幼馴染に異常性癖を暴露(アウティング)されて破滅するけど、◯◯◯希望のかわいい彼女をゲットしたので人生楽しい~幼馴染が後になって後悔しているようだけど、もう遅い
第48話 さよなら、戸田
☆300記念企画ですが、新たにイラスト1枚を追加することにしました!
ちょっと本編完結までは間に合わないと思いますが、おまけエピソードと共に公開する予定です。
いろんな意味で暴走したこの作品ももう少しで完結、最後までよろしくお願いします!
****
「は、入っても、いいよ…」
Tの家(厳密には叔母叔父夫婦の家)の浴室の前で鼻息荒くスタンばっていた俺を、玲は恥ずかしそうに招き入れる。
「佐渡涼真、入ります!」
思わず敬語になりながらそこそこの広さがある浴室のドアを開けるとー、
「ど、どうかな…私、あんまり他の人と、比べたことなくて…」
先に入っていた玲が、バスチェアから立ち上がって出迎えた。
足を内股にし、胸を両手でしっかりと覆っている。
目を閉じて顔を俯かせており、俺の方をしっかり見る余裕はなさそうだった。
言うまでもないが、彼女の双丘は両手で全て隠しきれず、一部が露出している。
正直、それをちらりと見ただけでも色々爆発しそうだった、
「きききき綺麗だよせせせせ世界一。だだだだから、めめ目を開けてててて」
というわけで脳内で格好良く放ったつもりの台詞も、ガタガタと震える。
Tの言う通り所詮はチェリーボーイである。
緊張など抑えられるわけがない。
「うう…こんな姿を見せるのは、涼真くんだけなんだからね…」
目を開こうとする玲だったが、寸前で思いとどまる。
「一応聞くけどさ、今の涼真くんってー」
「どこも隠してません!」
「ふえええええええっ!やっぱりいいいいい!」
「生まれたばかりの小鹿と同じです!」
「〜〜〜〜〜〜っ…!」
「…着た方がいいかな?」
「そ、それはだめ!」
おそらく人生で最大の羞恥を感じているであろう玲だったが、俺が浴室を出ようとするのを止めた。
ふーっ、と深呼吸をして、息を整えている。
「私だって」
落ち着かせた後、蚊の鳴くような小さな声で囁いた。
「涼真くんの本当の姿、見たいんだもん…」
「…お互い、思うところは同じなのかな」
「私たち、変態さん、だね」
玲がゆっくり、ゆっくりと瞳を開けた。
左手も降ろし、両胸もさらけだす。
もはや、何もいうまい。
ため息の出る美しさだった。
「涼真くん…綺麗…ずっと、ずっと見たかった…」
俺の裸を見て、瞳を潤ませた玲もうっとりした表情を浮かべる。
互いに見つめあったまま、数十秒の沈黙。
そのまま永遠に続くかと思われたが、玲がふと表情を曇らせた。
「その傷…痛む?」
側頭部の傷。
Tに思い切り石で殴りつけられた時できた傷だ。
先ほど数時間かけて666倍にして返してやったが、今更にして痛み始める。
「少しだけ、かな」
「洗い終わったら、少し手当てしようね」
「ああ。先に洗いなよ」
「ありがとう。お湯につかってて」
玲がバスチェアに跨るのを見て、俺はお湯につかり始める。
(変なことしてるな、俺たち…)
その後は、玲が自分の瑞々しい肉体を隅々まで洗う様を、ぼーっとしながら眺めていた。
その後のことは、よく覚えていない。
「りょ…うま…く…」
俺が体を洗い終わった後、少しだけ彼女の首を絞めたことを覚えている。
彼女とは結局、今日までキスとこれしか進展がなかった。
浴室の壁と俺に挟まれ、逃げ場もなく、ただ快感に襲われるしかない玲。
「す…き・・」
彼女の体から力が抜け、内ももから生暖かい液体が流れ落ちるまで、それは続いたのだった。
****
「いてて…」
「大丈夫?」
「ああ。なんとか」
玲に貼ってもらった傷用ガーゼがじんじんと痛みをもたらす中、俺は彼女と手を繋ぎ、階段を登っていく。
時刻は朝7時。
なんとなく、そろそろTの叔父と叔母が帰ってきそうな予感がしている。
