受難の魔王 -転生しても忌子だった件-

たっさそ

第63話 勇者召喚の理由

「あ?」
「勇者だぁ?」


 なにがなんだかわからなかった。


 オレと銀介は教会らしき場所に呼び出され、目の前の司祭服を着た老人がオレたちを勇者と呼んだ。
 決しておれたちはそんな大それたものではない。


 老人の目的も、この部屋についても、オレの眼の異変についても。何もかもが情報不足。


 よくわからんが、指輪の力で言葉が解るようになっているが、この場には司祭服の老人、そして神官風の男女が何人もオレたちを取り囲んでいる。


 戸惑うこちらの気を無視して「やった!」「成功だ!!」などと無邪気にはしゃいでいた


「おい、何言ってやがる………これはいったいなんなんだ! 説明しやがれ!」


 銀介はオレに蹴られた腹を押さえながら立ち上がり、老人に問う。
 それに同調するようにオレも老人を睨みつける。


 言っちゃなんだが、オレも銀介も、いかつい顔立ちだ。
 そんなオレ達に睨まれた老人は、ややうろたえながらに答える




「はい………ですがその前に、その………どちらが勇者様であらせられますか?」




 司祭服の老人はそう言った。


 オレは内心で舌打ちを打つ。
 コレはダメだ。互いに自分のことしか考えていない。
 銀介はその老人に聞こえるようにわざとらしく舌打ちをし、俺は変色した紅い頭をかく。
 自分の眉間にしわがよるのを感じる。


「そもそもだ。その勇者ってのはなんなんだ。なぜオレ達はこんなところに居る? それを知らなければ答えられるものも答えられない。」


 状況に流されてはダメだ。ため息交じりにオレが老人にそう言うと、慌てたように頭を下げた




「こ、これは失礼いたしました! ここで説明するのもなんですので、どうぞこちらへ。おい、食事を二人分用意させなさい!」
「は、はい!」


 老人がそういうと、先ほどまでオレを羽交い絞めしていた細身の女が元気よく返事をし、一礼してから部屋を出て行った。


 ちっ、目の前で親友を殺されたばかりだ。飯なんか食ってる心境じゃねェよ、クソが。
 それに、訳の分からん場所で料理を食べる趣味は無い。毒でも入っていそうで嫌だからな。


 老人は俺たちを先導しながら説明をしてくれた


 まず場所。『南大陸リリライル王国。ダゴナン教会本部、サンチェル大聖堂』




 意味が解らない。どこだそれ。リリライル王国? 地球にはそんな国は無いし、周りの人間らしき人たちも髪の色が金髪だったり紫色だったり緑色だったりとカラフルだ。
 勇者だなんて言ってるし、俺の眼の異変だってある。


 地球ではない世界と考えるのが妥当だろう。


 先ほどまで自ら命を断とうとしていた身だ。
 今更地球に未練などない。


 オレは銀介を殺せればそれでいい。スバルの仇だ。


 ちなみにだが、移動している最中は銀介に背中を向けるわけにはいかず、銀介もオレに背中を向ける気は無いようで並んで歩いている。


 互いに隙を見せる気は無い。オレ達が喧嘩を始めようとすると必死で止めに掛かるものだから今は休戦状態だ。
 本来ならば隙あらばぶっ殺してやりたい。


 だけど、そんな私情で関係ない人をオレたちの喧嘩に巻き込みたくないからな。
 私情に巻き込まれている最中っぽいのは棚に上げるとしてだ。


「んで、その勇者ってのはなんなんだァ?」


 銀介が眉間にしわを寄せながら老人に聞いた。
 返ってきた答えは――勇者とは、魔王を倒すために人類を率いて魔を滅ぼす全ての人類の希望である


「ちっ、しらねェよ。」
「まったくだ。」


 老人の答えに銀介は舌打ちし、オレは頷く。


「そんなもんはテメェらで勝手にやってろ、俺を巻き込むんじゃねェ!」


 腹ただしいことに、今回だけは銀介と同じ感想しかない。


「し、しかし勇者ニルドは人類の為に」


「知らねぇよ。他人に頼るな。自分で何とかしろ。
 お前は見ず知らずの人間に人類の為に死ねと言われてはいそうですか死ねるのか?
 変なもんに頼らずに自分で解決する努力をしやがれ馬鹿め」


