猫と宇宙人はゴーストバスターを始めたようです
第10話 テレビ出演の条件は
「‥‥‥。条件があるんだけど。」
立て続けに窓が割れたり闖入者が現れたりして、プロデューサーさんも慌てている
だけど、それを意に介さず僕は続ける
「‥‥‥。」
僕はスタッフに捕まっていたアホタレ共を指さして
「‥‥‥あの人たちも平医院に入っていいなら、あと僕が目立たないなら、テレビに出てもいい。」
「知り合いなの?」
「‥‥(コクリ) 一応、あそこの全員霊感あるよ。………あそこの母が証明してくれる。………それなら大丈夫でしょ。」
「‥‥ふぅむ。」
プロデューサーさんは少し悩んでから
「わかった。極力キミはフレームから外すようにする。元々は九州娘がメインの番組だしね」
だろうね。僕がいたって番組的にはつまらない。花がないと誰も見ないから。
そんな中、霊媒師やその息子をピックアップしてなんになるんだ。まぁ僕としてはお蔵入りしたって何の関係もない話なんだけどさ。
それに、あのアホタレ達はテレビに映る必要すらない。ただのギャラリーだ。パパの予知夢も外れないんだから、こんな条件を出さなくても勝手にこの祭りに参加することになるだろうが、侵入者としてではなく、仲間として予知夢を完成させた方がよけいな混乱や波風が立たないと思った。だから僕はおっちゃんたちと一緒に行動するのを選んだ
「一応、ハプニングに備えて全体的に移す予定だから。」
と思ったらプロデューサーさんはアホタレ達も移すつもりらしい。
「‥‥‥。」
まぁ、猫たちの方が目立つ容姿だし、別にそれでもいっか。
☆
「ありがとう、助かったよ、澄海くん」
「‥‥‥その‥‥‥、ごめん、なさい。」
「‥‥‥(フルフル)」
僕は自分の利益の為にやっただけであって礼を言われる筋合いはない。首を横に振った
「でも、なんで澄海くんがここに?」
おっちゃんが僕をくん付けで呼ぶのは違和感があるなぁ。年上だし、話しやすいし。
「‥‥‥。おっちゃんは呼び捨てで構わない。‥‥‥弁当をとどけに来たら成り行きで出演することになった。」
僕はママほど鬼じゃないので、出演料とかはいらない。ボランティアだ。めんどくさい。
もしかしたらママが僕の分をふんだくっているかも知れないが、僕の知ったことではない
番組自体はママの出演料以外のコストは殆どかかっていないはずだ。
だが、出来るだけ安くしたいはず。だからおそらくコイツ等もノーギャラだ。
元々侵入者だったのにテレビに出られただけ儲けもんだろう
「‥‥‥ところで、ギャラは出るのかな?」
「‥‥‥。知らない。」
「うへぇ」
バッサリ切られても落ち込まないあたり、図太い性格してるね。
「ううむ。挨拶がてら聞いてみよう。ティモ坊、クロ、タマ。行くぞ」
「うんっ!」
「‥‥‥はい」
「わかったよー」
おっちゃんの背中にティモが飛び乗り、クロとタマがおっちゃんの左右の手を繋いだ
おっちゃんは本当にこの猫たちを大切にしているみたいだね
『どぅうえ!? 天才美少女霊媒師の礼子さんじゃないですか! 昔テレビでみましたよ!』
『おうガキんちょ共。金寄越せ。』
「‥‥‥。」
どうやらおっちゃんはすぐに場の雰囲気に馴染めそうだ
☆
撮影が始まった。
九州娘の三人がハンディカメラを持ち、前方を撮影している。
それを後方からプロカメラマンが撮影をする。
ちなみにおっちゃんはママと話が会うようで、談笑しながら歩いている
僕は猫たちと歩幅を合わせて歩いている。その方が自然だから。
そして、そのおかげで逆にアウェイになっている九州娘。その一人(安藤といったかな)が僕たち話しかけてきた
