東京PMC’s
舞と連絡
 シィくんが・・・・・・銃を持ってる。
 目の前にいる幼馴染みの格好に、舞は驚きを隠せないでいる。
 「糸風! 戻って来い!!」
「えっ!? でも彼がぁ・・・・・・」
「でもじゃない! 戻って来いっ!!」
「あ、はい!」
 下谷先生の強い口調に負けて列に戻った後に、シィくんはおじさん達と会話してから車に乗って何処かへと行ってしまった。
 「あの噂は本当だったのね」
 「そう、みたいね」
 下谷先生は色々と説明してくれたけど私の耳に届いていなかったのか、気が付いた時にあっという間に授業が終わってしまった。
 「舞、大丈夫か」
 「うん、大丈夫だよ龍平くん」
 バスの中、通路を挟んだ龍平くんにそう言ったけれど、実際のところ大丈夫じゃない。
 「なぁ、舞。さっきのライカンスロープがシオンってヤツか? そいつとどんな関係なんだよ?」
 「幼馴染みよ。朝話したでしょ?」
 「えっ!? 何だってぇ!!」
 「じゃあ、やっぱり・・・・・・」
 「彼は噂通りPMCとして活動をしているって事よ」
 香奈ちゃんのその言葉に、胸がキュッと締まる感覚になる。
 「で、でも。まだシィくんがPMCになったなんて確認取れてないし」
 「でも銃は持ってたし、装備もちゃんとしていたから間違いなくPMCになったんじゃないか?」
 瀧口がそう言った瞬間、実野妓と日野谷は睨み付けた。
 「そうだとしたら、辞めさせないといけないよね」
 PMCをやっていたら命が危ないし、何よりも間違っているから。
 「そうと決まれば早速連絡をぉ〜・・・・・・」
 スマホを取り出そうとポケットに手を入れた瞬間に私は気付いた。下谷先生が “今スマホを使ったら没収するぞ” と言わんばかりの目で見つめて来ているのを。
 「連絡は後にしよう」
 「そうした方がいいかもな」
 この場でシィくんと連絡を取る事を諦め、学校に着くまで座席に大人しく座っていたのであった。
 「よし、着いた。順番に降りて並ぶんだ!」
 先生の指示の元、バスの外に出ると2列に並んでから教室へと戻って来たのだ。
 「それじゃあ、このままホームルームに入るぞ。明日の他校との交流の事なんだが、決して向こうの学校とトラブルを起こさないように」
 他校に行って自分達の訓練の成果を見て貰う実演をするんだった。
 「後、糸風! 日野谷! お前達はホームルームが終わったら、職員室へ来い!」
 「「はいっ!」」
 「私からの話は以上だ。何か質問ある人はいるか?」
 みんな早く帰りたいのか、誰も質問しようとしない。
 「質問はないのなら、挨拶をして終わる。日直、挨拶を」
 「はいっ! 起立、礼・・・・・・」
 『ありがとうございましたぁ〜!!』
 ホームルームが終わった下谷先生は、すぐさま廊下へと出て行った。
 「ねぇ、舞ちゃん。私達に話って一体何なんだろうね?」
 「うん、もしかしたらシィくんの事かなぁ?」
 「かもね」
 「なぁなぁ2人共、職員室に行かなくていいのか?」
 「瀧口の言う通り、今すぐに行かないと怒られるんじゃないか?」
 2人の言う通りかもしれない。だって前に職員室に呼ばれた時に、ゆっくりと向かったら 遅い! と言って怒られたのだから。
 「行きましょうか、舞ちゃん」
 「・・・・・・うん」
 香奈ちゃんは不安そうな顔をしている私の手を取ると、先導するようにして職員室へと連れて行ってくれる。そして職員室へと入ると、先生は椅子に座り腕を組んで待っていた。
 「2人共来たか」
 「はい」
 「長話になるから、そこに座ってくれ」
 「わかり・・・・・・ました」
 「失礼します」
 私と香奈ちゃんはそう返事をすると、椅子へと座った。
 「もう気付いていると思うが2人に話したい事はただ1つ、今日会った同級生の事に付いてだ」
 「大園の事ですね」
 「そうだ。明日向かう学校には、その大園さんともう1人のPMCがいる」
 「えっ!?」
 「嘘ぉ!?」
 シィくんが、その学校に通っているの? それにもう1人PMCがいるってどういう事?
