勇者として神からもらった武器が傘だった俺は一人追い出された。えっ?なにこの傘軽く見積もって最高じゃん
旅立ちの朝
その日俺は太陽と共に起きた。
「うーん! 旅立ちにはちょうどいい天気だな」
俺の髪の毛にひっつくようにニクスが寝ている。
絶対俺の頭を鳥の巣か何かと勘違いしている気がする。
部屋の中を見回すと、すでにイブキが簡単な料理をすませ最後の片付けをしていた。
異世界にきて初めての拠点だったから少し寂しい気もする。
でも、数カ月は生活できるだけのお金は稼ぐことができた。
少し旅をしながらこの世界を見て定住できる場所を探してもいい。
魔王とかには絡みたくはないが、もし可能ならタニア姫を探したい。
この世界にはポーションという魔法の薬がある。
どんな傷でも治ってしまう薬があるくらいだから、怪我をして逃げたといっても死んだとは限らない。
王国の兵士たちが血眼になって探しているのに見つからないということは、もうどこか他の国へ逃げた可能性もあるが……。
行った先で姫の情報も聞いてみよう。
イブキと一緒に朝食をとり、ニクスにはポーションを与える。
ニクスは他の餌よりもポーションの方が好きなようだ。
「ピヨヨヨン」
ニクスはおしゃべりが好きなようでいつも何かしゃべっている。
もう飛べるようになったようで、俺の頭に乗ったり、イブキの肩に乗ったり大忙しだ。
「さて、そろそろ行こうか」
イブキは頷く。俺は傘と短剣を持ち、イブキはニコバアから貰ったバックを持ってもらう。バックは中に色々な物が入る割に軽く負担は少ないからだ。
熱鉱石なども鞄の中にしまったので、これがあれば旅の途中で土魔法で地面に穴を掘って石を敷き詰め水をはればお風呂にも入り放題だ。
なぜかこの世界にきてお風呂のことばかり考えている気がする。
でも清潔にしておくことでかかる病気のリスクは減らせるのでよしとしておこう。
最後にニコバアの雑貨屋へ顔をだす。
「ニコバア、色々ありがとうございました。この村で最初に出会えたのがニコバアで良かったです」
「なに言ってるんだよ。私だって荷物持ちやってもらって腰までなおしてもらったんだから。あんたがこの村に来てくれて喜んでいる奴はいっぱいいるよ。身体の不調を訴えていた奴は多かったからね」
「少しでも喜んでもらえたなら良かったですよ。あとこれポーションを作成したのでよかったら使ってください」
ニコバアは嬉しそうな顔をしたあと、ちょっといたずらっ子がするような笑顔で俺に聞いてくる。
「素人が作ったポーションなんて大丈夫なのかい? お腹壊したりしないかい?」」
「大丈夫ですよ。なら俺が1本飲んでみますから」
俺はポーションの蓋をあけいっきに飲み干す。そして、
「うっ……腹が……」
急に腹を抱え込み苦しむフリをする俺。
「大丈夫かい?」
ニコバアがまったく心のこもっていない感じで声をかけてくれる。
イブキは急に俺がお腹を押さえて苦しみだしたので慌ててお腹を触りなでてくる。くすぐったい。
「イブキ大丈夫だよ。ちょっとした冗談だから」
イブキがこんなに心配してくれるとは思わなかった。
イブキはなぜか思いっきり俺の肩を叩き、頬を膨らませている。
ちょっと可愛いなと思ったので膨らんだ頬を人差し指で押したらさらに怒られた。
「あんたたち本当に仲がいいね。この腹痛をおこすポーションはもらっておくよ」
「どうぞ、どうぞ。素人が作ったものなので気休めくらいですが、ないよりはマシだと思いますので5本もおいておきますね」
俺はニコバアにポーションを渡す。ニコバアは大事そうに受け取り戸棚にしまった。
「まぁ慢性的な腰の痛みが治る水を原料にしてるんだろうから、作る人間の腕はダメでも効果はありそうだねぇ」
ニコバアはそんな悪態をついていたが目からはうっすらと涙がこぼれていた。
意外とニコバアは涙もろいようだ。
俺はニコバアの前に手をだす。
「また会いにきますね」
「あぁ楽しみにしてるよ。本当に短い間だけどあんたらと会えて楽しかったよ」
ニコバアは俺の手を握ったが年齢を重ねているとは思えないほど力強かった。
俺から手を離したあと、今度はそのままイブキのことを優しく抱きしめる。
「イブキこれからも大変なことは沢山あるだろうけどね。負けるんじゃないよ。辛い時は全部テルに任せちゃえばいいからね。テルは意外とできる子だから、絶対なんとかしてくれるからね」
イブキは大きく頷いている。イブキも少し泣きそうになっている。
「テル、イブキを泣かせたら容赦しないからね」
「わかってるよ」
「ニクスも元気でやるんだよ」
ニクスはニコバアの頭の上を一周飛んだあと、ニコバアの肩にのって頬に優しくキスをする。
ニクスお年寄り相手とはいえ、どこでそんな高等技術を習った。
