東京PMC’s
紫音とサイボーグの戦い 後編
 真っ二つに折れた刀身がカランッカランッと音を立ててコンクリートに落ち、ギリア元国王は震えた手で折れた刀を見つめていた。
 「我の・・・・・・武器が」
 「チェックメイトです。そろそろ諦めて降参した方がいいんじゃないんですか?」
 そう言いながら4つに切れた車から少しづつ距離を取って行く。
 「・・・・・・まだだ。この屈強な身体がある限り、我が最強であり続けるっ!!」
 そう言って駆け出そうとしたのだが何故か急に膝と手を着いてしまい、荒い呼吸をしているのだ。
 「なっ!?」
 ギリア元国王が膝を着いた。一体何をしているんだろう? もしかして演技をしている?
 「なっ、何故だ? 何故身体が急に重くなったのだ? 動けええええええええええええっ!?」
 ギリア元国王は叫ぶようにそう言いながら立ち上がり歩き出したのだが、まるでとても重い物を背負わされているかのような覚束ない足取りで、僕の方に歩いて来るのが4歩目でまた膝を着いてしまった。
 「もしかして、バッテリー切れを起こした?」
 「ッ!? まだ稼働時間がある筈じゃ!」
 「普通だったらな」
 天野さんはそう言うと、SR-16 URX4 を構えながら僕のところまでやって来た。
 「お前、背中にあるバッテリーパックを傷付けられただろう? 多分それが原因で内部で漏電しているんじゃないのか?」
 「あっ!?」
 言われてみれば確かにそうかもしれない。だってコニーさんは確実にバッテリーパックを撃ち抜いたんだから、何かしら異常を起こしていてもおかしくはない筈。
 「その状態で動いていたらバッテリーが爆発する可能性があるから、それ以上動かない方が身の為だよ」
 リュークさんも遠くから自身の愛銃の H&K MP5A6 を構えながら言う。
 「ヌゥゥゥウウウウウウッッッ!!? 下郎供が! 高貴なる我を馬鹿にしよってぇ・・・・・・」
 そう言ってから立ち上がろうとしたところで、背中に強い刺激を受けたのか身体を大きく右に振って倒れてしまった。恐らくコニーさんがまた背中のバッテリーパックを撃ったのかもしれない。
 「〜〜〜ッ!? 小癪なぁぁぁああああああッ!!?」
 ギリア元国王はそう言ってまた立ち上がったのだが、異様な臭いがこちらに漂って来た。
 この臭い・・・・・・もしかしてっ!?
 「それ以上動いたら危険ですっ!!」
 「フンッ!? 裏切り者の倅の言葉など、聞く耳を持たんわぁっ!!」
 そう言って一歩踏み出した瞬間、背中のバッテリーケースが膨らんで銃痕から火花が噴き出たのだ。
 「な、何だとぉっ!? これは、どうなっているのだっ!?」
 「背中に着いてるバッテリーケースが限界を迎えて暴発したのね」
 ギリア元国王は何とか火花を消そうとしているのか、必死になって上半身を振ったり背中に付いているバッテリーケースを叩いて消そうとしている。
 「あ、熱いっ!? 背中が熱いっ!! 早く止めろっ!! 止めてくれっ!!」
 そう喚き散らすギリア元国王を呆然とした顔で見ていたら、天野さんにポンッと肩に手を置かれた。
 「紫音、ヤツの最後のさまを見ておけ。お前が果たさなきゃいけない義務の1つだからな」
 「・・・・・・はい」
 そう返事をしてから、バッテリーケースから出ている火を消そうと野田打ち回っているギリア元国王の方を見つめる。
 「おのれぇ〜・・・・・・こうなったら、キサマら2人だけでも地獄へ落としてやるっ!!」
 何とか立ち上がり、こちらを見つめて来るギリア元国王に対して危機を感じた僕はM1887を向けて撃ち始め、天野さんは SR-16 URX4 を構えてギリア元国王にフルオートで銃弾を叩き込む。
 「グアッ!? ガァッ!?」
 僕達から向かって右側にいるリトアさん達も持っている銃でギリア元国王に向けて撃ち、追い込みを掛ける。
 「こんのっ! 愚民共がぁぁぁああああああっ!!?」
 そう言って歩み寄ろうとしたが紫音が撃ったスラグが胸に当たった瞬間、ギリア元国王はバランスを崩してしまい仰向けになるような形で倒れてしまった。
 「まだだぁ・・・・・・キサマらの弾丸はこのボディーを貫く事は・・・・・・」
 仰向け状態から身体を起こそうとした瞬間、激しい光が視界遮ったので手を顔の前にかざして目を瞑ってしまった。
 この暑さと焦げ臭さは何?
