勇者として神からもらった武器が傘だった俺は一人追い出された。えっ?なにこの傘軽く見積もって最高じゃん
勇者の攻撃……ミス。
村の外れには地面が固められ、木で囲いを作った簡易の闘技場があった。
俺たちは今のナオキとノボルと対峙していた。
ナオキは冷静にイブキに言い聞かせるように、
「いいかい? 人には生まれながらに差がある。すべて平等なんてことはないんだよ。そこの傘男のことをかばっているようだけど、人は自分の器量以上のものは持てないものだ。君は奴隷だからこの世界の厳しさを知らないようだけど、持って生まれたもの神様にどれほど愛されているのか君たちとの差を教えてあげよう。」
ナオキは剣を抜かずに鞘のまま構える。
「君たちの勇気に敬意をこめてこの剣の勇者しかつかえない勇者の剣で相手をしてあげよう。もちろん、剣を抜いたりはしないから安心してくれ。ノボルは援護を」
「はいよ。安心していいよ。威力は弱めてあげるから」
ノボルはナオキから少し距離をとり弓矢を構える。
「あなたたちがどんな理由があって、どんな信念の元に行動しているか私にはわからない。だからといって、あなたたちがテルさんをバカにしていい理由にはならないし、私はそれを許さない。テルさんの敵にまわるといるならまずは私を倒してからにしなさい」
イブキがナオキを真っすぐに見つめる。
実際はお面を被っているのでわからないが。
イブキの言葉や声は人をひきつけるものがあった。
簡易の闘技場のまわりにはいつの間にか人だかりができていて野次を飛ばしている奴もいる。
ナオキもノボルも勇者らしい勇壮な服装に自信にあふれた顔をしている。
きっとやっぱりこういうのが似合う人間が勇者になるのだろう。
もしこれが物語なら勇者像をそのまま現実にしたようだ。
それに引き換え俺は未だにロミスタで揃えた初級冒険者の装備で薄汚れている。
毎日臭くないように隠れて洗濯はしているが初級武器が傘の時点で勝負になっていない。
今もずっとイブキにかばわれたままだ。
俺はそんな立派な男でもないし、イブキと出会ったのも偶然だ。でも、
「イブキありがとうな。俺もこの世界にきて少しは成長したから最善をつくすよ」
「テルさんは自分を過小評価しすぎですよ」
どうすれば強くなれるのかも、何が足りないのかもわからない。
それでも、イブキやニクス、チョロさんが信じてくれるなら全力をだすだけだ。
「勇者であることがどれほど偉いのか俺にはわからない。それでも俺を信じてくれる人がいるなら全力でむかえうつよ」
「強がりだけは一人前だな」
イブキが。
ニクスが。
チョロさんが。
信じてくれるなら恥ずかしい格好は見せられない。
何でも屋をやっている時も、無理難題をこなしてきた。
「さて、それじゃはじめようか」
ナオキがそういうと剣をこちらに向かって振り上げる。
「速攻で終わらせてやるよ。勇者の力を思い知れ火竜!」
まわりを取り囲んでいた群衆から歓声があがる。
ナオキが振り下した剣からカメレオン大の火竜が飛び出し俺の方へ向かってくる。
「すごいぞ。剣から火竜がでてくるなんて」
「さすが勇者様だ」
「いやーこんなすごい魔法は宮廷魔術師でも使えないんじゃないか」
まわりからやけにナオキを褒めたたえる声が聞こえてくる。
本当にそう思っているのか?
いや思っているからそう声をかけているんだろうが。
チョロさんの魔法を見たせいか非常に弱く見える。
火竜は確かに迫力はあるが大きさがカメレオン大で移動速度は蝶々の速度と同じくらいだ。
ふざけているわけではないだろう。
俺が傘で火竜を叩きつけると火竜は光の粒となって消えていった。
さすが万能傘。
『生活魔法:火竜を覚えますか?』
頭の中に久しぶりに声が響く。
もう、聞かないで全部覚えていいよ。
『生活魔法をオートで取得します。生活魔法火竜を覚えました』
剣の勇者の火竜は生活魔法の一種らしい。
だからこんなに弱いのか。
「火竜を消すとはなかなかやるようだな。だけど、これならどうだ! 氷竜、水竜、風竜」
「なんと! 一度に3体も召喚するなんて!」
もう一度剣を振ると今度は氷、水、風の竜があらわれる。3方向からの攻撃に一瞬とまどうがそれでもやることは一緒だ。1匹ずつ傘でぶっ叩いていく。
頭の中で『生活魔法:氷竜、水竜、風竜を覚えました』と声が流れる。
どうしようか。この火竜とかここで使ってみるべきか。
いや、でも一度も使ったことのない魔法を使うリスクがある。
剣の勇者がカメレオン大なら俺はトカゲくらいの大きさかもしれないが、リスクよりも安全をとる。
「馬鹿な。俺の魔法を一発で消すなんて! いったい何をした!」
剣の勇者が今度は俺に剣を振り下す。
……ふざけているのか?
よく見ると剣の握り方からしてなっていない。
野球じゃないんだから。そんな握り方でよく戦ってきたな。
傘で軽く方向を変えるだけでナオキはよろけてしまっている。
ノボルが俺の方を狙って弓を放つがイブキはそれをはじき、杖を持って追いかけている。
こいつら本気なのか?