 「そこで、お前達には注意して貰いたい事があるんだ」
 「注意って、一体何を注意するんですか?」
 「彼に向かってPMCを辞めるように説得するのと、関わろうとするのは止めて貰う」
 「「えっ!?」」
 舞と加奈子が驚いた顔をさせている中、下谷先生は真剣な顔付きで語り掛ける。
 「すまないが複雑な事情があるんだ。判ってくれ?」
 「判ってくれ。って言われても、その複雑な事情を話して貰わないと納得出来ません!」
 香奈ちゃんはそう言うと、立ち上がり下谷先生を見つめた。下谷先生も対抗するように睨み付ける。
 「日野谷、PMCにとって彼は主戦力だ。だからお前達の一存じゃ辞めさせる事は出来ない。むしろ私達が叩かれる可能性があるから止めるんだ」
 「せ、先生ちょっと待って下さい! 彼が主戦力ですか?」
 「・・・・・・ああ、そうだ。PMCの連続暗殺事件解決に、森下容疑者の誘拐殺人事件の解決。更にはサイボーグの暴走事件で活躍・・・・・・いや、解決させたのが彼だ」
 シィくんが、3つの事件を解決させただって。
 「先生・・・・・・・私、その話を信じられません」
 「まぁそうだな。私自身最初は信じられなかったが全部事実だ」
 先生の言葉が信じられなくて、お互いの顔を見合わせてしまった。
 「とにかくだ。彼もキミ達に接触しないように配慮するから、お前達も関わろうとするなよ。いいな」
 「・・・・・・先生、それはわかりました。ですが、これだけはハッキリさせて貰いたいんです。聞いても言いでしょうか?」
 「簡単な質問なら答えてやる。言ってみろ」
 「私達と大園。どっちの方が強いのですか?」
 下谷先生がその言葉を聞いた瞬間、眉間にシワが出来た。
 「実際の実力はちゃんと見てないが、お前達よりも大園の方が比べ物にならない程強い」
 「何を根拠に言っているのですか?」
 「彼の目を見て実力がわかった」
 「答えになっていませんよ。先生」
 「香奈ちゃん、落ち着いて。先生にしかわからない事があるんだよ」
 私も何を言っているのかわからないけど、先生の言葉には何か意味があるって事が理解出来る。
 「経験の浅いお前達にはわからないが、ある程度経験を積んだ人なら一目見たら。って時があるんだ。それが感じられたら、エリートだって言っても過言じゃない」
 「んん?」
 「このまま訓練を続けていれば、日野谷もいずれ理解出来るさ。ともかく、彼との接触をしないように。以上、解散」
下谷先生はそう言うと、自分のデスクトップに向かい仕事を始めた。
 「し、失礼しました」
 「失礼しました」
 私達は先生にお辞儀すると職員室から出て行くのであった。
 「ねぇ、香奈ちゃん」
 「ん? どうしたの、舞ちゃん?」
 「シィくん、私達と違って実戦に出ていたんだね」
 「そうねぇ。まさか実戦に出て戦っていたとはね・・・・・・って、ちょっと待って!?」
 顎に手を当てて考える様子を見せる。
 「どうしたの、香奈ちゃん?」
 「実戦に出てるって事は、大園はモンスターや人を殺しているのかな?」
 「・・・・・・あっ!?」
 言われてみれば確かに、PMC連続殺人事件と森下容疑者の誘拐殺人事件は人が起こした事件なのだから、人と戦っていない筈がない。
 「そ、そんな事はないんじゃない?」
 「でも、解決の要因になったのは大園って言うんだから、可能性はあるんじゃない?」
 私自身、違うと信じたい。
 「舞ちゃんは大園の連絡を持っているんだからさ、確認を取ってみたらいいんじゃない?」
 「えっ!? でも下谷先生がさっき・・・・・・」
 「下谷先生が言っていたのは、大園にPMCを辞めろって言う呼び掛け。だから、どうしてPMCをやっているのかって理由を聞くのは大丈夫な筈よ」
 「本当にそうかなぁ〜」
 「そうよ! 早速連絡を取りましょう」
 私も気になるからなぁ〜。と思ったので、連絡を取る事にした。しかし、LI◯Eを送っても電話を掛けても出なかったので、香奈ちゃんはカンカンに怒っていたのであった。
