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クラス転移したけど私(俺)だけFPSプレイヤーに転生

青空鰹

第26話

 もう何回コイツらが頭を下げたんだろうか。十五回目からは数えていないからトータルが分からん。


 「もう、頭を下げなくて結構ですよ」


 「え、それじゃあ・・・・・・」


 許してくれるんですか? と言いたそうな顔をするが、俺はそんな気持ちは1ミリも持っていない。


 「何を勘違いしてるのですか、アナタ達のお仲間が私にやった事を許す気はありませんよ」


 「・・・・・・え?」


 「え? じゃないですよ。え? じゃ。さっきと言い何なんですかアナタ達は? 武具店でも謝り続けて、ここでも頭を下げて許しを乞うだけ。
 借金をした人の方が、給料日がもう少し先だから待って欲しい。って言葉の方がまだ理屈が通りますよ!」


 ネネちゃんは俺の言葉に ウンウン。 と頷いていた。


 「それに、私が防いでなかったらアナタの仲間に斬り殺されていたんですよ。そこを分かっているのですか?」


 「は、はい。私達も承知しております」


 「だから俺達はこうして、謝罪をしに来ているんです」


 「もし仮に私が斬られていたら、その土下座で解決出来る問題だと思いますか? 違うでしょ。それに、アナタ達の世界では、こんな事が起きても謝罪で済ませられる世界なのですか?」


 そう言ったら四人は押し黙ってしまった。


 現代風にアレンジされたサルカニ合戦や、かちかち山が現実で通用すると思っているのか?


