幼馴染に異常性癖を暴露(アウティング)されて破滅するけど、◯◯◯希望のかわいい彼女をゲットしたので人生楽しい~幼馴染が後になって後悔しているようだけど、もう遅い

スンダヴ

第40話 欲望

「それが戸田さんの本性なの?信じられない…」

邪悪な儀式を完遂させようとする石井と戸田を尾行する途上。
俺の推測を聞いた玲が、驚きの声を上げる。

「確証はない。いずれにしろ、あの女に聞けば分かることだ」
「そう、だね…」
「玲?」

名も知れぬ公園へと入っていく邪悪な2人を見つめながら、玲はぽつりと呟いた。

「もしそうなら、良い復讐方法があるよ」
「復讐…」
「うん。ちょっと、耳貸して」

玲の温かい吐息が、俺の耳に吹きかけられる。
提案を聞いて、思わず叫んだ。

「そんな!そりゃいくらなんでも…」
「しーっ!あの2人に気づかれちゃう」
「すまない、でも流石にそれは…」
「私はいいよ。涼真くんとなら」
「…そんなこと言って、耳を赤くしてるじゃん」
「ち、違うもん。この辺暑いから、汗かいただけ…」

玲は恥ずかしがってうつむくが、意見を撤回するつもりはないらしい。
無言で俺の腕にしがみつき、上目遣いでこちらを見つめる。

その表情は、抗いようがないほど妖艶だった。

「わ、私じゃ相応しくないかな…?」

俺は従わざるを得ない。

「分かった。それで行こう」
「やったぁ!佐渡くんならOKしてくれるって信じてたよ」
「やれやれ。玲って意外と…いや待て、始まりそうだ」

公園に生えた一本の木の影で、石井と戸田が服を脱ぎ出すのが見えた。
いよいよ本番である。

無言で奴らとの距離を詰め、こちらも1本の木の影に隠れた。
自然と、玲と密着する形になる。

はあはあと息の荒い俺と玲。
互いの体が擦れ合い、高揚感に包まれても、それを表には出せなかった。

「…ねえ」
「うん?」

飛び出す準備をする俺に、玲が再び囁いた。



「この事件がひと段落しても、私の彼氏でいてくれてー」

胸に自らの首を押し付け、俺だけにしかできないことを懇願する。

「首、ぎゅっと絞めてくれる?」

俺は玲の髪を撫でながら、それに応じた。
答えは決まっている。



「もちろん」
世界中で、俺にしかできないことだから。


****


僕っちはさぁ、女には都合の良い存在でいて欲しいんだよね。

昔から男の浮気を見逃すのが女の甲斐性っていうじゃん?
僕っちが複数人の女と関係を持っても、それを笑顔で見逃してもらいたい。

欲を言えば、「セックスしない?」と聞かれたら「良いわよ♪」ってノリ良く答えてくれたら言うことナシ。

でもなかなかいないんだよなあ、そんな子が。

避妊なしでセックスしたら危険どーたら、妊娠しただけで責任どーたら。
2人ぐらいムリやりやったら、中学卒業の時、そいつの兄貴たちにぼこぼこにされちゃったよ。

ま、もちろんそれで諦めるわけはなくて、高校入学でほとぼりを覚ましてから天野麻衣に手をつけてみる。

でも、これも失敗。

何かにつけて「て、手を繋ぐなんてまだ早いのです」とか「…石井さんの家ですか?まずは麻衣の家に来てお姉ちゃんと会って欲しいのですが…」とか面倒くさいったらありゃしない。

こういう奴は、浮気したら絶対ピーピーうるさいし、少しでも強引にセックスしたら訴えるとか言い出す。

ま、本当は麻衣も踏み台に過ぎなくて、本命は天野玲だったんだけどね。
だって超可愛いし。
馬鹿っぽい妹から接点を作って姉妹ごと頂こうとしたんだけど、しばらくして、姉の方は首を絞められるのが好きとかいう異常性癖者と判明した。
がっくり。
ノーマルの僕っちには相応しくないね。

こうしてプレイボーライフが暗礁に乗り上げた僕っちの前に現れた救世主が、戸田恵里。

この子は僕っちの言うことなんでも聞いてくれるし、セックスにも乗り気。
なんせ野外でやろうって提案にも快くオッケーしてくれた。

しかも、次は麻衣ちゃんと3Pしようだって!

