クラス転移したけど私(俺)だけFPSプレイヤーに転生
第45話
 さて、彼らの治療を終えた俺達は総合ギルドを出て宿へと向かっている。
 「・・・・・・お姉様」
 「ん? どうしたのネネちゃん?」
 「彼らは本当に勇者なのですか?」
 「頭がお花畑状態でおめでたい人達だけど、勇者に変わりないよ」
 あの時に神様に キミの判断で勇者達を殺しても良いよ。って言われたけど、なんだかそんな気にはなれない。
 「私が甘いのか、それとも呆れ返ってしまっているからその気になれないのか・・・・・・」
 「どう言う意味ですか、エルライナ様?」
 「あっ! いやぁ〜・・・・・・気にしなくて良いよ」
 まぁなんにせよ、俺はもう彼らをどうこうしようって気はない。彼らが生きようが、どこか知らない場所でのたれ死のうが関係ない。向こうが喧嘩を売ってくるのであれば、俺は買ってやる気でいる。
 「ただいまぁ〜!」
 「お帰りやさぁ〜い〜! お仕事の方はどうでやしたか?」
 「ぼちぼちって感じですねぇ〜」
 「手応えがありませんでしたぁ〜」
 「まぁそうですよねぇ。一日で魔人を見つけられる訳がないやんすよね」
 まぁこの会話は決められた台本読んでいるかの如く、お互いにウソ言っている。
 「ああ、そうそう! エルライナさんが言っていた通り、ケイティちゃんが人形を作ってお店の前で露店販売してみたら、家族連れの方が買っていきやしたよ!」
 「おお、私の提案が見事に当たりましたね!」
 そう、先ほどネネちゃんの部下通達で 暇そうならマルコさんに頼んでお人形か刺繍を施したハンカチを、お店の前で売ってみれば? 通達してみたらやる気になったそう。しかし、この短時間で人形を作れるってスゴい技術力だな。
 「マルコさん、よくケイティさんの露店を許可しましたね」
 「ええ、あっしも彼女の腕を腐らせちゃいけねぇって思ってやしたからぁ。あっ、もちろん売り上げの一部は貰う約束をしてるんでやんすよ」
 まぁ店の前で露店をやるんだから、売り上げの一部をマルコさんに渡すのは仕方のない事だよな。
 「それで、どんな物を売ったんですか?」
 「はい、数自体は少なかったんすけど、こんな物を売りやした」
 そう言って俺に見せてくれたのは、手のひらサイズのクマの人形だ。
 「可愛い」
 「ケイティはん曰く、急に始めた事だからこんなのしか作れんはった。らしいでやんす」
 「私がもうちょっと早く思いついていれば、ちゃんとした準備が出来たのに。なんかすみません」
 「いいえ〜、ケイティはんも久しぶりに商売が出来て嬉しそうにしておりやした。明日も露店を開催するつもりなので、今はその準備をしておりまっせ!」
 「あ、そうなの。ならそっとしておいた方が良さそうだね」
 「はい、夕飯の時に降りてくると思うんで、その時に話掛ければええと思いますよ」
 それならその時に明日出す商品情報を聞こうか。
 「そろそろ汗を流したいから、今日は夕食前に銭湯にでも行ってみようか?」
 お湯が入っている桶を頼んで身体を拭いていると、なぜかお風呂が恋しくなるんだよなぁ〜。俺が元日本人だからなのかな?