「くっ………!」




 吐き捨てるようにオレがそう言うと、老人は苦虫をかみつぶしたような表情になった。


 どうせオレ達を戦いだか戦争だかに利用したかったのだろう。
 魂胆が見え見えなんだよ。


 勝手に変なことに巻き込んだ落とし前はつけてもらわないとな。




「おいジジィ。一番大事なところなんだがよォ、俺は元の居場所に帰れるんだろうな」


「っ………!」


 銀介が今にも堪忍袋が爆発しそうな表情でそれを聞くと、老人はビクリと肩を震わせ、冷や汗を垂らしながら目を逸らした




「お、おい………まさか」




 ひくひくと表情筋を痙攣させる銀介。
 同時にオレはニヤケが止まらなくなった




「………申し訳ございません」




 老人はオレ達に向かって頭を下げた
 その様子はまるで、医者が家族に死亡を宣告するような雰囲気であった




「なぜ、謝るんだ? こんなところにいきなり呼ばれたんだ、帰れるんだろ!? なぁ!」


 焦点の合わない目で老人を睨みつける銀介。
 肩を震わせながら老人の胸倉を掴んだ




「………申し訳、ございません」




 しかし、老人は顔を伏せて先ほどと同じ言葉を発するだけであった




「クソがぁぁぁああああああああああああああああああああああ!!」
「ハハハハハハ!! ざまぁみろ!! いい気味だな銀介ぇ! 日ごろの行いが悪いからそうなるんだ、バーカ!!」




 取り乱し、乱暴に老人を突き飛ばした銀介を指差して笑ってやった




「侍刃ァ! テメェ何笑ってやがる! テメェも帰れねぇんだぞ!」


「そりゃ笑うに決まってんだろ! オレはもう命を捨てた身だ!
 今更戻っても居場所なんかねェよ、ククク、ハーッハハハハハ!!!
 愉快! お前は本当に愉快な道化だよ銀介! スバルを虐めて殺した罰が当たったんだ!!
 これを笑わずしてどうするよ! ハハハハ!!!」


 爆笑して挑発してやると、銀介は懐に手を伸ばした


「ちっ」
「おっと」




 腹を立てた銀介は懐から銃を取り出そうとしたので、オレは素早く銀介に銃を向けた。
 先ほど銀介を凝視した時に視た文字を思い出す


――――――――――――


 個体名:篠原銀介 
  武器:マカロフ拳銃(改) 装弾数8発+1
  称号:勇者


――――――――――――


 武器の欄。マカロフ拳銃(改)があるのが見えていた。
 つまり、銀介はもう一丁銃を持っているのは解っていたんだ。


 すぐに牽制して銀介の行動を止めさせる
 銀介も、今動けば容赦なく撃たれることはわかっているだろう。


 実際、オレにはそれをためらう必要もないからな




「ククク、オレがお前を殺そうとしていたことを忘れるなよ?
 人類の為に死ぬ気で働いてちっとは甦生してみろ! 勇者様(笑)! ハハハッ!
 そんで見ず知らずの人類の為に身を粉にして働いて、そして死ね!」




 よくわからないが、銀介の称号の欄に『勇者』と書いてある。
 どちらが勇者かと聞いていたから、銀介が勇者なのだろう。




 こんなクズが勇者ってんだから、世も末だな。


 日本から無理やり私利私欲でオレのような人間を召喚するような世界だ。
 どうなろうとどうだっていい。興味もない。




「くそああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」




 オレと老人を睨みつけながら絶叫する銀介。
 オレはその様子を見てほくそえむ。


 クズには相応の罰が当たって当然。




 銀介の絶叫に、老人や周りの人たちも困惑気味の表情だ。




 いきなりこんな世界に呼びつけた自覚があるのだろう。
 これで奴らに罪悪感もないようなら、こんな世界は狂っている。




 ん? そういや、ここで殺すのをためらう必要もないと思い直したオレは、銀介に銃口を向けたまま、引き金を引いた




―――ドウン!




