クラス転移したけど私(俺)だけFPSプレイヤーに転生
第14話
 「本来ならあの酒場に潜入して色々と調べたいのですが、この容姿のせいで潜入出来そうにないんですよねぇ」
 「いや、さっきも言ったと思うが潜入の方が我々の方でやるから」
 うん、潜入班が失敗するようだったら、俺が酒場に強行しようか。
 そんな事を思っていたら、あの男が六人の人達と共に酒場から出て来たのだ。
 「んんん? この人達は一体何者なんだ?」
 「む? この右端にいる男は、暗殺者じゃないか?」
 「本当なのさ! リードガルム王国で人を何人も殺した男で、指名手配されている人なのさ!」
 そんな人がどうして王都に・・・・・・いや、闇ギルドが彼の事を庇っていたのかもしれない。
 「とにかく、彼らは敵なので早めの対処をした方が良さそうですね」
 そう言った後に腰を上げた途端、アリーファさんに肩を掴まれてしまった。
 「どちらに向かわれるつもりですか?」
 「どちらって、彼らの元に決まってるじゃありませんか」
 殺られる前に全めt、いや! 迎撃する!
 「許可致しません」
 「どうしてですか?」
 「アナタが動いたとなると、すぐに向こうに報告が行くと思いますよ」
 う〜ん、確かに。もしかしたら他に監視をしている人間がいるかもしれないからなぁ〜・・・・・・。
 「でも、このまま放置するのは流石に否めないですよ」
 「もちろん我々もそう思っております。バルデック公爵様に手があるので心配しないでください」
 「手? どんな手を使うのですか?」
 疑問に思う俺に対して、アリーファさんはバルデック公爵様をみつめる。
 「分かっている。メルディン!」
 バルデック公爵様がそう言うと、ドアの向こうから執事さんが入って来た。
 「お呼びでしょうか。ネルソン様」
 その後、2人はヒソヒソ話をしてから俺の方を見つめる。
 「話は分かりました。我々にお任せください」
 「ああ、期待しているぞ」
 「それでは、失礼いたします」
 メルディンさんはそう言って頭を下げると、部屋を出て行ってしまった。
 「なにをするつもりなんですか?」
 「総合ギルドの方で取り押さえるだけなのさ!」
 本当にそうなのか?
 ジト目でアイーニャ様達を見つめていると、アリーファさんがこっちにやって来て、俺の胸を揉んで来た。
 「なにをしているんですか?」
 「エルライナ様が身勝手過ぎるので、お仕置きをしておこうかと考えまして」
 美少女に胸を揉まれるなんて・・・・・・むしろご褒美です!
 「とにかく、エルライナは大人しくしていてくれなのさ」
 アイーニャ様がそう言いながら、やらしい手つきで近づいてくるので胸を手で覆い隠した。
 これは NO と言ったら襲いかかってくるパターンだ。
 「分かりました。今日一日は屋敷で大人しくしています」
 結構大きく出るねぇ。
 「よろしい。アタシ達の報告を楽しみに待っているのさ!」
 「出来るだけ期待に添えるように頑張るよ」
 あ、こっちは自信がないっぽいぞ。
 こうしてバルデック公爵様達は部屋を出て行った。
 「・・・・・・さて、俺は情報収集の続きをしようか」
 そう言った後にモニターに目を移したら、信じられない光景が目に映った。
 「ん? この人は・・・・・・」
 男達の中に子供とも思える様な背格好の人が男達の和に入ると、なにかを話し始めた。
 「チッ!」
 窓越しだから話の内容を聞き取れない。
 とにかく人数と顔だけは押さえておかないと・・・・・・。
 そう思った後にドローンを操作して顔を押さえていくが、フードを被った子供の顔を映像に押さえられる事が中々出来ない。
 「近づいたら気づかれそうだし、正面に回ったらバレるか・・・・・・もう少し様子を見ていれば、チャンスがくるかもしれない」
 とにかくドローンがバレない様に遠退いて監視を続けると、話が終わったのか少年が立ち去って行く。
 どうしよう? 少年追うか、それともこのまま監視を続けるか・・・・・・。
 「やっぱ、私の命を狙う人達を監視していよう」
 命の方が大事だ。うん。
 そして男達の監視を続けていると、総合ギルドへと入って行った。
 総合ギルドに入って行った!? どういう事なんだ?
