クラス転移したけど私(俺)だけFPSプレイヤーに転生
第27話
 勇者達が出て行った後に、再度手紙を送ってくれる様に頼んだ後に総合ギルドを出た。
 「さて、用は全部済んだことだし。宿でゆっくりしていようかなぁ? ネネちゃん、何処か行きたいところある?」
 「う〜〜〜ん・・・・・・ないです!」
 「じゃあ宿に戻ろうかぁ」
 「はぁ〜い!」
 ネネちゃんと共に路上を歩いていると、 ん? と見覚えある姿を見つけた。
 「お姉様、あれはもしかして」
 「多分、猪瀬派の女子だと思う」
 「追いますか?」
 「いや、ロクな事が起きそうにないから放っておこう」
 虎穴に入らずは子虎を得ず。と言うことわざがあるが、入る理由もなく虎穴に入るのもなぁ〜。と思ってしまう。
 「そうですか。それじゃあ無視して行きましょうか」
 彼女はそう言うとニコニコ顔で俺の前を歩き出した。
 「お姉様」
 「ん、なに?」
 「お姉様は、彼らと会ったらどうするのですか?」
 「どうするかぁ・・・・・・」
 最初は様子見だったが、現状を見ると呆れと虚しさしか感じられない。やはりこれは、お灸を据えるべきだと思っている。
 「彼らが目を背けている現実に目線を戻すつもりだよ」
 「現実に目線を戻す?」
 「うん」
 そう返事をしてから、ネネちゃんの頭をなでてあげる。
 「誰だってツラいって思う事から逃げようとするよ。でもね、彼らの場合はやるべき事から目を背けて立ち止まっている様にしか見えないんだ。
 だから私は自分が目を背けてはいけない事、そして自分が進むべき道を教えようと思ってもいる」
 「そうなんですか」
 まぁ多分だけど、荒治療になると思っている。
 「まぁなるべくネネちゃんに迷惑をかけない様に配慮するからね」
 「そうですか。ツラい時はいつでも頼ってください」
 ネネちゃんはそう言うが、俺は一切頼るつもりはない。なぜなら、これは俺自身の問題だと思っているし、ある意味怨まれ役になる覚悟がいる。
 「・・・・・・まぁ、その時は遠慮なく頼るよ」
 心配そうなネネちゃんに見つめながらそう言うと、俺の腕に抱きついて来た。
 「お姉様はウソを吐いてます」
 「あら、分かっちゃった?」
 「はい、私にはお姉様のサポートの他にお守りするという役目があります。なので何でもかんでも自分で解決をしようとしないで貰えないでしょうか?」
 「う〜〜〜ん」
 その真剣な眼差しで見つめられると、ちょっと弱いんだよなぁ〜。
 「・・・・・・分かった。ネネちゃんと相談しながら決めるよ」
 「そうして頂けると幸いです。お姉様」
 「じゃあ早速だけど、明日一緒にお城の方に出向いてくれるかな?」
 「はい、構いませんよ!」
 うん、そう言ってくれると助かるよ。
 「ん? ネネちゃん。あの食べ物美味しそうだね」
 「え? アレですか? あの弾け飛んでいるの食べ物というよりも、凶器じゃないんですか?」
 ネネちゃんが言う弾け飛んでいる食べ物と言うのはポップコーンの事だ。しかし俺がいた世界と違うところがあって、お皿の上にコンロとフライパンが置いてあり、そのお皿を結界魔法で包み込んでいるのだ。
 なるほどぉ〜。ポップコーンが弾け飛んでいるところを見せて販売をしているのか。これはこれで面白いなぁ。
 「ちょっと買ってみようか? お金は私が出すよ」
 「お言葉に甘えます。お姉様」
 ネネちゃんの了承も得たので、その屋台に近づく。
 「いらっしゃぁ〜い! ボムコーンをお買い上げですか?」
 ああ、この世界ではポップコーンをボムコーンって言うのか。
 「はい。ボムコーン二つほどください!」
 「はいはい分かりました! ボムコーンを二つで銅貨二枚です!」
 ちょっと高いなぁ〜。と思いつつ銅貨二枚をお店の人に渡したら、皿の上に乗っているボムコーンをスコップで救い上げて150mlのペットボトルぐらいの箱の中へと入れた。
 「はい、どうぞ!」
 「ありがとうございます! はいネネちゃん」
 「ありがとうございます。お姉様!」
