猫と宇宙人はゴーストバスターを始めたようです
第32話 死んで生き返るのも、相応のリスクがあるんだよ
「家政婦みたいなのの紹介も終わったし、本題に入るよ。今日はねこたちと修ちゃんの修行をする。」
ママが本題を伝えると
「しゅぎょう? ってなに? スカイくん。」
隣にいたティモに質問される。答えるのが面倒くさい
………というか、なんか僕の呼び方のイントネーションが変わった気がする。
「………ママが今から、おっちゃんとお前たちをイジメるってこと。」
面倒くさいから、適当に大体合っていることを言っといた。
「え………いじめられちゃうの!? ぼ、ぼくはいやだよぅ………」
「澄海くーん。ティモちゃんに嘘を教えないのー! アホなんだから全部鵜呑みにしちゃうんだよー?」
「………そうは言っても、僕だって、どういう修行をするのかすら知らないんだ。答えようがない。」
タマが怒ったように言ってきたが、お前もティモを大概に馬鹿にしているぞ
「その………どんな修行を、するの………ですか?」
こちらで一悶着おこしていると、クロがママに先を促した。
「それぞれに合ったゴーストを退治するための修行をしてもらう。クロ、お前の武器はなんだ?」
「ぇと………塩と、数珠………です。」
「おーけー。クロは体術が結構よろしい感じだったね。だから、なにか盾か武器になるものを新しく与えたい。ナイフみたいな刃物は危なくて持たせられないから、鏡あたりが妥当かな。」
「かがみ………ですか?」
「そうだ。ちょっと倉庫から持って来てもらう。二分待て。」
そう言ってママは携帯を取り出し、優に電話する。
「ユウ、倉庫にある小さい鏡、わかるか? ………。そう、そういうやつ。こっちに送ってくれ。」
それだけ言って、電話を切るママ。
「………?」
「クロは後回しにして、タマ。お前の武器はなんだ?」
今度はタマに同じ質問をする。
「私はー、護符と大きめの数珠かなー。」
「護符の効果は?」
「特殊だよー。人体の霊体化。燃費悪いしー、時間も範囲も短いのー。霊体には触れても物体には触れないしねー。」
平和夫の具現化したメスを掴んでいたのはそのためか。手首に巻いて、手首から先が霊体となったのなら、たしかに、メス掴むことができる。
「やっぱりか。イスルギからもらったんだろう。それは持っていてもいいが、これからはあまり使わないことになる。タマはアタシが直接修行させるからね。」
「??? どういうことなのー?」
「タマには、アタシと同じ、幽体離脱を覚えてもらう。イスルギも、その素質を見抜いてお前にその護符を渡したんだろう。少し時間はかかるだろうが、気長に修行に励め。気が狂いそうになる修行だが、タマののんびりした性格なら問題ないだろう」
「んー、よくわからないけどー、わかったー。とにかくがんばるねー。」
「おし、覚悟しろ。次にティモだが、修ちゃんに似て霊力も中途半端だ。アタシじゃどうしようもない。」
「うぅ………」
「だけど、そう悲観するな。そういう奴の戦い方がある。修ちゃんがいい例だな。半端でも戦える。だからティモは、遠距離から長期戦に持ち込め。」
「えんきょり?」
「遠くから戦うってこと。その為には、罠の張り方と、結界の張り方。お経の読み方を勉強してもらう。」
「うぅ………難しそうだよ………」
「ふむ………。ティモ坊には死ぬほど難しいやろな。ものを覚えるんがめっちゃ苦手やし」
おっちゃんがアゴに手を当てて頷く。
「だけど、生き残るためだ。ティモの係りは修ちゃんに任せた。」
「えっと、ほな僕もティモ坊と一緒にお経を覚えてくいやんってこと?」
「まぁ、そんなとこだ。修ちゃんがいいんだったら、上手な死に方も教えてあげろ。」
ん? それって………もしかして
「………それって、おっちゃんの能力をティモにも使わせるってことなの。」
僕はそれが可能なのか、わからなかったからママに聞いた。
でも、ママが反応する前に、それに答えたのはおっちゃんだった。
「ダメだ。死なせないために、俺は死ぬ寸前のティモたちを拾ったんだ。だからそれだけは絶対に教えない。」
おっちゃんが何のことを言っているのかはわからないけど、目は本気だった。
「そうかい。」
ママはそれだけ言って頷いた。
「もう、何度か死んでる俺だけど、やっぱり死ぬのは嫌だ。痛いし、怖い、なにより暗いんだよ。そんなところにティモをやるわけにはいかない。」
「………わかったわかった。だったら、死に方じゃなくて、復活方法だけでも教えときな。アタシも気が進まんけどな。でも、たぶんティモの方が、修ちゃんより適性があると思うんだけど。」
………適性………? いったい、なんの?