 「良いですねぇ! お姉様、銭湯へ向かいましょう!」
 「銭湯はこの宿を出て、左に真っ直ぐ行った五軒のところにありやすよぉ。一応そこには鍵つきのロッカーがあるんで少し高くなりやすが、利用した方が盗難防止になりやす」
 うん、ならそっちを使おうか。
 「教えて頂きましてありがとうございます。早速行って来ますね!」
 「行ってらっしゃいませぇ!」
 マルコさんに見送られながら宿を出ると左の方に進んで行く。
 「ここで五軒目。おお、いかにも銭湯らしきお店だねぇ〜」
 銭湯の入り口に暖簾が掛けられているが、その向こうに扉があって、パッと見て銭湯ではなくて居酒屋みたいに感じるのだ。
 「我々魔国の国の銭湯をモチーフにしているそうなのですが、扉は開きっぱなしにして頂きたいですね」
 「そうだね。ここで立ち話をするのもなんだから、中に入ろうか」
 「はい!」
 銭湯の中に入ると目の前にカウンターがあった。
 「いらっしゃいませぇ! 女性二名ですか?」
 「あ、はい! 鍵つきのロッカーを二つお願いしたいのですが、空いていますか?」
 「はい、大丈夫ですよ。桶は無料でお使い出来ますが石鹸の方は有料です。どういたしますか?」
 「石鹸などは私が持っている物を使うので大丈夫です」
 スポンジとかも俺のをネネちゃんに渡そうか。
 「分かりましたぁ! お二人共鍵つきロッカーのご利用で銅貨八枚になりまぁ〜す!」
 「因みに聞きますが、鍵つきでない方はいくらになるんですか?」
 「お一人様銅貨二枚になりますが、そちらの方に変えますか?」
 「いえ、変えなくて良いです」
 そう言うとポケットから出すと見せかける為に手を突っ込むと、ストレージから銅貨八枚を取り出してから番台に渡す。
 「ありがとうございます! こちらが鍵になります。札と同じ番号のロッカーしか使えないので注意してくださいね!」
 「あ、はい」
 番台さんから鍵を受け取ると、女湯の暖簾が掛かっている方の部屋へと入って行く。
 「はいネネちゃん、鍵」
 「あ、お姉様。お金の方を・・・・・・」
 「気にしなくていいよ。銅貨四枚ぐらいなら私が出してあげるから」
 鍵を使い、ロッカーを開くと服を脱いで放り込んでいく。
 「ん? ネネちゃんも服を脱がないとダメだよ」
 「わ、分かっておりますよ!」
 頬を赤らめながら服を脱いでロッカーの中へ入れていく姿を見て、なんとなく微笑ましく感じる。そんな事を思いながらもシャンプーとボディーソープ。後はタオル二枚と輪ゴム一個、それにスポンジ二つを取り出した。
 「はい、ネネちゃんタオル。もう一枚いる?」
 「あ、一枚で良いです」
 俺の手からタオルを受け取ったネネちゃんは手に持ったのだ。それを確認した俺は長い髪の毛をまとめて輪ゴムで止めた後に、鍵を閉めてお風呂場へと向かったのだが。
 「ちょっとぉ〜・・・・・・期待外れだね」
 浴槽が三つ並んでいて、一番右端だけが日替わりの薬湯になっているだけだった。
 ジャグジーバスとか電気風呂とかがあって、色んなところを楽しむのが銭湯のはずなのに。
 「サウナも水風呂もないのかぁ〜・・・・・・」
 「お姉様、魔国の銭湯でしたらサウナがありますよ! なので魔国に帰ったら銭湯に行って思う存分サウナを堪能してください!」
 「私の家はリードガルムなんだよぉ〜!」
 ないのなら自分で作るか! あ、でもそうしたら焼石に水をかけてやるサウナしか作れないじゃん! キオリさんに頼んで作って貰おうかなぁ?
 「まぁとにかく、身体を洗おうか」
 「そうですね!」
 ネネちゃんと共に桶とバスチェアを取ると、壁に並んでいるジャグジーのところにいく。
 壁にシャワーとジャグジーがあるのが向こうの世界と同じだなぁ〜。と思いながら髪をシャワーで濡らして水洗いをした後にシャンプーで髪を洗う。
 「ネネちゃん。こっちが髪を洗う洗剤、こっちが身体を洗う洗剤だから使い分けてね」
 「は、はい!」
 ネネちゃんは返事をすると、俺と同じ様に髪を洗い始めた。
 「お姉様、これとても泡立ちが良いですね!」
 「特別製だからね」
 洗った髪をシャワーを洗い流してビックリ! 痛んでいたネネちゃんの髪に艶が出たのだ!