 目の前にいる幼馴染みの格好に、舞は驚きを隠せないでいる。
 「糸風! 戻って来い!!」
「えっ!? でも彼がぁ・・・・・・」
「でもじゃない! 戻って来いっ!!」
「あ、はい!」
 下谷先生の強い口調に負けて列に戻った後に、シィくんはおじさん達と会話してから車に乗って何処かへと行ってしまった。
 「あの噂は本当だったのね」
 「そう、みたいね」
 下谷先生は色々と説明してくれたけど私の耳に届いていなかったのか、気が付いた時にあっという間に授業が終わってしまった。
 「舞、大丈夫か」
 「うん、大丈夫だよ龍平くん」
 バスの中、通路を挟んだ龍平くんにそう言ったけれど、実際のところ大丈夫じゃない。
 「なぁ、舞。さっきのライカンスロープがシオンってヤツか? そいつとどんな関係なんだよ?」
 「幼馴染みよ。朝話したでしょ?」
 「えっ!? 何だってぇ!!」
 「じゃあ、やっぱり・・・・・・」
 「彼は噂通りPMCとして活動をしているって事よ」
 香奈ちゃんのその言葉に、胸がキュッと締まる感覚になる。
 「で、でも。まだシィくんがPMCになったなんて確認取れてないし」
 「でも銃は持ってたし、装備もちゃんとしていたから間違いなくPMCになったんじゃないか?」
 瀧口がそう言った瞬間、実野妓と日野谷は睨み付けた。
 「そうだとしたら、辞めさせないといけないよね」
 PMCをやっていたら命が危ないし、何よりも間違っているから。
 「そうと決まれば早速連絡をぉ〜・・・・・・」
 スマホを取り出そうとポケットに手を入れた瞬間に私は気付いた。下谷先生が “今スマホを使ったら没収するぞ” と言わんばかりの目で見つめて来ているのを。
 「連絡は後にしよう」
 「そうした方がいいかもな」
 この場でシィくんと連絡を取る事を諦め、学校に着くまで座席に大人しく座っていたのであった。
 「よし、着いた。順番に降りて並ぶんだ!」
 先生の指示の元、バスの外に出ると2列に並んでから教室へと戻って来たのだ。
 「それじゃあ、このままホームルームに入るぞ。明日の他校との交流の事なんだが、決して向こうの学校とトラブルを起こさないように」
 他校に行って自分達の訓練の成果を見て貰う実演をするんだった。
 「後、糸風! 日野谷! お前達はホームルームが終わったら、職員室へ来い!」
 「「はいっ!」」
 「私からの話は以上だ。何か質問ある人はいるか?」
 みんな早く帰りたいのか、誰も質問しようとしない。
 「質問はないのなら、挨拶をして終わる。日直、挨拶を」
 「はいっ! 起立、礼・・・・・・」
 『ありがとうございましたぁ〜!!』
 ホームルームが終わった下谷先生は、すぐさま廊下へと出て行った。
 「ねぇ、舞ちゃん。私達に話って一体何なんだろうね?」
 「うん、もしかしたらシィくんの事かなぁ?」
 「かもね」
 「なぁなぁ2人共、職員室に行かなくていいのか?」
 「瀧口の言う通り、今すぐに行かないと怒られるんじゃないか?」
 2人の言う通りかもしれない。だって前に職員室に呼ばれた時に、ゆっくりと向かったら 遅い! と言って怒られたのだから。
 「行きましょうか、舞ちゃん」
 「・・・・・・うん」
 香奈ちゃんは不安そうな顔をしている私の手を取ると、先導するようにして職員室へと連れて行ってくれる。そして職員室へと入ると、先生は椅子に座り腕を組んで待っていた。
 「2人共来たか」
 「はい」
 「長話になるから、そこに座ってくれ」
 「わかり・・・・・・ました」
 「失礼します」
 私と香奈ちゃんはそう返事をすると、椅子へと座った。
 「もう気付いていると思うが2人に話したい事はただ1つ、今日会った同級生の事に付いてだ」
 「大園の事ですね」
 「そうだ。明日向かう学校には、その大園さんともう1人のPMCがいる」
 「えっ!?」
 「嘘ぉ!?」
 シィくんが、その学校に通っているの? それにもう1人PMCがいるってどういう事?
