幼馴染に異常性癖を暴露(アウティング)されて破滅するけど、◯◯◯希望のかわいい彼女をゲットしたので人生楽しい~幼馴染が後になって後悔しているようだけど、もう遅い

スンダヴ

第9話 因果応報

☆69達成記念で、ヒロインの天野ちゃんのイラスト化を行うことにしました!
しばらく時間がかかりますが、お待ちいただけると幸いです。
引き続き☆300達成で新企画を始動しますので、よろしくお願いします!


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「ふあーあ…かったりぃ」

金曜日の朝8時。

俺、本田大輔は東洋高校に登校するため家を出る。
電車に30分近く揺られる必要があるが、学校がオフィス街にほど近いせいか、常に満員だ。
だからいつも面倒くせえと思っていたが、最近は違う。

「今日はどこ触ってやろうかな〜」

秋山に痴漢してるためだ。
最近は毎日。

あいつは気が弱いから、学校でも少し脅かしてやったら全然抵抗しない。
ストレスの捌け口として最適。

内心ウキウキしながら、定期券で改札を通過した。


****


ーごめんなさい…本田さんのことは恋人として見れないっていうか。友達の関係でいてくれると嬉しいです。
ーはあ?

理由は明白だ。
俺の告白を断ったから。

男の告白を断るってまじありえないでしょ。
佐渡みたいなもやしならともかく、サッカー部に所属するイケメンだぜ?

だから腹いせに痴漢してやった。
まあ、ちょっとお尻触ったぐらいだよ。
そんなもん誰でもやってる。

ー…本田くん!?いや、やめて…
ー大声出してんじゃねえよ。周りにばれるぞ。

最初は流石にドキドキしたね。
チクられたらやばいと思ったからさ。

でも、あいつは言わなかった。
それどころか、放課後に呼び出して小さな声で頼むんだぜ?

ー本田くん。こんなことはやめて。お願い…
ーじゃあ、告白受けてくれるよね?
ーそんな!そんなのおかしいー
ーおかしくねえだろ!
ーひっ…
ーもしチクってみろ。お前が痴漢を喜ぶ変態だってばらしてやるからな。

そしたら、小さな声で泣き出した。
そん時思ったね。

こいつは利用できるって。

みんな、内心では俺を嫌う。
仲間外れにしようとする。
何もしてねえのに。

秋山が彼女にならないなら、その鬱憤晴らしに使ってやればいい。
だから、痴漢をネタにして色々嫌がらせしたやったんだ。
昨日も「佐渡探すの手伝え」って命令したら嫌な顔したけど、ちょっと脅したら素直に従ったのは傑作だったぜ。



でも、最近「俺が秋山に嫌がらせしてる」とか色々噂が立ち始めて、俺の立場がもっと悪くなり始めてる。

そんな時、佐渡が幼馴染に裏切られて異常性癖を暴露されたのは幸運だった。
みんなそっちの噂をし始めて、俺に対する話題が流れたからな。

これからあいつの悪い噂をどんどん流して、俺の立場をどんどん向上させていこう。



電車がやってきたので、口笛を吹きながら乗り込む。

俺は悪くねえ。
男の告白を断る秋山が悪いんだ。

だから、何の罪もない女の首を絞めるのが好きな佐渡とは違う。


****


4号車の隅っこに、いつも通り秋山はいた。
ちょうどドアの前に立っていて、窓の向こうの景色を見るような格好だ。
俺に向けて尻を向けている。

まるで痴漢してくれと言わんばかりに。

満員電車の中をかき分け、慎重に近づく。

「すいません、どいてください」

私服姿でボブカットの女をかき分ける。
サングラスやマスクで表情はよく見えない。
最近はソーシャルなんたらとかで色々うるさいからな。
いや、そんなことはどうでもいい。

もやしみてえな男もかき分けて、秋山と密着できる位置まで到着した。

「…」
秋山は動揺したような息を漏らすが、何もしない。
いつも通り。
こいつは俺に逆らえない奴隷。

(もう、サッカーなんてどうでもいいな。つまんねえし)

