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クラス転移したけど私(俺)だけFPSプレイヤーに転生

青空鰹

第29話

 ガラスをブチ破り中に侵入をした俺は、サプレッサーつきの IWI UZI PRO を構えながら全員が見渡せる場所へとゆっくり移動して行く。

 「いっ、いつから隠れていたんだ?」

 「さっきからずっと屋根の上に隠れていましたよ。因みに外は第二騎士団と勇者くん達で包囲しているから、逃げ道はないですよ」

 「なんだとっ!?」

 ボスらしき男はそう言うと、本当かどうか確かめる為に窓の外を見つめる。

 「・・・・・・本当だ」

 そう言うと、青ざめた表情を浮かべながら俺に向かって土下座をして来た。

 「俺が持っている資産を全部渡すから、どうか見逃してくれ!」

 この男はなにを虫の良いこと言っているんだろうか。

 「無理です。大人しく捕まってください」

 「そこをなんとか・・・・・・ホラ、俺達はアイツに指示を受けてただけだから。それに逆らえなかったのもあるしな」

 おうおう。今度は仲間を売るのか? とんだクズ野郎だな。

 「え、ボス。それはいくらなんでもぉ・・・・・・」

 「無理がある言い訳ですよぉ」

 どうやら部下の方が分かっているみたいだ。

 「馬鹿野郎! この状態をなんとかするには、こうするしかねぇだろう! それに俺はこんな事したくなかったんだよ! あのままスラムで過ごしてりゃ良かったぜ!」

 おいおい、本音が漏れているぞ。って、うん?

 ボスの会話を聞いていたら、フードを被っている背の低い子が歩き出した。

 「動くな!」

 そう言ったがその子供は俺の言葉を無視してボスへと歩み寄る。

 「フゥ〜ン。キミさぁ、散々良い思いをして来たのに、そう言ちゃうんだぁ〜」

 「良い思い? ハッ、何を言ってるんだよ! こっちはなぁ、お前のせいで書類仕事に追われるわ、俺の地位を狙って暗殺されそうになるわで大変だったんだぞ! 挙げ句の果てには騎士団達に捕まって人生終了する瀬戸際だぜ!
 この際だ! もうお前になんかに従わねぇ、ぶっ殺してやる!」

 ボスはそう言うとポケットから小さなナイフを取り出してから、もう片方の手で子供の首根っこを掴み、振り下ろしたのだが。

 「なっ!?」

 その子供がボスの手首を掴み、受け止めたのだ。

 「全く、ちょっと良いご身分になったからってボクよりも偉いと勘違いするとはね」

 「は、離せぇ〜・・・・・・」

 ボスが掴んでいる手を振り解こうともがくが、びくともしない。その光景を見ていた俺と部下は信じられない様子で見ていた。

 あの子供、身のこなしはそんなに良くはないが、身体能力が高くないか? ひょっとして。

 「もしかしてその子、魔人?」

 「ご名答だよエルライナ! ボク名はヤハン。キミにとって敵。魔人さ!」

 やっぱり。盗聴していた時から、なにかおかしいと思っていた。

 「ま、魔人ッ!?」

 ボスと呼ばれた男の表情が先ほどと打って変わって怯えた表情になる。その様子を見たヤハンと言う魔人は、なにが面白いのか分からないが面白そうに笑い出した。

 「そうだよ! 今までずっとボクを見て来たのに気づかなかったのかい? キミもバカだよねぇ!」

 「や、止めろ! 手を離せっ!!」

 「ヤダね。ボクの事を殺そうとして来たヤツを許す訳がないだろう。でも失うのは流石に勿体ないから、二度と逆らう事が出来ない様にするよ」

 ヤハンと言う魔人はポケットから赤黒い宝石を取り出すと、俺に見せつけて来た。

 「見えるかい? これは以前キミが戦った試作品やオオノに使っていた魔石の改良型だよ」

 大野はともかく試作品? それってまさか!