 うん、これで確信した。俺の持っている洗剤が異常なほどの能力があるんだ。
 「お姉様、なんかサッパリしました!」
 「う、うん。それは良かった。身体の方も洗おうか。はいスポンジ。泡立ちが良くないとか、泡が少ないって感じたらもう一回押しても良いからね」
 「はい、お姉様!」
 ネネちゃんは嬉しそうにスポンジを受け取り、ボディーソープを付けてから自分の身体を洗ったら案の定肌にハリと艶が出たのであった。
 おいおい・・・・・・効果がここまであると、売ろうにも売れないなぁ。
 洗剤類を商売に使わない様にしようと、心に決めるのであった。
 「・・・・・・お姉様」
 「ん? どうしたのネネちゃん?」
 「彼らは本当に勇者なのですか?」
 「頭がお花畑状態でおめでたい人達だけど、勇者に変わりないよ」
 あの時に神様に キミの判断で勇者達を殺しても良いよ。って言われたけど、なんだかそんな気にはなれない。
 「私が甘いのか、それとも呆れ返ってしまっているからその気になれないのか・・・・・・」
 「どう言う意味ですか、エルライナ様?」
 「あっ! いやぁ〜・・・・・・気にしなくて良いよ」
 まぁなんにせよ、俺はもう彼らをどうこうしようって気はない。彼らが生きようが、どこか知らない場所でのたれ死のうが関係ない。向こうが喧嘩を売ってくるのであれば、俺は買ってやる気でいる。
 「ただいまぁ〜!」
 「お帰りやさぁ〜い〜! お仕事の方はどうでやしたか?」
 「ぼちぼちって感じですねぇ〜」
 「手応えがありませんでしたぁ〜」
 「まぁそうですよねぇ。一日で魔人を見つけられる訳がないやんすよね」
 まぁこの会話は決められた台本読んでいるかの如く、お互いにウソ言っている。
 「ああ、そうそう! エルライナさんが言っていた通り、ケイティちゃんが人形を作ってお店の前で露店販売してみたら、家族連れの方が買っていきやしたよ!」
 「おお、私の提案が見事に当たりましたね!」
 そう、先ほどネネちゃんの部下通達で 暇そうならマルコさんに頼んでお人形か刺繍を施したハンカチを、お店の前で売ってみれば? 通達してみたらやる気になったそう。しかし、この短時間で人形を作れるってスゴい技術力だな。
 「マルコさん、よくケイティさんの露店を許可しましたね」
 「ええ、あっしも彼女の腕を腐らせちゃいけねぇって思ってやしたからぁ。あっ、もちろん売り上げの一部は貰う約束をしてるんでやんすよ」
 まぁ店の前で露店をやるんだから、売り上げの一部をマルコさんに渡すのは仕方のない事だよな。
 「それで、どんな物を売ったんですか?」
 「はい、数自体は少なかったんすけど、こんな物を売りやした」
 そう言って俺に見せてくれたのは、手のひらサイズのクマの人形だ。
 「可愛い」
 「ケイティはん曰く、急に始めた事だからこんなのしか作れんはった。らしいでやんす」
 「私がもうちょっと早く思いついていれば、ちゃんとした準備が出来たのに。なんかすみません」
 「いいえ〜、ケイティはんも久しぶりに商売が出来て嬉しそうにしておりやした。明日も露店を開催するつもりなので、今はその準備をしておりまっせ!」
 「あ、そうなの。ならそっとしておいた方が良さそうだね」
 「はい、夕飯の時に降りてくると思うんで、その時に話掛ければええと思いますよ」
 それならその時に明日出す商品情報を聞こうか。
 「そろそろ汗を流したいから、今日は夕食前に銭湯にでも行ってみようか?」
 お湯が入っている桶を頼んで身体を拭いていると、なぜかお風呂が恋しくなるんだよなぁ〜。俺が元日本人だからなのかな?
