高校を退学させられた後、異世界へ留学することになりました。
第2話 それが理由なのかよ・・・・・・。
 「では、アナタが異世界へ・・・・・・」
 「ちょっと待って!!」
 サラッと話を進めようとするな! サラッと!!
 「何でしょうかぁ〜?」
 「今の書類、なかったことにして下さいっ!!」
 「無理でぇ〜す。もう受理しましたからぁ〜」
 そういえば、自称女神様の手元あった書類がなくなっている。もしかしたらカバンの。って、この人最初っからカバンを持っていなかったなぁ。
 「いやいやいや! 自称女神様が書類を渡して来たときに、魔法を掛けたでしょ!!」
 「何を仰っているのですかぁ〜? 証拠がないのに、疑うのはよくないですよぉ〜。あと、私は自称女神じゃなくて、ちゃんとした女神ですよぉ〜」
 うわぁ〜・・・・・・やっている人がよく言うセリフだ。
 「異世界に留学するのは決定されたので、諦めて下さいねぇ〜」
 ここで諦めたらダメだ! もしここで諦めたら、勇者になって魔王を倒す旅に出て、血生臭い戦いに身を投じなきゃ行けなくなって自分の家に帰れずに一生を過ごす羽目になる!
 事と場合によっては俺を召喚した国が強くなった力を恐れて、殺しに来るかもしれない。
 「あの・・・・・・行くのは構わないんですけど、俺から条件を出してもいいですか?」
 「条件ですか? いいですよ。出来る限り叶えてあげますよぉ〜」
 「この世界に帰れるようにして下さい!」
 そう、自分の世界に転移出来るようになれば、ピンチになったら、すぐに逃げ帰れるからね!
 「なるほどぉ〜。寮に入るのではなく、自宅通い希望ですねぇ〜。それぐらいでしたら、全然大丈夫ですよぉ〜」
 「・・・・・・え?」
「え?」
 寮? 自宅通い? 何を言っているのこの女神は?
 「洸夜さん、話を聞いてなかったんですかぁ〜? 私は、異世界の学校へ留学して貰いたいだけですよぉ〜」
 「異世界の学校へ留学ですか?」
 「はいそうでぇ〜す。剣と魔法の世界の学校への留学でぇ〜す!」
 「剣と魔法の世界へと、留学・・・・・・勇者として戦うのではなく?」
 「はい、アナタに魔王とか邪神を倒すことを求めてませんよぉ〜。異世界で学業に励んでいただくだけですぅ〜」
 ・・・・・・うん、どういうことなのかサッパリわからん。
 「詳しく訳話していただけますか?」
 「わかりましたぁ〜。資料を見ながらの方が、わかりやすいですからねぇ〜。少し待ってて下さぁ〜い」
 女神様の話をわかりやすく説明をすると、その世界はこの世界と違って魔法が主体の世界。しかし、近年では魔法に対しての、固定概念が出てきたせいかどうかなのはわからないけど、発展が停滞気味になってしまった。
 そのままほっといてしまったら人類が滅亡してしまうので、別の世界の住人を呼んで頑張って貰おうと思ったのだが、 そんなことしたら世界のパワーバランスが崩れるじゃないのか? 悪用する人間が出るんじゃないのか? 逆に滅ぼしかねない! とか色々と意見が出て来て話合いになった。
 その話合いの末、留学という形が一番いいと結論が出た。女神様が留学をしてくれそうな人を探していたら、退学を言い渡されてグロッキーになっていた俺とぶつかったらしい。
 「留学生ということにすれば、バレてしまい狙われたときは、自分の世界へ送還すればことが済みますからねぇ〜」
 「ああ〜なるほど」
 本人の素性がバレて追われることになれば、元の世界に帰せばことが済むからな。
 「それに、洸夜さんにはセンスがありますからねぇ〜」
 「センス、ですか?」
 まさかチートレベルの魔力を保有しているとか?
 「普通の魔力とは違ったものを感じる。おそらく、ユニーク魔法の使えるかもしれぬ」
 「えっ!?」
 髭を長く生やしたお爺さんが、俺の後ろに立っていた。
 「いらしたのですか、創世主様ぁ〜」
 「まぁの、彼の話しに興味・・・・・・というよりも、ワシもあの校長のことが気になったから調べてみたら、驚くことが出てきたのじゃ」
 「あの・・・・・・どちら様でしょうか?」
 神様なのはわかるんだけど。この世界の神様じゃないよね?
 「おお、名乗ってなかったのぉ〜、天空神のゼウスじゃよ」
 「ゼ、ゼウスッ!? 」
 うわぁっ!? あの有名な、ギリシャ神話の神様だ!