 「あのダンジョンにいた化け物は、魔人達が作ったキメラだった?」

 「正解! と言いたいところなんだけど、ハズレ。ボクが作り上げた玩具があれなんだよね!」

 「玩具?」

 どういう事だ? と思っていると、向こうの方から説明して来た。

 「ボクは魔物やなんかを融合させたりして新たな魔物を作ったり、言わば研究をしているのさ。この魔石もその一つでね。魔力を持っている人間に対して・・・・・・こう使うのさ!」

 ヤハンはそう言うと、ボスの口の中へ赤黒い魔石を放り込んだ! ボス自身も突拍子もない事態だったのか、魔石を飲み込んでしまった。

 「ウェッホッ!? エホッ!? エホッ!?」

 「まさかお前・・・・・・」

 「察した様だね。すぐに変化が起きるから楽しみにしていなよ」

 ヤハンがそう言った途端、ボスの首筋に謎の筋が浮き出て来た。

 「お、俺のがらだに・・・・・・なびをじだ?」

 「なにをしたって? ボクは試作品をキミの身体に埋め込んだだけだよ」

 「でめぇ!」

 そう言って掴み掛かろうとしたが、ヤハンにその手を振り解かれてしまう。

 「キミじゃボクの足元に及ばないよ。それにもうボクの道具になるんだから、そんな抵抗をしても無駄だよ」

 ヤハンはそう言うと、ボスの近くにいた部下達に指さした。

 「手始めにキミの部下達を倒して。邪魔だからね」

 「そんな事するわけ・・・・・・」

 ボスはそう言うが身体は言う事聞かないのか、部下の一人の首に掴みかかった。

 「なっ、なんで?」

 「その魔石はボクの言う事を聞く様にしているんだよ。だからキミがどう思おうとボクの言う事を聞くよ」

 その言葉通りなのか、ボスは掴んでいる手を強める。

 「止めろぉ! 止めろ止めろ止めろぉっ!!?」

 そう言って叫んでいるボスの手を撃ち抜いて、握っている手を離させた。

 「ギャアアアアアアアアアアアアッ!!?」

 痛みに悶え苦しんでいるボスを放っておいて、部下達の方に向かって声をかける。

 「逃げろ! もうキミ達の知っているボスじゃない!」

 「ひっ、ヒィィィイイイイイイッ!!?」

 「助けてくれぇぇぇええええええっ!!?」

 「おい待て! 俺をみずでるなっ!?」

 逃げ叫ぶ様にして部屋を出て行く彼らに対して助けを求めたが、彼らはその思いを無視して走り去って行く。

 「どうやら彼らにとってキミは、どうでも良い存在だったんだろうね。クズだねぇ」

 お前が言えた事じゃねぇだろ。

 「そんで、キミはどうするの? ボクを殺すつもりなのかなぁ?」

 「そんなの、分かりきった事じゃないの」

 そう言ってからUZI PRO 構えてフルオートで撃ち込んだが、その間にボスが割って入って来た。

 「グハッ!?」

 「イギャッ!?」

 しかし俺達の間に入るのが遅かった為、二発ほどヤハンの身体を貫いたのだ。

 「いったぁ〜・・・・・・なにをしているんだい! 遅いじゃないか!」

 「この事を予測して側に置いておかなかった方が悪いと思うけど?」

 「グゥ〜・・・・・・ボクにこんな事をしてタダで済むと思うなよ! 行け! あの女を殺せ!」

 「嫌だ! 嫌だ嫌だ嫌だ! 助けてくれぇっ!?」

 ボスはそう言うが身体が言う事を効かない為、こっちに向かってゆっくりと歩み寄って来た。

 「遅い」

 ヤハンがそう言った瞬間に身構えていたが、なぜか以前襲いかかって来た化け物や大野の様なスピードがボスには全くなく、まるでゾンビが歩いているかのような感じにしか見えない。

 「チッ! やっぱりひ弱な身体じゃこれが限界か」

 「当てが外れたみたいだね」

 「だから言ったでしょう。それを使う相手を考えるべきだと」

 「この声、まさか!」

 床の影から迫り上がる様に、男が出て来た。そう、俺はこの男を知っている。

 「ドーゼム!」

 コイツまでいんのかよ!

 「久しぶりですねエルライナ」

 「久しぶり。って言いたいところなんだけど、私達はそんなに親しくないからね」

 「そうですね。この身体の傷の借りを返しに来ました。と言うべきでしょうかねぇ」

 身体に刻まれた弾痕を俺に見せて来た。

 「なるほどねぇ。私に借りを返しに来たって。それはそれで構わないけど、アナタに対して借りを返したい人物がいると思わないの?」

 「私に借りを返したい人物?」

 「そう言うって事は彼らを忘れているって事だね」

 そう言った瞬間、俺の後ろから彼が飛んで来てドーゼムに斬りかかるが阻まれてします。

 「ムゥ? アナタは」

 「今度は負けない!」

 そう大輝くん達が部屋にやって来たのだった。

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