「ねぇねぇ、なんの話をしているのぉ?」
テレビを意識している喋り方だね。
集音機も僕たちのところに近づいていた
「‥‥‥。」
「学校のお話かな?」
九州娘の宮野ヘレン、だったかな。ややのっぺりした顔の女の子が安藤 音楽さんに続いた
「‥‥‥(フルフル)」
「麻雀の話だよ~」
「‥‥‥う、うん。」
「あは、おねーちゃんたち、麻雀できる?」
「「「…………………………」」」
九州娘の三人が絶句して固まったのがわかった
「え、えっと‥‥‥ドンジャラならやったことあるかな。」
九州娘のリーダー。誰かに似ているけど思い出せない、如月 銅鑼夢さんがそんなことを呟く
ドンジャラ‥‥‥麻雀に似たなにかだっけ
「麻雀はー楽しいよ~」
「‥‥‥澄海くんは、今日、はじめて麻雀をしたんだよね‥‥‥。」
「えへへ、今日はぼくのあっしょうだけどねー」
「‥‥‥ふん」
あれはまだルールを覚え切れていなかったからだ。すぐにお前らよりも効率的にできるようになる
「………ドム子。諦めよう、この子達は常識の範囲外にいる‥‥‥。三人猫耳だし。」
ヘレンさんが悟った顔でドラムの肩に手を置いた
「ドム子やめっ。‥‥‥まさか岡田にこんな可愛い妹弟がいたなんて‥‥‥」
「あれぇ、あの男の人、ドム子の知り合いなのぉ?」
ハーモニさんがちょっと遠くでママと喋っているおっちゃんを指す
「同じ高校のクラスメイトよ。なんか今日は朝の補修をサボってたみたいだけど。」
ハーモニさんの声をバッサリ切り捨てた。
九州娘は高校生のみで結成されたグループだ。
こんな田舎から引き抜かれたくらいだから、仕事で忙しくあまり学校には来れない可能性が高いな。
まだ新学期が始まったばかりだし、忙しくてもクラスの人の顔と名前は頭に叩き込んだのだろう
おっちゃんとドラムさんは脈なしらしい。どうでもいいけど
そういやたしかにおっちゃんは今朝補修に行かなかったって言ってたな。遅刻してまでここに来たのに局の人に門前払いさせられて………不運な人だね。同情はしないけど。
「おねーちゃん、にいちゃんのしりあい? 学校ではにいちゃんどんなかんじなの?」
「おー、私もそれは気になるなー。」
「‥‥‥お友達とか、たくさんいそう、だね。」
ん? おっちゃんはたしか今朝、友達はいないって言ってなかったっけ。
「今日見た様子じゃ、クラスで小説ばかり読んでて孤立してるよ。それに、昼休みの時はすぐに教室を出てるから、トイレで昼食を取っているって噂だよ」
「「「‥‥‥。」」」
おっちゃん、悲しい人なんだね。
友達を作るのは苦手そうには見えないけど
集音機でバッチリ取れちゃってるし
削除してあげてね
「ただ、いまのアレみたいに嬉々として話しをする人ではなかったかなぁ‥‥‥。人と話してるとこなんかみたことないし」
「‥‥‥。」
ふーん。聞き耳をたてると、おっちゃんたちから聞こえる話は霊に関することとアニメに関すること。ママは宇宙人との子がいて充分変人だし、おっちゃんも人猫を三匹飼っている変人だ。
変人同士、似たものがあるんだろ
―――ゾクッ
一瞬、鳥肌がたった。歩みを止めて周りの人を見回す
ママとおっちゃん、猫たちも同じ行動を取っていた
「へ? みなさん、ど、どうしたんですか?」
九州娘のみんなは暗い病院の雰囲気に呑まれて最初からちょっと怯えていたが、霊感があるみんなが同時に歩みを止めるから怪しんだらしい
「うぅ‥‥‥なんかあの部屋、やな感じがする。」
九州娘のドラムさんは霊感があるのか無いのか、一つの病室を指差した
