勇者として神からもらった武器が傘だった俺は一人追い出された。えっ?なにこの傘軽く見積もって最高じゃん
【閑話】 ギルド長室内での黒い話
~ギルド長サブルク視点~
ギルド長室で仕事をしていると、ノックもなく扉があいた。
「モッサ。ギルド長室に入る時にはノックぐらいしろって言っているだろ」
「悪いな、サブルク。それよりも例の件の調査がでた」
「一応、ギルド内ではギルド長と呼べ」
「あぁわかったよ。サブルク」
モッサは俺の弟だ。どうしようもない奴だが見捨てるわけにもいかず、ギルド内で雑用をやらせている。たまに受付も任せるがこいつが受付をするとクレームが多いのであまりやらせることはないが。
「それで、どうだったんだ? 本当にあの風呂屋の水はポーションなのか?」
「あぁ間違いない。俺は昨日わざわざ目立たないところに傷を作って風呂に入りにいったがでるころには傷が消えていた。あれは風呂が身体にいいとかの問題じゃない」
最近新しくきた冒険者が始めた風呂屋の水に入ると異常に回復がいいという噂があった。
風呂屋に入った連中の傷が治ったとか美肌になったと騒いでおり、まさかとは思ったが一応確認をさせにいったのだ。
俺も信じられなかったが、ここ最近この村で使っているポーションの使用量が一気に減っていた。年寄り連中が飲んでいたポーションの消費がなくなっているのだ。
しかし、風呂にポーションを使うとは普通だったらありえない。
それだけの量があれば一財産築けるというのに。
「原因は?」
「多分……あの井戸だな。それとなく雑貨屋のババアに聞いて見たらあそこの井戸から水を入れてるって話だ」
「あそこの井戸はそれほど水量がなかったはずだ」
「だから、何か別の原因があるんだろう。ここ数年で水位があがったとか。普通なら風呂屋をやるよりポーションを売った方が何倍も稼げる。それでもアイツはいまだに薬草採りをしているってことはこの事実に気がついていない可能性が高い」
ポーションも水も透明であることにはかわりない。
井戸水が原料なら飲んでも味がなく、少し体力が回復するくらいで気にしない可能性もある。
だけど、井戸の水がポーションになるなんてことがありえるのか?
「井戸水がポーションになるなんて聞いたことがないぞ」
「俺も普通はそう思う。だけど、あそこの家を作ったのは変人ユヤだ。風呂を作るためだけに親の財産を使い切る男だぞ。南方の国にはポーション石なんていう石もあるらしいからな。もしかしたら……」
「ポーション石か……確かにそれならできなくもないが、でもあれは南方の国から外に持ち出すことは禁止されているはずだ。まさかそれを取り寄せるのに財産を使いきったと。でもそれならその石は持って行くのが普通だろ」
ポーション石は南方のサモルノリナでごく少量とれる石で、水の中にいれるとその水がポーションになる魔石だ。希少性が高く国の外に持ち出すことは禁止になっている。
「普通の引っ越しならな。あいつは強欲商人のモンテロンドに金を借りていたからな。見つかったら没収されるとわかっているなら、あそこの井戸に置いていった方が安全だと思ったんじゃないのか?」
確かに一理ある。モンテロンドに狙われたら死ぬまで追いつめられるという話だ。
「それで、どうするんだ? 今さら出て行けとも言えないだろう」
「あぁだから、自分で出て行ってもらうことにした。作戦としては……」
「なるほど。それなら確かにいいな。でもそれで大丈夫なのか」
モッサは昔から悪知恵だけは働く。
「大丈夫だ。風呂屋さえ手に入ってしまえば、サブルクの女遊びの代金もあれを売り払った代金もすぐに回収することができる。じゃあギルドの方には俺から話を通しておくから」
「モッサ余計なことは言うなよ」
「大丈夫だよ。あんなものを使う機会はこの村ではない。また買い戻しておけば問題ない」
「仕方がないんだ。モコにゃんが欲しいものがあるっていうからな」
ちょっとギルドの物を一時的に借りただけだ。
別にあとで返しておけば問題ない。
「遊びもほどほどにしておけよ」
「ふん。息抜きがなければこんな仕事やっておれんわ。じゃあ後は頼んだぞ」
「任せておけ」
モッサに任せておけば問題はないだろう。
