クラス転移したけど私(俺)だけFPSプレイヤーに転生
第31話
 「まさか逃げる為の煙玉を持っていたとは、思ってもみなかった」
 そう。ハヤンは煙玉とポーションを隠し持っていて、煙玉で姿を隠してからポーションを自分で使い逃げ出したのだが、傷が深かった為か治り切らず、廊下を歩く程度しか出来なかったのだ。
 「追い付いた!」
 その反対側の通路からは、ドーゼムの作った影の壁を壊して来た勇者達が来ていた。
 そう、ヤハンとドーゼムは絶対絶命のピンチに陥ったのだ。
 「どうする? 降参でもする?」
 俺がそう聞くと、二人は悔しそうな顔をしながらお互いの顔を見つめた。
 「・・・・・・ヤハン。これはもう」
 「うん。お互いに協力してピンチを潜り抜けるしかないよね。でも安心して。とっておきに秘策が僕にはあるから」
 「とっておきの秘策? どうするつもりなんだ?」
 「こうするんだよ!」
 ヤハンはそう言うと、ドーゼムの身体に化け物になる核を埋め込んだのだ。
 「なっ!? かはっ!」
 「ボク達魔人なら魔力を多く溜め込めるから、その核にスゴい力を宿すと思うんだ!」
 「なぜ・・・・・・こんな事、を?」
 「なぜって、彼の方が言っていた通りにしているまでだよ。ドーゼムが負けそうになったら、ボクの好きにして良いってね。
 だからボクは有効活用をさせて貰っているだけだよ」
 「彼の、方・・・・・・が?」
 ドーゼムは信じられない様な顔をしているが、核の侵蝕がドンドン進んでいる。
 「やっぱり思っていた通り、ボク達魔人の方が相性が良いみたいだね! これは今後の役に立ちそうだぁ!」
 ゲス野郎が!
 そう思っている内にドーゼムの身体がドンドン大きくなっていく。
 「グッ、ぁぁぁぁぁぁあああああああああああああっ!!?」
 「このまま変化したらどうなるのかな? 違う能力に目覚めそうな気がするね」
 「・・・・・・まえも」
 「え? なに?」
 「お前も一緒になれ!」
 ドーゼムはそう言うと、ヤハンに飛びついた。
 「な、なにをするんだよ! ドーゼム!?」
 「なにをするって・・・・・・決まっているだろう。お前を取り込めばもっと強く、なるだろう・・・・・・だから、俺の、一部になれ!」
 ドーゼムのその言葉に、ヤハンは驚愕の表情を見せる。
 「待ってくれ! ボクはこんなところで終わる魔人じゃないんだ! キミだって理解出来るだろう?
 この結果を踏まえて改良しなくちゃいけないんだ! だから取り込もうとしないでくれぇ!」
 「こ・・・・・・とわる」
 「嫌だぁ! 止めてよぉっ!! 死にたくなぁあああああいっ!!」
 そう叫ぶが彼の叫びとは裏腹に、ドーゼムに寄生した魔核はヤハンを取り込んでいく。
 そして声が聞こえなくなったところで、ドーゼムがこっちを向いて来た。
 「・・・・・・」
 最早彼は化け物になってしまったのか、なにも喋らないまま鋭い目でこっちを向いて来た。
 待っていたのが仇になったなぁ。
 魔力がどうのこうのと言う問題ではなく、見るからに強そうな姿になっているので、流石に逃げないとマズいと考えている。
 「エルライナさん!」
 「分かっているよ! とりあえず状況的に不利だから、一旦下がろう!」
 そう言ってからスモークグレネードを取り出して投げ、通路を煙で充満させる。
 「三人共、外に出て!」
 そう言ってからワイヤーを壁に固定してから二階の窓から滑り降りると、後に続く様にして大輝くん達も庭へと出て来た。
 「ドーゼムは?」
 「恐らくあの煙の中にいると思う」
 ドーゼムは混乱しているのか、先ほどいた場所で暴れている様でドカンッ!? ガシャンッ!? となにかを壊す音がここまで聴こえて来た。
 「エルライナさん、二階の窓から飛び降りて来てどうしたんですか?」
 「とんでもない事態に陥ったから、飛び降りて来ました。まだ危険な状態なので、避難してください」
