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勇者として神からもらった武器が傘だった俺は一人追い出された。えっ?なにこの傘軽く見積もって最高じゃん

ノベルバユーザー521142

いざ霧の森の中へ

 チョロさんは俺に今までどうやって生活をしてきたか教えてくれた。
 うっうっ……なんて可哀想なチョロさん。

「チョロさん俺たちと一緒に行くかい? 今後どうするかはほとんど決まってないけど」
「いいんですか? 僕なんにもできないですよ」

「いいよ。旅は道連れってね。もしどこかチョロさんが生活しやすい場所があればそこで別れてもいいし」
「やっぱり優しいですね。よろしくお願い致します」

 魔物とはいえ生い立ちを聞いてしまうと捨てるに捨てられない。
 話せるし街中で暴れるなんてこともないだろう。

「足は回復した?」
「もう完璧です」

 チョロさんの足を見ると傷痕すら残っていなかった。
 どうやら魔物は治りが早いようだ。

「チョロさんは鉱山で働いていたってことは力はあるの?」
「はい! 人よりは力があると思います」
「じゃあイブキや俺を乗せて歩くことできる?」
「余裕ですよ」

 試しにイブキと二人でチョロさんに乗ってみる。
 チョロさんは元気に走り回る。

「チョロさん大丈夫なの?」
「これくらいなら大丈夫です。こんなこともできますよ」

 チョロさんの足元に魔法陣が浮かびあがる。
 次の瞬間、数百メートル移動していた。

「チョロさんすごいな。これは移動魔法かい?」
「そうです。雷魔法で高速移動を可能にしてるんです」
 チョロさんは調子にのってさらに移動してくれた。
 でも、こっちって方向逆だよ。

「チョロさん、こっち方向逆だよ」
「えっ? やってしまいました。戻ります」

「よろしくね」
「あれ……魔力切れおこしました」
「チョロさん……」

 ニクスが羽で思いっきりチョロさんの頭を叩いていた。
 ニクスは新入りには厳しいようだ。

 その日はそのまま森の中で一泊する。
「チョロさんお風呂って入ったことある?」
「お風呂ってなんですか?」
「お風呂は……見てもらったほうが早いな」

 俺はチョロさんをお風呂に連れて行き、ついでに身体を洗ってやる。
「チョロさんじっとしていて」
 チョロさんを石鹸で洗うと茶色い羊かと思っていたが毛から汚れがおちると真っ白になった。白い色がすごくキレイな白をしている。

「チョロさん今まで茶色かと思っていたけど、すごく白いキレイな毛色しているね」
「そうなんですか? あんまり見てないのでわからないです。でも身体洗うの苦手です」
「キレイにならないとお風呂には入れないからね。我慢して」

 チョロさんはまるで別の羊のように見える。
「チョロさん、凄くキレイになったよ。よし、それじゃあお風呂にはいろ」
「こんなところに入るんですか? 水怖いです」
「まぁまぁ騙されたと思って」

 チョロさんをお風呂にいれるとチョロさんはとろけるように言いだした。
「ぷふぁ~テルさんすごくお風呂気持ちいいです」
「だろー。お風呂は正義だからな。後から入る人もいるから身体は洗ってからじゃないとダメなんだよ」

「これだけ気持ちいいなら身体洗うのも我慢できます」
「そりゃよかった」

 お風呂をでてから生活魔法の風を使ってチョロさんを乾かしてあげる。
「テルさんこの風も気持ちいいです~。テルさんと一緒にいると幸せです~。至れり尽くせりです~」

 俺たちがでたあとはイブキとニクスがお風呂に入ってもらう。
 俺たちはその間にブラッドボアを解体し焼き肉の準備をしておく。

「チョロさんはお肉食べられるの?」
「お肉食べられますよ。枯れ草しか食べさせてもらえなかったんですけどね」
「じゃあ今日は焼き肉パーティだね」
「楽しみです!」

 その日はお腹いっぱいになるまでみんなでブラッドボアを食べた。
 この肉はなんでこんなにも美味しいんだろうか。
 いくらでも食べられそうな気がする。

「テルさん、もう一生ついていきます~。ブラッドボア美味しいです。こんなに美味しい肉食べたの初めてです」

 チョロさんも気に入ってくれたようでよかった。
 イブキもニクスも美味しそうにお肉を食べている。
 できれば、野菜も食べてもらわないとな。

 夜はみんなでベットで横になった。
 チョロさんは非常に抱き心地が良かった。
 イブキもチョロさんに抱き着くようにみんなで横になると安心感がある。

 この世界に少しずつなじめてきているのが嬉しかった。

 翌日、森の中は霧がでていた。
 太陽の光は遮られ、1m先もわからない。

「イブキどうする? 今日はこのまま休んで明日いく? それとも今日村まで行ってしまう?」

 イブキは今日出発すると地面に文字を書いてくる。
 行きたいってことは行っても大丈夫ってことだろう。

「じゃあ霧だからみんな離れないように気を付けていこう」
 俺たちは霧の森の中を進むことにした。
 でも、まさか森であんな出会いがあるとは……この時は予想すらしていなかった。

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