 という轟音が大聖堂の通路に響いた。
 カランカランと薬莢が排出され地面で音を立てる


「な!」
「て、てめぇ! なに引き金引いてやが………は?」




 その銃弾が銀介を穿つことは無かった




「………私どもの勝手で召喚しておいて虫のいい事とは思いますが、勝手な行動はおやめください、勇者様方」




 オレの放った銃弾は、巨大な氷の壁に、阻まれていた。










                   ☆






 銀介が取り乱し、オレがそれを笑って十数分。


 ようやく銀介も事態を落ち着いて認識し始め、話が進むようになった
 実際に目で見て、信じる以外ない。魔法という存在を。




 そういえば、この眼は凝視したものの詳細がわかる力がある。魔法の一種みたいなものだろうか
 指輪を見た時もそうだし、銀介を見た時もそうだ。


 そう理解したオレは、自分の手を凝視してみる




――――――


 個体名:十文字侍刃ジュウモンジタイガ
  種族:異世界人
  状態:良好
  装備:異界の服 言語把握の指輪
  武器:マカロフ拳銃(改) 装弾数7発
  称号:勇者
  属性:――
  耐性:火水風土闇光魔法耐性
  加護:???の加護
  特殊:鑑定眼 言語把握 ???


――――――




 鑑定眼?




 なんだそれは。この眼の力のことか?




 それに、自分にも勇者の称号がある。


 なんだってんだ、これ。




 しかも、なんかいろんな魔法の耐性とかいうものがある。
 魔法の耐性?
 効きにくくなるってことだろうか。


 意識すればもっと詳しく調べることが可能らしい。


 ためしに称号を意識してみると


―――――


勇者:尋常ならざる力を得た強者の称号。全属性の耐性があり聖属性の魔法を扱う資格を有する




―――――




 尋常じゃない? この称号は特別な力でも持っているのか?
 調べようとしてもそれ以上のことはわからなかった。
 特殊の欄にある???や加護と関係があるのかもしれない


「教皇さま、お食事の用意ができました」




 先ほどオレを羽交い絞めにしていた黄緑色の髪の女が戻ってきて、司祭服の老人に言う
 この司祭服を着た老人、教皇だったのか
 眼で見てみる。


―――――


 個体名:アイザック・グリゴリ
  種族:人間族ヒューマン
  状態:良好
  装備:ダゴナン教司祭服
  武器:――
  称号:ダゴナン教教皇・賢人
  属性:水属性・無属性(召喚魔法)
  耐性:闇魔法耐性
  加護:神の加護
  特殊:――


――――――




 一番偉いのだろうか………いや、そんなことはどうでもいいんだ。
 偉いとかえらくないとかではない。大事なのは俺たちはいきなり呼び出された被害者だということだ。


「ちっ、メシはいい。せっかく作ってくれたところ悪いが、食う気にならん。それよりも現状を説明してくれたほうが助かる。俺たちをここに呼び出した目的ってのを洗いざらい吐き出せ」