 恐る恐る目を見開いてみると、何とギリア元国王が火だるまになって叫びながら悶え苦しんでいたのだ!
 「うわぁぁぁああああああああああああっっっ!!?」
 「火花が気化したガソリンに引火したようだな」
 「気化したガソリン?」
 「ああ、ガソリンは発火しやすい上に気化しやすいからな。冷寒地以外の場所で液体放っておくとガスになるんだ」
 「じゃあ、あの4つに引き裂いた車のガソリンがガスになって」
 「ああ、後は想像通りのシナリオだ」
 天野はポケットから煙草を取り出すと火を点けて吸い始めた。その行動とは別に紫音はギリア元国王を可哀想な目で見つめる。
 そしてその姿を見たギリア元国王の顔が怒りの表情になり、暴れるのを止めて紫音の顔を見つめる。
 「キィ〜サァ〜マァァァアアアアアア・・・・・・・セイラと同じ目を向けて来るなぁぁぁああああああああああああっっっ!!?」
 そう言ってから紫音に向かって這いずり出すが、身体の限界が来ているのか動きがかなりゆっくりなのだ。もうこの場にいる誰もが最後の悪足掻きだと理解しているので、銃を向けずにただ見つめていた。
 「ハァ〜・・・・・・見ちゃいらんねぇなぁ。紫音」
 「はい」
 「お前自身の手で決着を着けてやれ」
 「・・・・・・わかりました」
 そう返事をするとM1887をギリア元国王に向けスラグ弾を撃つと、スラグ弾を防ごうとしていた右手がひしゃげた。その後に素早くコッキングをしてから左手を撃ち、右手と同様に潰した。
 「グオオオオオオッ!!?」
 痛そうに両手を見つめているギリア元国王に素早く近づき、左手のひらの部分から刃を出して首筋に向かって突き刺して脊髄を叩き切った。
 「ゴォガッ!?」
 「さようなら、ギリアおじさん」
 「ヂ・・・・・・オ“・・・・・・ンン・・・・・・・・・・・・」
 ギリア元国王はそう言うと、力なくコンクリートとに寝そべったのであった。その様子を近くで見ていた天野が紫音に近づいて話し掛ける。
 「紫音、大丈夫か?」
 「・・・・・・僕は平気です」
 「そうか」
 そう言ってから紫音の頭に手を置いて撫でるのであった。その後は消防車がやって来て燃えている車を鎮火させた。エルザさん達はほぼ真っ黒になったギリア元国王を大きなケースの中へと入れていた。
 その光景を遠くで見ていた紫音にリトアが側へやって来る。
 「・・・・・・ねぇシオンくん」
 「ん? 何ですかリトアさん?」
 「ゴメンね」
 「えっ、何で謝っているんですか?」
 「私ね、アナタのお父さんがヒューリーと聞いた時にアナタに嫌悪感を感じたの」
 「えっ!?」
 僕に? と言おうとしたところでリュークさんが僕の隣にやって来た。
 「ああ、リトアくんも彼と同じ国出身でね。ヒューリーくんの話を聞いていたんだよ」
 「でもお父さんもPMCとして働いていましたよね? 会わなかったんですか?」
 「ヒューリーって名前はメジャーだったから気付かなかったわ」
 「今はそうでもないらしいけど」
 まぁあんな事があったら、必然的にそうなってしまうよね。
 「それでもヒューリーと言う名前が絶えなかったのは、ヒューリー団長を慕っていた人が多かったからね」
 「彼は彼で、色んな逸話を残したのよね」
 「どんな逸話ですか?」
 「1000人の兵士に対して、立ったの350人で勝ったとかぁ」
 「交戦的な竜族と友好条約を結ばせたとかもね」
 「他にも色々あるわよ」
 是非聞きたい! って言いたいところ何だけれどもぉ〜。
 「あの4つに切れた車、何処かで見たような気がする。う〜ん・・・・・・」
 「見覚え?」
 「あの車に?」
 リトアさん達も車を見つめて唸るが原型を留めていないので車種すら判別出来ない状態なので、すぐにギブアップした。
 「ん?」
 「どうしたんだい、シオンくん」
 「今、遠くの方で叫び声が聞こえたような気がします」
 それに声に聞き覚えがあるような、無いようなぁ〜・・・・・・。
 「おいお前ら」
 煙草を携帯灰皿に入れながらこっちに話し掛けて来た。これで何本目の煙草?