 俺達はボムコーン1粒を口に入れて味わったのだが、すぐに微妙そうな顔に変わってしまった。
 「これ、味がしない」
 「そうですね。サクサクっとした食感はいいのですが、味が薄いので美味しいとは言えないですね」
 てっきりもう定番の塩味になっていると思っていたら全然違った。ネネちゃんの言う通り、サクサクするだけで塩の味が薄い。
 「お客さんすまない。味が薄いのは仕方ないがないんだよぉ」
 「仕方がない? 一体どうしたのですか?」
 「調味料を仕入れていた商会が、この街にこなくなってしまったんだよぉ」
 おいおい、まさかとは思うけど。
 「もしかして、勇者達の影響ですか?」
 「うん。大声では言えないけど、勇者達が調味料の値段についてイチャモンをつけてね。商会がそれに怒っちゃって・・・・・・」
 「全くこなくなってしまったって事ですかぁ」
 「うん、調味料は少ない量だけど市場に出回っているんだけど高くなっちゃってね。経費を考えると塩を入れられないんだ」
 付加価値ついちゃっているのかぁ〜、アイツら本当に馬鹿なんだなぁ〜。
 「おじさん、塩欲しいのならあげるよ」
 「え、塩を持っているのかい!?」
 「うん」
 そう言ってから小分けにけしておいた塩の入った袋を五つ取り出した。
 「中身を取り出して確認していいよ」
 「あ、ああ」
 店員さんはそう言うと袋の中身を一ずつ舐めて確認していく。
 「本当に全部塩だ。これ本当にくれるのかい?」
 「うん。その代わり、もう一つなんにも味つけしていないボムコーンを二つちょうだい」
 「それならお安い御用だ!」
 彼はそう言うとすぐ用意してくれた。
 「ありがとうね」
 「いやいや礼を言うのはこっちの方だよ。これでいつも売っているボムコーンを販売出来る!」
 店員さんの言葉を聞いた後に、ネネちゃんと共に近くのベンチへと移動する。
 「お姉様、ボムコーンをこんなに買ってどうするんですか?」
 「塩を含めた三種類の味を楽しもうと思ってね」
 「三種類の味を?」
 「先ずは私のボムコーンで塩味を楽しもう」
 そう言ってからもう一個塩を取り出して、ボムコーンに振りかけて食べた。
 「うん、これはシンプルに美味しい」
 「ホント、美味しいですね!」
 「で、次にネネちゃんの方はカレー粉をかけてスパイスもほんのちょっとだけ入れまぁ〜す」
 その後に二人でカレー味のボムコーンを食べると、身体を震わせたのであった。
 「ピリ辛で美味しい!」
 「刺激的な味ですぅ〜!」
 カラさのせいか分からないけど、食が進むぜぇ!
 「そして最後に、カラい後にこのトロっトロの甘ぁ〜いソースを最後のボムコーンに乗せます」
 「ふわぁ〜〜〜!? 」
 キャラメルソースがコーンの上に乗っかる様をネネちゃんは目を輝かせて見つめていた。
 「はい、どうぞ」
 「いっただっきまぁ〜〜〜っす!!」
 ネネちゃんはそう言ってから、ボムコーンを口の中へと入れる。
 「ん〜〜〜〜〜〜っ!!?」
 「どう?」
 「とっても美味しいです! お姉様ぁ!?」
 俺もキャラメル味を口の中へ入れる。
 確かに、ボムコーンに染み込んだキャラメルソースが噛めば噛むほど出て来て、口の中に広がって至福を感じる。
 「ん〜〜〜! 美味しい!」
 カレーの後なのか、とても美味しく感じられる。
 「どれも美味しいですね、お姉様!」
 「ネネちゃんはこの中のどれが好みかな?」
 「最後に食べたキャラメル味です! お姉様は?」
 「私はピリッとカラいカレー味かな」
 そんな話をしていたら、ジーッと見つめて来る子供達がいた。
 「ん? これ欲しいの?」
 「う、うん!」
 一人の男の子が俺の前に出てそう言ってくると、後ろにいた子供達も前に出て来た。
 「食べていいよ」
 「ホ、ホント!」
 「うんホント、ただし今日だけだよ」
 「「「「わぁ〜い!」」」」
 実際問題この量を食べられないし、なによりもストレージのこやしになるよりは、こうやって食べて貰った方が良いと思う。
 「「「「お姉ちゃんありがとう!」」」」
 子供達はそう言うと、ボムコーンをネネちゃんと共に食べるのであった。
