高校を退学させられた後、異世界へ留学することになりました。
第17話 セリアとルノアの実力
 リタ達の元へ行くと、とても喜んだようすでいた。
 「やったねコウヤ!」
 「ああ、何とか勝った」
 「余裕で勝ったの間違いじゃないの?」
 「いや、長期戦になっていたら俺が負けていた」
 こっちが素手で向こうは剣だったからな。不意打ちとかじゃなきゃ勝てる見込みがなかった。沖縄空手以外の格闘技を教わっていてよかったぁ。
 「コウヤ、アンタ凄いわね!」
 「そうか?」
 「そうだよ!だってウォーラー先生は元Aランクの冒険者で有名だったんだよ!」
 元Aランクで冒険と言われても、ピンと来ないなぁ。柔道や空手の帯の色だったらすぐにわかるんだけどな。
 「まぁ油断をしていたってところもあるし、同じような戦法はもう効かないだろう」
 「そうだな。彼のような戦い方をするヤツは初めて見たぞ」
 何時の間にかウォーラー先生が俺の背後にいた。
 「俺も格闘術を使う冒険者を何人も見て来たが、全員殴ったり蹴ったりするだけだった。まさか片脚を持って押し倒して来るとは思いもしなかったぞ」
「まぁ、あれも格闘術の一つですから」
 「・・・・・・そうか、ホント世の中って広いんだ」
 「ウォーラー先生、生徒達の実力検査の続きをお願いします!」
 「おっと、そうだった。次の相手は誰だ?」
 ウォーラー先生がそう言うと、全員顔を青ざめさせて首を横に振る。
 「コイツ以外は手加減はするから安心しろ」
 「俺だけ手加減をしないのかよっ!!」
 クソォ〜、この人も負けたことを根に持っていやがる!
 「わ、私が行きます!」
 そう言って前に出て来たのは、何とセリアだった。
 「セリア、無理しなくてもいいわよ」
 「大丈夫。この1ヶ月間コウヤくんに教わっていたから、それなりに強くなっている筈だから」
 ルノアにそう言ってからウォーラー先生の前に行き、エストック型の木の剣を構えた。
 「よろしくお願いします!」
 「うむ、少しは期待してよさそうだ」
 ウォーラー先生もそう言ってからセリアに身体を向けて木の剣を構えた。お互いに相手の手を探っているのか、距離を保ったまま動かない。
 「・・・・・・ねぇ、コウヤ」
 「ん? どうしたルノア?」
 「セリアに剣術を教えたの?」
 親友が心配なのか不安そう顔で俺に聞いて来るので、俺は彼女に顔を向けてハッキリと答えた。
 「俺はセリアに剣術は教えてないぞ」
 「えっ!?」
 「でも戦い方を教えた」
 「戦い方を教えた?」
 意味がわからない。と言いたそうな顔で俺の顔を見つめて来るルノアに対して、俺は微笑みながら答える。
 「セリアを見てればすぐにわかるよ」
 「そ、そう? アンタがそう言うんなら信じてみる」
 ルノアはそう言うと、ちょっと不安な顔をさせつつセリアを見つめ続ける。
 「・・・・・・ハァッ!?」
 先に動いたのはセリアで、細身の剣の特徴である突きを繰り出していた。
 「甘いっ!」
 ウォーラー先生はその突きを躱して木の剣を袈裟斬りで振り被るが、セリアはもう既にバックステップをしていたので空振りに終わる。
 「セリアがウォーラー先生の剣を躱した!?」
 「正確にはアドバイスのお陰で、躱すことが出来たって言った方が正しい」
 「どういうことなの?」
 「コウヤはセリアにね。突きをくり出したらすぐにバックステップをして相手と距離を取るように教えたの」