やるなら今しかない。
音もなく2階に到達し、Tの部屋の目前に着いた。
「さあ、Tとの因縁に決着をつけよう」
「いよいよだね…長かった。本当に、長かったよ」
「長いのはこれからさ。こっからラブコメ展開が延々と続くからね」
「ふふふ、そうだね」
部屋のドアノブに手をかけるが、ひんやりと冷たく、手が止まってしまった。
「…」
そこに玲の暖かな手が重ね合わされ、俺の手に体温をもたらしていく。
「「せーーーのっ!!!」」
2人で呼吸を合わせて扉を開いた時ー、
Tはいまだ芋虫の状態だった。
猿轡は外され、目隠しのみされている。
「ぜぇ…ぜぇ…ようやく、来たのね」
顔は真っ青で、瀕死の老婆のような声を出しながらも、未だ悪意は衰えていない。
「いひひひひひ…これ以上拷問したって、佐渡きゅん以外には絶対謝らないから♪無駄よ♪Aには絶対復讐するわ♪」
語尾には余裕すら出始めている。
その時、改めて俺は気づいた。
T、すなわち戸田恵里は悪魔だ。
悪魔を人間が倒すことは難しい。
エク◯シストでも、人間の神父は悪魔と相打ちだったしな。
これから始まる玲とのイチャラブコメディのためにも、Tと相打ちになるなんてごめんだ。
すなわち、Tを倒し、俺たちが生還する方法は1つしかない。
それはすなわちー、
俺たちが悪魔になること。
「今から、お前に第二の罰を与える」
「あはははははは!!拷問でもなんでもやってみなさいよぉ!!!もうすぐ叔父さんと叔母さんも帰ってくる。あんたたちは終わりだぁ!!!」
「やはりそうか。じゃあ早速儀式を始めよう」
「…儀式ですって?」
「ああ。それはな…」
俺はTの目隠しを外し、思い切り叫んだ。
「お前に、本当の寝取られってやつを教えてやる!!!」
****
「なっ!!!あんたたちは…どこまで…」
大抵のことでは驚かないと腹を括っていたTは、思わず叫んでしまう。
「なんですっぽんぽんなのよおおおおおおおっ!?」
「おかしい?私と涼真くんはカップルなんだよ。生まれたままの姿を見せ合ってもいいじゃない。ね?」
「もちろんだとも!」
「ここを誰の家だと思って…風呂まで勝手に使いやがってええええええ!!!電気代とガス代泥棒おおおおおおおっ!」
「なんとでもいえ」
「ひいいいいん!!!」
泣き喚くTの顎をぐいっと上げ、顔を近づけてみる。
あ、あ、あ、と口から声にならない声を上げ、Tはほぼア◯顔になっていた。
「俺はな…お前の本性を知ってからずっと思ってたことがあるんだ」
「な、なにを…」
「お前の寝取られ性癖って」
Tに侮蔑の視線を向けながら笑みを浮かべる。
今の俺は悪魔だから、こんなことしたって心は痛みない。
「半端だよな。中途半端の出来損ない」
「なん…ですって」
「本当の寝取られ性癖なら、俺が別の女性とセックスするところを見て喜ぶのが普通だろ。それを俺にはセックスして欲しくないだの、最後には戻ってきて欲しいだの、お前にはがっかりだ。そんな半端な性癖のためにあらゆる人間を傷つけ続けるお前は、異常者の中でも最底辺と言っていい」
「ま、まさか…!!!」
「だから、お前の未完成の性癖を俺が完成させてやるよ。お前が死ぬほど憎んでいる玲と一緒にな」
「それだけは…それだけはやめてええええええっ!!!お願いいいいいいっ!!!いやだ、いやだよお…6年間ずっと、それだけを求めてて色んな人とエッチしたのにぃぃぃぃぃ…!」
Tはついに泣き出した。
悪魔でも涙を流す時があるらしい。
「天野さんっ!こんなのおかしいわよね、歪んでる!!!異常者よっ!!!あなたからもなんとか言って!!!」
「私のことはAって呼んでなかったっけ?というか、あなたにちょっと前殺されかけたし」
「ごめんなさい、そのことは謝るから、だから佐渡くんを止めてよおおおおっ!」
「もう遅いよTさん。涼真くんが何度もあげたチャンスを踏みにじったこと、私も許せない」