向こうの方から別れ話を切り出してくるだろうから、その時に2人で拘束して…ということらしい。
どうせ泣き喚くだろうから、脅すための映像撮影もみんな手伝ってくれるときた。

うーん、最高。

デートはつまらなかったけど、セックスさせてくれるならなんでもいいや。

こっそりゴムにも穴開けておこうっと。


****


「あん♪早く♪」

石井に手を引かれるままやってきた、名も知らぬ公園。
この時間帯にはほとんど人がおらず、服を脱いだ石井とあたししかいない。

適当に声を出してると、石井は興奮して、あたしの体を乱暴に触り始めた。
痛いだけなのに、あたしもすごく興奮してくる。

「そういえば、戸田ちゃんって経験あるの?」
「処女よ♪あなたがはじめて♪」
「うっひょー!最高!」





そんなものは小学5年生の時に捨てた。
あたしの欲望を叶えるのに必要だったから。

でもそれだけじゃ足りないから、愛しい佐渡くんを破滅させた。

(ただ、あの女は危険すぎるわね…あたしの遊びの邪魔だわ)

だから、傀儡の石井を使って、あの女と愛しい佐渡くんを別れさせよう。
適当な口実で呼び出したあの女の妹を2人で乱暴して、映像に収めて、脅迫してやるんだ。

ーあたしの愛しい佐渡くんと別れなさい。でないと、あなたの妹が乱暴されている映像をネットに流すわよ。

あの女が怒りと屈辱のあまり涙を流すその日が、楽しみで仕方ない。

(本当はLINEに裸の写真を送りつけて、怒らせて誘い出すつもりだったけど、どうやら送信に失敗したみたいね。まあいいわ)

誘い出せなければ、無理やり石井に拉致させればいい。
なんなら、あの女も一緒に。

涙を流しながらお互いを庇い合い、乱暴される姉妹。
あたしでもぞくぞくしちゃいそう。

「じゃあ、もう行っちゃうよー!」
「早くぅ♪」



その後は、適当にレイプされたとか周囲にバラして、石井も破滅させよう。



そしてー、
あの女に振られて消沈する愛しの佐渡くんに…



石井の肉体が迫ってくるのを感じながら、あたしは右手の人差し指と小指を立てた。

その時ー



ピコン。
スマホのカメラ機能が作動する音と、眩いフラッシュ。

「戸田恵里!!!」

ここにいないはずの人の声が、背後から聞こえた。


****


「戸田恵里!!!」

石井と戸田が邪悪な儀式を遂げようとする直前、俺と玲はスマホを構えながら飛び出した。
まずは2人で写真を撮影し、現場を押さえる。

もう校門前の時のように隠れる必要はない。

今日は、この女と決着をつける日なのだから。

「な、なななななんだ!誰だ!警察!?ち、ちがうんです、この女が勝手に!」
「うせろ」
「あ、あああ、は、ははははい…」

ズボンを下ろしながら錯乱している石井をぐいと押しのけると、その先に憎むべき敵がいた。

髪を振り乱し、服をほとんど脱いでいる戸田だ。
顔色を青くし驚愕の表情を浮かべている。

「さ、佐渡くん?なんでこんな所に…」
「お前の行動はここ数日監視させてもらった」

俺は自分の指でスマホの画像を弾き、次々と画面をスクロールしていく。

ー石井に命じられるまま、胸を完全に露出させている戸田。
ー口にするのも汚らわしい部分を石井に愛撫され、あられもない表情を浮かべている戸田。
ー裸になり、石井の写真撮影を恍惚としながら受け入れてる戸田。

運動場、理科室、空き教室。

学校で自らの欲望を満たしていく戸田の恥部が、次々と明かされていく。
ただの露出狂ではなく、おそらくー、

いや、それは後で問い詰めればいい。
その前に、どうしても言いたい言葉があった。

「そんな人だとは思わなかったよ」

弁解する知能も働かず、口をパクパクと開いてるだけの戸田を見ながら、俺は叫んだ。





「戸田、お前は羞恥心のかけらもない異常者だったんだな!!!」



長い長い復讐の夜が、こうして幕を上げる。

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