勇者として神からもらった武器が傘だった俺は一人追い出された。えっ?なにこの傘軽く見積もって最高じゃん
羊の魔物チョロルの過去
チョロルは一角羊の群れの中に生を受けた。
一角羊は角が一本しかなく羊のような魔物で比較的知能が高く仲間意識が強かった。
でも生まれた瞬間からチョロルは仲間から拒否をされてしまう。
「なんてことだ。この子には角が二本ある。二角は不吉の象徴とされている。この子はこの群れにはいられないぞ」
「そんな。だってまだこの子は産まれたばかりなのに……どうかこの子が自分で餌を食べられるまで」
一角羊の群れはかつて二角羊が生まれて数年後に何度か群れが絶滅しそうになったことがあった。
二角羊が生まれた時代というのは、この群れに病気、飢饉、魔王、勇者など様々な災いが襲い絶滅寸前にまで群れの数を減らされてきたのだった。
でも実際は二角羊がいたからこそ群れが生き残れていた。
二角羊はその災害の時にこそ輝く才能を持って生まれてきたのだった。
群れの中では不吉の象徴でありながら非常時だからこそ輝く力を持ち、群れを生き残らせるために天がこの群れに与えた才能といっても過言ではなかった。
だが、その優秀さは一角羊には受け入れるものではなかった。
容姿が違い、彼らに自分たちよりも優秀な存在を受け入れるだけの器量はなかったのだ。二角は同じく生まれた子供たちよりも倍のスピードで成長しいく。
本来なら次世代のリーダーになるべく存在であり、群れを導くための進化であったが平等を好む一角羊たちにとって二角羊は目障りな存在だった。
何度も二角羊により危機を救われたはずが、やがて二角の羊は群れに危機にもたらす羊と言われ忌み嫌われるようになる。
才能に溢れたモノが必ず報われるとは限らなかったのだ。
チョロルの親は一人で食事がとれるまで群れで面倒をみさせて欲しいと族長に懇願し、なんとか1年間だけ群れで生活することを許された。
だが、長く群れに置いておけば必ず群れに危機をもたらすとされ1歳で旅立つことが決まっていた。
チョロルはその1年間でも幸せに生きることはできず、群れの仲間からいじめられてしまう。
のけものにされ、角が二本あることをバカにされる日々。
「あの子には近づいてはダメよ。二角は不吉の証拠だから」
「絶対に遊んじゃダメ」
「悪いがお前に食べさせる食事はない」
チョロルは群れのどこへ行っても一人ぼっちだった。
時々話しかけられる一角羊は
「チョロルはチョロチョロすんじゃねぇよ」
なんて罵られたり、
「チョロルはチョロいからからかってやろうぜ」
などと言われてしまう。
でもチョロルは気にしなかった。
チョロルに唯一優しくしてくれた母に心配をかけたくなかったのだ。
「チョロルごめんなさい。あなたには辛い思いばかりをさせて。私があなたを二角で産んでしまったばっかりに」
「ううん。大丈夫だよ。僕はお父さんとお母さんの角を一本ずつもらえたと思って嬉しいよ」
「あなたは本当に優しい子。あなたのその優しさをずっと持っていてね」
そして1年がたちチョロルは群れから追い出される。
チョロルの母は最後まで泣いていたがチョロルは母さんを悲しませてしまう自分がいることが悪いことだと思い旅立つ。
それからチョロルは一人で森の中で生活する。
群れから見つからないように隠れながら。
ずっと群れで生活していたチョロルにとって森での生活は常に危険との隣り合わせだった。だが、そこでチョロルは二角としての才能を発揮する。
チョロルはスピード、力、共に一角羊の数倍のものがあったおかげで森の魔物に襲われてもなんとか逃げ切ったり倒したりすることができた。
ただ、チョロルはチョロかった。
たまたま出会った人間に餌をもらったのをきっかけに鉱山へと連れていかれる。
チョロルはここで地獄を見る。
24時間中23時間働かさせ、ムチで打たれ、食事は枯草だけだった。
チョロルは魔物の中でもタフで真面目だった。
でもそれが仇となった。
チョロルは使い潰される勢いで働かされたがそれを耐えてしまった。
「なんだこの魔物は」
「面白いじゃないか。どれだけ耐えられるのかやらせてみようぜ」
「そうだな。面白そうだ」
チョロルはほぼ短時間の睡眠と限られた食料だけで約1年間働き続けた。
なんでこんなところでこんなことをしているのかもわからないまま。
1年後。
鉱山でチョロルはいなくてはならない労働の要になっていた。
でも、チョロルは1年たっても自分がなんでこんなことをしているのかわからなかった。
毎日ムチで打たれ、23時間働かさせられ。
誰とも話すこともできず。
そんなある日、暴れ大亀があらわれ鉱山の入口があいた。
チョロルは思った。
もしかしたら逃げられるかも知れない。
そう思った瞬間チョロルは走りだしていた。
後ろから人間が追いかけてきたがチョロルはそのまま走り抜ける。
途中風魔法や火魔法などで攻撃を受け怪我をしたがそのまま振り返らずに走り抜けた。