 疑問に思いつつもこのまま監視を続けようか考えていたら、総合ギルド内から騒がしい声が聴こえてくる。
 「一体なにが起こっているんだ?」
 そう言った瞬間、なんと監視していた男の一人が総合ギルドから駆け足で出て来た! そしてその後を追いかける様にラミュールさんが出て来て捕まえた。
 「え? これ・・・・・・一体どういう事?」
 『まさかお前達が闇ギルドと繋がっていて、しかも捕まえに行こうと思っていたらくるとはな』
 『クソォ〜・・・・・・どうしてバレたんだぁ?』
 『エルライナ自身がお前達の事を闇ギルドの人間だと知っていた』
 いや、知っていたと言うよりも、 監視をしていたら知った。 って感じの方が合っているかも。
 『とりあえず、話は総合ギルドの中で聞く。ついて来い』
 『クソォ〜・・・・・・』
 悔しがる男に対してラミュールさんは辺りを見回し、俺が飛ばしているドローンを見つけた後、何事もなかったかの様な顔で総合ギルドへと戻って行く。
 どうやらリークしていた情報が役に立ったみたいだ。
 「向こうが捕まるんだったら、小柄な方を追えば良かった」
 後悔していると、アリーファさんが部屋に戻って来た。
 「残念そうな顔をされて、どうなされました?」
 「私が監視していた人達が、今捕まっただけです」
 俺の言葉にちょっと驚いた顔をしていたが、すぐにジト目で見つめて来た。
 「まさかとは思いますが、アナタ自身で捕まえたかったのですか?」
 「いいえ。さっき見せた人達が他の人となにかを話していたので、そっちの方を追えば良かったなぁ〜。って思っているだけです」
 「他の人・・・・・・どういった背格好をしているのですか?」
 「背格好は子供っぽい体格ですが、長話をしていたので闇ギルドの関係者かもしれません。
 何度か顔を確認しようとしたのですが、フードが邪魔で出来ませんでした」
 「そうですか」
 アリーファさんはそう言うと、なにか考える様にアゴに手を当てた。
 「・・・・・・その者が何者かは分かりませんが、関わっているのは確かでしょう。
 なので、私から旦那様に伝えておきます」
 「私からの方が良いのでは?」
 「旦那様に聞かれたら、正直に話してください。私は報告の為に失礼します」
 アリーファさんはそう言うと部屋を出て行った。
 さて、これからどうしようか?
 このままドローンを消して休憩を取るか、それともドローンを闇ギルドの方まで飛ばして監視を続けるか。
 「このまま続けると疲れそうだから休憩を取ろうか」
 飛ばしているドローンを消すと、お菓子とお茶を取り出した。
 「あ、お湯がない」
 とりあえずお茶を沸かす為に電気ポットを取り出し、水を入れて待つ。
 休憩が終わったら、どうしようかなぁ〜・・・・・・。
 外へは出れないから、またドローンで情報集めをするしかぁ・・・・・・あ、そうだ!
 「今は日が昇っているから、麻薬畑でなにか作業をしているかもしれない」
 昼間の方が作業をしやすいはずだからな。
 出したお菓子とお茶を堪能していると、 コンコンッ!? とドアを叩く音がした。
 「はいどうぞぉ」
 「失礼します。ってエルライナ様? 一体なにを食べていられるのですか?」
 「豆大福を食べています」
 そう言ったら、興味深そうに豆大福を見つめ始めた。
 「魔国にも豆大福とリョクチャと言われるものがあると聞きましたが、これでしょうか?」
 「うん、多分そうだと思う」
 緑茶に関しては分からないけど、多分豆大福の方はオウカさんが作ったじゃないかなぁ?
 そして、なぜ食べたそうにしているんですかね?
 「・・・・・・食べます?」
 「ください」
 こうして、アリーファさんと共にお茶を楽しんだのであった。
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