 俺がそう言った瞬間、爆発でもしたのかと思うぐらいの凄まじい音がしたので、そっちに顔を向けると、口から牙が生え、野獣の様に手と脚を床についているドーゼムがいた。
 最早モンスター化している。
 「ヒッ、ヒイイイイイイッ!?」
 俺の近くにいた騎士は逃げる様に去って行った。
 「どうやら、狙いは私達だけに絞っているみたいだね」
 IWI UZI PRO を構えると、伊織ちゃんが側にやって来た。
 「ん・・・・・・でもそっちの方が都合が良い」
 伊織ちゃんがそう言うと、今度は美羽さんが隣に来た。
 「そうね。私達が狙いだったら、他の人が巻き込まれる心配をしないで済むわね」
 そして最後に、大輝くんが俺達の目の前に出て来て剣を構える。
 「ドーゼム、ここで終わらせてやる!」
 「ガオオオオオオオォォォォォォッ!!?」
 向こうも俺達が真っ向勝負をすると理解したのか、高らかに吠えると跳び上がった。
 「くるぞっ!」
 大輝くんのその言葉と共に、それぞれの方向に飛んで回避をした。その後、振り向き、UZI PRO を素早く構えてドーゼムの身体に撃ち込んでいく。
 「グギャァアアアアアアッ!!?」
 銃弾を喰らったドーゼムは痛いのか、身をよじって苦しんでいるところに地面に魔法陣らしき紋章が浮かぶ。
 「【ホーリーチェーン】!」
 伊織ちゃんの掛け声と共に、魔法陣の中から鎖が出て来てドーゼムの四肢に絡みついた。
 「美羽、今!」
 「ハァッ!」
 美羽さんがドーゼムに駆け寄り、左腕を槍で貫いた。
 「大輝!」
 「うおおおおおおおおおおおっ!!?」
 今度は大輝くんがドーゼムに飛び掛かり、剣を振り下ろした。
 「グギャアアアアアアアアアアアアッ!!?」
 ドーゼムは、とてつもなく痛いのかもがき苦しむ。その隙を見逃さないと言わんばかりに、大輝くんと美羽さんが追撃を加える。
 「三人共、強くなっている」
 ドーゼムに会う前の彼らだったら、俺に任せていたかもしれない。でも今の彼らはどうだろうか。
 彼らはドーゼムに負けてから自分の実力と現実を自覚し、悔しさをバネにして鍛えて強くなった。
 「そろそろ解ける!」
 「了解! 離れるぞ!」
 「うん!」
 美羽と大輝くんが離れた直後、ドーゼムを拘束していた鎖が解けた。
 「グルルルルルル・・・・・・」
 ドーゼムは大輝くんに狙いを絞ったのか、大輝くん目掛けて走り出した。
 「そうはさせないよ!」
 ドーゼムに向けて UZI PRO を構えて撃つと、胴体に当たりバランスを崩して転倒してしまった。
 「伊織ちゃん!」
 「むっ! アイスニードル!」
 今度は5本の氷の槍を作り、ドーゼムの身体に突き刺していく。
 「ギャンッ!?」
 氷の槍を抜こうとしているがビクともしない。それどころか刺さっている部分から少しづつ身体が凍って来ているのだ。
 「グガッ!? ガッ!?」
 流石のドーゼムも現状をヤバいと感じたのか、立ち上がり周囲を・・・・・・いや、逃げ道を探し始めた。
 「そうはさせないよ!」
 俺はドーゼムの足を狙って、UZI PRO を撃ったら、ガクンッと体勢を崩した。
 「ガァッ!? グガァァァアアアアアアッ!!?」
 ドーゼムは最後の抵抗なのか、両手を振り回して俺達を追い払おうとしている。
 「ねぇみんな。今更だけど、ドーゼムってもしかして影を使えない?」
 「ああ、そうかもしれないね」
 大野の時もそうだった。身体能力が高くなった反面、魔法が使えなくなっていたのだ。
 「もしかしたら、魔法が使えなくなるってところが、ヤハンが気づいていなかった副作用かもしれない」
 「でも油断は禁物だよ。彼らは尋常じゃないぐらいの再生能力を持っているのだから」
 それが証拠に、もう立ち上がった。しかし負傷した脚を引きずっているので、それほど回復していない様だ。
 逃すかっての!
