勇者として神からもらった武器が傘だった俺は一人追い出された。えっ?なにこの傘軽く見積もって最高じゃん
回復薬を無料配布してあげた。
リサは回復薬の無料配布なんてする方がリスクが高いという判断らしい。
だけど、助けられるのに助けないのも……。
「じゃあ、重傷者にだけそっとかけてくるだけでいいよ。重傷者がいなければさっと戻ってくればいいし」
「あっそれなら、私がいきますよ」
イブキが俺に声をかけてくれる。
「イブキ大丈夫なのか?」
「もちろんですよ。私の場合仮面のおかげで目立たずに行動することができますし」
そういうと、普段よりさらに印象が薄くなる。
「わかった。気を付けて行ってきてくれ」
「いってきます」
イブキはそのままポーションをもったまま消えていった。
しばらくすると、人だかりの中から歓声があがりだした。
どうやらイブキが助けてくれたようだ。
「テルさん、無事に回復薬を全員にかけてきました。多分気づかれた方はいないと思います」
俺たちも声をかけられなければイブキがどこにいるのか認識ができなかった。
さすが、認識阻害のついた仮面だ。
「えっと……テルさんもイブキさんも何か世直しをしている、どこかの貴族とかなんですか?」
「いや、ただのE級冒険者だよ?」
「これでE級……?」
リサが固まっている。
「リサ大丈夫?」
「……はい。なんか私との差がありすぎて……ドキドキしてます」
そんなたいしたことをしているわけではないんだけど、リサは色々辛い経験をしているから自分への自己評価が低くなっているようだ。
『テルさん、先ほど落ちたペガサスさんを探しに行きませんか?』
「そうだな。何があったのかも気になるし。チョロさん頼むよ」
『任せてください』
俺たちはまたチョロさんに乗って森の方へ向かった。
ペガサス便乗り場の前では、傷が自然と治ったと騒ぎが段々と大きくなってきたので少しは助けになれたようだ。
俺たちが森の中に入ってしばらくすると、森の中に大きな馬車が落ちているのを発見した。
「あれがペガサス便の馬車なのか?」
「多分そうだと思います」
人が乗っているなら助けないといけない。
馬車の中を覗くと、馬車には沢山の食料や武器などが散乱していた。
「テルさんやりましたね! こういう場合持ち主が近くにいなければ拾った人のものになるんですよ」
「そうなのか? でも街から近いしそのうち誰かが取りにくるんじゃないのか?」
「えっと……街から近い……? チョロさんに乗って来たので近く感じますが、他の人がここまでたどり着くまでに半日以上かかりますし、多分見つけられないですよ?」
そう言われれば途中から道なき道を進んできていた。
「チョロさんよく、この場所がわかったね」
『へへっ僕にかかれば余裕です! って言いたいところなんですが、道案内してくれたのはニクスです』
「そうか、ニクスは探知の魔法でも使えるのかな? すごいな」
「ピヨヨヨヨン」
ニクスが褒められたのが嬉しいのか照れたように俺に身体をこすりつけてきた。
なんて可愛い奴なんだ。
「この広い森の中から墜落した馬車をピンポイントで探し出せる……夢なの? そうね夢よ。私はきっと殴られすぎて夢と現実の区別ができないのよ。イブキさん少し顔つねってもらってもいいですか?」
イブキはリサの顔をムニムニと優しくつまみながら、手触りを楽しんでいる。
リサの顔は変な顔になったりしているが、イブキもリサも見えていないので笑いをこらえるのが大変だった。
「このリアルな温かさはやっぱり夢じゃないのか……」
「リサはおおげさなんだから。それよりもイブキ本当にこれって俺たちがもらってしまってもいいのか?」
「近くに持ち主もいませんし、問題はないかと思います。どのみちここに置いておいたら食べ物は魔物に食べられてしまうでしょうから」
転生前なら拾ったものは交番へ持って行くのが普通だが、それがこの世界のルールならとりあえずもらっておこう。どのみちここに置いておいても魔物に奪われるなら持って行って持ち主が見つかれば返してやることもできる。
ニクスは馬車の中からシルバーの渋い指輪を咥えて持ってきた。
「ニクスも輝くものとか好きなのか?」
ニクスは首を振るが、その指輪を口で転がすと、そのまま自分の足に取り付けてしまった。鳩の脚環のようだ。
ニクスはどうよといった感じで自分の足を見せてくる。
装飾品とか好きなタイプだとは知らなかった。ニクスは装備できるものは少ないけど、何か買ってあげよう。俺は軽く頭を撫でてやる。
とても気持ちよさそうだ。
「この世界のルールに早く慣れないとな。それよりも、これを操縦していた人とペガサスはどこにいるんだろう?」
『人は……』
チョロさんはニクスの顔を見るとニクスはゆっくりと首を振る。
『わからないみたいですね』
馬車の方は見つけられたけど、人は見つけられないということは万能というわけにはいかないようだ。
「ペガサスは見つけられそうかい?」
ニクスはコクリと頷くと羽で方向を示してくれる。
「チョロさんそれじゃあ頼むよ」
『任せてください』
俺が馬車ごと鞄の中にしまったのを見て、リサが「まだ入るのか……」とボソッと言っていたがリサが見てもかなりの収納ってことは本当にすごいバックなのだろう。