 「い、今お茶を入れますねっ!!」
 「まぁまぁまぁ、気持ちはありがたいが、話をしたいから座って貰えるかのぉ」
 ゼウス様の言う通りにイスに座り直す。
 「さっきの話の続きじゃが、手短に説明すると自分の息子が赤点じゃった。このままだと自分の名誉も傷つくどころか他の不正もバレかねない。
 考えて思い付いたのが、お前さんの答案と息子の答案をすり替えることを考えたのじゃ」
 「テストのすり替え」
 思い当たる節はあった。答案用紙に書かれていた名前が、俺の書いた字の癖じゃなかった。
 「自分の手で名前を書き直したところで、字の癖でバレると気付たので、急遽お主に冤罪を掛けてから再テストさせて、息子のテスト用紙をねつ造しようと考えておる、何ともまぁ浅はかな考えじゃ」
 そんなバカバカしい事の為に、俺は利用されたのか。他の不正ってどんなことをやってたんだよ。
 もはや怒りを通り越してしまい、深くため息を吐きながら呆れている。
 「因みにその息子のテスト結果は、平気19点じゃぞ」
 ウチの高校の赤点は30点の優しい点数なのに、何をやってんだよ。
 「ん?」
 ポケットに入れているスマホが震えるので取り出して見てみると、何と母親から電話が来た。なので、女神様達に口に人差し指を当てて静かにして貰う。
 「もしもし、母さん?」
 『聞いたわよ洸夜! アナタが退学になったって!』
 「えっ! 早くない? 誰から聞いたの?」
 『真吾くんから聞いたのよ!』
 母さんが語る真吾くんとは、中学時代からの友達で学年内で1〜2を争うほど頭のいいヤツで、こういった報告も早いのだ。
 『アナタが他人のテストすり替えたって事も聞いたわ』
 真吾が俺よりも先に連絡するのだから、話を通しているのは当たり前か。
 「その、さ・・・・・・卒直に言うと、俺はやってない。無実だ」
 『わかってる。真吾にも、 すり替え生徒と同じ列だけれども洸夜は前から3番目の場所だから、すり替え暇なんてあるわけがない。それ以前に状況的に出来るわけがない。 って言われた。だから私もお父さんも洸夜の事を信じているわ』
 その言葉にグッと来るものがあったので、ちょっと泣きそうになった。
 「その・・・・・・母さんにお願いがあるんだけどさ」
 『今日の事を教育委員会に訴えて欲しいんでしょ。わかっているわ』
 「話が早くてありがたい」
 『アナタよりも先に連絡をくれた真吾くんに感謝しなさい』
 「ああ、うん。後で連絡しておくよ」
 『じゃあ教育委員会に訴えるから、電話を切るわよ。それじゃあ』
 「うん、じゃあね」
 母さん達も動き出したのか・・・・・・。
 「どうやら洸夜さんのご両親も、動き出したみたいですねぇ〜」
 「そうらしいですね」
 てかあの校長、生徒にそのまま話したのか。
 「おっと、忘れるところじゃったわい。おぬしが留学するに当たって渡したいものがあるんじゃ。じゃからワシのこの手を握って貰えんかのう?」
 「あ、はい」
 ゼウス様の手を握った瞬間、ビリッと静電気のような痛みを手に感じた。
 「ほい終わり。これでおぬしは魔法が使えるようになった上に、向こうの世界の言葉と読み書きに、苦労しなくなったぞ」
 なんと、今の握手で俺はチート化した!
 「洸夜さん、勘違いしないでくださいよぉ〜。アナタはゼウス様からチート能力を受け取ってませんよぉ〜」
 「え?」
 「洸夜さんはただ向こうの世界で話したり、文字を書いたり読んだり出来るようになっただけですよぉ〜。もちろん魔法も使えるようにもなりましたが、人並みの魔力量ですよ」
 「え、そうなんですか?」
 「そうですよぉ〜。試しに魔法を使ってみましょうかぁ〜。私の手を握ってみて下さい〜」
 女神様の手を握ると、何かが握っている手を伝って流れて来るのがわかる。
 「残った左手で魔力を具現化してみましょうかぁ〜。手のひらに光の玉が乗っかっているのを、イメージしてみて下さい〜」
 女神様の言われた通りに目をつぶり、イメージをしてみる。すると、左手のひらに何かが乗っかったのを感じた。
 「おお〜」
 「これは・・・・・・」
 え、何? 何を驚いているんだ、この人達は。
 目を見開き、恐る恐る自分の手のひらを見てみると、小さな水晶が乗っかっていた。
 「ちょっと待って!!」
 サラッと話を進めようとするな! サラッと!!