 わざわざ作ってくれたメシを無駄にしてしまった罪悪感もあるが、いかんせん、こちらはいま食事がのどを通る心境じゃないんだ。すまないな。




 オレがそういうと、司祭服の老人はしばし考え込んでから


「………わかりました、ご説明いたします。どうぞこちらへ」


 そういって、食堂とは別の通路であろう場所へと向かい始めた。




                   ☆




 老人に促されるまま階段を下りる。


 ここはなんだ、地下か?
 なぜかは知らないが牢屋がある。


 教会地下に牢屋? なんか雰囲気に合わない光景だな。




「クス………来たね。リオル君といい、キミ達といい。今日は来客が多い日だ。」




 地下に入ると、一つの牢屋からクスリと笑みが漏れる声が聞こえてきた。




「なっ!!?」




 オレはその光景を見て、絶句した




 頭から薄桃色のウサギの耳を生やしているのはいい。
 異世界だから、そういうこともあるのだろう。


 だが、そいつは、幾重にも目隠しされ、手足を鎖でつながれ、壁際で倒れ伏すように身動きが取れないでいた。


「ふふ、待ってたよ。待ちくたびれた。ああ、これで大丈夫。大丈夫だ、言ったとおりでしょ、アイザックさん。勇者召喚は成功するって。」


 クスクスと笑いながら語る姿は異質そのもの。


 目隠しされていて性別は不明だが、中性的な顔立ちをしている。
 どちらかと言えば少年のようだ。


 少年を鑑定眼とやらで凝視してみる




――――――


 個体名:ラピスドット
  種族:兎蛇人族ハーフラビット
  状態:飢餓 隠蔽(弱)
  装備:隷属の首輪 遮光の眼帯
  称号:???
  属性:――
  耐性:???
  加護:???
  特殊:???・???・???
     ???・???・???
     ???・???・???
     ???・???・???
     ???・???・???
     ?????・?????
     ?????・?????
     ?????・?????
     ?????・?????etc


――――――






 一目見てわかった。


 こいつは、異常な奴だと。
 俺の眼にも、それ以外何一つ有効な情報は無かった。
 名前と種族が判明した程度か。状態が隠蔽(弱)となっていることから、鑑定されることを前提として隠蔽されているようだ。


 それに、このラピスドットとかいう奴は、自分の現状を把握していながら、クスクスと笑っている。
 年齢は10歳くらいだろうか。こんな子供が、なんでこんな状況に………。


 目隠しをされているはずなのに、ずっと顔をこちらに向けている
 小学4年生くらいの見た目だ。そんな子がなぜ、こんな目に遭っているんだ




 なんなんだいったい。
 この老人は俺たちに何を見せようというのだ




「この子は、魔王の子の配下です。眼を見ると厄介なことになってしまうため、ああして厳重に縛って目隠しをしております。あそこまでして、殺さないのかと聞きたいようでしたら、利用価値があるから、と答えておきましょう。」


「リオル君をおびき出すために、ボクを餌にしたんだよね。クスクス。
 いいよ、用が済んでボクを殺したかったら殺したらいい。そしたら、リオル君が何もかも破壊してくれる。ボクが餌である意味はなくなる。人質を失ったリオル君ははたしておとなしく―――」


「………黙れ魔人風情が」


 老人がウサ耳の少年に手を向けると、少年の首についている首輪が淡く輝き、少年が苦しそうに身をよじる


「ぐっ………ケホッ、クスクス、ああ、臆病だよね、人間って!
 そうやってすぐに保身に走る! あははははははははは!!!」




 しかし、苦しそうだったのもつかの間。少年はすぐに狂ったように笑いだした。




 外道の銀介ですら、彼の状況を見て眉をしかめた


 オレは………そのウサ耳の少年のセリフに、胸が締め付けられる思いがした


 ついさっき
 ついさっきだ。




 オレは自らの保身のためにスバルを見殺しにした
 未だに最後の絶望の表情が頭から離れない。


 今は考えないようとしているが、目の前で親友が自分のせいで死んだんだ。
 俺の、我が身かわいさのせいで………。


 彼はそんな俺の心を読んで笑っているような………そんな気がした




 無力で惨めな自分に吐き気を催し、手が震える。




「クスクス………まぁ、ボクは死なないけどね。勇者召喚が成功した時点で、コレは決定事項だ。」




 老人はウサ耳の奴を一瞥すると、地下牢をさらに進んでいく




「戯言を………次は―――あなた方が倒すべき敵である、魔王の子です。彼は何が目的なのか、魔界より溢れた魔獣や魔物を率いて町に大群で攻めては蹂躙してく諸悪の根源。幾重にも加護が重なっており、異常なほど体が頑丈でして………我々程度の術師では傷を与えることができても、殺すには至りません。」