Tの懇願を冷たく突き放し、玲は笑みを浮かべた。
「だからここで涼真くんと結ばれる。あなたの前で、私と涼真くんだけ幸せになるから」
「いやあああああっ!謝るから、謝るからそれだけはやめてよおおおおおっ!」
もはやTは半狂乱だ。
無理もない。
人生の約半分弱を、俺の初めてを奪うため捧げてきた。
俺を傷つけー、
福田含む多くの人間の人生を不幸にしー、
挙げ句の果てに玲を殺そうとしてでも達成しようとした野望。
それが、今完全なる失敗へと終わる。
「佐渡くんっ…お願い、お願いよぉ。こんなことやめて、あたしの元に帰ってきて…」
「2度と戻らないさ。ラブコメのテンプレってやつだ」
「こんなのラブコメじゃなぃぃぃぃぃ…ライバルを拷問して芋虫にして目の前で全裸セックスなんて、タグ付けを間違えてるわよぉぉおぉぉぉぉ!!!読んだ人ドン引きよぉぉぉぉぉぉ!!!ただのホラーよぉぉぉぉぉぉっっっ!」
「だいたいお前のせいだよ、こうなったのは」
「いやああああああ…」
涙を滝のように流し、Tは体をビクビクと震わせる。
「佐渡くんっ…!!!
目から止めどなく涙を流し、最後の断末魔を上げた。
「お願いだから、イカないで〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
俺はそれを聞いて、ぽつりとつぶやく。
「俺は行くよ、T…」
これ以上、この女の声を聞く必要はない。
再び猿轡を噛ませ、Tのベットへと向かった。
そこで、玲が俺をじっと待っている。
「あ、でもいきなりやるのは…」
「そ、それなんだけど」
彼女の息が、俺の耳朶をくすぐった。
「さっきので私、もう…だから、大丈夫」
「玲…分かった。君が望むなら」
「…」
もう、邪魔するものは何もいない。
残り3センチ。
2センチ。
1センチ。
(さよなら、戸田…)
不思議な感覚とともにー
俺は、玲と結ばれた。
ちょっと本編完結までは間に合わないと思いますが、おまけエピソードと共に公開する予定です。
いろんな意味で暴走したこの作品ももう少しで完結、最後までよろしくお願いします!
****
「は、入っても、いいよ…」
Tの家(厳密には叔母叔父夫婦の家)の浴室の前で鼻息荒くスタンばっていた俺を、玲は恥ずかしそうに招き入れる。
「佐渡涼真、入ります!」
思わず敬語になりながらそこそこの広さがある浴室のドアを開けるとー、
「ど、どうかな…私、あんまり他の人と、比べたことなくて…」
先に入っていた玲が、バスチェアから立ち上がって出迎えた。
足を内股にし、胸を両手でしっかりと覆っている。
目を閉じて顔を俯かせており、俺の方をしっかり見る余裕はなさそうだった。
言うまでもないが、彼女の双丘は両手で全て隠しきれず、一部が露出している。
正直、それをちらりと見ただけでも色々爆発しそうだった、
「きききき綺麗だよせせせせ世界一。だだだだから、めめ目を開けてててて」
というわけで脳内で格好良く放ったつもりの台詞も、ガタガタと震える。
Tの言う通り所詮はチェリーボーイである。
緊張など抑えられるわけがない。
「うう…こんな姿を見せるのは、涼真くんだけなんだからね…」
目を開こうとする玲だったが、寸前で思いとどまる。
「一応聞くけどさ、今の涼真くんってー」
「どこも隠してません!」
「ふえええええええっ!やっぱりいいいいい!」
「生まれたばかりの小鹿と同じです!」
「〜〜〜〜〜〜っ…!」
「…着た方がいいかな?」
「そ、それはだめ!」
おそらく人生で最大の羞恥を感じているであろう玲だったが、俺が浴室を出ようとするのを止めた。
ふーっ、と深呼吸をして、息を整えている。
「私だって」
落ち着かせた後、蚊の鳴くような小さな声で囁いた。
「涼真くんの本当の姿、見たいんだもん…」
「…お互い、思うところは同じなのかな」