 「どうしたんだい、アマノくん?」
 「工藤が本部に来いって言っているから向かうぞ」
 「あ、そうなんだ。行こうか、2人共」
 「わかったわ、行きましょう、シオンくん」
 「あ、はい!」
 そう返事をした後にピックアップトラックへと乗り込んだのだった。
 「我の・・・・・・武器が」
 「チェックメイトです。そろそろ諦めて降参した方がいいんじゃないんですか?」
 そう言いながら4つに切れた車から少しづつ距離を取って行く。
 「・・・・・・まだだ。この屈強な身体がある限り、我が最強であり続けるっ!!」
 そう言って駆け出そうとしたのだが何故か急に膝と手を着いてしまい、荒い呼吸をしているのだ。
 「なっ!?」
 ギリア元国王が膝を着いた。一体何をしているんだろう? もしかして演技をしている?
 「なっ、何故だ? 何故身体が急に重くなったのだ? 動けええええええええええええっ!?」
 ギリア元国王は叫ぶようにそう言いながら立ち上がり歩き出したのだが、まるでとても重い物を背負わされているかのような覚束ない足取りで、僕の方に歩いて来るのが4歩目でまた膝を着いてしまった。
 「もしかして、バッテリー切れを起こした?」
 「ッ!? まだ稼働時間がある筈じゃ!」
 「普通だったらな」
 天野さんはそう言うと、SR-16 URX4 を構えながら僕のところまでやって来た。
 「お前、背中にあるバッテリーパックを傷付けられただろう? 多分それが原因で内部で漏電しているんじゃないのか?」
 「あっ!?」
 言われてみれば確かにそうかもしれない。だってコニーさんは確実にバッテリーパックを撃ち抜いたんだから、何かしら異常を起こしていてもおかしくはない筈。
 「その状態で動いていたらバッテリーが爆発する可能性があるから、それ以上動かない方が身の為だよ」
 リュークさんも遠くから自身の愛銃の H&K MP5A6 を構えながら言う。
 「ヌゥゥゥウウウウウウッッッ!!? 下郎供が! 高貴なる我を馬鹿にしよってぇ・・・・・・」
 そう言ってから立ち上がろうとしたところで、背中に強い刺激を受けたのか身体を大きく右に振って倒れてしまった。恐らくコニーさんがまた背中のバッテリーパックを撃ったのかもしれない。
 「〜〜〜ッ!? 小癪なぁぁぁああああああッ!!?」
 ギリア元国王はそう言ってまた立ち上がったのだが、異様な臭いがこちらに漂って来た。
 この臭い・・・・・・もしかしてっ!?
 「それ以上動いたら危険ですっ!!」
 「フンッ!? 裏切り者の倅の言葉など、聞く耳を持たんわぁっ!!」
 そう言って一歩踏み出した瞬間、背中のバッテリーケースが膨らんで銃痕から火花が噴き出たのだ。
 「な、何だとぉっ!? これは、どうなっているのだっ!?」
 「背中に着いてるバッテリーケースが限界を迎えて暴発したのね」
 ギリア元国王は何とか火花を消そうとしているのか、必死になって上半身を振ったり背中に付いているバッテリーケースを叩いて消そうとしている。
 「あ、熱いっ!? 背中が熱いっ!! 早く止めろっ!! 止めてくれっ!!」
 そう喚き散らすギリア元国王を呆然とした顔で見ていたら、天野さんにポンッと肩に手を置かれた。
 「紫音、ヤツの最後のさまを見ておけ。お前が果たさなきゃいけない義務の1つだからな」
 「・・・・・・はい」
 そう返事をしてから、バッテリーケースから出ている火を消そうと野田打ち回っているギリア元国王の方を見つめる。
 「おのれぇ〜・・・・・・こうなったら、キサマら2人だけでも地獄へ落としてやるっ!!」
 何とか立ち上がり、こちらを見つめて来るギリア元国王に対して危機を感じた僕はM1887を向けて撃ち始め、天野さんは SR-16 URX4 を構えてギリア元国王にフルオートで銃弾を叩き込む。
 「グアッ!? ガァッ!?」
 僕達から向かって右側にいるリトアさん達も持っている銃でギリア元国王に向けて撃ち、追い込みを掛ける。
 「こんのっ! 愚民共がぁぁぁああああああっ!!?」
 そう言って歩み寄ろうとしたが紫音が撃ったスラグが胸に当たった瞬間、ギリア元国王はバランスを崩してしまい仰向けになるような形で倒れてしまった。
 「まだだぁ・・・・・・キサマらの弾丸はこのボディーを貫く事は・・・・・・」
 仰向け状態から身体を起こそうとした瞬間、激しい光が視界遮ったので手を顔の前にかざして目を瞑ってしまった。
 この暑さと焦げ臭さは何?