 「さて、用は全部済んだことだし。宿でゆっくりしていようかなぁ? ネネちゃん、何処か行きたいところある?」
 「う〜〜〜ん・・・・・・ないです!」
 「じゃあ宿に戻ろうかぁ」
 「はぁ〜い!」
 ネネちゃんと共に路上を歩いていると、 ん? と見覚えある姿を見つけた。
 「お姉様、あれはもしかして」
 「多分、猪瀬派の女子だと思う」
 「追いますか?」
 「いや、ロクな事が起きそうにないから放っておこう」
 虎穴に入らずは子虎を得ず。と言うことわざがあるが、入る理由もなく虎穴に入るのもなぁ〜。と思ってしまう。
 「そうですか。それじゃあ無視して行きましょうか」
 彼女はそう言うとニコニコ顔で俺の前を歩き出した。
 「お姉様」
 「ん、なに?」
 「お姉様は、彼らと会ったらどうするのですか?」
 「どうするかぁ・・・・・・」
 最初は様子見だったが、現状を見ると呆れと虚しさしか感じられない。やはりこれは、お灸を据えるべきだと思っている。
 「彼らが目を背けている現実に目線を戻すつもりだよ」
 「現実に目線を戻す?」
 「うん」
 そう返事をしてから、ネネちゃんの頭をなでてあげる。
 「誰だってツラいって思う事から逃げようとするよ。でもね、彼らの場合はやるべき事から目を背けて立ち止まっている様にしか見えないんだ。
 だから私は自分が目を背けてはいけない事、そして自分が進むべき道を教えようと思ってもいる」
 「そうなんですか」
 まぁ多分だけど、荒治療になると思っている。
 「まぁなるべくネネちゃんに迷惑をかけない様に配慮するからね」
 「そうですか。ツラい時はいつでも頼ってください」
 ネネちゃんはそう言うが、俺は一切頼るつもりはない。なぜなら、これは俺自身の問題だと思っているし、ある意味怨まれ役になる覚悟がいる。
 「・・・・・・まぁ、その時は遠慮なく頼るよ」
 心配そうなネネちゃんに見つめながらそう言うと、俺の腕に抱きついて来た。
 「お姉様はウソを吐いてます」
 「あら、分かっちゃった?」
 「はい、私にはお姉様のサポートの他にお守りするという役目があります。なので何でもかんでも自分で解決をしようとしないで貰えないでしょうか?」
 「う〜〜〜ん」
 その真剣な眼差しで見つめられると、ちょっと弱いんだよなぁ〜。
 「・・・・・・分かった。ネネちゃんと相談しながら決めるよ」
 「そうして頂けると幸いです。お姉様」
 「じゃあ早速だけど、明日一緒にお城の方に出向いてくれるかな?」
 「はい、構いませんよ!」
 うん、そう言ってくれると助かるよ。
 「ん? ネネちゃん。あの食べ物美味しそうだね」
 「え? アレですか? あの弾け飛んでいるの食べ物というよりも、凶器じゃないんですか?」
 ネネちゃんが言う弾け飛んでいる食べ物と言うのはポップコーンの事だ。しかし俺がいた世界と違うところがあって、お皿の上にコンロとフライパンが置いてあり、そのお皿を結界魔法で包み込んでいるのだ。
 なるほどぉ〜。ポップコーンが弾け飛んでいるところを見せて販売をしているのか。これはこれで面白いなぁ。
 「ちょっと買ってみようか? お金は私が出すよ」
 「お言葉に甘えます。お姉様」
 ネネちゃんの了承も得たので、その屋台に近づく。
 「いらっしゃぁ〜い! ボムコーンをお買い上げですか?」
 ああ、この世界ではポップコーンをボムコーンって言うのか。
 「はい。ボムコーン二つほどください!」
 「はいはい分かりました! ボムコーンを二つで銅貨二枚です!」
 ちょっと高いなぁ〜。と思いつつ銅貨二枚をお店の人に渡したら、皿の上に乗っているボムコーンをスコップで救い上げて150mlのペットボトルぐらいの箱の中へと入れた。
 「はい、どうぞ!」
 「ありがとうございます! はいネネちゃん」
 「ありがとうございます。お姉様!」
 俺達はボムコーン1粒を口に入れて味わったのだが、すぐに微妙そうな顔に変わってしまった。
 「これ、味がしない」
 「そうですね。サクサクっとした食感はいいのですが、味が薄いので美味しいとは言えないですね」