俺は小学生の頃からサッカーがうまくて、昔はそれだけで英雄になれた。

他のやつがボールを動かすのに四苦八苦してる時、華麗にドリブルしながらシュートを決めるのもわけなかった。

それだけで、俺はリア充として何をやっても許された。
動きのたるい奴をいじめても許されたし、勉強なんてしなくてもチヤホヤされた。

それが中学3年生ぐらいになると通用しなくなってきた。
周りはクラブに通ってジュニアユースに選ばれるやつも出てきて、俺の影が薄くなってくる。
昔見下してたやつも俺以上にテクニックを身につけてきて、不愉快でしかない。

サッカーが上手いという称号がなくなると、急に「昔本田くんにいじめられてた!」とか言い出すやつが現れて、中学を卒業するまでクラスの全員に無視された。

くそっ!
昔のことを思い出したらイライラしてきた!

徹底的にやってやる。

秋山の背中に、右手を添えた。
ピクリと秋山の体が動くが、知ったこっちゃねぇ。
そのままゆっくり下ろしていき、尻の方まで移動させてやる。

左手も、肩に添えた。
今日は服の中までー


ピコン。
その時、妙な音を感じた。
右側から。

見ると、さっき押しのけたはずのグラサン女がスマホで写真を撮っている。

秋山の背中と肩を触っている、俺の手を。

何しやがる!

声は出なかった。
秋山がいきなり振り向いたからだ。
「…!」

急なことで、声が出ない。
秋山は、すげー怒りの表情でこっちを睨みつけていた。

俺の奴隷なのに、なんでそんな顔するんだよ。

面食らったから、秋山が右腕を振り下ろすのにも対応できない。

「離してくださいっ!!!この痴漢!!!」

そのままー、



強烈なビンタを食らった。


****


ありがとう、秋山さん、天野さん。

2人に心の中で礼を言い、ビンタでひるんだ本田に接近する。

痴漢は、現行犯逮捕じゃないと罪に問うのは難しい。
だから慎重にことを進める必要があった。
昨日の打ち合わせで、役を決めた。

ー秋山さん。あいつを破滅させるには、現場を押さえた写真が必要だ。触った瞬間を抑えれば、指紋も残るし言い逃れできない。だけど…
ー…分かってます。結衣自身がおとりになります。
ー僕が女装するって手もある。
ーあはは、流石に怪しまれますよ。大丈夫です、覚悟の上です。
ー分かった…ありがとう。
ーじゃあ、私は写真を撮影するね。佐渡くんの役割は…


「クソがあああ!」
痛さに顔をしかめながら本田は叫んで、秋山さんにつかみかかろうとした。

それを後ろから強引に掴み、動きを止める。
その間に、秋山さんと天野さんは人混みの中に隠れた。

「なんだ?」
「痴漢?」
「嘘でしょ…」

周りの乗客も事態に気付いたようだ。
ちょうど良い。

「離せ!離せよお!俺が何してー」
「本田大輔!」

暴れ出しそうだったので、この状況で1番言われたくない情報を叫んでやる。
すなわち個人情報だ。

「お前…佐渡か?」
「本田大輔!学校は東洋高校の1年2組!サッカー部所属!」
「や、やめろおおお!」
「こいつは!!!」

懇願する本田を無視して、乗客にも分かるようこいつの罪を叫んでやった。

「同じクラスの女性を2週間以上に渡り痴漢し続けたクズだ!今から警察に引き渡すから協力してください!!!」

車内はシーンとなるが、やがて1つの変化が起きる。



複数の乗客がスマホを取り出し、僕と本田を撮影し始めたのだ。
おそらく、SNSに投稿してその日のトレンドにしようとしてるのだろう。
一度投稿されれば、急速なスピードで拡散され、永遠に残り続ける。



本田の運命は決した。







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