はぁこんな奴らにバカにされていたのか。
勇者交代って言われない程度に教えてやるしかないな。
俺たちは今のナオキとノボルと対峙していた。
ナオキは冷静にイブキに言い聞かせるように、
「いいかい? 人には生まれながらに差がある。すべて平等なんてことはないんだよ。そこの傘男のことをかばっているようだけど、人は自分の器量以上のものは持てないものだ。君は奴隷だからこの世界の厳しさを知らないようだけど、持って生まれたもの神様にどれほど愛されているのか君たちとの差を教えてあげよう。」
ナオキは剣を抜かずに鞘のまま構える。
「君たちの勇気に敬意をこめてこの剣の勇者しかつかえない勇者の剣で相手をしてあげよう。もちろん、剣を抜いたりはしないから安心してくれ。ノボルは援護を」
「はいよ。安心していいよ。威力は弱めてあげるから」
ノボルはナオキから少し距離をとり弓矢を構える。
「あなたたちがどんな理由があって、どんな信念の元に行動しているか私にはわからない。だからといって、あなたたちがテルさんをバカにしていい理由にはならないし、私はそれを許さない。テルさんの敵にまわるといるならまずは私を倒してからにしなさい」
イブキがナオキを真っすぐに見つめる。
実際はお面を被っているのでわからないが。
イブキの言葉や声は人をひきつけるものがあった。
簡易の闘技場のまわりにはいつの間にか人だかりができていて野次を飛ばしている奴もいる。
ナオキもノボルも勇者らしい勇壮な服装に自信にあふれた顔をしている。
きっとやっぱりこういうのが似合う人間が勇者になるのだろう。
もしこれが物語なら勇者像をそのまま現実にしたようだ。
それに引き換え俺は未だにロミスタで揃えた初級冒険者の装備で薄汚れている。
毎日臭くないように隠れて洗濯はしているが初級武器が傘の時点で勝負になっていない。
今もずっとイブキにかばわれたままだ。
俺はそんな立派な男でもないし、イブキと出会ったのも偶然だ。でも、
「イブキありがとうな。俺もこの世界にきて少しは成長したから最善をつくすよ」
「テルさんは自分を過小評価しすぎですよ」
どうすれば強くなれるのかも、何が足りないのかもわからない。
それでも、イブキやニクス、チョロさんが信じてくれるなら全力をだすだけだ。
「勇者であることがどれほど偉いのか俺にはわからない。それでも俺を信じてくれる人がいるなら全力でむかえうつよ」
「強がりだけは一人前だな」
イブキが。
ニクスが。
チョロさんが。
信じてくれるなら恥ずかしい格好は見せられない。
何でも屋をやっている時も、無理難題をこなしてきた。
「さて、それじゃはじめようか」
ナオキがそういうと剣をこちらに向かって振り上げる。
「速攻で終わらせてやるよ。勇者の力を思い知れ火竜!」
まわりを取り囲んでいた群衆から歓声があがる。
ナオキが振り下した剣からカメレオン大の火竜が飛び出し俺の方へ向かってくる。
「すごいぞ。剣から火竜がでてくるなんて」
「さすが勇者様だ」
「いやーこんなすごい魔法は宮廷魔術師でも使えないんじゃないか」
まわりからやけにナオキを褒めたたえる声が聞こえてくる。
本当にそう思っているのか?
いや思っているからそう声をかけているんだろうが。
チョロさんの魔法を見たせいか非常に弱く見える。
火竜は確かに迫力はあるが大きさがカメレオン大で移動速度は蝶々の速度と同じくらいだ。
ふざけているわけではないだろう。
俺が傘で火竜を叩きつけると火竜は光の粒となって消えていった。
さすが万能傘。
『生活魔法:火竜を覚えますか?』
頭の中に久しぶりに声が響く。
もう、聞かないで全部覚えていいよ。
『生活魔法をオートで取得します。生活魔法火竜を覚えました』
剣の勇者の火竜は生活魔法の一種らしい。
だからこんなに弱いのか。
「火竜を消すとはなかなかやるようだな。だけど、これならどうだ! 氷竜、水竜、風竜」
「なんと! 一度に3体も召喚するなんて!」
もう一度剣を振ると今度は氷、水、風の竜があらわれる。3方向からの攻撃に一瞬とまどうがそれでもやることは一緒だ。1匹ずつ傘でぶっ叩いていく。
頭の中で『生活魔法:氷竜、水竜、風竜を覚えました』と声が流れる。
どうしようか。この火竜とかここで使ってみるべきか。
いや、でも一度も使ったことのない魔法を使うリスクがある。
剣の勇者がカメレオン大なら俺はトカゲくらいの大きさかもしれないが、リスクよりも安全をとる。
「馬鹿な。俺の魔法を一発で消すなんて! いったい何をした!」
剣の勇者が今度は俺に剣を振り下す。
……ふざけているのか?
よく見ると剣の握り方からしてなっていない。
野球じゃないんだから。そんな握り方でよく戦ってきたな。
傘で軽く方向を変えるだけでナオキはよろけてしまっている。
ノボルが俺の方を狙って弓を放つがイブキはそれをはじき、杖を持って追いかけている。
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