 傷ついていない方の脚を狙いを定めて、 UZI PRO を撃ち込む。それに合わせて大輝くんがドーゼムに駆け寄り、胸の中心にある魔核を剣で突き刺した。
 「グガッ!? ・・・・・・・ガァ」
 「これで借りは返したぞ」
 そう、大輝くんは魔核を断ち切ってドーゼムに勝利したのだった。
 そう。ハヤンは煙玉とポーションを隠し持っていて、煙玉で姿を隠してからポーションを自分で使い逃げ出したのだが、傷が深かった為か治り切らず、廊下を歩く程度しか出来なかったのだ。
 「追い付いた!」
 その反対側の通路からは、ドーゼムの作った影の壁を壊して来た勇者達が来ていた。
 そう、ヤハンとドーゼムは絶対絶命のピンチに陥ったのだ。
 「どうする? 降参でもする?」
 俺がそう聞くと、二人は悔しそうな顔をしながらお互いの顔を見つめた。
 「・・・・・・ヤハン。これはもう」
 「うん。お互いに協力してピンチを潜り抜けるしかないよね。でも安心して。とっておきに秘策が僕にはあるから」
 「とっておきの秘策? どうするつもりなんだ?」
 「こうするんだよ!」
 ヤハンはそう言うと、ドーゼムの身体に化け物になる核を埋め込んだのだ。
 「なっ!? かはっ!」
 「ボク達魔人なら魔力を多く溜め込めるから、その核にスゴい力を宿すと思うんだ!」
 「なぜ・・・・・・こんな事、を?」
 「なぜって、彼の方が言っていた通りにしているまでだよ。ドーゼムが負けそうになったら、ボクの好きにして良いってね。
 だからボクは有効活用をさせて貰っているだけだよ」
 「彼の、方・・・・・・が?」
 ドーゼムは信じられない様な顔をしているが、核の侵蝕がドンドン進んでいる。
 「やっぱり思っていた通り、ボク達魔人の方が相性が良いみたいだね! これは今後の役に立ちそうだぁ!」
 ゲス野郎が!
 そう思っている内にドーゼムの身体がドンドン大きくなっていく。
 「グッ、ぁぁぁぁぁぁあああああああああああああっ!!?」
 「このまま変化したらどうなるのかな? 違う能力に目覚めそうな気がするね」
 「・・・・・・まえも」
 「え? なに?」
 「お前も一緒になれ!」
 ドーゼムはそう言うと、ヤハンに飛びついた。
 「な、なにをするんだよ! ドーゼム!?」
 「なにをするって・・・・・・決まっているだろう。お前を取り込めばもっと強く、なるだろう・・・・・・だから、俺の、一部になれ!」
 ドーゼムのその言葉に、ヤハンは驚愕の表情を見せる。
 「待ってくれ! ボクはこんなところで終わる魔人じゃないんだ! キミだって理解出来るだろう?
 この結果を踏まえて改良しなくちゃいけないんだ! だから取り込もうとしないでくれぇ!」
 「こ・・・・・・とわる」
 「嫌だぁ! 止めてよぉっ!! 死にたくなぁあああああいっ!!」
 そう叫ぶが彼の叫びとは裏腹に、ドーゼムに寄生した魔核はヤハンを取り込んでいく。
 そして声が聞こえなくなったところで、ドーゼムがこっちを向いて来た。
 「・・・・・・」
 最早彼は化け物になってしまったのか、なにも喋らないまま鋭い目でこっちを向いて来た。
 待っていたのが仇になったなぁ。
 魔力がどうのこうのと言う問題ではなく、見るからに強そうな姿になっているので、流石に逃げないとマズいと考えている。
 「エルライナさん!」
 「分かっているよ! とりあえず状況的に不利だから、一旦下がろう!」
 そう言ってからスモークグレネードを取り出して投げ、通路を煙で充満させる。
 「三人共、外に出て!」
 そう言ってからワイヤーを壁に固定してから二階の窓から滑り降りると、後に続く様にして大輝くん達も庭へと出て来た。
 「ドーゼムは?」
 「恐らくあの煙の中にいると思う」
 ドーゼムは混乱しているのか、先ほどいた場所で暴れている様でドカンッ!? ガシャンッ!? となにかを壊す音がここまで聴こえて来た。
 「エルライナさん、二階の窓から飛び降りて来てどうしたんですか?」
 「とんでもない事態に陥ったから、飛び降りて来ました。まだ危険な状態なので、避難してください」
 俺がそう言った瞬間、爆発でもしたのかと思うぐらいの凄まじい音がしたので、そっちに顔を向けると、口から牙が生え、野獣の様に手と脚を床についているドーゼムがいた。