「私たち、変態さん、だね」
玲がゆっくり、ゆっくりと瞳を開けた。
左手も降ろし、両胸もさらけだす。
もはや、何もいうまい。
ため息の出る美しさだった。
「涼真くん…綺麗…ずっと、ずっと見たかった…」
俺の裸を見て、瞳を潤ませた玲もうっとりした表情を浮かべる。
互いに見つめあったまま、数十秒の沈黙。
そのまま永遠に続くかと思われたが、玲がふと表情を曇らせた。
「その傷…痛む?」
側頭部の傷。
Tに思い切り石で殴りつけられた時できた傷だ。
先ほど数時間かけて666倍にして返してやったが、今更にして痛み始める。
「少しだけ、かな」
「洗い終わったら、少し手当てしようね」
「ああ。先に洗いなよ」
「ありがとう。お湯につかってて」
玲がバスチェアに跨るのを見て、俺はお湯につかり始める。
(変なことしてるな、俺たち…)
その後は、玲が自分の瑞々しい肉体を隅々まで洗う様を、ぼーっとしながら眺めていた。
その後のことは、よく覚えていない。
「りょ…うま…く…」
俺が体を洗い終わった後、少しだけ彼女の首を絞めたことを覚えている。
彼女とは結局、今日までキスとこれしか進展がなかった。
浴室の壁と俺に挟まれ、逃げ場もなく、ただ快感に襲われるしかない玲。
「す…き・・」
彼女の体から力が抜け、内ももから生暖かい液体が流れ落ちるまで、それは続いたのだった。
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「いてて…」
「大丈夫?」
「ああ。なんとか」
玲に貼ってもらった傷用ガーゼがじんじんと痛みをもたらす中、俺は彼女と手を繋ぎ、階段を登っていく。
時刻は朝7時。
なんとなく、そろそろTの叔父と叔母が帰ってきそうな予感がしている。
やるなら今しかない。
音もなく2階に到達し、Tの部屋の目前に着いた。
「さあ、Tとの因縁に決着をつけよう」
「いよいよだね…長かった。本当に、長かったよ」
「長いのはこれからさ。こっからラブコメ展開が延々と続くからね」
「ふふふ、そうだね」
部屋のドアノブに手をかけるが、ひんやりと冷たく、手が止まってしまった。
「…」
そこに玲の暖かな手が重ね合わされ、俺の手に体温をもたらしていく。
「「せーーーのっ!!!」」
2人で呼吸を合わせて扉を開いた時ー、
Tはいまだ芋虫の状態だった。
猿轡は外され、目隠しのみされている。
「ぜぇ…ぜぇ…ようやく、来たのね」
顔は真っ青で、瀕死の老婆のような声を出しながらも、未だ悪意は衰えていない。
「いひひひひひ…これ以上拷問したって、佐渡きゅん以外には絶対謝らないから♪無駄よ♪Aには絶対復讐するわ♪」
語尾には余裕すら出始めている。
その時、改めて俺は気づいた。
T、すなわち戸田恵里は悪魔だ。
悪魔を人間が倒すことは難しい。
エク◯シストでも、人間の神父は悪魔と相打ちだったしな。
これから始まる玲とのイチャラブコメディのためにも、Tと相打ちになるなんてごめんだ。
すなわち、Tを倒し、俺たちが生還する方法は1つしかない。
それはすなわちー、
俺たちが悪魔になること。
「今から、お前に第二の罰を与える」
「あはははははは!!拷問でもなんでもやってみなさいよぉ!!!もうすぐ叔父さんと叔母さんも帰ってくる。あんたたちは終わりだぁ!!!」
「やはりそうか。じゃあ早速儀式を始めよう」
「…儀式ですって?」
「ああ。それはな…」
俺はTの目隠しを外し、思い切り叫んだ。
「お前に、本当の寝取られってやつを教えてやる!!!」
****
「なっ!!!あんたたちは…どこまで…」
大抵のことでは驚かないと腹を括っていたTは、思わず叫んでしまう。
「なんですっぽんぽんなのよおおおおおおおっ!?」
「おかしい?私と涼真くんはカップルなんだよ。生まれたままの姿を見せ合ってもいいじゃない。ね?」