 てっきりもう定番の塩味になっていると思っていたら全然違った。ネネちゃんの言う通り、サクサクするだけで塩の味が薄い。
 「お客さんすまない。味が薄いのは仕方ないがないんだよぉ」
 「仕方がない? 一体どうしたのですか?」
 「調味料を仕入れていた商会が、この街にこなくなってしまったんだよぉ」
 おいおい、まさかとは思うけど。
 「もしかして、勇者達の影響ですか?」
 「うん。大声では言えないけど、勇者達が調味料の値段についてイチャモンをつけてね。商会がそれに怒っちゃって・・・・・・」
 「全くこなくなってしまったって事ですかぁ」
 「うん、調味料は少ない量だけど市場に出回っているんだけど高くなっちゃってね。経費を考えると塩を入れられないんだ」
 付加価値ついちゃっているのかぁ〜、アイツら本当に馬鹿なんだなぁ〜。
 「おじさん、塩欲しいのならあげるよ」
 「え、塩を持っているのかい!?」
 「うん」
 そう言ってから小分けにけしておいた塩の入った袋を五つ取り出した。
 「中身を取り出して確認していいよ」
 「あ、ああ」
 店員さんはそう言うと袋の中身を一ずつ舐めて確認していく。
 「本当に全部塩だ。これ本当にくれるのかい?」
 「うん。その代わり、もう一つなんにも味つけしていないボムコーンを二つちょうだい」
 「それならお安い御用だ!」
 彼はそう言うとすぐ用意してくれた。
 「ありがとうね」
 「いやいや礼を言うのはこっちの方だよ。これでいつも売っているボムコーンを販売出来る!」
 店員さんの言葉を聞いた後に、ネネちゃんと共に近くのベンチへと移動する。
 「お姉様、ボムコーンをこんなに買ってどうするんですか?」
 「塩を含めた三種類の味を楽しもうと思ってね」
 「三種類の味を?」
 「先ずは私のボムコーンで塩味を楽しもう」
 そう言ってからもう一個塩を取り出して、ボムコーンに振りかけて食べた。
 「うん、これはシンプルに美味しい」
 「ホント、美味しいですね!」
 「で、次にネネちゃんの方はカレー粉をかけてスパイスもほんのちょっとだけ入れまぁ〜す」
 その後に二人でカレー味のボムコーンを食べると、身体を震わせたのであった。
 「ピリ辛で美味しい!」
 「刺激的な味ですぅ〜!」
 カラさのせいか分からないけど、食が進むぜぇ!
 「そして最後に、カラい後にこのトロっトロの甘ぁ〜いソースを最後のボムコーンに乗せます」
 「ふわぁ〜〜〜!? 」
 キャラメルソースがコーンの上に乗っかる様をネネちゃんは目を輝かせて見つめていた。
 「はい、どうぞ」
 「いっただっきまぁ〜〜〜っす!!」
 ネネちゃんはそう言ってから、ボムコーンを口の中へと入れる。
 「ん〜〜〜〜〜〜っ!!?」
 「どう?」
 「とっても美味しいです! お姉様ぁ!?」
 俺もキャラメル味を口の中へ入れる。
 確かに、ボムコーンに染み込んだキャラメルソースが噛めば噛むほど出て来て、口の中に広がって至福を感じる。
 「ん〜〜〜! 美味しい!」
 カレーの後なのか、とても美味しく感じられる。
 「どれも美味しいですね、お姉様!」
 「ネネちゃんはこの中のどれが好みかな?」
 「最後に食べたキャラメル味です! お姉様は?」
 「私はピリッとカラいカレー味かな」
 そんな話をしていたら、ジーッと見つめて来る子供達がいた。
 「ん? これ欲しいの?」
 「う、うん!」
 一人の男の子が俺の前に出てそう言ってくると、後ろにいた子供達も前に出て来た。
 「食べていいよ」
 「ホ、ホント!」
 「うんホント、ただし今日だけだよ」
 「「「「わぁ〜い!」」」」
 実際問題この量を食べられないし、なによりもストレージのこやしになるよりは、こうやって食べて貰った方が良いと思う。
 「「「「お姉ちゃんありがとう!」」」」
 子供達はそう言うと、ボムコーンをネネちゃんと共に食べるのであった。
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