 最早モンスター化している。
 「ヒッ、ヒイイイイイイッ!?」
 俺の近くにいた騎士は逃げる様に去って行った。
 「どうやら、狙いは私達だけに絞っているみたいだね」
 IWI UZI PRO を構えると、伊織ちゃんが側にやって来た。
 「ん・・・・・・でもそっちの方が都合が良い」
 伊織ちゃんがそう言うと、今度は美羽さんが隣に来た。
 「そうね。私達が狙いだったら、他の人が巻き込まれる心配をしないで済むわね」
 そして最後に、大輝くんが俺達の目の前に出て来て剣を構える。
 「ドーゼム、ここで終わらせてやる!」
 「ガオオオオオオオォォォォォォッ!!?」
 向こうも俺達が真っ向勝負をすると理解したのか、高らかに吠えると跳び上がった。
 「くるぞっ!」
 大輝くんのその言葉と共に、それぞれの方向に飛んで回避をした。その後、振り向き、UZI PRO を素早く構えてドーゼムの身体に撃ち込んでいく。
 「グギャァアアアアアアッ!!?」
 銃弾を喰らったドーゼムは痛いのか、身をよじって苦しんでいるところに地面に魔法陣らしき紋章が浮かぶ。
 「【ホーリーチェーン】!」
 伊織ちゃんの掛け声と共に、魔法陣の中から鎖が出て来てドーゼムの四肢に絡みついた。
 「美羽、今!」
 「ハァッ!」
 美羽さんがドーゼムに駆け寄り、左腕を槍で貫いた。
 「大輝!」
 「うおおおおおおおおおおおっ!!?」
 今度は大輝くんがドーゼムに飛び掛かり、剣を振り下ろした。
 「グギャアアアアアアアアアアアアッ!!?」
 ドーゼムは、とてつもなく痛いのかもがき苦しむ。その隙を見逃さないと言わんばかりに、大輝くんと美羽さんが追撃を加える。
 「三人共、強くなっている」
 ドーゼムに会う前の彼らだったら、俺に任せていたかもしれない。でも今の彼らはどうだろうか。
 彼らはドーゼムに負けてから自分の実力と現実を自覚し、悔しさをバネにして鍛えて強くなった。
 「そろそろ解ける!」
 「了解! 離れるぞ!」
 「うん!」
 美羽と大輝くんが離れた直後、ドーゼムを拘束していた鎖が解けた。
 「グルルルルルル・・・・・・」
 ドーゼムは大輝くんに狙いを絞ったのか、大輝くん目掛けて走り出した。
 「そうはさせないよ!」
 ドーゼムに向けて UZI PRO を構えて撃つと、胴体に当たりバランスを崩して転倒してしまった。
 「伊織ちゃん!」
 「むっ! アイスニードル!」
 今度は5本の氷の槍を作り、ドーゼムの身体に突き刺していく。
 「ギャンッ!?」
 氷の槍を抜こうとしているがビクともしない。それどころか刺さっている部分から少しづつ身体が凍って来ているのだ。
 「グガッ!? ガッ!?」
 流石のドーゼムも現状をヤバいと感じたのか、立ち上がり周囲を・・・・・・いや、逃げ道を探し始めた。
 「そうはさせないよ!」
 俺はドーゼムの足を狙って、UZI PRO を撃ったら、ガクンッと体勢を崩した。
 「ガァッ!? グガァァァアアアアアアッ!!?」
 ドーゼムは最後の抵抗なのか、両手を振り回して俺達を追い払おうとしている。
 「ねぇみんな。今更だけど、ドーゼムってもしかして影を使えない?」
 「ああ、そうかもしれないね」
 大野の時もそうだった。身体能力が高くなった反面、魔法が使えなくなっていたのだ。
 「もしかしたら、魔法が使えなくなるってところが、ヤハンが気づいていなかった副作用かもしれない」
 「でも油断は禁物だよ。彼らは尋常じゃないぐらいの再生能力を持っているのだから」
 それが証拠に、もう立ち上がった。しかし負傷した脚を引きずっているので、それほど回復していない様だ。
 逃すかっての!
 傷ついていない方の脚を狙いを定めて、 UZI PRO を撃ち込む。それに合わせて大輝くんがドーゼムに駆け寄り、胸の中心にある魔核を剣で突き刺した。
 「グガッ!? ・・・・・・・ガァ」
 「これで借りは返したぞ」
 そう、大輝くんは魔核を断ち切ってドーゼムに勝利したのだった。
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