俺にも教えて欲しい。
こうして俺たちの冒険がはじまった。
俺たちの旅はまだまだ終わらない。
「うーん! 旅立ちにはちょうどいい天気だな」
俺の髪の毛にひっつくようにニクスが寝ている。
絶対俺の頭を鳥の巣か何かと勘違いしている気がする。
部屋の中を見回すと、すでにイブキが簡単な料理をすませ最後の片付けをしていた。
異世界にきて初めての拠点だったから少し寂しい気もする。
でも、数カ月は生活できるだけのお金は稼ぐことができた。
少し旅をしながらこの世界を見て定住できる場所を探してもいい。
魔王とかには絡みたくはないが、もし可能ならタニア姫を探したい。
この世界にはポーションという魔法の薬がある。
どんな傷でも治ってしまう薬があるくらいだから、怪我をして逃げたといっても死んだとは限らない。
王国の兵士たちが血眼になって探しているのに見つからないということは、もうどこか他の国へ逃げた可能性もあるが……。
行った先で姫の情報も聞いてみよう。
イブキと一緒に朝食をとり、ニクスにはポーションを与える。
ニクスは他の餌よりもポーションの方が好きなようだ。
「ピヨヨヨン」
ニクスはおしゃべりが好きなようでいつも何かしゃべっている。
もう飛べるようになったようで、俺の頭に乗ったり、イブキの肩に乗ったり大忙しだ。
「さて、そろそろ行こうか」
イブキは頷く。俺は傘と短剣を持ち、イブキはニコバアから貰ったバックを持ってもらう。バックは中に色々な物が入る割に軽く負担は少ないからだ。
熱鉱石なども鞄の中にしまったので、これがあれば旅の途中で土魔法で地面に穴を掘って石を敷き詰め水をはればお風呂にも入り放題だ。
なぜかこの世界にきてお風呂のことばかり考えている気がする。
でも清潔にしておくことでかかる病気のリスクは減らせるのでよしとしておこう。
最後にニコバアの雑貨屋へ顔をだす。
「ニコバア、色々ありがとうございました。この村で最初に出会えたのがニコバアで良かったです」
「なに言ってるんだよ。私だって荷物持ちやってもらって腰までなおしてもらったんだから。あんたがこの村に来てくれて喜んでいる奴はいっぱいいるよ。身体の不調を訴えていた奴は多かったからね」
「少しでも喜んでもらえたなら良かったですよ。あとこれポーションを作成したのでよかったら使ってください」
ニコバアは嬉しそうな顔をしたあと、ちょっといたずらっ子がするような笑顔で俺に聞いてくる。
「素人が作ったポーションなんて大丈夫なのかい? お腹壊したりしないかい?」」
「大丈夫ですよ。なら俺が1本飲んでみますから」
俺はポーションの蓋をあけいっきに飲み干す。そして、
「うっ……腹が……」
急に腹を抱え込み苦しむフリをする俺。
「大丈夫かい?」
ニコバアがまったく心のこもっていない感じで声をかけてくれる。
イブキは急に俺がお腹を押さえて苦しみだしたので慌ててお腹を触りなでてくる。くすぐったい。
「イブキ大丈夫だよ。ちょっとした冗談だから」
イブキがこんなに心配してくれるとは思わなかった。
イブキはなぜか思いっきり俺の肩を叩き、頬を膨らませている。
ちょっと可愛いなと思ったので膨らんだ頬を人差し指で押したらさらに怒られた。
「あんたたち本当に仲がいいね。この腹痛をおこすポーションはもらっておくよ」
「どうぞ、どうぞ。素人が作ったものなので気休めくらいですが、ないよりはマシだと思いますので5本もおいておきますね」
俺はニコバアにポーションを渡す。ニコバアは大事そうに受け取り戸棚にしまった。
「まぁ慢性的な腰の痛みが治る水を原料にしてるんだろうから、作る人間の腕はダメでも効果はありそうだねぇ」
ニコバアはそんな悪態をついていたが目からはうっすらと涙がこぼれていた。
意外とニコバアは涙もろいようだ。
俺はニコバアの前に手をだす。
「また会いにきますね」
「あぁ楽しみにしてるよ。本当に短い間だけどあんたらと会えて楽しかったよ」
ニコバアは俺の手を握ったが年齢を重ねているとは思えないほど力強かった。
俺から手を離したあと、今度はそのままイブキのことを優しく抱きしめる。
「イブキこれからも大変なことは沢山あるだろうけどね。負けるんじゃないよ。辛い時は全部テルに任せちゃえばいいからね。テルは意外とできる子だから、絶対なんとかしてくれるからね」
イブキは大きく頷いている。イブキも少し泣きそうになっている。
「テル、イブキを泣かせたら容赦しないからね」
「わかってるよ」
「ニクスも元気でやるんだよ」
ニクスはニコバアの頭の上を一周飛んだあと、ニコバアの肩にのって頬に優しくキスをする。
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