 「そこで、お前達には注意して貰いたい事があるんだ」
 「注意って、一体何を注意するんですか?」
 「彼に向かってPMCを辞めるように説得するのと、関わろうとするのは止めて貰う」
 「「えっ!?」」
 舞と加奈子が驚いた顔をさせている中、下谷先生は真剣な顔付きで語り掛ける。
 「すまないが複雑な事情があるんだ。判ってくれ?」
 「判ってくれ。って言われても、その複雑な事情を話して貰わないと納得出来ません!」
 香奈ちゃんはそう言うと、立ち上がり下谷先生を見つめた。下谷先生も対抗するように睨み付ける。
 「日野谷、PMCにとって彼は主戦力だ。だからお前達の一存じゃ辞めさせる事は出来ない。むしろ私達が叩かれる可能性があるから止めるんだ」
 「せ、先生ちょっと待って下さい! 彼が主戦力ですか?」
 「・・・・・・ああ、そうだ。PMCの連続暗殺事件解決に、森下容疑者の誘拐殺人事件の解決。更にはサイボーグの暴走事件で活躍・・・・・・いや、解決させたのが彼だ」
 シィくんが、3つの事件を解決させただって。
 「先生・・・・・・・私、その話を信じられません」
 「まぁそうだな。私自身最初は信じられなかったが全部事実だ」
 先生の言葉が信じられなくて、お互いの顔を見合わせてしまった。
 「とにかくだ。彼もキミ達に接触しないように配慮するから、お前達も関わろうとするなよ。いいな」
 「・・・・・・先生、それはわかりました。ですが、これだけはハッキリさせて貰いたいんです。聞いても言いでしょうか?」
 「簡単な質問なら答えてやる。言ってみろ」
 「私達と大園。どっちの方が強いのですか?」
 下谷先生がその言葉を聞いた瞬間、眉間にシワが出来た。
 「実際の実力はちゃんと見てないが、お前達よりも大園の方が比べ物にならない程強い」
 「何を根拠に言っているのですか?」
 「彼の目を見て実力がわかった」
 「答えになっていませんよ。先生」
 「香奈ちゃん、落ち着いて。先生にしかわからない事があるんだよ」
 私も何を言っているのかわからないけど、先生の言葉には何か意味があるって事が理解出来る。
 「経験の浅いお前達にはわからないが、ある程度経験を積んだ人なら一目見たら。って時があるんだ。それが感じられたら、エリートだって言っても過言じゃない」
 「んん?」
 「このまま訓練を続けていれば、日野谷もいずれ理解出来るさ。ともかく、彼との接触をしないように。以上、解散」
下谷先生はそう言うと、自分のデスクトップに向かい仕事を始めた。
 「し、失礼しました」
 「失礼しました」
 私達は先生にお辞儀すると職員室から出て行くのであった。
 「ねぇ、香奈ちゃん」
 「ん? どうしたの、舞ちゃん?」
 「シィくん、私達と違って実戦に出ていたんだね」
 「そうねぇ。まさか実戦に出て戦っていたとはね・・・・・・って、ちょっと待って!?」
 顎に手を当てて考える様子を見せる。
 「どうしたの、香奈ちゃん?」
 「実戦に出てるって事は、大園はモンスターや人を殺しているのかな?」
 「・・・・・・あっ!?」
 言われてみれば確かに、PMC連続殺人事件と森下容疑者の誘拐殺人事件は人が起こした事件なのだから、人と戦っていない筈がない。
 「そ、そんな事はないんじゃない?」
 「でも、解決の要因になったのは大園って言うんだから、可能性はあるんじゃない?」
 私自身、違うと信じたい。
 「舞ちゃんは大園の連絡を持っているんだからさ、確認を取ってみたらいいんじゃない?」
 「えっ!? でも下谷先生がさっき・・・・・・」
 「下谷先生が言っていたのは、大園にPMCを辞めろって言う呼び掛け。だから、どうしてPMCをやっているのかって理由を聞くのは大丈夫な筈よ」
 「本当にそうかなぁ〜」
 「そうよ! 早速連絡を取りましょう」
 私も気になるからなぁ〜。と思ったので、連絡を取る事にした。しかし、LI◯Eを送っても電話を掛けても出なかったので、香奈ちゃんはカンカンに怒っていたのであった。
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