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クラス転移したけど私(俺)だけFPSプレイヤーに転生

青空鰹

第53話

 ドッペルの身体に突き刺した矢は炸裂ボルトで、壁でも身体でも突き刺されば数秒後に爆発する強力な武器。その炸裂ボルトを喰らった本人の身体が四方八方に飛び散り、壁やら地面やらに色んなところに貼りついった。
 しかもその身体の一部が岡野の身体にモロ付着しているので、悲惨な状況と言えば悲惨な状況かもしれない。


 「さて、この中に本体が紛れ込んでいるはず」


 再生される前に見つけ出さないと後がない。


 そう思いながら探していると、岡野のヤツが鬼の形相で俺を見つめて来た。


 「テメェ、何でもっと早く助け出さなかったんだっ!?」


 「私はアナタを助けるつもりなんて微塵もなかったんだけど」


 「んだとぉっ!?」


 岡野がそう言いながら掴みかかろうとしてくので、ヒョイと横に跳んで避ける。


 「ていうか、敵がまだ生きているのに、そんな事をしてて良いと思っているの?」


 それにそのネトネトの粘液を俺の身体につけない欲しい。


 「ハァ? なに言ってんだお前? 現に身体が吹き飛んだんだぞ。生きているわけがねぇだろうが!」


 「そうかな?」


 俺が左の方に指をさすと、岡野は気になったのかそちら方に顔を向ける。


 「やって・・・・・・くれた、わね!」


 そう、そこには再生しようとしているドッペルの姿があったが、なぜかビー玉サイズの丸い球体が見えている。


 「い、生きてやがる!」


 「結構ダメージがあったみたいだね」


 しかも自分の本体である核が亀裂が入るほどにね。


 「アンタ、なんかに・・・・・・負ける、アタシじゃ・・・・・・ないわっ!!」


 そう言って触手らしきものを伸ばしてくるのだが、ここまで届かないのだ。


 「ギッ!?」


 ドッペルの身体からピシッと言った音が聞こえて来た。恐らく今の攻撃のせいで亀裂が増したのだろう。


 「そろそろチェックメイトだね」


 IWI ACE31 を構え、ドッペルの本体に狙いを定める。


 「あ、主人様ぁああああああっ!? どうかこのアタシをお助けくださぁぁぁああああああああああああいっ!!?」


 藁にもすがるとは、まさにこの事だろうな。


 トドメを刺そうとトリガーに指を掛けた瞬間、何者かが屋根から飛び降りて、来てゼリー状の中からドッペルの本体を掴み上げたのだ。


 「ん?」


 「あっ!?」


 俺達が驚いている最中、仮面を被ったそいつは手のひらの上でドッペルを見つめ始めた。


 「主人様ぁ〜っ!! アタシの事を・・・・・・助けに来て、くださったんですねぇ〜!!」


 「主人様っ!?」


 じゃあつまりアイツが、ドーゼムが言っていた彼の方なのか?


 「・・・・・・」


 「早く・・・・・・このアタシの、身体、を・・・・・・治して、下さい」


 「・・・・・・」


 そいつは無言のまま、ドッペルを包み込んだ。


 マズいっ!? 治されるっ!!


 そう思ってIWI ACE31を構えたのだが、なんとドッペルの本体を強く握り締め出したのだ!


