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勇者として神からもらった武器が傘だった俺は一人追い出された。えっ?なにこの傘軽く見積もって最高じゃん

ノベルバユーザー521142

異世界で家を探してみた。風呂つきはあったが……

 冒険者ギルドへつくと、ギルド内は閑散としていて王都とは全然違う感じだった。
 クエスト受注と書かれた受付には中年のおっさんが座っており、何やら新聞のようなものを読んでいる。かなり田舎なので暇なのだろう。

 さすが田舎のギルドだ。きっと色々と王都とは違って緩いのかもしれない。
 冒険者住宅案内と書かれた受付があったのでそこへ行き声をかける。

「すみません。家を探しているんですが」

 受付で声をかけるが、誰もでてこない。
 しばらくすると、先ほどクエスト受注のところにいたおっさんがあらわれる。
 人手不足なのか、受付を一人でまわしているようだった。

「はいよ。それでどんな家がいい?」 

 いきなりどんな家と言われても困ってしまう。
 普通の家の基準がそもそもわかっていないしな。

「えっと、どんな家があるんでしょうか? ちょっと田舎からきたもので初めて家を借りるもので」
「安いのから高いのまで。予算は?」
「通常どれくらいが基準なのでしょうか?」

「チッ……そうだな。あんたクラスだと2万ペトくらいの家がいいんじゃいか」
 余計な説明をさせるなと言わんばかりにあきらかに態度が悪い。

 もうすでに心折れそうになってくる。
「そこの物件見させてもらうことはできますか?」
「チッ……じゃあ若いのに案内させるか少し待っててくれ」

 また舌打ちしやがった。
 もしかして異世界って舌打ちは友好の証だったりする?
 こっちのルールがよくわからないが深くは考えない。

 どこでにもそういう人はいるものだ。
 近くに長椅子があったのでそこで待っている。

 おっさんは……さっきの新聞のようなものをまた読みだしている。
 もう伝えてくれたのだろうか。

 全然若い人に案内させてくれる感じじゃないんだけど。
 それからしばらく椅子に座って待っていたがまったく何もないのでクエストとか見て時間を潰す。

 文字が読めて本当によかった。
 クエストは王都と違って数が少ない。そのぶん危険なものも少ないようだ。

 それからしばらくしても呼ばれないので受付に声をかける。
「すみません。それで案内はいつ頃……」
「あん? 少しくらい待てねぇのかよ」

 おっさんは文句を言いながら受付を離れ、他の職員と何か話をしている。
 職員は急いで俺のところへくると頭を下げながらお待たせしてしまってすみませんと謝ってくれた。

 なんであの人が受付してるのか不思議でならない。
 それから、俺はおっさんとは別のギルド職員に案内され家を見に行く。案内してくれたのは銀髪でイケメンの爽やか青年だった。

 予算を聞かれたでの、できるだけ安くと伝えると2万ペトというのがこの村でも最低価格らしい。

 固定費はできるだけ抑えたいので2万ペトの家を案内してもらう。
 場所は村の外れでなんと横がニコバアの雑貨屋だった。

「こちらになります。結構年数がたっているので隙間風などはありますが、広さと、このあと見ていただくお風呂はなかなかのものだと思います。ただ、水魔法が使えないと家賃以上にお金がかかってしまいますが」

 案内された場所にあったのはよく言えばほったて小屋、悪く言えば廃屋だった。もう何年も手入れがなされていないようだ。

 扉を開けると古い家にありがちな『ギッー』という耳障りな音がする。部屋の中は埃だらけで住むにしても掃除が大変そうだ。

「ここって修理とか手をくわえてもいいんですか?」

「もちろんです。むしろ直して使ってもらえるなら私共としても大歓迎です。ここは家は古いですが、お風呂はかなり豪華ですので」

 お風呂を見せてもらうと、昔の俺の家の6倍くらいの広さがある。小さな田舎の温泉風呂くらいありそうだ。しかもしっかりとかけ湯をするところや身体を洗うところもついている。

「この家の元の持ち主はお風呂に入ることが好きすぎて。お風呂を豪華にするのに先にお風呂を作ったら家まで予算がまわらなくなってしまったようで。一応井戸はあるんですが、お風呂をいっぱいにするほどはないみたいです。元の持ち主は毎日水の魔法使いを家に呼んではお風呂に入っていたところ、破産をしてしまい逃げてしまったんですよね」

「お風呂って普通にあるものなんですか?」

「いえ、貴族とか大きな宿にはあることもありますが水魔法使える人も限られますし、なにより水を沢山準備するにはお金が必要なので」

 どうやら普通の家にはお風呂はないらしい。
 それなら隙間風は自分で修理ができるしお風呂のある家の方がいい。

 水に関しては……井戸があるなら井戸を深くするとか方法はあるだろう。
 それに最悪風呂に入れなくても安く寝れる場所が確保できるだけでもありがたい。

 多くの人は風呂よりも部屋のキレイさを優先するらしく、村でも人気のない家でここ数年借手がいないという。

 部屋は二部屋と簡単な炊事場があった。一部屋はお風呂にはいる脱衣所のような感じなんだろう。どれだけ風呂好きだったんだろう。

「ここ借りさせてください」

「えぇ!? 大丈夫ですか? 隙間風入りますしお風呂とかあるだけ無駄な設備ですよ。本当にいいんですか? あとでクレームとかやめてくださいね」

 イケメンのお兄さんは俺がここを借りるのが意外らしい。
 贅沢は敵だ。仕事が安定するまでは質素倹約にかぎり。

 立地として村の外れだったが、横の家がニコバアの雑貨屋の横だったのも大きい。
 知らない村で近くに知り合いがいるのは心強い。

 俺は2万ペトを支払い、そのまま契約をする。
 旅の途中で何度か川で水浴びをしたがやはり臭いが気になる。
 さっそく井戸から水をくんで服の洗濯と身体を拭く。

 ここが異世界なら水魔法などもあるだろう。そしたらお風呂にいっぱい水を溜めて火の魔法とか使って熱々の風呂で手足を伸ばして入りたい。

 しばらくはお風呂にゆっくり入ることが目標になりそうだ。

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