 そう、セリアが持っているような剣は剣同士のぶつかり合いが不得意だし、セリア自身が剣と剣の押し合いで力負けしやすいのでヒット&アウェイの攻撃方法がいいと思った。
 「うん、俺が教えたことをちゃんと出来ている」
 自分が攻めるときは一気に距離を詰めて攻撃をくり出してから離れるが、相手が距離を詰めて来ようとしたら距離を詰められないように下がる。
 「おお〜、しかも追い詰められないように周囲に状況も見ているよ!」
 そう、距離を取るのはいいけど追い詰められたら一環の終わり。なので常に自分の立ち位置を把握するようにも教えた。
 「フッ!?」
 攻防戦をしている中、セリアは突きと見せ掛けてウォーラー先生の右腕を攻撃しようしたが、ウォーラー先生は右腕を引っ込めて攻撃を躱したが、セリアの攻撃はまだ終わらない。
 何とそのまま胴体に向かって突きをくり出したのだ。
 「うおっと!」
 身体を捻って避けてから、そのまま横なぎに振るうとセリアの身体に当たった。
 「勝負ありだ。途中まではよかったが、最後の最後で気を抜いたな」
 「はい、最後の突きで当たると確信してしまいました」
 「攻撃は当たるまでわからない。今度からは試合終了と言うまで気を抜かないように」
 「はい。ありがとうございました」
 セリアはそう言って頭を下げた後に、俺達の元へとやって来た。
 「ゴメンなさい。負けちゃいました」
 「別に気にしてないぞ。それよりも怪我は?」
 そう言ってから先程叩かれた個所を見つめると、セリアが恥ずかしそうに身体をモジモジさせる。
 「あ、うん。背中をポンッと叩かれただけだから平気だよ」
 「なら、心配しなくてもよさそうだな」
 しかし何だ。オスコシスさんの教え方が古風だったのか、それとも自分の戦い方を教えていたせいなのか、セリア俺と模擬戦をやっているとき木の剣と棒がぶつかったときに結構打ち負けていて、戦いにならなかったので予定を変更してセリアに合う戦い方を教えることにしたのだ。
 「ところで今更聞くけど、今の戦い方はどう? 自分に合っていると思う?」
 「うん! お父様に教えて貰った剣術よりも自分に会っている気がするの。教えてくれてありがとう! コウヤくん!」
 「いやぁ、セリアのセンスがいいからだ」
 このままヒット&アウェイの戦い方を極めていけば、親を超えられるかもしれないな。
 「2人共お熱いですねぇ〜」
 「このまま小説のようなラブストーリーが始まりそうねぇ〜」
 うっさいなぁ! ほら、お前ら2人のせいでセリアの顔が真っ赤になったじゃねぇかっ!!
 「いやいや恐れ入った。1ヶ月前と違って見違えるほど強くなっているじゃないか。彼女にワンドとかを持たせて後方支援をさせた方がいいんじゃないか。と考えていたが、まさか戦い方を変えることで解決させるとはな」
 やっぱり、この世界は剣術はもちろんのこと武術に対して固定概念が強いのか?
 「まぁ、俺は知っていたことを彼女に教えただけだから」
 「そうか。困ったときは俺も頼ろうか?」
 「先生、俺だって教えられることと教えられないことがあるんで、無理と言ったら潔く諦めて下さいね」
「ああ、わかっているよ」
 ウォーラー先生は俺にそう言ってから、周囲にいる生徒に顔を向ける。
 「次は誰がやるんだ?」
 「じゃあ、次はアタシがやる!」
 「ルノア、お前の場合は俺も使わせて防御系魔法を使わせて貰うぞ」
 え? 防御系魔法を使わせて貰うって・・・・・・あっ!?
