幼馴染に異常性癖を暴露(アウティング)されて破滅するけど、◯◯◯希望のかわいい彼女をゲットしたので人生楽しい~幼馴染が後になって後悔しているようだけど、もう遅い
第21話 分岐点
「結衣は、佐渡さんの本性を知っています」
突然のLINEに、私は思わず目を疑った。
秋山結衣にとって、佐渡は痴漢被害を助けられた恩人のはず。
それがどうして…。
「本性って何?」
とりあえず返信をして様子を見るが、実際は期待に胸躍らせていた。
「この前は3人で出かけるぐらい仲が良かったじゃないの」
「そうなんですけど…。実はトイレで…色々と…」
「?トイレで?」
「これ以上は言えません!」
メッセージと共に、デフォルメされ、汗をかいた熊のアイコン。
秋山さんの席に目をやると、ふるふると首を振っている。
恐怖の表情が浮かんでおり、顔が赤い。
何か恐ろしいことでもあったのだろうか。
「もしよければ、結衣の家に来ませんか?誰にも知られたくないんです。そこで全部お話しします」
「学校じゃだめなの?LINEでもいいじゃない」
「だめです!誰にも知られたくないし、記録に残したくないんです…拡散されるのが嫌なんです」
メッセージと共に、今度は×印のポーズを取るデフォルメ熊のアイコン。
ちっ。
佐渡と天野さんの写真を拡散したのはやはり間違いだったか。
あの2人には効かなかったが、普通の人間である秋山さんにとっては恐ろしいことに違いない。
「いいわ。家で話を聞きましょう。今日来てもいい?」
「大丈夫です!よろしくお願いします」
お礼のポーズを取るデフォルメ熊のアイコン。
それを眺めながら、私は暗い喜びに感じていた。
何をしたかは知らないけど、もしかすると佐渡を本田のように破滅させられるかもしれない。
そうなったら、天野さんもさぞ悲しむだろう。
いや、もう天野でいい。
あの異常者コンビを今度こそ学校から追放してやる。
「ちなみになんですけど…」
「ん?」
「福田さんって、誕生日いつでしたっけ?」
****
「上原先生、今日もクラス内では何も起きませんでした」
放課後、教員室にいる女性担任に報告した。
最近、学校にいる時は常に他の生徒の動向に目を光らせ、怪しいものは写真として記録に残している。
「ですが、バスケ部の佐藤くん含む何人かの生徒が体育館裏でタバコを吸っているようです。ちゃんと停学にしておいてくださいね」
写真を送るだけでは無視されるようになったので、毎日直接伝えることにしている。
教室に秩序をもたらすために。
「あ、ありがとう。でも、毎日こんなことしなくてもいいんじゃない?」
「何言ってるんですか先生。本田みたいな異常者がこれ以上出たらだめでしょ」
「そうだけど…」
上原先生は自分のデスクに座りながら、疲れた顔を浮かべため息をついた。
「そんなに人を疑うのも良くないんじゃないかって思うの。みんな秘密の1つや2つは持ってるでしょ。それを無理して暴こうとしても、良いことはないんじゃないかな」
いつものように頼りない教師の態度にイライラが止まらない。
なんでこんなやる気がなくて教師が務まるんだろう。
私は、いい子じゃないといけないのに。
「とにかく今日は失礼します。明日も報告しに行きますね」
「…ねえ、福田さん」
「はい?」
「スマホで写真撮るの、好きなの?」
「べ、別に好きじゃありません」
「そう。ならいいけど」
上原先生の目が、鋭く光った気がした。
自分の本心を見透かされてるみたいで気分が悪い。
「先生の経験だと…いや、いいわ。行ってちょうだい」
「…はい」
平静を装って、教室から出た。
****
「校門前で待っています」
秋山さんのLINEに従って出ようとした時、1人の人物が校舎入り口にいた。
「誰かと思ったら異常者じゃない」
佐渡だ。
いつもつるんでる天野は隣にいない。
「最後の警告だ」
ゾッとするような冷たい声で話しかけられる。