 「その様子だと違うみたいですね。それに加えて私はアナタ達にこう言います。アナタ達は無能の集まりだと」


 「ど、どうしてそんなヒドい事を言うのですか?」


 生徒会に所属している子が俺にそう聞いてくる。


 「自分で何が悪かったのかも考えずに どうして? って謝罪をする相手に対してそう聞いている時点で無能の証拠ですよ」


 「ッ!?」


 「仕方ないので、私から説明してあげましょう。武具店で襲って来たバカ猿二匹よりは賢そうですからね」


 俺はそう言ってから立ち上がり、ホワイトボードと水性ペンを取り出して真ん中に勇者と書いた。


 「はい注目。勇者とはなにか? それを教えます」


 「え、あ、それって・・・・・・」


 「はいそこ、口答えしない! 聞きたくないのなら、お城に帰ってください」


 「あ、はい! すみません!」


 そう返事をしてから背筋を伸ばす。


 「勇者の役目はなんだと思いますか? はいそこのツインテールの女の子、答えなさい」


「え? 魔人と戦う使命を持った人」


 「15点の回答」


 「たった15点っ!?」


 ショックを受けた様子のツインテールの真月ちゃん。


 「は、はい」


 「はい、元気ガタイくん」


 「脅威から人々を守使命を受けた人の事!」


 「30点の回答だね。5点は元気加点でサービス」


「じゃあ実際は25点って事ですかぁ!?」


 その通りだよ。元気ガタイの久米山くん。


 「はい」


 「はい、細イケメンくん」


 「悪を勇敢に戦う、正義の味方みたいな人達の事だと思います!」


 「・・・・・・回答が子供過ぎる。たった1点」


 細イケメンくんの青野はショックを受けた様で、 なぜだぁぁぁああああああっ!!? と泣いていた。


 「はい」


 「はい、メガネちゃん!」


 「勇者として呼ばれたからです」


 「それだったら誰でも勇者になれる。0点」


 全く、木崎が一番頭が悪いかもしれないな。


 「三人共、勇者ってのが全く理解してないみたいだね。お姉さん失望したよ」


 「お姉様の言う通り、私も失望しています」


 二人でヤレヤレと言って首を横に振っていると、メガネちゃんが怒った顔で俺に問い詰めて来た。


 「じゃあ勇者って何なんですか?」


 「誰かにとって憧れであり希望になる事。そしてその人の道しるべとなる事だよ」


 「意味が分かりません」


 「今のアナタ達では理解出来ないでしょうね。だってアナタ達なにもやってないし、なにも為し得てないのだから」


 俺がそう言うと、四人は痛いところを突かれたって顔をする。


 「魔人と戦う為に訓練しているのは分かるけど、ここに来て何ヶ月経ったと思っているの? 未だに訓練だけしてるって、他人からしてみればおかしいと思うよね?」


 「・・・・・・森で訓練をしている時に魔物を倒しました」


 「自分達の力だけで倒したの? 兵士さん達の力を借りて戦っていたらノーカウントだよ」


 俺がそう言うと、元気ガタイくんは下を向いてしまった。


 「それに比べてもう一方の勇者達は、もう自分達の使命とやるべき事を理解して魔物どころか盗賊とも戦っているよ。それを見習って自分達も頑張ろうとか思わないの?」


 比べてコイツらと来たらねぇ〜・・・・・・呆れるもんだよ。


 「まさかとは思っていないけどさ。私とその勇者達に任せていれば、自分達はなにもしなくていいと思っているのかい?」


 「そんな事は思っていません」


 「ウソはいけないよ。ウソは」


 「えっ!? ウソなんかじゃありません!」


 そう言ってくるメガネちゃん達に対して、ビシッと指をさして語る。


 「ならばなぜ自ら行動しようと思わないの? せっかくファンタジー世界に来たのだから魔法を使ってみたいとか、ダンジョンに行ってみたいとか思うはずだよ!」


 「それは思いました。でも、私達はまだ弱いので行かない方が・・・・・・」


 「ほら、もう本音が出た」


 「え? 」


 「自分達がまだ弱いって理由をつけて戦う事を避けている様にしか見えない」


 そう言った瞬間、図星なのか全員身を縮こまらせた。


 「大輝くん達は来て早い段階で、自分達だけで魔物を倒していたし、ダンジョンにも挑戦していた。まぁ危なくない様にアドバイス兼監視役がいたみたいだけどね」


 俺がそう言うと、四人はお互いの顔を見つめ合っていた。


 「あの、エルライナさん」


 「なに、ツインテールちゃん?」


 「私達、その勇者達の様に強くなれますか?」


 「なれる。それについては保証する」


 俺がそう言うと四人は喜んでいるのか笑顔になるが、続け様に俺は話す。


 「保証はするけど、今のままいたら全然ダメで弱いままで過ごすだろうね」


 「じゃあ、どうすればいいんですか?」


 ちょっとは自分達で考えて欲しい。と言いたいのをグッと我慢する。


 「一番手っ取り早いのは、この四人でパーティーを組んで色んな事に挑戦する事だね」


 「四人で?」


 「うん。聞いている限りでは、もう他の勇者達はなにを言ってもダメだろう。距離を置いてた方が良いと私は思う」


 特に猪瀬と不良は性根が腐り切っているから改善不可能だろうな。


 「でも、クラスメイトで仲間なので・・・・・・」


 「自分達に迷惑をかけてくる連中が仲間? 私や向こうの勇者達だったら普通縁を切ってるよ」


 俺がそう言うと細イケメンくんは、何かを考える様に黙ってしまった。


 「ま、後はアナタ達の問題だからアナタ達で答えを導き出しなさい」


 「・・・・・・分かりました。ありがとうございます」


 あ、そうだ。あの事も聞いてみようか。


 「一つ聞きたい事あるんだけど良いかなぁ?」


 「はぁ、なんでしょうか?」


 「キミ達が仲間思いなのは今理解したけど、行方不明の子を気にしていないのかい?」


 「「「「ッ!?」」」」


 四人は目を見開いて、こっちを見つめてくる。


 「そ、その事をどこで聞いたんですか?」


 「この国が血眼になって探しているみたいだから、必然的に情報が入って来たんだ。他の国も探しているらしいよ」


  まぁ、俺がその本人だけどね。


 「・・・・・・彼は、大丈夫だと思います」


 「どうしてそう言い切れるの、細イケメンくん?」


 「元いた世界でも彼は強かったです。それに軍人に鍛えられていたとも聞いてます」


 「私も、岡野くん達を蹴り飛ばして気絶させたところ見ていたから」


 ああ、アイツらが絡んで来た時の事か。あの時は被害者なのに職員室に呼ばれて先生に説教をされたから大変だった。


 「ま、まぁキミ達に妙な根拠があるのは分かった。で、根本的なところ。心配は?」


 「「「「しています」」」」


 真剣な顔付きで言ってくるので、 本当に俺の事ことを心配しているだな。 と思った。


 「他の人達は居なくなって清々したって言うけれども。やっぱり、なんだかんだで彼がクラスで一番まともな人間だったんだなぁ。って今さらながら理解しました」


 「倉本くんがこの現状を見たら、なんて言うんだろう?」


 「間違いなく、エルライナさんと同じで呆れると思うよ」


 そうだな。現に呆れてるからなぁ。


 「とにかく、私はキミ達にアドバイスをしたからね。後は自分達で頑張りなさい」


 「「「「ありがとうございました!」」」」


 そして彼らは失礼しました。と言って応接室を出て行ったのだった。

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