「たしかに、そうかもしれないけど」
「あと………修ちゃんさぁ、体内に何匹ゴースト飼ってるの?」
「………え?」
急に話がすり替わったと思ったら、ママがとんでもないことを言い出した。
思わず僕が素っ頓狂な声を出してしまった。
体内で、ゴーストを飼う!? いったい、どういうことだ?
「澄海も見ただろ、修ちゃんの周りでゴーストが飛んでるのを。」
「………(こくり)」
あの時は、すぐにママが止めていたけど………。確かにおっちゃんの周りでゴーストが5人。渦を巻くように飛んでいた。
「俺の中にいたのは………5人、だった。でも、もう0人だ。途中で礼子さんに憑依の邪魔をされたらしいから。たぶん、そのときにみんなどこかに飛んでった。」
「………憑依?」
首を捻る。自分の意思で憑依されることができるのか? いったい、それに何のメリットがあるっていうんだよ。
「ああ。修ちゃんはね、珍しいことに霊媒体質なんだよ。霊を引き寄せる人間で、しかも、霊に憑依されても、意識を保っていられるほど強い、そして、5人分体内に取り込める大きい器を持っているんだ。アタシにゃそんなもん存在しない。」
また難しい話になってきた。おっちゃんが絡むと難しくなる。なんかヤダ。
「澄海にはまだわかんないかもしれないね。アタシも言葉が足りてないか。ごめん。でも、たまにいるんだよ。外国の映画とかで、エクソシストとかあるじゃん。悪魔に5、6人ほど取りつかれた子がさぁ、悪魔ごと一緒に死ぬ………みたいな奴? それのゴーストバージョン。」
そもそも、映画とかはあまり見ないから、その説明もよくわからないんだけど。
「俺かて、そんなに強い人間じゃないですよ。もともとは、ただ霊を引き寄せる人間やったもん。憑依うんぬんは、俺が死んでからのおまけ。今、体内に取り込める上限は5人だけど、俺が死ぬごとに、上限が一個増える。」
「………つまり、おっちゃんはすでに、5回死んでるの。」
「まー、そうなるかな。ゴーストはランダムでその辺にいるのが勝手におっちゃんの中に入ってくるから、自分でなんとかできる問題ではないかな。5人取り込んだだけで、結構………なんていうかその、負の感情に負けそうになったし。たぶん、すぐまた5人くらい入ってきそう。死んで生き返るのも、相応のリスクがあるってことやんね。」
「危険だから、アタシは修ちゃんを止めたんだ。ま、この家は結界で守られてて、一種の聖域になっているから、その点では大丈夫だ。話をティモに戻すよ。その話はきっと長くなるからな。………ティモには、その素質がある。死なせたくはないだろうが、もしものために教えておくのも悪くはないだろう。」
「………はぁ。気乗りはしませんが、一応教えておきます。たぶん、俺じゃなかったら失敗しますよ?」
「それでもだ。」
おっちゃんの能力はまだ説明が不完全だ。僕には半分も理解できない。ママはわかっているようだけど………なんだかなぁ。
おっちゃんは不承不承ながら頷いた。
「ん? おっと。そろそろ大丈夫かな?」
ママが何かを思い出したかのように立ち上がり、キッチンに向かった。
ダイニングとキッチンは繋がっているから、すぐそこだ。
さすがにキッチンはフローリングだよ。
「なんや? 師匠、料理でも作るんですか? 急ですね。」