どこかここではない場所を求めて。
一角羊は角が一本しかなく羊のような魔物で比較的知能が高く仲間意識が強かった。
でも生まれた瞬間からチョロルは仲間から拒否をされてしまう。
「なんてことだ。この子には角が二本ある。二角は不吉の象徴とされている。この子はこの群れにはいられないぞ」
「そんな。だってまだこの子は産まれたばかりなのに……どうかこの子が自分で餌を食べられるまで」
一角羊の群れはかつて二角羊が生まれて数年後に何度か群れが絶滅しそうになったことがあった。
二角羊が生まれた時代というのは、この群れに病気、飢饉、魔王、勇者など様々な災いが襲い絶滅寸前にまで群れの数を減らされてきたのだった。
でも実際は二角羊がいたからこそ群れが生き残れていた。
二角羊はその災害の時にこそ輝く才能を持って生まれてきたのだった。
群れの中では不吉の象徴でありながら非常時だからこそ輝く力を持ち、群れを生き残らせるために天がこの群れに与えた才能といっても過言ではなかった。
だが、その優秀さは一角羊には受け入れるものではなかった。
容姿が違い、彼らに自分たちよりも優秀な存在を受け入れるだけの器量はなかったのだ。二角は同じく生まれた子供たちよりも倍のスピードで成長しいく。
本来なら次世代のリーダーになるべく存在であり、群れを導くための進化であったが平等を好む一角羊たちにとって二角羊は目障りな存在だった。
何度も二角羊により危機を救われたはずが、やがて二角の羊は群れに危機にもたらす羊と言われ忌み嫌われるようになる。
才能に溢れたモノが必ず報われるとは限らなかったのだ。
チョロルの親は一人で食事がとれるまで群れで面倒をみさせて欲しいと族長に懇願し、なんとか1年間だけ群れで生活することを許された。
だが、長く群れに置いておけば必ず群れに危機をもたらすとされ1歳で旅立つことが決まっていた。
チョロルはその1年間でも幸せに生きることはできず、群れの仲間からいじめられてしまう。
のけものにされ、角が二本あることをバカにされる日々。
「あの子には近づいてはダメよ。二角は不吉の証拠だから」
「絶対に遊んじゃダメ」
「悪いがお前に食べさせる食事はない」
チョロルは群れのどこへ行っても一人ぼっちだった。
時々話しかけられる一角羊は
「チョロルはチョロチョロすんじゃねぇよ」
なんて罵られたり、
「チョロルはチョロいからからかってやろうぜ」
などと言われてしまう。
でもチョロルは気にしなかった。
チョロルに唯一優しくしてくれた母に心配をかけたくなかったのだ。
「チョロルごめんなさい。あなたには辛い思いばかりをさせて。私があなたを二角で産んでしまったばっかりに」
「ううん。大丈夫だよ。僕はお父さんとお母さんの角を一本ずつもらえたと思って嬉しいよ」
「あなたは本当に優しい子。あなたのその優しさをずっと持っていてね」
そして1年がたちチョロルは群れから追い出される。
チョロルの母は最後まで泣いていたがチョロルは母さんを悲しませてしまう自分がいることが悪いことだと思い旅立つ。
それからチョロルは一人で森の中で生活する。
群れから見つからないように隠れながら。
ずっと群れで生活していたチョロルにとって森での生活は常に危険との隣り合わせだった。だが、そこでチョロルは二角としての才能を発揮する。
チョロルはスピード、力、共に一角羊の数倍のものがあったおかげで森の魔物に襲われてもなんとか逃げ切ったり倒したりすることができた。
ただ、チョロルはチョロかった。
たまたま出会った人間に餌をもらったのをきっかけに鉱山へと連れていかれる。
チョロルはここで地獄を見る。
24時間中23時間働かさせ、ムチで打たれ、食事は枯草だけだった。
チョロルは魔物の中でもタフで真面目だった。
でもそれが仇となった。
チョロルは使い潰される勢いで働かされたがそれを耐えてしまった。
「なんだこの魔物は」
「面白いじゃないか。どれだけ耐えられるのかやらせてみようぜ」
「そうだな。面白そうだ」
チョロルはほぼ短時間の睡眠と限られた食料だけで約1年間働き続けた。
なんでこんなところでこんなことをしているのかもわからないまま。
1年後。
鉱山でチョロルはいなくてはならない労働の要になっていた。
でも、チョロルは1年たっても自分がなんでこんなことをしているのかわからなかった。
毎日ムチで打たれ、23時間働かさせられ。
誰とも話すこともできず。
そんなある日、暴れ大亀があらわれ鉱山の入口があいた。
チョロルは思った。
もしかしたら逃げられるかも知れない。
そう思った瞬間チョロルは走りだしていた。
後ろから人間が追いかけてきたがチョロルはそのまま走り抜ける。
途中風魔法や火魔法などで攻撃を受け怪我をしたがそのまま振り返らずに走り抜けた。
どこかここではない場所を求めて。
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