俺もこんな田舎のギルドマスターなんてさっさとやめて出世をしてやるんだ。
ギルド長室で仕事をしていると、ノックもなく扉があいた。
「モッサ。ギルド長室に入る時にはノックぐらいしろって言っているだろ」
「悪いな、サブルク。それよりも例の件の調査がでた」
「一応、ギルド内ではギルド長と呼べ」
「あぁわかったよ。サブルク」
モッサは俺の弟だ。どうしようもない奴だが見捨てるわけにもいかず、ギルド内で雑用をやらせている。たまに受付も任せるがこいつが受付をするとクレームが多いのであまりやらせることはないが。
「それで、どうだったんだ? 本当にあの風呂屋の水はポーションなのか?」
「あぁ間違いない。俺は昨日わざわざ目立たないところに傷を作って風呂に入りにいったがでるころには傷が消えていた。あれは風呂が身体にいいとかの問題じゃない」
最近新しくきた冒険者が始めた風呂屋の水に入ると異常に回復がいいという噂があった。
風呂屋に入った連中の傷が治ったとか美肌になったと騒いでおり、まさかとは思ったが一応確認をさせにいったのだ。
俺も信じられなかったが、ここ最近この村で使っているポーションの使用量が一気に減っていた。年寄り連中が飲んでいたポーションの消費がなくなっているのだ。
しかし、風呂にポーションを使うとは普通だったらありえない。
それだけの量があれば一財産築けるというのに。
「原因は?」
「多分……あの井戸だな。それとなく雑貨屋のババアに聞いて見たらあそこの井戸から水を入れてるって話だ」
「あそこの井戸はそれほど水量がなかったはずだ」
「だから、何か別の原因があるんだろう。ここ数年で水位があがったとか。普通なら風呂屋をやるよりポーションを売った方が何倍も稼げる。それでもアイツはいまだに薬草採りをしているってことはこの事実に気がついていない可能性が高い」
ポーションも水も透明であることにはかわりない。
井戸水が原料なら飲んでも味がなく、少し体力が回復するくらいで気にしない可能性もある。
だけど、井戸の水がポーションになるなんてことがありえるのか?
「井戸水がポーションになるなんて聞いたことがないぞ」
「俺も普通はそう思う。だけど、あそこの家を作ったのは変人ユヤだ。風呂を作るためだけに親の財産を使い切る男だぞ。南方の国にはポーション石なんていう石もあるらしいからな。もしかしたら……」
「ポーション石か……確かにそれならできなくもないが、でもあれは南方の国から外に持ち出すことは禁止されているはずだ。まさかそれを取り寄せるのに財産を使いきったと。でもそれならその石は持って行くのが普通だろ」
ポーション石は南方のサモルノリナでごく少量とれる石で、水の中にいれるとその水がポーションになる魔石だ。希少性が高く国の外に持ち出すことは禁止になっている。
「普通の引っ越しならな。あいつは強欲商人のモンテロンドに金を借りていたからな。見つかったら没収されるとわかっているなら、あそこの井戸に置いていった方が安全だと思ったんじゃないのか?」
確かに一理ある。モンテロンドに狙われたら死ぬまで追いつめられるという話だ。
「それで、どうするんだ? 今さら出て行けとも言えないだろう」
「あぁだから、自分で出て行ってもらうことにした。作戦としては……」
「なるほど。それなら確かにいいな。でもそれで大丈夫なのか」
モッサは昔から悪知恵だけは働く。
「大丈夫だ。風呂屋さえ手に入ってしまえば、サブルクの女遊びの代金もあれを売り払った代金もすぐに回収することができる。じゃあギルドの方には俺から話を通しておくから」
「モッサ余計なことは言うなよ」
「大丈夫だよ。あんなものを使う機会はこの村ではない。また買い戻しておけば問題ない」
「仕方がないんだ。モコにゃんが欲しいものがあるっていうからな」
ちょっとギルドの物を一時的に借りただけだ。
別にあとで返しておけば問題ない。
「遊びもほどほどにしておけよ」
「ふん。息抜きがなければこんな仕事やっておれんわ。じゃあ後は頼んだぞ」
「任せておけ」
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コメント
黒澤伊織
予選通過おめでとうございます!