっくりと押しながら俺は殿を務めながらその場から離れる。
大丈夫、まだ気が付かれていない。
その場からゆっくりと離れると、首筋に冷たいものが触れる。
「動くな、騒ぐな、ゆっくりとこっちへ振り向け」
「テルさん」
「大丈夫。殺す気ならきっともう殺してるよ」
俺はゆっくりと振り返る。あれだけの距離があったのに音もなく近づいてきていた。
男ばかりの集団かと思っていたが……どうやら女性のようだ。
イブキはゆっくりと棒を構え、何かあればすぐに動けるようにしていてくれている。
隠密モードのイブキの動きはわかっていないようだ。
「こんなところにいたら、盗賊たちに殺されるぞ」
「わざわざそれを教えにきてくれたのか?」
「私は無駄な殺生はしたくないんだ。何が狙いだ?」
「ペガサスを取り戻そうかと思って」
「テルさん……そんなこと馬鹿正直に言わなくても……」
女は剣を鞘へとしまう。
「ペガサスか……この後私たちは移動するから、その間に逃がしてやればいい」
「あんたは盗賊の仲間じゃないのか?」
「私たちを盗賊なんかと一緒にするな。これさえなければ言いなりになどなっていない」
女は首につけた首輪を見せる。
「それは……」
「隷属の首輪ですね。ご自分の意思とは関係なく従わされているってことでしょうか」
リサが冷静にそう解説してくれた。
「イブキも俺の奴隷だけどそんな首輪してないよな?」
「えっイブキさん奴隷だったんですか?」
「はい。私テルさんの奴隷なんです。リサさん羨ましがっていいですよ?」
イブキが何を言ってるのかちょっとわかんない。
「えぇ私も奴隷にしてもらおうかな」
リサも何言ってるのかわからない。
「首輪をしている奴隷の方がより強固の支配をうけるんだ。私はそろそろ戻る。次会った時には殺さなければいけないだろうから。もう見つからないでくれ」
「助かったよ」
その女はそのまま音もなくまた消えていった。
「あの人のこと助けられないのかな」
「テルさん……お人よしなのはいいですけど見る人、見る人助けていったらキリがないですよ。って私もそれで助けられたんで文句は言えないんですけど」
『いい人でしたね。鉱山の中で会ったような悪い気配がなかったです』
苦しんでいる人全員に手を差し伸べてやりたいけど、そういうわけにはいかない。
俺たちは盗賊たちは馬車の荷物を取りに行ったのを確認して、盗賊たちのアジトへと忍び込んだ。
 盗賊のアジトの中には見張りもなく盗賊たちは誰も残ってはいなかった。ボコボコにされた男だけが一人意識を失っていた。
「大丈夫そうですね」
『ペガサスはあっちにいるみたいですよ』
チョロさんの案内で奥へ進んでいくと、大きな木があり側には怪我したペガサスが鉄の鎖で繋がれていた。
ペガサスは俺たちの姿を見ると警戒していているのか、威嚇したように静かにうなり声をあげる。
『大丈夫ですよ。助けにきました』
チョロさんが声をかけると、警戒していたのが少しおさまり首をかしげている。
さすがチョロさん。
「暴れないでくれよ。今鎖を外してやるからな」
「ヒヒン」
ペガサスは言葉がわかったのか大人しく座り込むと大きなあくびをし始めた。
いや、それはリラックスしすぎだから。
「さて、とはいってもどうやって外そうか?」。
「テルさん、短剣貸してもらってもいいですか?」
「えっ? いいよ」
俺がイブキに短剣を渡すと、イブキはそのまま鎖を切りつけた。
いや、いくら切れ味がいいからって……。
イブキは鉄の鎖をそのまま切ってしまった。
「イブキ……またつまらぬものを切ってしまったって言ってみて?」
「えっ? またつまるぬものをきってしまった……?」
妖精の短剣は斬鉄剣とでも名前を付けた方がいいだろうか?
「ヒヒーン」
ペガサスは鎖が外れると俺たちの方へゆっくりと寄ってきて思いっきり顔をなめられた。非常に人懐こい性格なのだろう。
怪我を治してやるために回復薬を飲ませてやる。
「これを飲んだら出発するよ。いつ盗賊が戻ってくるかわからないからね」
「ヒヒン」
俺の言葉の意味がわかっているのか、すぐに回復薬を飲んでくれる。
「テルさん今ここのアジトに誰もいませんが、どうしますか? 火でも放っておきますか?」
「えっそんな物騒なことしないといけないの?」
「いえ、そういうわけではないんですけど。盗賊なんていると旅人には迷惑かけますし、すこしでも敵の戦力は削っておいた方がいいかと思いまして」
「そう言われるとそうだけど……森の中で火を放つって言うのも……あっなら持てるだけ持って帰るか」
「……あっ……そんなに入るんですか?」
「いや、わからないけど急いで入れてみるよ」
俺は片っ端からテントを収納していくと、そこにあったテントや盗賊の武器、食料をすべて回収することができた。
ニコバアのバック無双だな。
「さて、そろそろ行こうか」
「さっきのおじさんどうしましょ?」
「うーん。回復薬だけかけておけばいいかな」
家族を捕まえられているみたいなことを言っていたが、できるのはここまでだ。
できる範囲はどこかで一線をひかなければいけない。
俺たちが森へ入り街へ戻ろうとすると、森の中から金属が鳴り響く音が聞こえてきた。
森の中で誰かが戦っている。
「しましたね。私が見てきましょう」
黒服の男たちの一人が俺たちの方へやってくる。
森の木々が邪魔して向こうからは見えにくいようだが、段々と近づいてくる。
「みんな、少しずつ後ろに下がるんだ」