 ルノアの持っている武器を見て気付いた。彼女が持っているのは弓矢。つまり遠距離で戦うスタイルで、矢は勢いよく飛ぶので下手したら大怪我を負う可能性がある。特に目とかに当たったら大変だ。
 「わかりました。仕方ありませんよね」
 ルノアはそう言ってからウォーラー先生の前に立った。
 「ちょっと待ってくれ」
 先生はそう言うとポケットからチョーカーを出すと首に掛けたら、透明な何かが現れてウォーラー先生の身体を包んだ。
 あれはもしかして身を守る為の結界か? わからないから後でリタ達に聞こうか。
 「準備が出来た。何時でもいいぞ」
 「それじゃあ、いきますよ先生」
 ルノアはそう言ってから矢筒から矢を1本取り出すのと同時に弓を構えて矢を番えて放った。しかしウォーラー先生はその行動を予想していたのか、飛んで来る矢を躱してから一気に距離を詰める。
 「クッ!?」
 再び矢を番ようと矢筒に手を伸ばしたが、一気に距離を詰められてしまい首元に剣を突き付けられてしまった。
 「終了。また矢を放とうとせずに、俺から離れるって判断をしていれば勝機はあった」
 「ありがとう・・・・・・ございました」
 ルノアは残念そうな顔で、俺達の元へ帰って来たのだった。
 「やったねコウヤ!」
 「ああ、何とか勝った」
 「余裕で勝ったの間違いじゃないの?」
 「いや、長期戦になっていたら俺が負けていた」
 こっちが素手で向こうは剣だったからな。不意打ちとかじゃなきゃ勝てる見込みがなかった。沖縄空手以外の格闘技を教わっていてよかったぁ。
 「コウヤ、アンタ凄いわね!」
 「そうか?」
 「そうだよ!だってウォーラー先生は元Aランクの冒険者で有名だったんだよ!」
 元Aランクで冒険と言われても、ピンと来ないなぁ。柔道や空手の帯の色だったらすぐにわかるんだけどな。
 「まぁ油断をしていたってところもあるし、同じような戦法はもう効かないだろう」
 「そうだな。彼のような戦い方をするヤツは初めて見たぞ」
 何時の間にかウォーラー先生が俺の背後にいた。
 「俺も格闘術を使う冒険者を何人も見て来たが、全員殴ったり蹴ったりするだけだった。まさか片脚を持って押し倒して来るとは思いもしなかったぞ」
「まぁ、あれも格闘術の一つですから」
 「・・・・・・そうか、ホント世の中って広いんだ」
 「ウォーラー先生、生徒達の実力検査の続きをお願いします!」
 「おっと、そうだった。次の相手は誰だ?」
 ウォーラー先生がそう言うと、全員顔を青ざめさせて首を横に振る。
 「コイツ以外は手加減はするから安心しろ」
 「俺だけ手加減をしないのかよっ!!」
 クソォ〜、この人も負けたことを根に持っていやがる!
 「わ、私が行きます!」
 そう言って前に出て来たのは、何とセリアだった。
 「セリア、無理しなくてもいいわよ」
 「大丈夫。この1ヶ月間コウヤくんに教わっていたから、それなりに強くなっている筈だから」
 ルノアにそう言ってからウォーラー先生の前に行き、エストック型の木の剣を構えた。
 「よろしくお願いします!」
 「うむ、少しは期待してよさそうだ」
 ウォーラー先生もそう言ってからセリアに身体を向けて木の剣を構えた。お互いに相手の手を探っているのか、距離を保ったまま動かない。
 「・・・・・・ねぇ、コウヤ」
 「ん? どうしたルノア?」
 「セリアに剣術を教えたの?」
 親友が心配なのか不安そう顔で俺に聞いて来るので、俺は彼女に顔を向けてハッキリと答えた。
 「俺はセリアに剣術は教えてないぞ」
 「えっ!?」
 「でも戦い方を教えた」
 「戦い方を教えた?」
 意味がわからない。と言いたそうな顔で俺の顔を見つめて来るルノアに対して、俺は微笑みながら答える。
 「セリアを見てればすぐにわかるよ」
 「そ、そう? アンタがそう言うんなら信じてみる」
 ルノアはそう言うと、ちょっと不安な顔をさせつつセリアを見つめ続ける。
 「・・・・・・ハァッ!?」
 先に動いたのはセリアで、細身の剣の特徴である突きを繰り出していた。
 「甘いっ!」
 ウォーラー先生はその突きを躱して木の剣を袈裟斬りで振り被るが、セリアはもう既にバックステップをしていたので空振りに終わる。
 「セリアがウォーラー先生の剣を躱した!?」
 「正確にはアドバイスのお陰で、躱すことが出来たって言った方が正しい」
 「どういうことなの?」
 「コウヤはセリアにね。突きをくり出したらすぐにバックステップをして相手と距離を取るように教えたの」
 そう、セリアが持っているような剣は剣同士のぶつかり合いが不得意だし、セリア自身が剣と剣の押し合いで力負けしやすいのでヒット&アウェイの攻撃方法がいいと思った。
