東京PMC’s
紫音とやる気のない天野
 「ただいま!」
 そう言ってからリビングに向かうと、怠そうにソファーに座っている天野さんがこっちに顔を向けて来た。
 「紫音、遅かったな」
 「ホント、心配したんだよ。犯人にやられちゃったんじゃないかって心配したんだよ」
 「呑気にゲームをやっているヤツが言う言葉か? ふぁ〜あ・・・・・・」
 天野さんは寝ようとしているのか、ソファーに横になって目を瞑る。
 「ああ! 天野さん寝ないで下さいよ!」
 「寝るも起きるも俺の自由なんだから、ガミガミ言うなよ」
 いや、ガミガミとまでは言ってない気がする。
 「真理亜さんから筒城先生と誘拐された2人の情報を貰って来たんです! そしたらスゴイ事がわかったんですよ!」
 「ん? どんな事が分かったんだ?」
 「3人は高校の同級生だったんです!」
 「・・・・・・そうか」
 そんな事か。と言いたそうな顔をさせた後に、また横になって目を瞑った。
 「寝ないで下さいよっ! 重要なのはこの先なんですからぁっ!!」
 そう言って揺すり起こそうとするが、腕を振り払われてしまう。
 「お帰りシオンくん。ぐーたらアマノ何で起こそうとしているの?」
 「お前もぐーたらだろうが」
 目を瞑りつつリトアさんに反論をする。
 「はい、真理亜さんから今回の被害者3人の情報を貰ったんです」
 「うんうん、それで?」
 「3人は高校時代の同級生で、犯人はその高校生の時代の同級生の可能性が出て来たんです。って話したんですけどぉ・・・・・・」
 「いや待て! 後半の方は聞いてねぇぞ!」
 天野さんがガバッと上体を起こしてこっちを見つめて来たので、ビックリした。
 「今の話、本当か?」
 「本当です。多分工藤さん達もその線で調べていると思います。あ、因みに唯凪さんも把握して調べています」
 「一応その書類はあるか?」
 「はい、こちらです」
 鞄からファイルを取り出して天野さんに渡すと、天野さん達は3枚の書類に目を通す。
 「うわぁ〜・・・・・・この人不倫していたんだ」
 「こっちはパワハラって、気性が荒いのね」
 「紫音の担任に至っては普通だなぁ。恨まれる根拠がない」
 3人はそれぞれの反応見せると、僕に顔を向ける。
 「それで、さっきの話。同級生の可能性って、どういう事だ?」
 「はい、もう内容を読んでわかっていると思いますが、誘拐された2人はとある子を虐めていたそうです」
 「まぁ確かに、ボクとリトアくんの持っている書類に書いているね・・・・・・まさかシオンくん。今回の事件の犯人は、その虐められていた人と言いたいのかい?」
 「はい、唯凪さんもその線で調べるみたいです」
 僕がそう言ったら、3人の顔が険しくなった。
 「じゃあツツキって女性は関係ないんじゃない? 彼女は虐めをしてないのだから」
 「・・・・・・いや、関係あるかもな」
 「えっ!?」
 リトアさんは驚いた顔をさせながら天野さんを見つめる。
 「犯人の目的は復讐だが、2人だけじゃない。クラスメイト全員に復讐をする気だろう。違うか紫音?」
 「天野さんの仰る通りです。犯人の目的はクラスメイト全員に復讐をする事かもしれません」
 僕がそう告げると、リトアさんは3つの書類を見比べるようにして見つめる。
 「じゃあ、この3人以外の人達も狙われる可能性があるって事なの?」
 「シオンくんが言っている事が正しければ、そういう事になるね。ところで、その虐められていた子の名前は?」
 「実は真理亜さんに、そこからは有料ですと言われちゃったんです。すみません」
 ションボリしているとリトアさんが僕に抱きついて頭を撫でてくれた。
 「別に気にしなくていいわよ。ここまで教えてくれれば探すの楽だからね」
 「そうだね」
 今度はリュークさんが尻尾をモフモフして来た。止めて欲しい。
 「そういえば紫音くんに個人的な依頼が来てなかったっけ?」
 個人的な依頼?
