勇者として神からもらった武器が傘だった俺は一人追い出された。えっ?なにこの傘軽く見積もって最高じゃん
勇者たちと出会い決闘へ
「ごめんなさいね。いつもならお部屋もあいてるんだけどね」
俺はこの村がお祭りだというのを完全に失念していた。
村には宿屋が3軒あったがどこも満員で寝泊まりできる部屋はないと言われてしまった。
「納屋でもいいんですが」
「納屋はね……」
なんでも観光客以外にも王都から特別な来賓?がきているらしく、納屋もすでにいっぱいで兵士が泊まっているらしい。王都からの来賓って王都はまだ混乱しているんじゃないか? この時期になぜ? 姫を探すためか。
姫を探すにしても、今さらこんな田舎を探しにくるわけはない。
もし姫がまだ逃げているならわざわざお祭りを見にきたりするはずはないのだから。
姫だってどうせ逃げるならできるだけ人目は避けたいはずだ。
「イブキどうしようか? 食べ物だけ補充できれば別に村の外でもいいけど」
ここに来たのは花祭りと屋台目当てだ。
異世界の祭りに興味があったから寄ったにすぎない。
俺は考え事をしていたせいで、そいつらが来ているのに全然気が付かなかった。
こんなことならさっさと宿をでていればよかった。
「あれれ? こんなところに傘男がいるぞ」
「こらこらナオキ、傘に失礼じゃないか。彼はテルテル坊主くんだよ。あれ? 傘男と雨繋がりでかけているのか? ハハハッ! いったいこんな村で何をしているんだい。もしかして俺たちが一生懸命働いている時に花祭りを見に来たとか?」
そこには剣の勇者ナオキと弓の勇者ノボルがいた。
こんな奴らとこんな田舎で再会するとは、全然この村楽しくない。
「別に何をしてても関係ないだろ。お前らこそ早く魔王でも倒しに行ってろ」
「おぉ! 傘男にしては感が鋭いじゃないか。俺たちは魔王を倒しに行くためにこの妖精王の剣を持って今から妖精を仲間にしにいくんだよ。妖精を仲間にだよ。すごいだろ? 大事なことだから2回言ってやった」
ナオキが俺に自慢気に見せてきたのはきらびやかな装飾がされた長剣だった。
柄の部分には妖精の絵が描かれ、妖精の目には茶色い宝石がいれられている。
見ただけで趣味の悪さを感じさせる一品だ。
「その剣で妖精を探しにいくのか?」
「あぁこの剣を持っていれば妖精たちは俺たちに力を貸してくれるんだよ。あっこんな話傘男にしても仕方はないよね。なんの役にも立たないんだから」
ほんの数日前なら確実に怒りを覚えていただろう。
だけど、なんだこの気持ち。実際に妖精の国へ行った俺からするとこいつ等が偽物の剣をつかまされたのを知っているせいか、なぜか非常に可哀想になってくる。
これから何日も発見できない妖精を探して森の中を歩き続けるのだろう。
そのために兵士を連れ納屋まで貸し切りにしてまったく無駄なことを。
「いやーさすがお二人にはかないません。どうやったら妖精に会えるのか俺にも教えて頂いても?」
「なんだ傘男にしてはいいこころがけじゃないか。まぁお前なんかに教えてやらないけどな」
ナオキの嫌味も本当に可哀想になってきた。
からかうのもやめてあげよう。
これからずっと見つからない妖精を探して森の中をさ迷うのだろうから。
「そういえば傘男くん。この村では余興の一環として決闘ができるんだけど一緒にやらないかい? 剣の勇者である僕が直々に訓練をしてあげよう。なに礼にはおよばないさ」
ナオキが俺を挑発するように肩をバンバン叩きながらそう言ってきたところで、今までずっと黙っていたイブキがブチ切れた。
「さっきから聞いていればテルさんのこと馬鹿にしすぎていません? あんたたちのような雑魚がピーチク、パーチクうるせぇな。テルさんなら5分であんたらなんかボコボコにしてあげますわ。ねっ! テルさん」