☆
立て続けに窓が割れたり闖入者が現れたりして、プロデューサーさんも慌てている
だけど、それを意に介さず僕は続ける
「‥‥‥。」
僕はスタッフに捕まっていたアホタレ共を指さして
「‥‥‥あの人たちも平医院に入っていいなら、あと僕が目立たないなら、テレビに出てもいい。」
「知り合いなの?」
「‥‥(コクリ) 一応、あそこの全員霊感あるよ。………あそこの母が証明してくれる。………それなら大丈夫でしょ。」
「‥‥ふぅむ。」
プロデューサーさんは少し悩んでから
「わかった。極力キミはフレームから外すようにする。元々は九州娘がメインの番組だしね」
だろうね。僕がいたって番組的にはつまらない。花がないと誰も見ないから。
そんな中、霊媒師やその息子をピックアップしてなんになるんだ。まぁ僕としてはお蔵入りしたって何の関係もない話なんだけどさ。
それに、あのアホタレ達はテレビに映る必要すらない。ただのギャラリーだ。パパの予知夢も外れないんだから、こんな条件を出さなくても勝手にこの祭りに参加することになるだろうが、侵入者としてではなく、仲間として予知夢を完成させた方がよけいな混乱や波風が立たないと思った。だから僕はおっちゃんたちと一緒に行動するのを選んだ
「一応、ハプニングに備えて全体的に移す予定だから。」
と思ったらプロデューサーさんはアホタレ達も移すつもりらしい。
「‥‥‥。」
まぁ、猫たちの方が目立つ容姿だし、別にそれでもいっか。
☆
「ありがとう、助かったよ、澄海くん」
「‥‥‥その‥‥‥、ごめん、なさい。」
「‥‥‥(フルフル)」
僕は自分の利益の為にやっただけであって礼を言われる筋合いはない。首を横に振った
「でも、なんで澄海くんがここに?」
おっちゃんが僕をくん付けで呼ぶのは違和感があるなぁ。年上だし、話しやすいし。
「‥‥‥。おっちゃんは呼び捨てで構わない。‥‥‥弁当をとどけに来たら成り行きで出演することになった。」
僕はママほど鬼じゃないので、出演料とかはいらない。ボランティアだ。めんどくさい。
もしかしたらママが僕の分をふんだくっているかも知れないが、僕の知ったことではない
番組自体はママの出演料以外のコストは殆どかかっていないはずだ。
だが、出来るだけ安くしたいはず。だからおそらくコイツ等もノーギャラだ。
元々侵入者だったのにテレビに出られただけ儲けもんだろう
「‥‥‥ところで、ギャラは出るのかな?」
「‥‥‥。知らない。」
「うへぇ」
バッサリ切られても落ち込まないあたり、図太い性格してるね。
「ううむ。挨拶がてら聞いてみよう。ティモ坊、クロ、タマ。行くぞ」
「うんっ!」
「‥‥‥はい」
「わかったよー」
おっちゃんの背中にティモが飛び乗り、クロとタマがおっちゃんの左右の手を繋いだ
おっちゃんは本当にこの猫たちを大切にしているみたいだね
『どぅうえ!? 天才美少女霊媒師の礼子さんじゃないですか! 昔テレビでみましたよ!』
『おうガキんちょ共。金寄越せ。』
「‥‥‥。」
どうやらおっちゃんはすぐに場の雰囲気に馴染めそうだ
☆
撮影が始まった。
九州娘の三人がハンディカメラを持ち、前方を撮影している。
それを後方からプロカメラマンが撮影をする。
ちなみにおっちゃんはママと話が会うようで、談笑しながら歩いている
僕は猫たちと歩幅を合わせて歩いている。その方が自然だから。
そして、そのおかげで逆にアウェイになっている九州娘。その一人(安藤といったかな)が僕たち話しかけてきた
「ねぇねぇ、なんの話をしているのぉ?」
テレビを意識している喋り方だね。