 「ん? ああそうだったな。お前に依頼が来ていた」
 天野さんはそう言うと、棚に置いてあるファイル中から1枚の紙を取り出して見せて来た。
 「東京閉鎖区域に住んでいる土竜から、お前に探し物の依頼が来たぞ」
 「僕にですかぁ!?」
 「ああ、何でもメンバーの1人が行方不明になってしまったんだ」
 行方不明って事は・・・・・・。
 「つまり人探しですか?」
 「名目上はそうだな」
 「名目上?」
 「基本は行方がわからなくなったメンバーを探して欲しいって事なんだろうが、実際の理由は他だろうな。
 まぁ、アイツらにとってお前大切な顧客だから、何か悪さをする事はないと思うぞ」
 う〜ん、188さんは悪い人に見えないから安心して受けるんだけど、他の人はどうなんだろう?
 「それと、もう依頼を受けると言ったからな。1人で行って来い」
 「へぇ?」
 依頼を受けると言ったぁ?
 「僕の断りなしに決めちゃったんですかぁ!」
 「ああ、まぁな。断る理由ないからな」
 「しかも1人ってどう言う事ですかぁっ!!」
 「だからさっき説明した通り、お前1人で閉鎖区域に行くんだよ」
 しれっと答える天野さんに対して、 ダメだもう話にならない。 と思いながら頭を抱えてしまった。
 「明日の土曜日、朝の8時。多摩川の閉鎖区域手前で待っているそうだ」
 「あの・・・・・・交通手段は?」
 「俺が指定場所まで送ってってやる。そっから先は土竜達が送ってくれるそうだ。帰り道込みでな」
 もう話が纏まってるよぉ〜。
 「犯人の方はどうするんですかぁ〜。閉鎖区域にいるんですよねぇ?」
 「出て来たら出て来たで撃ち倒せば済む話だろ」
 何でそんなしれっと答えるんですか! 天野さんにとって他人事だから?
 「諦めなよシオンくん」
 「そうよ。PMCになればこんな事は当たり前だからね」
 2人はそう言いながら、身体をなでなでしてくる。
 「わかりました! やりますよ! やればいいんですよね!?」
 こうなったらもうヤケクソだ! 魔物が来ようが犯人が来ようが撃ち倒してやる!
 「決意は固まったようだな。今のうちに明日の準備を整えておけよ。明日忘れ物してしまいました。何て言っても俺達は対処しないからな」
 天野さんはそう言うと、ハンガーに掛けてあったジャケットを取って着た後に車の鍵をポケットへ入れてから玄関へと向かった。
 「アマノ、何処へ行くの?」
 「羽田空港の方に行って、この情報の整理をしてくる」
 「そう、気を付けて」
 「ん」
 そう返事をしてから、出かけて行った。
 「そういえばシオンくん。よく真理亜さんから情報を貰えたね」
 「真理亜さんがサービスでくれたんです」
 「へぇ〜そうなんだ。余程キミの事が気に入ったみたいだね」
 そうなのかなぁ〜?
 僕がそう思いながら首を傾げている間に、リュークさんはゲームに戻った。
 「もぉ〜、何にしても今回はシオンくんのお手柄よ! お姉さんが何でも奢っちゃうわぁ〜〜〜っ!!」
 リトアさんはそう言うと僕の身体をギュ〜っと抱きしめて来たので、顔を真っ赤にさせてしまった。
 「それはそうと、僕が気になるのは犯人の今後だよ」
 「どういう事?」
 「バレるのはもう時間の問題になった今、犯人がこの状況を知ったらどう出るのか予想が出来ないよ。もしかしたら、もう誘拐された人達は・・・・・・」
 「待って、まだそう決まったわけじゃないでしょう?」
 リトアさんはそう言うと、リュークさんはゲームを止めてこっちを見つめて来る。
 「僕が犯人の立場だったら、もう邪魔くさいから始末してしまおうと考えるよ」
 「でも、まだ遺体は見つかってないわけだから、そう決め付けるのはよくないわ」
 「リトアくん、あくまでも僕の予想だから真に受けなくてもいいと思う」
 「・・・・・・そうね。リュークの言う通りね」
 リトアさんはそう言うと、僕をギュッと抱きしめた。
 「僕達に今出来る事は、誘拐された彼らが生きている事を願うだけだよ」