イブキが俺の後ろから勇者たちに喧嘩を売っている。
俺のことをかばってくれるのはありがたいが、剣と弓相手に傘じゃ太刀打ちできるわけがない。ここは申し訳ないが……
「ほう。どうやら口の利き方を知らない奴隷のようだな。いいだろう。その奴隷を入れて4人で勝負しようじゃないか」
イブキの安い挑発をナオキが買ってしまう。
いや、辞めようぜ。やっても俺にメリットがないし。
「いや、そんなことをしても俺にメリットがない」
「テルさん、メリットはあります。こんな馬鹿たちに2度と絡まれることがなくなります。それだけで精神衛生上いいですよ」
いや、イブキここで別れればもう多分会うこともないだろうし、別に気にしてない。
「そうだな。じゃあお前たちが勝ったらこの妖精王の剣をあげようじゃないか。まぁ負けることはないがな。俺たちが勝ったらお前ら二人で土下座してもらおうか」
ナオキはよっぽど自信があるらしい。
その剣をなくしたら国へ戻った時に大目玉くらうに違いない。
「そんな剣いらないわ。そこまで言うならお前らのあり金残部でいいわよ。勝ってその剣のせいで闇討ちにあったりしたらめんどくさいもの。そのかわり負けたら土下座でもなんでもやってあげるわよ」
イブキがさらに挑発に挑発を重ねる。
確かに妖精王の剣とかいらない。むしろずっとその剣をもって森の中をさ迷い続けて欲しいと思っているくらいだ。
「よし、この村の奥に決闘場があるから移動しようじゃないか。お前らもう泣いて謝っても許さないからな」
「のぞむところよ」
イブキとナオキが先頭をきって宿からでていく。
ノボルはボソッと「弱い者いじめは嫌いなんだよね」と俺の方を見ていったが嬉しそうな顔をしながら二人の後を追いかける。
相変わらずノボルは性格が悪いようだ。
「はぁ。ニクス、チョロさん仕方がないからいくよ」
『テルさんなら余裕です』
チョロさんがそう言うとニクスもうなずきながら羽をばたつかせる。
そんな期待されてもなー
俺はこの村がお祭りだというのを完全に失念していた。
村には宿屋が3軒あったがどこも満員で寝泊まりできる部屋はないと言われてしまった。
「納屋でもいいんですが」
「納屋はね……」
なんでも観光客以外にも王都から特別な来賓?がきているらしく、納屋もすでにいっぱいで兵士が泊まっているらしい。王都からの来賓って王都はまだ混乱しているんじゃないか? この時期になぜ? 姫を探すためか。
姫を探すにしても、今さらこんな田舎を探しにくるわけはない。
もし姫がまだ逃げているならわざわざお祭りを見にきたりするはずはないのだから。
姫だってどうせ逃げるならできるだけ人目は避けたいはずだ。
「イブキどうしようか? 食べ物だけ補充できれば別に村の外でもいいけど」
ここに来たのは花祭りと屋台目当てだ。
異世界の祭りに興味があったから寄ったにすぎない。
俺は考え事をしていたせいで、そいつらが来ているのに全然気が付かなかった。
こんなことならさっさと宿をでていればよかった。
「あれれ? こんなところに傘男がいるぞ」
「こらこらナオキ、傘に失礼じゃないか。彼はテルテル坊主くんだよ。あれ? 傘男と雨繋がりでかけているのか? ハハハッ! いったいこんな村で何をしているんだい。もしかして俺たちが一生懸命働いている時に花祭りを見に来たとか?」
そこには剣の勇者ナオキと弓の勇者ノボルがいた。
こんな奴らとこんな田舎で再会するとは、全然この村楽しくない。
「別に何をしてても関係ないだろ。お前らこそ早く魔王でも倒しに行ってろ」
「おぉ! 傘男にしては感が鋭いじゃないか。俺たちは魔王を倒しに行くためにこの妖精王の剣を持って今から妖精を仲間にしにいくんだよ。妖精を仲間にだよ。すごいだろ? 大事なことだから2回言ってやった」