 「何でしょうかぁ〜?」
 「今の書類、なかったことにして下さいっ!!」
 「無理でぇ〜す。もう受理しましたからぁ〜」
 そういえば、自称女神様の手元あった書類がなくなっている。もしかしたらカバンの。って、この人最初っからカバンを持っていなかったなぁ。
 「いやいやいや! 自称女神様が書類を渡して来たときに、魔法を掛けたでしょ!!」
 「何を仰っているのですかぁ〜? 証拠がないのに、疑うのはよくないですよぉ〜。あと、私は自称女神じゃなくて、ちゃんとした女神ですよぉ〜」
 うわぁ〜・・・・・・やっている人がよく言うセリフだ。
 「異世界に留学するのは決定されたので、諦めて下さいねぇ〜」
 ここで諦めたらダメだ! もしここで諦めたら、勇者になって魔王を倒す旅に出て、血生臭い戦いに身を投じなきゃ行けなくなって自分の家に帰れずに一生を過ごす羽目になる!
 事と場合によっては俺を召喚した国が強くなった力を恐れて、殺しに来るかもしれない。
 「あの・・・・・・行くのは構わないんですけど、俺から条件を出してもいいですか?」
 「条件ですか? いいですよ。出来る限り叶えてあげますよぉ〜」
 「この世界に帰れるようにして下さい!」
 そう、自分の世界に転移出来るようになれば、ピンチになったら、すぐに逃げ帰れるからね!
 「なるほどぉ〜。寮に入るのではなく、自宅通い希望ですねぇ〜。それぐらいでしたら、全然大丈夫ですよぉ〜」
 「・・・・・・え?」
「え?」
 寮? 自宅通い? 何を言っているのこの女神は?
 「洸夜さん、話を聞いてなかったんですかぁ〜? 私は、異世界の学校へ留学して貰いたいだけですよぉ〜」
 「異世界の学校へ留学ですか?」
 「はいそうでぇ〜す。剣と魔法の世界の学校への留学でぇ〜す!」
 「剣と魔法の世界へと、留学・・・・・・勇者として戦うのではなく?」
 「はい、アナタに魔王とか邪神を倒すことを求めてませんよぉ〜。異世界で学業に励んでいただくだけですぅ〜」
 ・・・・・・うん、どういうことなのかサッパリわからん。
 「詳しく訳話していただけますか?」
 「わかりましたぁ〜。資料を見ながらの方が、わかりやすいですからねぇ〜。少し待ってて下さぁ〜い」
 女神様の話をわかりやすく説明をすると、その世界はこの世界と違って魔法が主体の世界。しかし、近年では魔法に対しての、固定概念が出てきたせいかどうかなのはわからないけど、発展が停滞気味になってしまった。
 そのままほっといてしまったら人類が滅亡してしまうので、別の世界の住人を呼んで頑張って貰おうと思ったのだが、 そんなことしたら世界のパワーバランスが崩れるじゃないのか? 悪用する人間が出るんじゃないのか? 逆に滅ぼしかねない! とか色々と意見が出て来て話合いになった。
 その話合いの末、留学という形が一番いいと結論が出た。女神様が留学をしてくれそうな人を探していたら、退学を言い渡されてグロッキーになっていた俺とぶつかったらしい。
 「留学生ということにすれば、バレてしまい狙われたときは、自分の世界へ送還すればことが済みますからねぇ〜」
 「ああ〜なるほど」
 本人の素性がバレて追われることになれば、元の世界に帰せばことが済むからな。
 「それに、洸夜さんにはセンスがありますからねぇ〜」
 「センス、ですか?」
 まさかチートレベルの魔力を保有しているとか?
 「普通の魔力とは違ったものを感じる。おそらく、ユニーク魔法の使えるかもしれぬ」
 「えっ!?」
 髭を長く生やしたお爺さんが、俺の後ろに立っていた。
 「いらしたのですか、創世主様ぁ〜」
 「まぁの、彼の話しに興味・・・・・・というよりも、ワシもあの校長のことが気になったから調べてみたら、驚くことが出てきたのじゃ」
 「あの・・・・・・どちら様でしょうか?」
 神様なのはわかるんだけど。この世界の神様じゃないよね?
 「おお、名乗ってなかったのぉ〜、天空神のゼウスじゃよ」
 「ゼ、ゼウスッ!? 」
 うわぁっ!? あの有名な、ギリシャ神話の神様だ!