 リュークさんはそう言うと、ゲームを再開するのであった。
 そう言ってからリビングに向かうと、怠そうにソファーに座っている天野さんがこっちに顔を向けて来た。
 「紫音、遅かったな」
 「ホント、心配したんだよ。犯人にやられちゃったんじゃないかって心配したんだよ」
 「呑気にゲームをやっているヤツが言う言葉か? ふぁ〜あ・・・・・・」
 天野さんは寝ようとしているのか、ソファーに横になって目を瞑る。
 「ああ! 天野さん寝ないで下さいよ!」
 「寝るも起きるも俺の自由なんだから、ガミガミ言うなよ」
 いや、ガミガミとまでは言ってない気がする。
 「真理亜さんから筒城先生と誘拐された2人の情報を貰って来たんです! そしたらスゴイ事がわかったんですよ!」
 「ん? どんな事が分かったんだ?」
 「3人は高校の同級生だったんです!」
 「・・・・・・そうか」
 そんな事か。と言いたそうな顔をさせた後に、また横になって目を瞑った。
 「寝ないで下さいよっ! 重要なのはこの先なんですからぁっ!!」
 そう言って揺すり起こそうとするが、腕を振り払われてしまう。
 「お帰りシオンくん。ぐーたらアマノ何で起こそうとしているの?」
 「お前もぐーたらだろうが」
 目を瞑りつつリトアさんに反論をする。
 「はい、真理亜さんから今回の被害者3人の情報を貰ったんです」
 「うんうん、それで?」
 「3人は高校時代の同級生で、犯人はその高校生の時代の同級生の可能性が出て来たんです。って話したんですけどぉ・・・・・・」
 「いや待て! 後半の方は聞いてねぇぞ!」
 天野さんがガバッと上体を起こしてこっちを見つめて来たので、ビックリした。
 「今の話、本当か?」
 「本当です。多分工藤さん達もその線で調べていると思います。あ、因みに唯凪さんも把握して調べています」
 「一応その書類はあるか?」
 「はい、こちらです」
 鞄からファイルを取り出して天野さんに渡すと、天野さん達は3枚の書類に目を通す。
 「うわぁ〜・・・・・・この人不倫していたんだ」
 「こっちはパワハラって、気性が荒いのね」
 「紫音の担任に至っては普通だなぁ。恨まれる根拠がない」
 3人はそれぞれの反応見せると、僕に顔を向ける。
 「それで、さっきの話。同級生の可能性って、どういう事だ?」
 「はい、もう内容を読んでわかっていると思いますが、誘拐された2人はとある子を虐めていたそうです」
 「まぁ確かに、ボクとリトアくんの持っている書類に書いているね・・・・・・まさかシオンくん。今回の事件の犯人は、その虐められていた人と言いたいのかい?」
 「はい、唯凪さんもその線で調べるみたいです」
 僕がそう言ったら、3人の顔が険しくなった。
 「じゃあツツキって女性は関係ないんじゃない? 彼女は虐めをしてないのだから」
 「・・・・・・いや、関係あるかもな」
 「えっ!?」
 リトアさんは驚いた顔をさせながら天野さんを見つめる。
 「犯人の目的は復讐だが、2人だけじゃない。クラスメイト全員に復讐をする気だろう。違うか紫音?」
 「天野さんの仰る通りです。犯人の目的はクラスメイト全員に復讐をする事かもしれません」
 僕がそう告げると、リトアさんは3つの書類を見比べるようにして見つめる。
 「じゃあ、この3人以外の人達も狙われる可能性があるって事なの?」
 「シオンくんが言っている事が正しければ、そういう事になるね。ところで、その虐められていた子の名前は?」
 「実は真理亜さんに、そこからは有料ですと言われちゃったんです。すみません」
 ションボリしているとリトアさんが僕に抱きついて頭を撫でてくれた。
 「別に気にしなくていいわよ。ここまで教えてくれれば探すの楽だからね」
 「そうだね」
 今度はリュークさんが尻尾をモフモフして来た。止めて欲しい。
 「そういえば紫音くんに個人的な依頼が来てなかったっけ?」
 個人的な依頼?
