勇者として神からもらった武器が傘だった俺は一人追い出された。えっ?なにこの傘軽く見積もって最高じゃん

ノベルバユーザー521142

海岸を掃除していると変わった卵を拾った。これって食べられるのか? 

 冒険者ギルドにいくと、今日はいつもと違った海藻拾いの依頼があった。
 薬草の依頼よりも単価が高く期間限定依頼のようだった。
 俺は依頼ボードから依頼を剥がして受付にいく。

「おはようございます。お帰りになられたのですね。テル様今日はどんな依頼をお受けになりますか?」

「おはようキロル。今日はこれをうけようと思って」
 キロルは女性の受付で初日の態度の悪いオッサンと違って優しくて笑顔が魅力的な女性だ。
 仕事も丁寧で早いのに、なぜかキロルの受付だけ人がいつも並んでいるなんて話もある。

「こちらの依頼は海藻拾いの限定クエストになりますね。今日の夕方には一度納品をしてもらえればと思います。こちらがいれる袋になります」

 そう言って麻袋のような袋を渡される。
 姫から受け取った袋もこんな袋だった。
 この世界ではこれが主流なのかもしれない。

「ありがとう。それじゃあまた夕方納品しにくるね」
「お待ちしております。お気をつけていってらっしゃいませ」

 キロルは忙しくても一人、一人に頭を下げ笑顔で送り出してくれる。
 彼女が休みの時には依頼があまっていたりすることが多いので彼女の力はかなり偉大だ。いや、あの男の態度が悪すぎるのか。

 異世界へきて初めて海へ来た。
 ずっと塩の香りはしていたのに海までくる余裕もなかったようだ。

 海は広いな大きいな。
 ここの海は南の島のような海で水が透きとおり綺麗な青だった。

 ずっと白い砂浜が続いている。
 白い砂浜には海藻が打ち上げられており、今回の依頼はこの海藻をひたすら拾っていく。
 いろいろな海藻が打ちあがっていくが、海藻であればどんなものでもいいということだった。
 ものすごく地味な作業だ。

 ギルドからもらった袋にひたすら入れていく。
 海岸掃除のようなものだろう。

 一日かけて海藻を拾い終わり、海岸を眺めてみると朝にはなかった卵のようなものが海岸に打ち上げられていた。
 大きさとしてはソフトボールくらいの大きさで赤とオレンジの模様がある。

 さすが異世界の卵だ。カラフルで見ているだけでも楽しくなる。
 この卵食べられるのだろうか。

 でも、いつ産んだのわからないしな。
 生で食べるのは怖い。
 持って帰ってみてイブキに見せてみるか。

 もし、何か生まれるなら育てればいいし、これだけキレイなら飾っておいてもいい。
 男一人だったせいで家の中が殺風景だからな。

 って、イブキは目が見えないから余計なものはおかない方がいいか。
 まぁ帰って相談して決めよう。

 持ってきた鞄に卵をしまいギルドには海藻採りの報告をしにいく。
 今までだいたいギルドでの報酬は3000ペトからだったが、今回の海藻採取は1日で8000ペトもらえた。

 かなりいい仕事だ。
 常時ではないのが残念だが、今日は少し多めにお金がもらえたのでイブキにお土産を買っていってあげよう。

 イブキは何を買っていったら喜んでくれるだろうか。
 考えるだけでニヤケている自分がいた。

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