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クラス転移したけど私(俺)だけFPSプレイヤーに転生

青空鰹

第15話

 ラミュールさんが風呂から出た後に俺達が順番にお風呂に入り、リビングで寛いでいる。

 「風呂に入ったし、私はそろそろ帰ろう」

 「もう帰るんですか?」

 このまま家に泊まって行くと思っていたけど、それはそれで有り難い。

 「ああ。それじゃあ、ミュリーナの事をよろしくな」

 そう言って立ち上がり、リビングを後にした。恐らくラミュールさんなりの気遣いなのかもしれない。

 「私達も寝ようか。朝早いし」

 「そうだね」

 エイミーさんに促される様にしてベッドへと向かうのだが・・・・・・。

 「なんでリズリナさんが私のベッドに入ってるの?」

 「え? ダメなの?」

 「いや、ベッド広いからダメってわけじゃないんだけど・・・・・・」

 密着しすぎじゃないか、これ?

 「エルちゃんと一緒なら、安心して寝られるもんねぇ〜」

 そう言って顔を俺の胸に埋めて来た。

 「・・・・・・エルちゃん」

 「ん? どうしたの?」

 「明日、頑張ってね」

 多分、俺達の事を心配してくれているんだ。

 「大丈夫だよ。私がいる限り、なんとかするから」

 今の俺にはそう言って答える事しか出来ない。

 「・・・・・・うん」

 その後、俺達は喋る事なく眠った。そしてそのまま朝になったので、食事を取ってから装備を着た。

 「それじゃあ、先に行ってくるよ」

 「エルライナの家を頼んだわよ」

 「騎士団の方を任せたわよ」

 「うん。エルちゃん達も気をつけてね」

 不安そうなリズリナさんの返事を聞いた俺達は西門へと向かった。

 「エルライナ。どうするの?」

 「私の車を使って行きますよ。そっちの方が早く着きますからね」

 って、そんなに嬉しそうな顔をしないでくれ。

 「車を出すので、離れてください」

 「「ハァ〜イ!」」

 二人が離れたのを確認してから、ハンヴィーを出した。

 「久しぶりに見たわね!」

 「ようやく私も乗れるわぁ!」

 うん、俺がここに来た時、アナタに滅茶苦茶怒られたね。

 「エルライナ。なにか変な事を考えなかった?」

 「変な事なんて考えていませよ」

 この人、エスパーか?

 「ねぇ二人共、早く出発しましょうよ」

 ミュリーナさんが俺達を急かしてくる。ってか、もう既にハンヴィーに乗ってる。

 「ズルいわよミュリーナッ!」

 「話し合っている方が悪いのよ。あっ! 私の隣が操縦するところだから、乗っちゃダメよ」

 うん。そっちは運転席だから、乗ろうとしないでね。

 「それじゃあ私、後ろに乗るしかないの?」

 「その通り!」

 いやいや、なにを自信満々に話しているんですか。後、エイミーさん、俺を睨んでも場所変わらないからね。

 「ミュリーナさんの言う通り、時間が勿体ないので行きましょう」

 エイミーさんを後ろの座席に乗せるとハンヴィーを発進させる。

 「もぉ〜・・・・・・絶対にミュリーナを許さないんだから!」

 「途中休憩の時に代わってあげるから、ヘソを曲げないで」

 怒った様子を見せるエイミーさん。その割には景色を見て楽しんでいる様な気がする。

 「この分なら、今日中に目的地に着きそうですね」

 てか、大体四時間で着きそうな気がする。

 「そうなの?」

 「ええ・・・・・・そういえば私達が向かう集合地点って、どういうところなんですか?」

 「簡単に説明すると、平地で近くに村があるのよ」

 「近くに村が?」

 「ええ、だからその村に行って情報収集するのが先決なのよ」

 なるほど。確かに敵の根城にすぐ側だから、情報収集には打ってつけだな。

 「もしもですよ。その村が魔人との繋がりがあった場合は、どうするんですか?」

 「その時は、私達だけで対処するしかないわ」

 まぁ、そうなるな。

 「いいえエイミー。そんな事しなくても大丈夫そうよ」

 「どうしてそんな事を言えるの?」

 「魔国の影の者達が、先に行って調べているらしいのよ」

 俺達よりも先に、影の者達が村の偵察をしていたのか。

 「え? 魔国の諜報部隊がいるのなら、私達行く必要がないんじゃない?」

 うん。エイミーさんの言う通りかも。

 「そういうわけにもいかないわよ」

 「どうして、そういうわけにもいかないんですか?」

 「だって、彼らだけで魔人の親玉を対処出来ると思うの?」

 「彼らだけで・・・・・・」

 ぶっちゃけ言ってしまうと難しいかもしれない。

 「険しい顔をするって事は、無理かもって言いたいのね」

 グッ!? ミュリーナさんに心を読まれた!