 そして、地下牢の最奥にたどり着いた。


 牢の中には一人の少年が居た。


 牢の外には一人の少女が居た。


 純白の髪をした少女は、地下牢に手をかざしていた




『くそっ!! なんだってこんなことに!! ルスカ! 僕だよ!! なんで覚えていないんだよ!! やっと会えたのに、やっと見つけたのに!! 』




「………。」




『ラピスくん!! 居るなら返事して!! ルスカがここにいることは知ってるんでしょ!? ルスカになにがあったの!!』




「………。」




 黒髪の少年が牢をガンガンと叩く
 しかし、目の前の少女は何を思っているのか、牢に手をかざしたまま動こうとはしない


 牢はガラスか何かで隔離されているのか、こちらには少年のくぐもった声しか届かない






『くそ、くそくそくそ!!! くそおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!』




 少女は白い髪をしていた。


 年は、少年も先ほどのウサ耳と同じ、10才くらいだろう。
 彼女は感情の籠らない無機質な瞳を黒髪の少年に向けていた


「彼は魔王の子。あなた方を呼ぶ1時間ほど前にこの牢へと自ら侵入し、そのままここに投獄しました。おおかた、捕らえられているあの魔人を助けに来たのでしょうが、自分が捕まっていては世話ないですね。私にダゴナンライナー様より神託が下り、魔王の子が急襲することがわかっていて本当に良かった。」


 老人は薄く笑いながら、黒髪の少年を侮蔑の瞳で睨みつけていた




「ライナーさま。牢獄に魔力を通されましたら、竜車へとお戻りください。貴方ほどの魔導師でなければ牢は魔王の子に破壊されていたでしょう。本当にご協力感謝いたします。」


「………はい。」


 振り返った少女は、この世のものとは思えないほど美しい顔立ちであった
 色素の抜けた真っ白な髪。化粧気はないはずなのに、健康的な肌色の素肌
 そして、まるで作り物であるかのような無表情。




 その瞳はいったい何を移しているのか。
 表情の乏しい白髪の少女は一度だけ頷くと、オレたちの間を抜けてどこかへと歩いて行った。




 少女が去る前オレは純白の少女を鑑定してみた






――――――


 個体名:ルスカ(ルスカ・ライナー)
  種族:???
  状態:???・隠蔽
  装備:ダゴナン教戦闘服
  武器:白竜の骨杖
  称号:???
  属性:???
  耐性:???
  加護:???
  特殊:???


――――――




 ………ウサ耳と同様、結局、何もわからず




『うぅぅううう! ルスカ、待ってよ! ルスカぁああああああ!!!!』






 少女が歩き去ったその場には、黒髪の少年の嗚咽と悲鳴だけが残った
 牢に爪を当てた少年は、ズルズルと力無く地に座り込む


 虚ろな目をして、世界に絶望しているようだ




 この眼は、知っている。
 ついさっき見たばかりだ。忘れるわけがない。


 自分の胸を締め付けられる感覚がする。


 世界に絶望した眼。信じていた者に裏切られた者の眼………
 あれはオレに裏切られたスバルと同じ、この世に生きる意味を失った目だ。


 まさか、同じ日に同じ眼を二度も目にするとは思わなかった。




「なぜ、あなた方が召喚されたか、と聞きましたね。」


「ああ。」
「ちっ、とっとと話せよジジィ」




 オレも銀介も不愉快そうに老人に向き直る






















「あなた方のどちらかが勇者様なのでしょう。あなた方に、この魔王の子と魔王を殺していただきたいのです。」















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