「これ以上、僕たちを詮索するのはやめろ」
「嫌よ」
「さもなくば、大いなる災いを受けることになるぞ」
「何よ、私の首でも絞める気?その時こそあんたの最期ね」
スマホをかざし、脅しをかけた。
こいつの本性は秋山さんによってもうすぐ暴かれる。
何も怖くない。
「…そうか。じゃあ、さよならだ」
だが、予想以上の素直さで佐渡は帰っていく。
思った以上の臆病者らしい。
足早に去っていき、姿が見えなくなった。
「あ、福田さん!」
入れ替わりのように秋山さんが現れた。
あの男や天野とは違い、普通の秋山さん。
「お待たせ、秋山さん。佐渡と会わなかった?」
「いいえ。大丈夫です…福田さんの住所って何丁目何番でしたっけ」
「2丁目3の10だけど…どうしたの?私の家に来る?今日は家にお客さんが来るから難しいんだけど…」
来られるのはまずい。
適当に言い繕って反応を見る。
「いや、やっぱり結衣の家で話を聞いてください。こっちです」
「分かったわ」
さあ、楽しみだ。
秋山さんの後を追いながら、私は笑みを浮かべる。
佐渡と秋山を、今度こそ破滅させてあげる。
****
「良い家じゃない。ご両親は?」
「どちらも仕事で夜遅くに帰ってきます。だから、今は誰もいません」
「そう。じゃあ話をー」
「来てください!」
「ちょ、ちょっと!?」
「結衣の部屋に来てください。話はそこで」
玄関の中で話し合っていた2人が、遠くに去っていく足音が聞こえる。
どんどん遠ざかり、やがてドアが閉まる音共に静寂が訪れた。
「成功したいみたい?」
「ああ」
「佐渡くんって実は大胆だよね。本田くんを捕まえた時といい」
隣で様子を伺っていた天野さんが笑顔を浮かべる。
初めて訪れた秋山さんの家で、僕たちは息を潜めていた。
反撃の時を伺うために。
「そりゃね。僕はもう、天野さん以外に失うものがないから」
秋山さんが注意を逸らしてくれたおかげで、2人のカバンは玄関にそのままとなっている。
「さあ、福田の秘密を暴いてやるとしよう」
突然のLINEに、私は思わず目を疑った。
秋山結衣にとって、佐渡は痴漢被害を助けられた恩人のはず。
それがどうして…。
「本性って何?」
とりあえず返信をして様子を見るが、実際は期待に胸躍らせていた。
「この前は3人で出かけるぐらい仲が良かったじゃないの」
「そうなんですけど…。実はトイレで…色々と…」
「?トイレで?」
「これ以上は言えません!」
メッセージと共に、デフォルメされ、汗をかいた熊のアイコン。
秋山さんの席に目をやると、ふるふると首を振っている。
恐怖の表情が浮かんでおり、顔が赤い。
何か恐ろしいことでもあったのだろうか。
「もしよければ、結衣の家に来ませんか?誰にも知られたくないんです。そこで全部お話しします」
「学校じゃだめなの?LINEでもいいじゃない」
「だめです!誰にも知られたくないし、記録に残したくないんです…拡散されるのが嫌なんです」
メッセージと共に、今度は×印のポーズを取るデフォルメ熊のアイコン。
ちっ。
佐渡と天野さんの写真を拡散したのはやはり間違いだったか。
あの2人には効かなかったが、普通の人間である秋山さんにとっては恐ろしいことに違いない。
「いいわ。家で話を聞きましょう。今日来てもいい?」
「大丈夫です!よろしくお願いします」
お礼のポーズを取るデフォルメ熊のアイコン。
それを眺めながら、私は暗い喜びに感じていた。
何をしたかは知らないけど、もしかすると佐渡を本田のように破滅させられるかもしれない。
そうなったら、天野さんもさぞ悲しむだろう。
いや、もう天野でいい。
あの異常者コンビを今度こそ学校から追放してやる。
「ちなみになんですけど…」
「ん?」
「福田さんって、誕生日いつでしたっけ?」
****
「上原先生、今日もクラス内では何も起きませんでした」