ナオキが俺に自慢気に見せてきたのはきらびやかな装飾がされた長剣だった。
柄の部分には妖精の絵が描かれ、妖精の目には茶色い宝石がいれられている。
見ただけで趣味の悪さを感じさせる一品だ。
「その剣で妖精を探しにいくのか?」
「あぁこの剣を持っていれば妖精たちは俺たちに力を貸してくれるんだよ。あっこんな話傘男にしても仕方はないよね。なんの役にも立たないんだから」
ほんの数日前なら確実に怒りを覚えていただろう。
だけど、なんだこの気持ち。実際に妖精の国へ行った俺からするとこいつ等が偽物の剣をつかまされたのを知っているせいか、なぜか非常に可哀想になってくる。
これから何日も発見できない妖精を探して森の中を歩き続けるのだろう。
そのために兵士を連れ納屋まで貸し切りにしてまったく無駄なことを。
「いやーさすがお二人にはかないません。どうやったら妖精に会えるのか俺にも教えて頂いても?」
「なんだ傘男にしてはいいこころがけじゃないか。まぁお前なんかに教えてやらないけどな」
ナオキの嫌味も本当に可哀想になってきた。
からかうのもやめてあげよう。
これからずっと見つからない妖精を探して森の中をさ迷うのだろうから。
「そういえば傘男くん。この村では余興の一環として決闘ができるんだけど一緒にやらないかい? 剣の勇者である僕が直々に訓練をしてあげよう。なに礼にはおよばないさ」
ナオキが俺を挑発するように肩をバンバン叩きながらそう言ってきたところで、今までずっと黙っていたイブキがブチ切れた。
「さっきから聞いていればテルさんのこと馬鹿にしすぎていません? あんたたちのような雑魚がピーチク、パーチクうるせぇな。テルさんなら5分であんたらなんかボコボコにしてあげますわ。ねっ! テルさん」
イブキが俺の後ろから勇者たちに喧嘩を売っている。
俺のことをかばってくれるのはありがたいが、剣と弓相手に傘じゃ太刀打ちできるわけがない。ここは申し訳ないが……
「ほう。どうやら口の利き方を知らない奴隷のようだな。いいだろう。その奴隷を入れて4人で勝負しようじゃないか」
イブキの安い挑発をナオキが買ってしまう。
いや、辞めようぜ。やっても俺にメリットがないし。
「いや、そんなことをしても俺にメリットがない」
「テルさん、メリットはあります。こんな馬鹿たちに2度と絡まれることがなくなります。それだけで精神衛生上いいですよ」
いや、イブキここで別れればもう多分会うこともないだろうし、別に気にしてない。
「そうだな。じゃあお前たちが勝ったらこの妖精王の剣をあげようじゃないか。まぁ負けることはないがな。俺たちが勝ったらお前ら二人で土下座してもらおうか」
ナオキはよっぽど自信があるらしい。
その剣をなくしたら国へ戻った時に大目玉くらうに違いない。
「そんな剣いらないわ。そこまで言うならお前らのあり金残部でいいわよ。勝ってその剣のせいで闇討ちにあったりしたらめんどくさいもの。そのかわり負けたら土下座でもなんでもやってあげるわよ」
イブキがさらに挑発に挑発を重ねる。
確かに妖精王の剣とかいらない。むしろずっとその剣をもって森の中をさ迷い続けて欲しいと思っているくらいだ。
「よし、この村の奥に決闘場があるから移動しようじゃないか。お前らもう泣いて謝っても許さないからな」
「のぞむところよ」
イブキとナオキが先頭をきって宿からでていく。
ノボルはボソッと「弱い者いじめは嫌いなんだよね」と俺の方を見ていったが嬉しそうな顔をしながら二人の後を追いかける。
相変わらずノボルは性格が悪いようだ。
「はぁ。ニクス、チョロさん仕方がないからいくよ」
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