「もちろんだとも!」
「ここを誰の家だと思って…風呂まで勝手に使いやがってええええええ!!!電気代とガス代泥棒おおおおおおおっ!」
「なんとでもいえ」
「ひいいいいん!!!」
泣き喚くTの顎をぐいっと上げ、顔を近づけてみる。
あ、あ、あ、と口から声にならない声を上げ、Tはほぼア◯顔になっていた。
「俺はな…お前の本性を知ってからずっと思ってたことがあるんだ」
「な、なにを…」
「お前の寝取られ性癖って」
Tに侮蔑の視線を向けながら笑みを浮かべる。
今の俺は悪魔だから、こんなことしたって心は痛みない。
「半端だよな。中途半端の出来損ない」
「なん…ですって」
「本当の寝取られ性癖なら、俺が別の女性とセックスするところを見て喜ぶのが普通だろ。それを俺にはセックスして欲しくないだの、最後には戻ってきて欲しいだの、お前にはがっかりだ。そんな半端な性癖のためにあらゆる人間を傷つけ続けるお前は、異常者の中でも最底辺と言っていい」
「ま、まさか…!!!」
「だから、お前の未完成の性癖を俺が完成させてやるよ。お前が死ぬほど憎んでいる玲と一緒にな」
「それだけは…それだけはやめてええええええっ!!!お願いいいいいいっ!!!いやだ、いやだよお…6年間ずっと、それだけを求めてて色んな人とエッチしたのにぃぃぃぃぃ…!」
Tはついに泣き出した。
悪魔でも涙を流す時があるらしい。
「天野さんっ!こんなのおかしいわよね、歪んでる!!!異常者よっ!!!あなたからもなんとか言って!!!」
「私のことはAって呼んでなかったっけ?というか、あなたにちょっと前殺されかけたし」
「ごめんなさい、そのことは謝るから、だから佐渡くんを止めてよおおおおっ!」
「もう遅いよTさん。涼真くんが何度もあげたチャンスを踏みにじったこと、私も許せない」
Tの懇願を冷たく突き放し、玲は笑みを浮かべた。
「だからここで涼真くんと結ばれる。あなたの前で、私と涼真くんだけ幸せになるから」
「いやあああああっ!謝るから、謝るからそれだけはやめてよおおおおおっ!」
もはやTは半狂乱だ。
無理もない。
人生の約半分弱を、俺の初めてを奪うため捧げてきた。
俺を傷つけー、
福田含む多くの人間の人生を不幸にしー、
挙げ句の果てに玲を殺そうとしてでも達成しようとした野望。
それが、今完全なる失敗へと終わる。
「佐渡くんっ…お願い、お願いよぉ。こんなことやめて、あたしの元に帰ってきて…」
「2度と戻らないさ。ラブコメのテンプレってやつだ」
「こんなのラブコメじゃなぃぃぃぃぃ…ライバルを拷問して芋虫にして目の前で全裸セックスなんて、タグ付けを間違えてるわよぉぉおぉぉぉぉ!!!読んだ人ドン引きよぉぉぉぉぉぉ!!!ただのホラーよぉぉぉぉぉぉっっっ!」
「だいたいお前のせいだよ、こうなったのは」
「いやああああああ…」
涙を滝のように流し、Tは体をビクビクと震わせる。
「佐渡くんっ…!!!
目から止めどなく涙を流し、最後の断末魔を上げた。
「お願いだから、イカないで〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
俺はそれを聞いて、ぽつりとつぶやく。
「俺は行くよ、T…」
これ以上、この女の声を聞く必要はない。
再び猿轡を噛ませ、Tのベットへと向かった。
そこで、玲が俺をじっと待っている。
「あ、でもいきなりやるのは…」
「そ、それなんだけど」
彼女の息が、俺の耳朶をくすぐった。
「さっきので私、もう…だから、大丈夫」
「玲…分かった。君が望むなら」
「…」
もう、邪魔するものは何もいない。
残り3センチ。
2センチ。
1センチ。
(さよなら、戸田…)
不思議な感覚とともにー
俺は、玲と結ばれた。
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