集音機も僕たちのところに近づいていた
「‥‥‥。」
「学校のお話かな?」
九州娘の宮野ヘレン、だったかな。ややのっぺりした顔の女の子が安藤 音楽さんに続いた
「‥‥‥(フルフル)」
「麻雀の話だよ~」
「‥‥‥う、うん。」
「あは、おねーちゃんたち、麻雀できる?」
「「「…………………………」」」
九州娘の三人が絶句して固まったのがわかった
「え、えっと‥‥‥ドンジャラならやったことあるかな。」
九州娘のリーダー。誰かに似ているけど思い出せない、如月 銅鑼夢さんがそんなことを呟く
ドンジャラ‥‥‥麻雀に似たなにかだっけ
「麻雀はー楽しいよ~」
「‥‥‥澄海くんは、今日、はじめて麻雀をしたんだよね‥‥‥。」
「えへへ、今日はぼくのあっしょうだけどねー」
「‥‥‥ふん」
あれはまだルールを覚え切れていなかったからだ。すぐにお前らよりも効率的にできるようになる
「………ドム子。諦めよう、この子達は常識の範囲外にいる‥‥‥。三人猫耳だし。」
ヘレンさんが悟った顔でドラムの肩に手を置いた
「ドム子やめっ。‥‥‥まさか岡田にこんな可愛い妹弟がいたなんて‥‥‥」
「あれぇ、あの男の人、ドム子の知り合いなのぉ?」
ハーモニさんがちょっと遠くでママと喋っているおっちゃんを指す
「同じ高校のクラスメイトよ。なんか今日は朝の補修をサボってたみたいだけど。」
ハーモニさんの声をバッサリ切り捨てた。
九州娘は高校生のみで結成されたグループだ。
こんな田舎から引き抜かれたくらいだから、仕事で忙しくあまり学校には来れない可能性が高いな。
まだ新学期が始まったばかりだし、忙しくてもクラスの人の顔と名前は頭に叩き込んだのだろう
おっちゃんとドラムさんは脈なしらしい。どうでもいいけど
そういやたしかにおっちゃんは今朝補修に行かなかったって言ってたな。遅刻してまでここに来たのに局の人に門前払いさせられて………不運な人だね。同情はしないけど。
「おねーちゃん、にいちゃんのしりあい? 学校ではにいちゃんどんなかんじなの?」
「おー、私もそれは気になるなー。」
「‥‥‥お友達とか、たくさんいそう、だね。」
ん? おっちゃんはたしか今朝、友達はいないって言ってなかったっけ。
「今日見た様子じゃ、クラスで小説ばかり読んでて孤立してるよ。それに、昼休みの時はすぐに教室を出てるから、トイレで昼食を取っているって噂だよ」
「「「‥‥‥。」」」
おっちゃん、悲しい人なんだね。
友達を作るのは苦手そうには見えないけど
集音機でバッチリ取れちゃってるし
削除してあげてね
「ただ、いまのアレみたいに嬉々として話しをする人ではなかったかなぁ‥‥‥。人と話してるとこなんかみたことないし」
「‥‥‥。」
ふーん。聞き耳をたてると、おっちゃんたちから聞こえる話は霊に関することとアニメに関すること。ママは宇宙人との子がいて充分変人だし、おっちゃんも人猫を三匹飼っている変人だ。
変人同士、似たものがあるんだろ
―――ゾクッ
一瞬、鳥肌がたった。歩みを止めて周りの人を見回す
ママとおっちゃん、猫たちも同じ行動を取っていた
「へ? みなさん、ど、どうしたんですか?」
九州娘のみんなは暗い病院の雰囲気に呑まれて最初からちょっと怯えていたが、霊感があるみんなが同時に歩みを止めるから怪しんだらしい
「うぅ‥‥‥なんかあの部屋、やな感じがする。」
九州娘のドラムさんは霊感があるのか無いのか、一つの病室を指差した
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