放課後、教員室にいる女性担任に報告した。
最近、学校にいる時は常に他の生徒の動向に目を光らせ、怪しいものは写真として記録に残している。
「ですが、バスケ部の佐藤くん含む何人かの生徒が体育館裏でタバコを吸っているようです。ちゃんと停学にしておいてくださいね」
写真を送るだけでは無視されるようになったので、毎日直接伝えることにしている。
教室に秩序をもたらすために。
「あ、ありがとう。でも、毎日こんなことしなくてもいいんじゃない?」
「何言ってるんですか先生。本田みたいな異常者がこれ以上出たらだめでしょ」
「そうだけど…」
上原先生は自分のデスクに座りながら、疲れた顔を浮かべため息をついた。
「そんなに人を疑うのも良くないんじゃないかって思うの。みんな秘密の1つや2つは持ってるでしょ。それを無理して暴こうとしても、良いことはないんじゃないかな」
いつものように頼りない教師の態度にイライラが止まらない。
なんでこんなやる気がなくて教師が務まるんだろう。
私は、いい子じゃないといけないのに。
「とにかく今日は失礼します。明日も報告しに行きますね」
「…ねえ、福田さん」
「はい?」
「スマホで写真撮るの、好きなの?」
「べ、別に好きじゃありません」
「そう。ならいいけど」
上原先生の目が、鋭く光った気がした。
自分の本心を見透かされてるみたいで気分が悪い。
「先生の経験だと…いや、いいわ。行ってちょうだい」
「…はい」
平静を装って、教室から出た。
****
「校門前で待っています」
秋山さんのLINEに従って出ようとした時、1人の人物が校舎入り口にいた。
「誰かと思ったら異常者じゃない」
佐渡だ。
いつもつるんでる天野は隣にいない。
「最後の警告だ」
ゾッとするような冷たい声で話しかけられる。
「これ以上、僕たちを詮索するのはやめろ」
「嫌よ」
「さもなくば、大いなる災いを受けることになるぞ」
「何よ、私の首でも絞める気?その時こそあんたの最期ね」
スマホをかざし、脅しをかけた。
こいつの本性は秋山さんによってもうすぐ暴かれる。
何も怖くない。
「…そうか。じゃあ、さよならだ」
だが、予想以上の素直さで佐渡は帰っていく。
思った以上の臆病者らしい。
足早に去っていき、姿が見えなくなった。
「あ、福田さん!」
入れ替わりのように秋山さんが現れた。
あの男や天野とは違い、普通の秋山さん。
「お待たせ、秋山さん。佐渡と会わなかった?」
「いいえ。大丈夫です…福田さんの住所って何丁目何番でしたっけ」
「2丁目3の10だけど…どうしたの?私の家に来る?今日は家にお客さんが来るから難しいんだけど…」
来られるのはまずい。
適当に言い繕って反応を見る。
「いや、やっぱり結衣の家で話を聞いてください。こっちです」
「分かったわ」
さあ、楽しみだ。
秋山さんの後を追いながら、私は笑みを浮かべる。
佐渡と秋山を、今度こそ破滅させてあげる。
****
「良い家じゃない。ご両親は?」
「どちらも仕事で夜遅くに帰ってきます。だから、今は誰もいません」
「そう。じゃあ話をー」
「来てください!」
「ちょ、ちょっと!?」
「結衣の部屋に来てください。話はそこで」
玄関の中で話し合っていた2人が、遠くに去っていく足音が聞こえる。
どんどん遠ざかり、やがてドアが閉まる音共に静寂が訪れた。
「成功したいみたい?」
「ああ」
「佐渡くんって実は大胆だよね。本田くんを捕まえた時といい」
隣で様子を伺っていた天野さんが笑顔を浮かべる。
初めて訪れた秋山さんの家で、僕たちは息を潜めていた。
反撃の時を伺うために。
「そりゃね。僕はもう、天野さん以外に失うものがないから」
秋山さんが注意を逸らしてくれたおかげで、2人のカバンは玄関にそのままとなっている。
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