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クラス転移したけど私(俺)だけFPSプレイヤーに転生

青空鰹

第13話

 どうしてだろう? と考えていると、ラミュールさんが机に肘を置いて真剣な眼差しでこちらを見つめてくる。

 「それでお前の処遇についてだが、しばらくの間はクエストに出る事を禁止する」

 「えっ!?」

 「えっ!? じゃないだろう。お前は命を狙われている身なのだから、ホイホイと外に出せるわけがないだろう」

 確かにそうかもしれない。

 「そして代わりと言ってはなんだが、私直々に任務を言い渡す」

 ラミュールさんはそう言うと、一枚の紙を差し出して来た。

 「エルライナ。お前に闇ギルドの調査任務を命じる」

 「闇ギルドの調査ですか?」

 「ああ、お前が狙われているのは充分理解している。しかし、私としてはこれはチャンスだと思ってもいる」

 チャンス? って事はつまり・・・・・・。

 「私を使って囮りにしようって根端ですか?」

 「いいや、そうじゃない。お前が闇ギルド探っていると向こうが知れば、お前に注目が行き、我々は内部調査をしやすくなる」

 聞こえを良くしてるけど、揺動して欲しいって訳ね。

 「ハァ〜・・・・・・分かりました。私は私なりに闇ギルドを調査して揺さぶりをかけます」

 「そうか、じゃあ先ずは・・・・・・」

 「先ずは闇ギルドの支部に行く前に、支部がある場所と北の関所を調べて貰います」

 「・・・・・・ハァ?」

 何を言っているんだ。コイツは? と言いたそうな顔をしているラミュールさんに昨日撮ったドローンの映像を観せる。

 「これに映っているのは、昨日襲って来た人達の一人です」

 その後映像を早送りして、男が酒場の中に駆け込んだところで映像を止めた。

 「この酒場に入って行く様子が分かりますよね?」

 「あ、ああ。我々も闇ギルドと関与している酒場だと睨んでいたところだ」

 「そして映像を進めると・・・・・・」

 俺の事を襲った男が傷だらけで出て来た後に、おじさんに店内に連れて様子を観せてから映像を止めた。

 「ラミュールさんは今の様子をどうお考えですか?」

 「あ、ああ・・・・・・どう見ても失敗したヤツを消そうとしている瞬間にしか思えない」

 「そしてその続きです」

 まだあるのか? と言うラミュールさんの声を無視して映像を進めていく。

 「裏手にあるのは馬車みたいさ」

 「しかも何かを運んでいる感じもしますね。奥様」

 「そうそう、その運んでいるのが重要なんですよ」

 「え? どういう事なのさ」

 「観ていれば分かります」

 そう言って映像をちょっと早めに流して行き、最後の方に近づくと驚いた顔に変わった。

 「まさか、あんなところに・・・・・・」

 「なんで我々は気づかなかったのだろうか?」

 アイーニャ様は目を見開き、バルデック公爵様は頭を抱えていた。

 「恐らく、勘づかれない様に偽装しているんだと思いますよ。あ、後はこの国の貴族が関わっている可能性もありますね。それに北門で仕事している兵士達もですけど」

 「そうかぁ・・・・・・北門の兵士と貴族の関与については、私の方で調べる。ラミュールは先ほど映っていた酒場の調査を行なってくれ」

 「分かりました。バルデック会長」

 ラミュールさんはそう言うと、ポケットからメモ帳を取り出してペンを走らせた。

 「エルライナ」

 「はい」

 「お前は襲撃に会っても良い様にしておけ」

 「分かりました!」

 そう言いながら JERICHO941PSL を取り出すと、ちょっと呆れた顔をさせる。

 「お前の力が必要になった時は連絡を寄越す」

 「合言葉とか考えないんですか?」

 「お前ならすぐに見破れるだろう」

 うん、仰る通りです。

 「だからお前の命目当てに来た連中を、なるべく捕まえる様にしてくれ」

 「なるべくなんですね」

 「四〜五人一斉に来たら、いくらお前でも生かしまま捕まえる事は出来かねないだろう」

 うん、ラミュールさんの言う通りだ。現に昨日の夜だって、ああするしかなかったし。

 「そう言う事だ。それじゃあ、私は仕事があるから行くぞ」

 そう言うとイスから腰を上げると、バルデック公爵様達に頭を下げる。

 「私はこれで失礼いたします」

 「ああ、もしかしたらそっちにも闇ギルドの人間が行くかもしれないから、気をつけるんだぞ」

 「承知しております」

 ラミュールさんはバルデック公爵様にそう言うと、客室を出て行った。

 「・・・・・・さて、エルライナ」

 「はい、なんでしょうか?」

 「今日一日は邸宅で大人しくしているんだ」

 「今日一日・・・・・・」

 つまり明日からは自由に行動しても良いと言う事か?

