冒険者ギルドで初めての依頼。

　翌日冒険者ギルドで初めての依頼を受ける。
　初日にいた嫌なおっさんはその日は休みのようで受け付けは若い女性になっていた。
　冒険者ギルドでの依頼と言えばもちろん、薬草の採取だ。

　これのためにこの村へ来たと言っても過言ではない。
　だって危ない魔物のいるところで薬草採取して死んだら元も子もないじゃん。
　薬草採取はギルドの依頼の中でも一番安い価格だった。

　誰にでもできる仕事だがやりたがる人は少なく、この村では下位のランクの冒険者が持ち回りで仕方がなく受けるようなものらしい。

　みんな冒険者になったからには、一攫千金や魔物との戦いを熱望している人が多く、大切な仕事ではあるが薬草の採取は軽視されがちだという。

　まだお金はあるので、もらえるお金は少しでもこの世界に慣れていくことが大切だ。
　冒険者登録はすんでいるので、採ってくる薬草の形や注意点を受け付けのお姉さんに確認する。

　前回のことがあったので怒られたらどうしようかと思ったが今日の人は非常に優しくて可愛かった。

「こちら薬草の植物図鑑になります。傷薬とかの原料の草は見分けがしやすいですが、もしわからない場合にはギルドに持ってきてくれればそこで判断をしますので安心してください」

　営業スマイルだというのはわかっているが、なんだこの可愛さ。
　傷薬になる薬草はタンポポに似た黄色い花の咲く草だった。これ以外にも火傷に効く草や麻痺、痺れ、毒など色々な薬草があると教えてくれる。

　今日の受付の人は優しくて本当に良かった。
　その薬草から色々なポーションという回復薬が作られるということだった。

　上位のポーションはこの村では作られないが冒険者ギルドのギルド長の部屋には冒険者が大怪我をしたときように準備があるなど色々教えてくれた。

　上位のポーションなどはかなりのお金が必要で、薬草採取では一生かかっても払えない値段なので命が危険になるような怪我しないように気を付けてくださいと言われてしまった。

　命に値段はつけられないが、そのポーションは本当に人の命と変わらないのだろう。
　受付のお姉さんから薬草採取の依頼の半券を受け取り、冒険者ギルドをでる。

　まずは、薬草採取の依頼を完璧にこなそう。