俺は手で合図をしながらできるだけ、音を立てないようにゆっくり下がらせる。
だけど、チョロさんだけは前のことがフラッシュバックしているのか、動けないでいた。
「チョロさん、頑張って動くよ」
『はっ……はいです』
チョロさんをゆっくりと押しながら俺は殿を務めながらその場から離れる。
大丈夫、まだ気が付かれていない。
その場からゆっくりと離れると、首筋に冷たいものが触れる。
「動くな、騒ぐな、ゆっくりとこっちへ振り向け」
「テルさん」
「大丈夫。殺す気ならきっともう殺してるよ」
俺はゆっくりと振り返る。あれだけの距離があったのに音もなく近づいてきていた。
男ばかりの集団かと思っていたが……どうやら女性のようだ。
イブキはゆっくりと棒を構え、何かあればすぐに動けるようにしていてくれている。
隠密モードのイブキの動きはわかっていないようだ。
「こんなところにいたら、盗賊たちに殺されるぞ」
「わざわざそれを教えにきてくれたのか?」
「私は無駄な殺生はしたくないんだ。何が狙いだ?」
「ペガサスを取り戻そうかと思って」
「テルさん……そんなこと馬鹿正直に言わなくても……」
女は剣を鞘へとしまう。
「ペガサスか……この後私たちは移動するから、その間に逃がしてやればいい」
「あんたは盗賊の仲間じゃないのか?」
「私たちを盗賊なんかと一緒にするな。これさえなければ言いなりになどなっていない」
女は首につけた首輪を見せる。
「それは……」
「隷属の首輪ですね。ご自分の意思とは関係なく従わされているってことでしょうか」
リサが冷静にそう解説してくれた。
「イブキも俺の奴隷だけどそんな首輪してないよな?」
「えっイブキさん奴隷だったんですか?」
「はい。私テルさんの奴隷なんです。リサさん羨ましがっていいですよ?」
イブキが何を言ってるのかちょっとわかんない。
「えぇ私も奴隷にしてもらおうかな」
リサも何言ってるのかわからない。
「首輪をしている奴隷の方がより強固の支配をうけるんだ。私はそろそろ戻る。次会った時には殺さなければいけないだろうから。もう見つからないでくれ」
「助かったよ」
その女はそのまま音もなくまた消えていった。
「あの人のこと助けられないのかな」
「テルさん……お人よしなのはいいですけど見る人、見る人助けていったらキリがないですよ。って私もそれで助けられたんで文句は言えないんですけど」
『いい人でしたね。鉱山の中で会ったような悪い気配がなかったです』
苦しんでいる人全員に手を差し伸べてやりたいけど、そういうわけにはいかない。
俺たちは盗賊たちは馬車の荷物を取りに行ったのを確認して、盗賊たちのアジトへと忍び込んだ。
 盗賊のアジトの中には見張りもなく盗賊たちは誰も残ってはいなかった。ボコボコにされた男だけが一人意識を失っていた。
「大丈夫そうですね」
『ペガサスはあっちにいるみたいですよ』
チョロさんの案内で奥へ進んでいくと、大きな木があり側には怪我したペガサスが鉄の鎖で繋がれていた。
ペガサスは俺たちの姿を見ると警戒していているのか、威嚇したように静かにうなり声をあげる。
『大丈夫ですよ。助けにきました』
チョロさんが声をかけると、警戒していたのが少しおさまり首をかしげている。
さすがチョロさん。
「暴れないでくれよ。今鎖を外してやるからな」
「ヒヒン」
ペガサスは言葉がわかったのか大人しく座り込むと大きなあくびをし始めた。
いや、それはリラックスしすぎだから。
「さて、とはいってもどうやって外そうか?」。
「テルさん、短剣貸してもらってもいいですか?」
「えっ? いいよ」
俺がイブキに短剣を渡すと、イブキはそのまま鎖を切りつけた。
いや、いくら切れ味がいいからって……。
イブキは鉄の鎖をそのまま切ってしまった。
「イブキ……またつまらぬものを切ってしまったって言ってみて?」
「えっ? またつまるぬものをきってしまった……?」
妖精の短剣は斬鉄剣とでも名前を付けた方がいいだろうか?
「ヒヒーン」
ペガサスは鎖が外れると俺たちの方へゆっくりと寄ってきて思いっきり顔をなめられた。非常に人懐こい性格なのだろう。
怪我を治してやるために回復薬を飲ませてやる。
「これを飲んだら出発するよ。いつ盗賊が戻ってくるかわからないからね」
「ヒヒン」
俺の言葉の意味がわかっているのか、すぐに回復薬を飲んでくれる。
「テルさん今ここのアジトに誰もいませんが、どうしますか? 火でも放っておきますか?」
「えっそんな物騒なことしないといけないの?」
「いえ、そういうわけではないんですけど。盗賊なんていると旅人には迷惑かけますし、すこしでも敵の戦力は削っておいた方がいいかと思いまして」
「そう言われるとそうだけど……森の中で火を放つって言うのも……あっなら持てるだけ持って帰るか」
「……あっ……そんなに入るんですか?」
「いや、わからないけど急いで入れてみるよ」
俺は片っ端からテントを収納していくと、そこにあったテントや盗賊の武器、食料をすべて回収することができた。
ニコバアのバック無双だな。
「さて、そろそろ行こうか」
「さっきのおじさんどうしましょ?」
「うーん。回復薬だけかけておけばいいかな」
家族を捕まえられているみたいなことを言っていたが、できるのはここまでだ。
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