 「念の為に言っておくが、状況が落ち着くまでは私達の目の届く場所にいさせる!」

 「ええええええっ!?」

 それって監視じゃん! ただでさえ総合ギルドで依頼を受けられないのに・・・・・・。

 「なに変な顔をしているのさ! アンタはお金なら有り余っているし、なによりもアタシ達の邸宅で住むのだから、食費が浮くのさ」

 「・・・・・・家賃は?」

 「アンタの持っている金なら、一日二日どころか五年は余裕に住めるのさぁ!?」

 「そんなにお金を稼いでましたっけ?」

 覚えている範ちゅうで言うと、バルデック公爵様が渡してくれた大金と迷宮から出て来た化け物を退治したぐらい。

 「覚えてないのかい? 魔国で魔人を撃退したお金。それに加えて向こうの大陸で魔人を倒した事」

 ああ〜、査定が出来てないから待ってくれ言われてたヤツね。

 「旦那様、もう一つ抜けております」

 「ん? なにか抜けていたか?」

 「はい、勇者達からのお詫びと国を救ってくれたお礼金です」

 「ああ〜そうだったな。本人に直接渡そうとしたが、もう既に帰ってしまった為に総合ギルド経由で渡された金か」

 「はい、その三つの金額を集計すると大体金貨九八〇枚です」

 金貨九八〇枚っ!?

 「そんなに貰えるなんて、なんかの間違いじゃないんですかぁ!?」

 「間違いではありませんよ。一番安いので迷宮の化け物で、その次が勇者の謝罪料金プラスα」

 プラスαって、お礼金の事か?

 「・・・・・・で、最後の魔国のお礼金が高いです。良かったですねエルライナ様、しばらくの間は遊んで暮らせそうですよ!」

 いやいや、サムズアップしながら言わないでくださいよ! 俺はヒモ生活をするつもりはないんですからぁっ!!

 「いっその事、家政婦を雇うのもありなのさ」

 「確かに、これからも自宅をちょくちょく空ける事があるからなぁ。今度奴隷商に連れて行って、家政婦を雇わせようか?」

 いやいやいやいやいや、俺のプライベート空間に他人を入れるつもりはないですよ!

 「そういった考えは、もう少し先で良いんじゃないでしょうか?」

 「そうだなぁ。今は目の前の問題に対処する事に専念した方が良さそうだな」

 バルデック公爵様はそう言うと、イスから立ち上がった。

 「どこかに行くんですか?」

 「ああ、これから国王の元へ行き、北の関所の調査をして貰う様に頼むんだ。早い方が良いだろう?」

 「そうですね」

 不正を暴く事については、勘づかれる前に動いた方が良い。これは鉄則。

 「バルデック公爵様、向かう際は・・・・・・」

 「私にも優秀な護衛が就いているから心配はいらないよ」

 「そうですか。お気をつけてください」

 そう言った後に見送るが 優秀な護衛って誰だろう? 疑問に思ってしまう。

 「さて、私は私で探ってみますか」

 「探ってみますってアンタ。さっきの話を聞いていなかったの?」

 「聞いていましたよ。だからこの邸宅内に居ながら探りを入れてみようと考えているんです」

 つーか準備自体出来ているし。

 そんな事を思いながらスクリーンを出して、先ほど飛ばしたドローンの映像を映し出すとアイーニャ様とアリーファさんは驚いた表情を見せた。

 「ドローンに、さっき私の事を見張っていた人を追って貰っているんですよ」

 「え?」

 「マジ?」

 「マジですよ。ああ〜やっぱり酒場に向かいましたね。追っている張本人も闇ギルドの関係者で間違いなさそうですね・・・・・・って、どうしたんですか?」

 一旦酒場に行くって事は、ギルド長が送って来た諜報部員なのか?

 「アンタってヤツは・・・・・・」

 「ホント規格外ですねぇ」

 規格外とは侵害だ! 事実この能力はチートじゃない・・・・・・はず!!

 呆れている二人を余所に、スクリーンを見つめ続けるのであった。

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