「アタシがそんなことするわけがないだろうガトーショコラ。」
とか言いながら、レンジを開き、中から何か黒っぽいものを取り出した。もちろんガトーショコラではない。
「クロ。コレをお前に預ける。」
「そ、それが………かがみ? でも、なんで………そんなとこから………。」
「ユウは座標さえわかれば、密室から密室に移動させることができるんだよ。やっぱり地味にすごいよな。」
まぁ、密室というか、人の目が入らない、だいたい20㎡くらいまでの閉ざされた空間のことを、僕たちが密室と言っているだけで、本来の意味での密室とは違うけど、ほかに表現が見つからないから、それを密室ということにしている。
「レンジの中って………」
「ん? レンジも密室だろ?」
ママの物言いにおっちゃんが苦笑い。
密室とは違うけどさ。まぁ、優はそういう超能力者なんだよ。
ママはおっちゃんの隣に腰を下ろし、おっちゃんの膝の上に座るクロに懐中時計のようなものを手渡す。
「コレは、ちょいと昔にアタシが封印した、『なんとかかんとかのミコト』っていう縁結びの神様が封じ込められている貴重な鏡だ。たぶんクロの力になってくれるはずよ。………ガチレズだけど。」
「がちれ………?」
「ぶふぉう!」
「ちょっと師匠! クロになんてもんを手渡してはるんですか! タマ! 笑ってないでその鏡をクロから取り上げて!」
僕は意味はわからなかったけど、なぜか急に、タマが盛大に吹き出した。
僕とティモは同時に首を傾げる
おっちゃんがクロから鏡を奪おうとするも、膝から飛び降りたクロは、おっちゃんから逃げるように、ママの背に隠れた
「よくわからないけど………修さんが、こわい………」
「おっちゃんはクロを守ろうとしてるの! そのアイテムの方が怖いっちゅうねん!」
………よくわからないけど、オチがついたみたいだ。
ママが本題を伝えると
「しゅぎょう? ってなに? スカイくん。」
隣にいたティモに質問される。答えるのが面倒くさい
………というか、なんか僕の呼び方のイントネーションが変わった気がする。
「………ママが今から、おっちゃんとお前たちをイジメるってこと。」
面倒くさいから、適当に大体合っていることを言っといた。
「え………いじめられちゃうの!? ぼ、ぼくはいやだよぅ………」
「澄海くーん。ティモちゃんに嘘を教えないのー! アホなんだから全部鵜呑みにしちゃうんだよー?」
「………そうは言っても、僕だって、どういう修行をするのかすら知らないんだ。答えようがない。」
タマが怒ったように言ってきたが、お前もティモを大概に馬鹿にしているぞ
「その………どんな修行を、するの………ですか?」
こちらで一悶着おこしていると、クロがママに先を促した。
「それぞれに合ったゴーストを退治するための修行をしてもらう。クロ、お前の武器はなんだ?」
「ぇと………塩と、数珠………です。」
「おーけー。クロは体術が結構よろしい感じだったね。だから、なにか盾か武器になるものを新しく与えたい。ナイフみたいな刃物は危なくて持たせられないから、鏡あたりが妥当かな。」
「かがみ………ですか?」
「そうだ。ちょっと倉庫から持って来てもらう。二分待て。」
そう言ってママは携帯を取り出し、優に電話する。
「ユウ、倉庫にある小さい鏡、わかるか? ………。そう、そういうやつ。こっちに送ってくれ。」