 「うん、俺が教えたことをちゃんと出来ている」
 自分が攻めるときは一気に距離を詰めて攻撃をくり出してから離れるが、相手が距離を詰めて来ようとしたら距離を詰められないように下がる。
 「おお〜、しかも追い詰められないように周囲に状況も見ているよ!」
 そう、距離を取るのはいいけど追い詰められたら一環の終わり。なので常に自分の立ち位置を把握するようにも教えた。
 「フッ!?」
 攻防戦をしている中、セリアは突きと見せ掛けてウォーラー先生の右腕を攻撃しようしたが、ウォーラー先生は右腕を引っ込めて攻撃を躱したが、セリアの攻撃はまだ終わらない。
 何とそのまま胴体に向かって突きをくり出したのだ。
 「うおっと!」
 身体を捻って避けてから、そのまま横なぎに振るうとセリアの身体に当たった。
 「勝負ありだ。途中まではよかったが、最後の最後で気を抜いたな」
 「はい、最後の突きで当たると確信してしまいました」
 「攻撃は当たるまでわからない。今度からは試合終了と言うまで気を抜かないように」
 「はい。ありがとうございました」
 セリアはそう言って頭を下げた後に、俺達の元へとやって来た。
 「ゴメンなさい。負けちゃいました」
 「別に気にしてないぞ。それよりも怪我は?」
 そう言ってから先程叩かれた個所を見つめると、セリアが恥ずかしそうに身体をモジモジさせる。
 「あ、うん。背中をポンッと叩かれただけだから平気だよ」
 「なら、心配しなくてもよさそうだな」
 しかし何だ。オスコシスさんの教え方が古風だったのか、それとも自分の戦い方を教えていたせいなのか、セリア俺と模擬戦をやっているとき木の剣と棒がぶつかったときに結構打ち負けていて、戦いにならなかったので予定を変更してセリアに合う戦い方を教えることにしたのだ。
 「ところで今更聞くけど、今の戦い方はどう? 自分に合っていると思う?」
 「うん! お父様に教えて貰った剣術よりも自分に会っている気がするの。教えてくれてありがとう! コウヤくん!」
 「いやぁ、セリアのセンスがいいからだ」
 このままヒット&アウェイの戦い方を極めていけば、親を超えられるかもしれないな。
 「2人共お熱いですねぇ〜」
 「このまま小説のようなラブストーリーが始まりそうねぇ〜」
 うっさいなぁ! ほら、お前ら2人のせいでセリアの顔が真っ赤になったじゃねぇかっ!!
 「いやいや恐れ入った。1ヶ月前と違って見違えるほど強くなっているじゃないか。彼女にワンドとかを持たせて後方支援をさせた方がいいんじゃないか。と考えていたが、まさか戦い方を変えることで解決させるとはな」
 やっぱり、この世界は剣術はもちろんのこと武術に対して固定概念が強いのか?
 「まぁ、俺は知っていたことを彼女に教えただけだから」
 「そうか。困ったときは俺も頼ろうか?」
 「先生、俺だって教えられることと教えられないことがあるんで、無理と言ったら潔く諦めて下さいね」
「ああ、わかっているよ」
 ウォーラー先生は俺にそう言ってから、周囲にいる生徒に顔を向ける。
 「次は誰がやるんだ?」
 「じゃあ、次はアタシがやる!」
 「ルノア、お前の場合は俺も使わせて防御系魔法を使わせて貰うぞ」
 え? 防御系魔法を使わせて貰うって・・・・・・あっ!?
 ルノアの持っている武器を見て気付いた。彼女が持っているのは弓矢。つまり遠距離で戦うスタイルで、矢は勢いよく飛ぶので下手したら大怪我を負う可能性がある。特に目とかに当たったら大変だ。
 「わかりました。仕方ありませんよね」
 ルノアはそう言ってからウォーラー先生の前に立った。
 「ちょっと待ってくれ」
 先生はそう言うとポケットからチョーカーを出すと首に掛けたら、透明な何かが現れてウォーラー先生の身体を包んだ。
 あれはもしかして身を守る為の結界か? わからないから後でリタ達に聞こうか。
 「準備が出来た。何時でもいいぞ」
 「それじゃあ、いきますよ先生」
 ルノアはそう言ってから矢筒から矢を1本取り出すのと同時に弓を構えて矢を番えて放った。しかしウォーラー先生はその行動を予想していたのか、飛んで来る矢を躱してから一気に距離を詰める。
 「クッ!?」
 再び矢を番ようと矢筒に手を伸ばしたが、一気に距離を詰められてしまい首元に剣を突き付けられてしまった。
 「終了。また矢を放とうとせずに、俺から離れるって判断をしていれば勝機はあった」
 「ありがとう・・・・・・ございました」
 ルノアは残念そうな顔で、俺達の元へ帰って来たのだった。
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