 「い、今お茶を入れますねっ!!」
 「まぁまぁまぁ、気持ちはありがたいが、話をしたいから座って貰えるかのぉ」
 ゼウス様の言う通りにイスに座り直す。
 「さっきの話の続きじゃが、手短に説明すると自分の息子が赤点じゃった。このままだと自分の名誉も傷つくどころか他の不正もバレかねない。
 考えて思い付いたのが、お前さんの答案と息子の答案をすり替えることを考えたのじゃ」
 「テストのすり替え」
 思い当たる節はあった。答案用紙に書かれていた名前が、俺の書いた字の癖じゃなかった。
 「自分の手で名前を書き直したところで、字の癖でバレると気付たので、急遽お主に冤罪を掛けてから再テストさせて、息子のテスト用紙をねつ造しようと考えておる、何ともまぁ浅はかな考えじゃ」
 そんなバカバカしい事の為に、俺は利用されたのか。他の不正ってどんなことをやってたんだよ。
 もはや怒りを通り越してしまい、深くため息を吐きながら呆れている。
 「因みにその息子のテスト結果は、平気19点じゃぞ」
 ウチの高校の赤点は30点の優しい点数なのに、何をやってんだよ。
 「ん?」
 ポケットに入れているスマホが震えるので取り出して見てみると、何と母親から電話が来た。なので、女神様達に口に人差し指を当てて静かにして貰う。
 「もしもし、母さん?」
 『聞いたわよ洸夜! アナタが退学になったって!』
 「えっ! 早くない? 誰から聞いたの?」
 『真吾くんから聞いたのよ!』
 母さんが語る真吾くんとは、中学時代からの友達で学年内で1〜2を争うほど頭のいいヤツで、こういった報告も早いのだ。
 『アナタが他人のテストすり替えたって事も聞いたわ』
 真吾が俺よりも先に連絡するのだから、話を通しているのは当たり前か。
 「その、さ・・・・・・卒直に言うと、俺はやってない。無実だ」
 『わかってる。真吾にも、 すり替え生徒と同じ列だけれども洸夜は前から3番目の場所だから、すり替え暇なんてあるわけがない。それ以前に状況的に出来るわけがない。 って言われた。だから私もお父さんも洸夜の事を信じているわ』
 その言葉にグッと来るものがあったので、ちょっと泣きそうになった。
 「その・・・・・・母さんにお願いがあるんだけどさ」
 『今日の事を教育委員会に訴えて欲しいんでしょ。わかっているわ』
 「話が早くてありがたい」
 『アナタよりも先に連絡をくれた真吾くんに感謝しなさい』
 「ああ、うん。後で連絡しておくよ」
 『じゃあ教育委員会に訴えるから、電話を切るわよ。それじゃあ』
 「うん、じゃあね」
 母さん達も動き出したのか・・・・・・。
 「どうやら洸夜さんのご両親も、動き出したみたいですねぇ〜」
 「そうらしいですね」
 てかあの校長、生徒にそのまま話したのか。
 「おっと、忘れるところじゃったわい。おぬしが留学するに当たって渡したいものがあるんじゃ。じゃからワシのこの手を握って貰えんかのう?」
 「あ、はい」
 ゼウス様の手を握った瞬間、ビリッと静電気のような痛みを手に感じた。
 「ほい終わり。これでおぬしは魔法が使えるようになった上に、向こうの世界の言葉と読み書きに、苦労しなくなったぞ」
 なんと、今の握手で俺はチート化した!
 「洸夜さん、勘違いしないでくださいよぉ〜。アナタはゼウス様からチート能力を受け取ってませんよぉ〜」
 「え?」
 「洸夜さんはただ向こうの世界で話したり、文字を書いたり読んだり出来るようになっただけですよぉ〜。もちろん魔法も使えるようにもなりましたが、人並みの魔力量ですよ」
 「え、そうなんですか?」
 「そうですよぉ〜。試しに魔法を使ってみましょうかぁ〜。私の手を握ってみて下さい〜」
 女神様の手を握ると、何かが握っている手を伝って流れて来るのがわかる。
 「残った左手で魔力を具現化してみましょうかぁ〜。手のひらに光の玉が乗っかっているのを、イメージしてみて下さい〜」
 女神様の言われた通りに目をつぶり、イメージをしてみる。すると、左手のひらに何かが乗っかったのを感じた。
 「おお〜」
 「これは・・・・・・」
 え、何? 何を驚いているんだ、この人達は。
 目を見開き、恐る恐る自分の手のひらを見てみると、小さな水晶が乗っかっていた。
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