 恐る恐る目を見開いてみると、何とギリア元国王が火だるまになって叫びながら悶え苦しんでいたのだ!
 「うわぁぁぁああああああああああああっっっ!!?」
 「火花が気化したガソリンに引火したようだな」
 「気化したガソリン?」
 「ああ、ガソリンは発火しやすい上に気化しやすいからな。冷寒地以外の場所で液体放っておくとガスになるんだ」
 「じゃあ、あの4つに引き裂いた車のガソリンがガスになって」
 「ああ、後は想像通りのシナリオだ」
 天野はポケットから煙草を取り出すと火を点けて吸い始めた。その行動とは別に紫音はギリア元国王を可哀想な目で見つめる。
 そしてその姿を見たギリア元国王の顔が怒りの表情になり、暴れるのを止めて紫音の顔を見つめる。
 「キィ〜サァ〜マァァァアアアアアア・・・・・・・セイラと同じ目を向けて来るなぁぁぁああああああああああああっっっ!!?」
 そう言ってから紫音に向かって這いずり出すが、身体の限界が来ているのか動きがかなりゆっくりなのだ。もうこの場にいる誰もが最後の悪足掻きだと理解しているので、銃を向けずにただ見つめていた。
 「ハァ〜・・・・・・見ちゃいらんねぇなぁ。紫音」
 「はい」
 「お前自身の手で決着を着けてやれ」
 「・・・・・・わかりました」
 そう返事をするとM1887をギリア元国王に向けスラグ弾を撃つと、スラグ弾を防ごうとしていた右手がひしゃげた。その後に素早くコッキングをしてから左手を撃ち、右手と同様に潰した。
 「グオオオオオオッ!!?」
 痛そうに両手を見つめているギリア元国王に素早く近づき、左手のひらの部分から刃を出して首筋に向かって突き刺して脊髄を叩き切った。
 「ゴォガッ!?」
 「さようなら、ギリアおじさん」
 「ヂ・・・・・・オ“・・・・・・ンン・・・・・・・・・・・・」
 ギリア元国王はそう言うと、力なくコンクリートとに寝そべったのであった。その様子を近くで見ていた天野が紫音に近づいて話し掛ける。
 「紫音、大丈夫か?」
 「・・・・・・僕は平気です」
 「そうか」
 そう言ってから紫音の頭に手を置いて撫でるのであった。その後は消防車がやって来て燃えている車を鎮火させた。エルザさん達はほぼ真っ黒になったギリア元国王を大きなケースの中へと入れていた。
 その光景を遠くで見ていた紫音にリトアが側へやって来る。
 「・・・・・・ねぇシオンくん」
 「ん? 何ですかリトアさん?」
 「ゴメンね」
 「えっ、何で謝っているんですか?」
 「私ね、アナタのお父さんがヒューリーと聞いた時にアナタに嫌悪感を感じたの」
 「えっ!?」
 僕に? と言おうとしたところでリュークさんが僕の隣にやって来た。
 「ああ、リトアくんも彼と同じ国出身でね。ヒューリーくんの話を聞いていたんだよ」
 「でもお父さんもPMCとして働いていましたよね? 会わなかったんですか?」
 「ヒューリーって名前はメジャーだったから気付かなかったわ」
 「今はそうでもないらしいけど」
 まぁあんな事があったら、必然的にそうなってしまうよね。
 「それでもヒューリーと言う名前が絶えなかったのは、ヒューリー団長を慕っていた人が多かったからね」
 「彼は彼で、色んな逸話を残したのよね」
 「どんな逸話ですか?」
 「1000人の兵士に対して、立ったの350人で勝ったとかぁ」
 「交戦的な竜族と友好条約を結ばせたとかもね」
 「他にも色々あるわよ」
 是非聞きたい! って言いたいところ何だけれどもぉ〜。
 「あの4つに切れた車、何処かで見たような気がする。う〜ん・・・・・・」
 「見覚え?」
 「あの車に?」
 リトアさん達も車を見つめて唸るが原型を留めていないので車種すら判別出来ない状態なので、すぐにギブアップした。
 「ん?」
 「どうしたんだい、シオンくん」
 「今、遠くの方で叫び声が聞こえたような気がします」
 それに声に聞き覚えがあるような、無いようなぁ〜・・・・・・。
 「おいお前ら」
 煙草を携帯灰皿に入れながらこっちに話し掛けて来た。これで何本目の煙草?
 「どうしたんだい、アマノくん?」
 「工藤が本部に来いって言っているから向かうぞ」
 「あ、そうなんだ。行こうか、2人共」
 「わかったわ、行きましょう、シオンくん」
 「あ、はい!」
 そう返事をした後にピックアップトラックへと乗り込んだのだった。
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