それだけ言って、電話を切るママ。
「………?」
「クロは後回しにして、タマ。お前の武器はなんだ?」
今度はタマに同じ質問をする。
「私はー、護符と大きめの数珠かなー。」
「護符の効果は?」
「特殊だよー。人体の霊体化。燃費悪いしー、時間も範囲も短いのー。霊体には触れても物体には触れないしねー。」
平和夫の具現化したメスを掴んでいたのはそのためか。手首に巻いて、手首から先が霊体となったのなら、たしかに、メス掴むことができる。
「やっぱりか。イスルギからもらったんだろう。それは持っていてもいいが、これからはあまり使わないことになる。タマはアタシが直接修行させるからね。」
「??? どういうことなのー?」
「タマには、アタシと同じ、幽体離脱を覚えてもらう。イスルギも、その素質を見抜いてお前にその護符を渡したんだろう。少し時間はかかるだろうが、気長に修行に励め。気が狂いそうになる修行だが、タマののんびりした性格なら問題ないだろう」
「んー、よくわからないけどー、わかったー。とにかくがんばるねー。」
「おし、覚悟しろ。次にティモだが、修ちゃんに似て霊力も中途半端だ。アタシじゃどうしようもない。」
「うぅ………」
「だけど、そう悲観するな。そういう奴の戦い方がある。修ちゃんがいい例だな。半端でも戦える。だからティモは、遠距離から長期戦に持ち込め。」
「えんきょり?」
「遠くから戦うってこと。その為には、罠の張り方と、結界の張り方。お経の読み方を勉強してもらう。」
「うぅ………難しそうだよ………」
「ふむ………。ティモ坊には死ぬほど難しいやろな。ものを覚えるんがめっちゃ苦手やし」
おっちゃんがアゴに手を当てて頷く。
「だけど、生き残るためだ。ティモの係りは修ちゃんに任せた。」
「えっと、ほな僕もティモ坊と一緒にお経を覚えてくいやんってこと?」
「まぁ、そんなとこだ。修ちゃんがいいんだったら、上手な死に方も教えてあげろ。」
ん? それって………もしかして
「………それって、おっちゃんの能力をティモにも使わせるってことなの。」
僕はそれが可能なのか、わからなかったからママに聞いた。
でも、ママが反応する前に、それに答えたのはおっちゃんだった。
「ダメだ。死なせないために、俺は死ぬ寸前のティモたちを拾ったんだ。だからそれだけは絶対に教えない。」
おっちゃんが何のことを言っているのかはわからないけど、目は本気だった。
「そうかい。」
ママはそれだけ言って頷いた。
「もう、何度か死んでる俺だけど、やっぱり死ぬのは嫌だ。痛いし、怖い、なにより暗いんだよ。そんなところにティモをやるわけにはいかない。」
「………わかったわかった。だったら、死に方じゃなくて、復活方法だけでも教えときな。アタシも気が進まんけどな。でも、たぶんティモの方が、修ちゃんより適性があると思うんだけど。」
………適性………? いったい、なんの?
「たしかに、そうかもしれないけど」
「あと………修ちゃんさぁ、体内に何匹ゴースト飼ってるの?」
「………え?」
急に話がすり替わったと思ったら、ママがとんでもないことを言い出した。
思わず僕が素っ頓狂な声を出してしまった。
体内で、ゴーストを飼う!? いったい、どういうことだ?