 「ん? ああそうだったな。お前に依頼が来ていた」
 天野さんはそう言うと、棚に置いてあるファイル中から1枚の紙を取り出して見せて来た。
 「東京閉鎖区域に住んでいる土竜から、お前に探し物の依頼が来たぞ」
 「僕にですかぁ!?」
 「ああ、何でもメンバーの1人が行方不明になってしまったんだ」
 行方不明って事は・・・・・・。
 「つまり人探しですか?」
 「名目上はそうだな」
 「名目上?」
 「基本は行方がわからなくなったメンバーを探して欲しいって事なんだろうが、実際の理由は他だろうな。
 まぁ、アイツらにとってお前大切な顧客だから、何か悪さをする事はないと思うぞ」
 う〜ん、188さんは悪い人に見えないから安心して受けるんだけど、他の人はどうなんだろう?
 「それと、もう依頼を受けると言ったからな。1人で行って来い」
 「へぇ?」
 依頼を受けると言ったぁ?
 「僕の断りなしに決めちゃったんですかぁ!」
 「ああ、まぁな。断る理由ないからな」
 「しかも1人ってどう言う事ですかぁっ!!」
 「だからさっき説明した通り、お前1人で閉鎖区域に行くんだよ」
 しれっと答える天野さんに対して、 ダメだもう話にならない。 と思いながら頭を抱えてしまった。
 「明日の土曜日、朝の8時。多摩川の閉鎖区域手前で待っているそうだ」
 「あの・・・・・・交通手段は?」
 「俺が指定場所まで送ってってやる。そっから先は土竜達が送ってくれるそうだ。帰り道込みでな」
 もう話が纏まってるよぉ〜。
 「犯人の方はどうするんですかぁ〜。閉鎖区域にいるんですよねぇ?」
 「出て来たら出て来たで撃ち倒せば済む話だろ」
 何でそんなしれっと答えるんですか! 天野さんにとって他人事だから?
 「諦めなよシオンくん」
 「そうよ。PMCになればこんな事は当たり前だからね」
 2人はそう言いながら、身体をなでなでしてくる。
 「わかりました! やりますよ! やればいいんですよね!?」
 こうなったらもうヤケクソだ! 魔物が来ようが犯人が来ようが撃ち倒してやる!
 「決意は固まったようだな。今のうちに明日の準備を整えておけよ。明日忘れ物してしまいました。何て言っても俺達は対処しないからな」
 天野さんはそう言うと、ハンガーに掛けてあったジャケットを取って着た後に車の鍵をポケットへ入れてから玄関へと向かった。
 「アマノ、何処へ行くの?」
 「羽田空港の方に行って、この情報の整理をしてくる」
 「そう、気を付けて」
 「ん」
 そう返事をしてから、出かけて行った。
 「そういえばシオンくん。よく真理亜さんから情報を貰えたね」
 「真理亜さんがサービスでくれたんです」
 「へぇ〜そうなんだ。余程キミの事が気に入ったみたいだね」
 そうなのかなぁ〜?
 僕がそう思いながら首を傾げている間に、リュークさんはゲームに戻った。
 「もぉ〜、何にしても今回はシオンくんのお手柄よ! お姉さんが何でも奢っちゃうわぁ〜〜〜っ!!」
 リトアさんはそう言うと僕の身体をギュ〜っと抱きしめて来たので、顔を真っ赤にさせてしまった。
 「それはそうと、僕が気になるのは犯人の今後だよ」
 「どういう事?」
 「バレるのはもう時間の問題になった今、犯人がこの状況を知ったらどう出るのか予想が出来ないよ。もしかしたら、もう誘拐された人達は・・・・・・」
 「待って、まだそう決まったわけじゃないでしょう?」
 リトアさんはそう言うと、リュークさんはゲームを止めてこっちを見つめて来る。
 「僕が犯人の立場だったら、もう邪魔くさいから始末してしまおうと考えるよ」
 「でも、まだ遺体は見つかってないわけだから、そう決め付けるのはよくないわ」
 「リトアくん、あくまでも僕の予想だから真に受けなくてもいいと思う」
 「・・・・・・そうね。リュークの言う通りね」
 リトアさんはそう言うと、僕をギュッと抱きしめた。
 「僕達に今出来る事は、誘拐された彼らが生きている事を願うだけだよ」
 リュークさんはそう言うと、ゲームを再開するのであった。
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