なにが起こったのかはわからないがペガサスを助けにいってあげなければ。
だけど、助けられるのに助けないのも……。
「じゃあ、重傷者にだけそっとかけてくるだけでいいよ。重傷者がいなければさっと戻ってくればいいし」
「あっそれなら、私がいきますよ」
イブキが俺に声をかけてくれる。
「イブキ大丈夫なのか?」
「もちろんですよ。私の場合仮面のおかげで目立たずに行動することができますし」
そういうと、普段よりさらに印象が薄くなる。
「わかった。気を付けて行ってきてくれ」
「いってきます」
イブキはそのままポーションをもったまま消えていった。
しばらくすると、人だかりの中から歓声があがりだした。
どうやらイブキが助けてくれたようだ。
「テルさん、無事に回復薬を全員にかけてきました。多分気づかれた方はいないと思います」
俺たちも声をかけられなければイブキがどこにいるのか認識ができなかった。
さすが、認識阻害のついた仮面だ。
「えっと……テルさんもイブキさんも何か世直しをしている、どこかの貴族とかなんですか?」
「いや、ただのE級冒険者だよ?」
「これでE級……?」
リサが固まっている。
「リサ大丈夫?」
「……はい。なんか私との差がありすぎて……ドキドキしてます」
そんなたいしたことをしているわけではないんだけど、リサは色々辛い経験をしているから自分への自己評価が低くなっているようだ。
『テルさん、先ほど落ちたペガサスさんを探しに行きませんか?』
「そうだな。何があったのかも気になるし。チョロさん頼むよ」
『任せてください』
俺たちはまたチョロさんに乗って森の方へ向かった。
ペガサス便乗り場の前では、傷が自然と治ったと騒ぎが段々と大きくなってきたので少しは助けになれたようだ。
俺たちが森の中に入ってしばらくすると、森の中に大きな馬車が落ちているのを発見した。
「あれがペガサス便の馬車なのか?」
「多分そうだと思います」
人が乗っているなら助けないといけない。
馬車の中を覗くと、馬車には沢山の食料や武器などが散乱していた。
「テルさんやりましたね! こういう場合持ち主が近くにいなければ拾った人のものになるんですよ」
「そうなのか? でも街から近いしそのうち誰かが取りにくるんじゃないのか?」
「えっと……街から近い……? チョロさんに乗って来たので近く感じますが、他の人がここまでたどり着くまでに半日以上かかりますし、多分見つけられないですよ?」
そう言われれば途中から道なき道を進んできていた。
「チョロさんよく、この場所がわかったね」
『へへっ僕にかかれば余裕です! って言いたいところなんですが、道案内してくれたのはニクスです』
「そうか、ニクスは探知の魔法でも使えるのかな? すごいな」
「ピヨヨヨヨン」
ニクスが褒められたのが嬉しいのか照れたように俺に身体をこすりつけてきた。
なんて可愛い奴なんだ。
「この広い森の中から墜落した馬車をピンポイントで探し出せる……夢なの? そうね夢よ。私はきっと殴られすぎて夢と現実の区別ができないのよ。イブキさん少し顔つねってもらってもいいですか?」
イブキはリサの顔をムニムニと優しくつまみながら、手触りを楽しんでいる。
リサの顔は変な顔になったりしているが、イブキもリサも見えていないので笑いをこらえるのが大変だった。
「このリアルな温かさはやっぱり夢じゃないのか……」
「リサはおおげさなんだから。それよりもイブキ本当にこれって俺たちがもらってしまってもいいのか?」
「近くに持ち主もいませんし、問題はないかと思います。どのみちここに置いておいたら食べ物は魔物に食べられてしまうでしょうから」
転生前なら拾ったものは交番へ持って行くのが普通だが、それがこの世界のルールならとりあえずもらっておこう。どのみちここに置いておいても魔物に奪われるなら持って行って持ち主が見つかれば返してやることもできる。
ニクスは馬車の中からシルバーの渋い指輪を咥えて持ってきた。
「ニクスも輝くものとか好きなのか?」
ニクスは首を振るが、その指輪を口で転がすと、そのまま自分の足に取り付けてしまった。鳩の脚環のようだ。
ニクスはどうよといった感じで自分の足を見せてくる。
装飾品とか好きなタイプだとは知らなかった。ニクスは装備できるものは少ないけど、何か買ってあげよう。俺は軽く頭を撫でてやる。
とても気持ちよさそうだ。
「この世界のルールに早く慣れないとな。それよりも、これを操縦していた人とペガサスはどこにいるんだろう?」
『人は……』
チョロさんはニクスの顔を見るとニクスはゆっくりと首を振る。
『わからないみたいですね』
馬車の方は見つけられたけど、人は見つけられないということは万能というわけにはいかないようだ。
「ペガサスは見つけられそうかい?」
ニクスはコクリと頷くと羽で方向を示してくれる。
「チョロさんそれじゃあ頼むよ」
『任せてください』
俺が馬車ごと鞄の中にしまったのを見て、リサが「まだ入るのか……」とボソッと言っていたがリサが見てもかなりの収納ってことは本当にすごいバックなのだろう。
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