 「良いですねぇ! お姉様、銭湯へ向かいましょう!」
 「銭湯はこの宿を出て、左に真っ直ぐ行った五軒のところにありやすよぉ。一応そこには鍵つきのロッカーがあるんで少し高くなりやすが、利用した方が盗難防止になりやす」
 うん、ならそっちを使おうか。
 「教えて頂きましてありがとうございます。早速行って来ますね!」
 「行ってらっしゃいませぇ!」
 マルコさんに見送られながら宿を出ると左の方に進んで行く。
 「ここで五軒目。おお、いかにも銭湯らしきお店だねぇ〜」
 銭湯の入り口に暖簾が掛けられているが、その向こうに扉があって、パッと見て銭湯ではなくて居酒屋みたいに感じるのだ。
 「我々魔国の国の銭湯をモチーフにしているそうなのですが、扉は開きっぱなしにして頂きたいですね」
 「そうだね。ここで立ち話をするのもなんだから、中に入ろうか」
 「はい!」
 銭湯の中に入ると目の前にカウンターがあった。
 「いらっしゃいませぇ! 女性二名ですか?」
 「あ、はい! 鍵つきのロッカーを二つお願いしたいのですが、空いていますか?」
 「はい、大丈夫ですよ。桶は無料でお使い出来ますが石鹸の方は有料です。どういたしますか?」
 「石鹸などは私が持っている物を使うので大丈夫です」
 スポンジとかも俺のをネネちゃんに渡そうか。
 「分かりましたぁ! お二人共鍵つきロッカーのご利用で銅貨八枚になりまぁ〜す!」
 「因みに聞きますが、鍵つきでない方はいくらになるんですか?」
 「お一人様銅貨二枚になりますが、そちらの方に変えますか?」
 「いえ、変えなくて良いです」
 そう言うとポケットから出すと見せかける為に手を突っ込むと、ストレージから銅貨八枚を取り出してから番台に渡す。
 「ありがとうございます! こちらが鍵になります。札と同じ番号のロッカーしか使えないので注意してくださいね!」
 「あ、はい」
 番台さんから鍵を受け取ると、女湯の暖簾が掛かっている方の部屋へと入って行く。
 「はいネネちゃん、鍵」
 「あ、お姉様。お金の方を・・・・・・」
 「気にしなくていいよ。銅貨四枚ぐらいなら私が出してあげるから」
 鍵を使い、ロッカーを開くと服を脱いで放り込んでいく。
 「ん? ネネちゃんも服を脱がないとダメだよ」
 「わ、分かっておりますよ!」
 頬を赤らめながら服を脱いでロッカーの中へ入れていく姿を見て、なんとなく微笑ましく感じる。そんな事を思いながらもシャンプーとボディーソープ。後はタオル二枚と輪ゴム一個、それにスポンジ二つを取り出した。
 「はい、ネネちゃんタオル。もう一枚いる?」
 「あ、一枚で良いです」
 俺の手からタオルを受け取ったネネちゃんは手に持ったのだ。それを確認した俺は長い髪の毛をまとめて輪ゴムで止めた後に、鍵を閉めてお風呂場へと向かったのだが。
 「ちょっとぉ〜・・・・・・期待外れだね」
 浴槽が三つ並んでいて、一番右端だけが日替わりの薬湯になっているだけだった。
 ジャグジーバスとか電気風呂とかがあって、色んなところを楽しむのが銭湯のはずなのに。
 「サウナも水風呂もないのかぁ〜・・・・・・」
 「お姉様、魔国の銭湯でしたらサウナがありますよ! なので魔国に帰ったら銭湯に行って思う存分サウナを堪能してください!」
 「私の家はリードガルムなんだよぉ〜!」
 ないのなら自分で作るか! あ、でもそうしたら焼石に水をかけてやるサウナしか作れないじゃん! キオリさんに頼んで作って貰おうかなぁ?
 「まぁとにかく、身体を洗おうか」
 「そうですね!」
 ネネちゃんと共に桶とバスチェアを取ると、壁に並んでいるジャグジーのところにいく。
 壁にシャワーとジャグジーがあるのが向こうの世界と同じだなぁ〜。と思いながら髪をシャワーで濡らして水洗いをした後にシャンプーで髪を洗う。
 「ネネちゃん。こっちが髪を洗う洗剤、こっちが身体を洗う洗剤だから使い分けてね」
 「は、はい!」
 ネネちゃんは返事をすると、俺と同じ様に髪を洗い始めた。
 「お姉様、これとても泡立ちが良いですね!」
 「特別製だからね」
 洗った髪をシャワーを洗い流してビックリ! 痛んでいたネネちゃんの髪に艶が出たのだ!
 うん、これで確信した。俺の持っている洗剤が異常なほどの能力があるんだ。
 「お姉様、なんかサッパリしました!」
 「う、うん。それは良かった。身体の方も洗おうか。はいスポンジ。泡立ちが良くないとか、泡が少ないって感じたらもう一回押しても良いからね」
 「はい、お姉様!」
 ネネちゃんは嬉しそうにスポンジを受け取り、ボディーソープを付けてから自分の身体を洗ったら案の定肌にハリと艶が出たのであった。
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