 「エルライナは他の誰よりも魔人と戦って来た人だからねぇ。はいって言ったら、信憑性が高くなっちゃうよねぇ」

 まぁ、そうだよな。

 「私が一人増えただけで、対処出来るかどうか分かりませんよ」

 「どうして? なにか理由があるの?」

 「理由もなにも、私達は敵のホームグラウンドに行くのですから、アウェイに決まっていますよ」

 土地勘のある方が有利。それは昔から言われている事だ。

 「う〜ん・・・・・・言わんとしている事は分かるわ。でも、王勢で攻めればなんとかなるんじゃないかしら?」

 「確かに数で勝る戦いもありますが、相手は強力な魔法を有している魔人達ですよ」

 魔法で薙ぎ払ってくるのは目に見えてる。

 「ハァ〜・・・・・・それじゃあ、エルライナの遠距離攻撃で倒す」

 「それがベストだと私自身言いたいんですが、古城を一撃で吹き飛ばすほどの威力を持った兵器は有していません」

 持っていないけど、核なんて使ったら大惨事以上の問題になるしな。

 「そう。どうしたものかしらぁ〜?」

 「私自身が一番良いと思っている方法は、暗殺です」

 「暗殺?」

 「はい。相手に気づかれずに無効化するに越した事はありませんからね」

 そう言うと、ミュリーナさん達は考え込む様な顔になった。

 「エルライナが魔人達を暗殺した・・・・・・これじゃあ話として、締まらないんじゃない?」

 「そうね。展開的に、激しい戦いをして倒した方が熱い感じがするわねぇ」

 「イヤイヤイヤッ!? なんで締まらないとか激しい戦いとか言ってるんですか?」

 「いやだって・・・・・・そうしないと、エルライナが主人公の本をどうやって話を進めるか困るじゃない」

 あの本の心配かよ!

 「そうよ! 街に押し寄せる魔物達と戦う二巻から、第三巻のダンジョンからの侵略者! を書いている途中らしいから・・・・・・」

 「二巻の方もう発売してたんですねっ!?」

 そっちの方が驚きだわ! てか、忠実に再現をしてるのかよ!

 「そんな事よりも、現実の方に目を向けてください!!」

 「現実の方ってぇ・・・・・・ねぇ?」

 「向こうで影の者達と会う様に言われているから、今どう対処をするか考えなくてもいいんじゃないかしら?」

 「え?」

 影の者達と会う?

 「ひょっとして、わざと私に教えなかったんですか?」

 「そうよ!」

 「向こうに着いてからのお楽しみって事にしようとしたけど、言っちゃったのなら仕方ないわよねぇ」

 この人達、俺をからかって楽しんでやがるなぁ〜!

 「命を伴う仕事なんですから、ちゃんと情報共有をしましょうよ」

 「ゴメンなさい。反省するわ」

 「後でお胸を揉み揉みしてあげるから、許してちょうだい」

 「しなくて良いですから! それと運転中なので止めてください!」

 ミュリーナさんは名残惜しそうに手を離してくれた。てか、後でって言わなかったか、この人?

 「もう少し進んだら村が見えるので、そこで休憩を挟みましょう」

 「はぁ〜い!」

 「分かったわぁ〜」

 ・・・・・・あれ? そう言えば、なにか忘れている様な気がするなぁ。

 一方その頃。王都では・・・・・・。

 「エルライナさん達が、出て行ったって本当ですかぁっ!?」

 「ほ、本当。だからエルちゃんはここにはいないよ」

 詰め寄って聞いてくる大輝を宥めながら、そう言うリズリナ。

 「ハァ〜・・・・・・私達に一言あっても良かったんじゃない?」

 「そう、ですね。でも急に入った仕事なので、仕方がなかったんですよぉ!」

 私を含めて勇者達の事を忘れてた。なんて言えないとリズリナは思っていた。

 「大輝・・・・・・明日エルライナと同じところに行くんだから、落ち着く」

 「そ、それもそうか」

 「ん・・・・・・美羽。今日のところは宿に帰ろう」

 「そうね。ゴメンなさいリズリナ。大輝が迷惑をかけて」

 この二人がダイキくんの側にいてくれて、良かったぁ。とリズリナは心の中で安堵した。

 「いいえ気にしてませんよ。明日は私も一緒に行くので、よろしくお願いします」

 「ええ、それじゃあ明日よろしくね!」

 「バイバイ。行くよ、大輝」

 「あ、ああ・・・・・・」

 伊織が放心気味の大輝の腕を引っ張って、美羽と共に宿へと連れて行くのであった。

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