 「ギャアアアアアアアアアアアアッ!!?」


 「えっ!?」


 「なっ!?」


 この行動には流石の岡野もビックリしていた。


 「なぜです? なぜアタシぅぉおおおおおおおおおおおおおっ!!?」


 「負けたお前に用はない」


 「アタシは・・・・・・アタシはまだ負けてないですっ!! だから助けくだっ」


 パリッ!? と言った音がした瞬間、ドッペルの声が聞こえなくなった。


 「お、おい・・・・・・まさかアイツは」


 岡野が動揺している中、握り締めた手を開いて粉々に割れた核を落とした。


 「自分の部下を殺すとはね」


 だがこれで関係性はわかった。ヤツにとって魔人はただの駒なんだ。


 「キサマがエルライナだな?」


 「ええ、そうよ」


 ヤバいと感じたので、銃を構えながら魔人のボスを見つめる。


 「・・・・・・なるほど。ヤツが手引きしているのか」


 「ヤツ?」


 ヤツってもしかして神様の事なのか? でも、そんな事どうでも良い。


 「キサマに興味が湧いた」


 俺に向かって走って来たので、ACE31をフルオートで身体に撃ち込んだら地面に倒れた。


 「や、ったのか?」


 「ってはないと思うよ」


 お前がフラグを立てたし。


 「・・・・・・ほう。流石はアイツが選んだ者か」


 そう言って立ち上がる様子を見た岡野は驚いた表情になる。


 「やっぱり一筋縄には、ッ!?」


 一気に距離を詰めて腹を殴って来た。余りの威力に一歩二歩と後退りをして膝を着いてしまった。


 油断した。まさか一気に距離を詰めてくるとは。


 「こんなものなのか?」


 「まさか、こんなぐらいで倒れる私じゃないよ」


 プレートキャリアに入れたプレートとマガジンのお陰で、ダメージがある程度相殺された。


 「まだやるか?」


 「諦める気は更々ないよ」


 そう言うと一旦距離を取り、 ACE31 を素早く構えてフルオートで撃ち敵の身体に弾丸を叩き込むが、向こうは全く効いてないのか、そのまま俺の元へと近づいて来た。


 「なんでぇ!?」


 「フンッ!?」


 目の前まで来た敵は拳を振り回して来たので、それを避けてからカランビットナイフと JERICHO941 PSL を構える。


 7.62×39mm弾を受けても普通に戦えるなんて、絶対おかしいだろ。


 「まるで痛みを感じていない様な立ち振る舞いをするとは・・・・・・・」


 ・・・・・・いや、普通に動けているところを見る限り、ダメージがないのかもしれない。


 「ッ!?」


 振りかざして来た拳の動きに合わせてカランビットナイフを刺し込んで受け止めたのだが、そのまま押し込んで来たのだ。


 な、なんだと?


 「ナイフが刺さっているのにグイグイ押してくるなんて、正気じゃない!」


 「・・・・・・」


 ダメだ。コイツになにを言っても意味がない。各なる上は、あれしか方法がない!


 JERICHO941 PSL を顔に撃とうと構えた瞬間、もう片方の腕で掴んで来たが相手の反応の方が遅かった為、顔を撃つ事が出来た。その際に仮面が取れてしまった。


 「ッ!?」


 向こうは怯んだ様子で、顔を押さえながら一歩二歩と後ずさった後に俺を見つめて来た。


 「・・・・・・やってくれるな」


 「ここまでやらないとアナタは・・・・・・え?」


 あの顔は!


 「神様?」


 そう言ったが、髪と瞳の色が違うので別人と分かった。しかしその部分以外は似ているのだ。


 「神、忌々しい名を言うな!」


 「忌々しい?」


 どう言う事だ? アイツの言葉も気になるけど、神様と同じ顔をしているなんて。


 「ヤツを殺して、この俺が世界を、人間共を・・・・・・」


 まるでこの世を恨んでいる様な言い方に、俺はぞっとしてしまう。岡野の場合はなぜか尻餅を着いて股の間を濡らしていた。


 「お姉様ぁ〜!?」


 俺達が目の前にいる敵を見つめていたら、城壁側の通路からネネちゃんがやって来たのだ。


 「ネネちゃん、こっちに来ちゃダメッ!!」


 「ッ!? な、なんですか、この異様なまでの魔力の波動は? まさか、あの男から発せられているのですか?」


 やっぱり。俺が思っていた通り、ヤツの身体から尋常じゃないほどの魔力を放出していたのか。


 「復讐とか私にはどうでも良い事だけど、私には大切な人達がいるからアナタ達の好きにはさせないよ」


 そう言った後に JERICHO941 PSL を構えて撃ったのだが、全く効いている様子がないのか身体がちょっと揺れるだけで倒れない。


 「・・・・・・もう潮時か」


 ヤツはそう言うと、屋根の上へと飛び上がり俺達を見下ろした。


 「覚えておけ女。俺はこの世界を消し去り、素晴らしい世界を築き上げるのだ。次会った時は容赦はせん!」


 そう言い残すと、屋根伝いに飛んで消えて行ってしまった。


 「待てっ!!」


 俺はそう言って追いかけようとしたのだが、すぐに無理と判断したので諦める。


 「・・・・・・取り逃した」


 いや、むしろ俺が命拾いをしたのかもしれない。現にヤツと戦っていて手応えを感じなかったから。


 「お姉様?」


 「あ、ネネちゃん。ゴメンね・・・・・・敵のボスらしき人を取り逃しちゃった」


 「敵のボスって言うと、魔人のトップと戦ったんですかぁ!?」


 「うん、それでもドッペルの方は倒せたんだけどね」


 正確にはあのボスが倒したんだが、ややこしくなるからそう言う事にしておこう。


 「そうだったんですかぁ・・・・・・それでその男はオカノですよね? どうして気を失っているのですか?」


 「え? あっ!?」


 俺が知らない間に岡野が気絶していたらしい。どうしよう、これ。


 そう思った後、気を失っている岡野をどうすべきか悩むエルライナであった。

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