「澄海も見ただろ、修ちゃんの周りでゴーストが飛んでるのを。」
「………(こくり)」
あの時は、すぐにママが止めていたけど………。確かにおっちゃんの周りでゴーストが5人。渦を巻くように飛んでいた。
「俺の中にいたのは………5人、だった。でも、もう0人だ。途中で礼子さんに憑依の邪魔をされたらしいから。たぶん、そのときにみんなどこかに飛んでった。」
「………憑依?」
首を捻る。自分の意思で憑依されることができるのか? いったい、それに何のメリットがあるっていうんだよ。
「ああ。修ちゃんはね、珍しいことに霊媒体質なんだよ。霊を引き寄せる人間で、しかも、霊に憑依されても、意識を保っていられるほど強い、そして、5人分体内に取り込める大きい器を持っているんだ。アタシにゃそんなもん存在しない。」
また難しい話になってきた。おっちゃんが絡むと難しくなる。なんかヤダ。
「澄海にはまだわかんないかもしれないね。アタシも言葉が足りてないか。ごめん。でも、たまにいるんだよ。外国の映画とかで、エクソシストとかあるじゃん。悪魔に5、6人ほど取りつかれた子がさぁ、悪魔ごと一緒に死ぬ………みたいな奴? それのゴーストバージョン。」
そもそも、映画とかはあまり見ないから、その説明もよくわからないんだけど。
「俺かて、そんなに強い人間じゃないですよ。もともとは、ただ霊を引き寄せる人間やったもん。憑依うんぬんは、俺が死んでからのおまけ。今、体内に取り込める上限は5人だけど、俺が死ぬごとに、上限が一個増える。」
「………つまり、おっちゃんはすでに、5回死んでるの。」
「まー、そうなるかな。ゴーストはランダムでその辺にいるのが勝手におっちゃんの中に入ってくるから、自分でなんとかできる問題ではないかな。5人取り込んだだけで、結構………なんていうかその、負の感情に負けそうになったし。たぶん、すぐまた5人くらい入ってきそう。死んで生き返るのも、相応のリスクがあるってことやんね。」
「危険だから、アタシは修ちゃんを止めたんだ。ま、この家は結界で守られてて、一種の聖域になっているから、その点では大丈夫だ。話をティモに戻すよ。その話はきっと長くなるからな。………ティモには、その素質がある。死なせたくはないだろうが、もしものために教えておくのも悪くはないだろう。」
「………はぁ。気乗りはしませんが、一応教えておきます。たぶん、俺じゃなかったら失敗しますよ?」
「それでもだ。」
おっちゃんの能力はまだ説明が不完全だ。僕には半分も理解できない。ママはわかっているようだけど………なんだかなぁ。
おっちゃんは不承不承ながら頷いた。
「ん? おっと。そろそろ大丈夫かな?」
ママが何かを思い出したかのように立ち上がり、キッチンに向かった。
ダイニングとキッチンは繋がっているから、すぐそこだ。
さすがにキッチンはフローリングだよ。
「なんや? 師匠、料理でも作るんですか? 急ですね。」
「アタシがそんなことするわけがないだろうガトーショコラ。」
とか言いながら、レンジを開き、中から何か黒っぽいものを取り出した。もちろんガトーショコラではない。
「クロ。コレをお前に預ける。」
「そ、それが………かがみ? でも、なんで………そんなとこから………。」
「ユウは座標さえわかれば、密室から密室に移動させることができるんだよ。やっぱり地味にすごいよな。」
まぁ、密室というか、人の目が入らない、だいたい20㎡くらいまでの閉ざされた空間のことを、僕たちが密室と言っているだけで、本来の意味での密室とは違うけど、ほかに表現が見つからないから、それを密室ということにしている。
「レンジの中って………」
「ん? レンジも密室だろ?」
ママの物言いにおっちゃんが苦笑い。
密室とは違うけどさ。まぁ、優はそういう超能力者なんだよ。
ママはおっちゃんの隣に腰を下ろし、おっちゃんの膝の上に座るクロに懐中時計のようなものを手渡す。
「コレは、ちょいと昔にアタシが封印した、『なんとかかんとかのミコト』っていう縁結びの神様が封じ込められている貴重な鏡だ。たぶんクロの力になってくれるはずよ。………ガチレズだけど。」
「がちれ………?」
「ぶふぉう!」
「ちょっと師匠! クロになんてもんを手渡してはるんですか! タマ! 笑ってないでその鏡をクロから取り上げて!」
僕は意味はわからなかったけど、なぜか急に、タマが盛大に吹き出した。
僕とティモは同時に首を傾げる
おっちゃんがクロから鏡を奪おうとするも、膝から飛び降りたクロは、おっちゃんから逃げるように、ママの背に隠れた
「よくわからないけど………修さんが、こわい………」
「おっちゃんはクロを守ろうとしてるの! そのアイテムの方が怖いっちゅうねん!」
………よくわからないけど、オチがついたみたいだ。
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