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クラス転移したけど私(俺)だけFPSプレイヤーに転生

青空鰹

第12話

 お屋敷のベッドで横になってスヤスヤいる領主の妻。


 「やっと落ち着いたかぁ」


 「急に暴れ出したので、ビックリしましたよぉ〜」


 そう、治療している間うなされていたのだが急に目を開いたかと思うとパニックを起こして暴れ出したのだ。


 「殺さないで! とか 止めて! とか叫んでいたから、暴行を受けた時の記憶が蘇ったんだろう」


 首を絞めた跡に両腕と両膝に打撲。それに擦り傷に左腕にヒビが入っている状態。


 「詳細は本人から聞かないと分からないからなぁ〜。う〜ん・・・・・・」


 どうしようか、この状況。


 「どうされたのですか。お姉様?」


 「彼女が起きるまで、このままにしておいた方がいいんだけど、そうもいかないよねぇ」


 「ですね。いつまた魔物達が襲ってくるのか分かりませんし、領主が戻って来たら今度こそこの人が殺されてしまいます!」


 「だよねぇ〜」


 それにこの人は村人から裏切り者として認知されているから、連れて行くにしても説得しなきゃいけないし。


 「あの、エルライナさん」


 後ろを振り返ると村人三人がいた部屋に入って来たが、どことなく申し訳なさそうな顔をしている。


 「えっとぉ、どうしたのですか?」


 「「「すみませんでしたぁっ!!」」」


 三人は俺に向かって頭を下げた。


 「どうして私に謝るのかな? 私に対して悪い事してないと思いますよ」


 「俺達村人全員で思い返してみたんです。領主はクズでも奥様は良い人だったって。だからそのぉ・・・・・・謝りの来たんです」


 なるほど、一周回って思い返してみたらって感じかな。


 「そう、でも彼女は・・・・・・ん?」


 今、顔を動かしていたよね?


 「お姉様。もしかしてこの人」


 「うん、ネネちゃんと同じ事を思っているよ。起きているか試してみよう」


 そう言って足を軽くコチョコチョしてみたら、ピクピク身体を反応させる。


 「・・・・・・演技止めましょう」


 俺がそう言うが、ガン無視してくる。


 「起きないと、もっとスゴイ事しますよぉ〜」


 そう言いながら両方の足を本気でくすぐってみたら足を引っ込めた。本人はバレてないと思っているのか、または目を瞑ったままでいる。


 「まだ抵抗するつもりなのですか、アナタはぁっ!」


 こうなったら最後の手段だ!


 ストレージから習字用の筆を出すと、それで色んなところをくすぐった。


 「ッ!? ヒッ・・・・・・ヒフッ!? ンッ!?」


 「さぁ、ギブアップしないともっとくすぐっちゃいますよぉ〜!」


 ヤバい、超楽しい! と思いながらもう一本取り出したところで、目がカッと開いた。


 「こ、降参! 降参をするっ! だから止めてぇっ!!」


 「やっと降参しましたか。皆さん、彼女に・・・・・・んん?」


 男性陣が内股になっているのはなぜだろうか。おじさんに至っては背を向けている。


 「まぁ、男の子だから仕方ないか」


 俺がそう言った瞬間、村人三人は俺を睨んで来た。俺全然悪くないよ。


 「ま、まぁ彼らの言う事は最もだ。あのクソ旦那のせいとは言え、危機に瀕している村から出て行ってしまったのだからな。
 ところでアナタ誰なんだ?」


 「聞いて驚けぇ! この方こそが東の大陸に名を轟かせているお方、 エルライナ・ディア ・バルデック 様とは彼女の事でぇ〜い!」


 「ネネちゃん、普通に言って頂戴」


 てかその紹介の仕方、この世界にもあったんだね。


 「エルライナ様は大物なんですから、カッコイイ紹介をした方が良いじゃないですかぁ!」


 「私大物だったっけ?」


 少しは有名なのは理解しているけど。


 「アナタがあの有名なエルライナ様ですかっ!!」


 「名前と姿が似ていると思っていましたが、ご本人様とは・・・・・・」


 その場にいる人達が、祈りのポーズを取る。


 「ストップストップ! 特に奥様は怪我をしているのですから、ベッドに横になってください!」


 そう言って無理矢理ベッドに横にする。


 「それで、何でズタボロになってこの村に戻って来たんですか? えっとぉ、お名前は?」


 「リゼット・アシュフォンス 男爵です。エルライナ様」


 様づけで呼ぶ様になっている。まぁそれはそれで良いとして。


 「あの、そろそろ訳を話して頂けませんか?」


 「あ、はい。実は・・・・・・」


 村が魔物達に襲われた日、リゼットさんは村を守る為に残って戦かおうとしていたのだが、旦那さんに止められたらしい。そして兵士達に馬車に無理矢理乗せられたらしい。


 「乗った瞬間、何かおかしいと思ったら閉じ込められてしまい。先に乗っていたあの人に首を絞められて・・・・・・」


 その光景を思い出したのか、彼女は顔を青くして身体を震わせている。


 「それ以上言わなくていいから」


 過呼吸を起こしたらたまったものじゃないから。


 「とりあえず、ここの領主は殺人未遂で逮捕出来そうだね」


 「そうですねぇ! いやぁ〜、ここまで証拠があったら捕まえられますよぉ!」


 「ハァ・・・・・・捕まえられる? あの人を?」


 首を傾げながら言う彼女を他所に、おじさん達に話し掛ける。


 「とにかくリゼットさんの意識が戻ったんだから、この村から出ましょう。準備の方は?」


 「はい、準備出来てます!」


 「なら出発しましょう。リゼットさん、立てますか?」


 「はい、なんとか」


 彼女はそう言うと立ち上がったが、ふらついていたのでおじさんが支える。


 「大変だ! 兵士が村の外に来たぞ!」


 「マジですか!?」


 次々と問題が出て来ますね、もうっ!


 「とりあえず、使用人の皆さんはここに居てください。私が対応しますから。ネネちゃんは彼らをよろしくね」


 「了解しました! お姉様!」


 一応 ネゲヴ NG7SF を持ってお屋敷の外へと行くと、村の外に甲冑を着た兵士が威圧感たっぷりにズラァーっと並んでいる。


 この数対応出来ねぇよぉ。どうしよう・・・・・・ん?


 良く見てみると、情けない顔で縛られている男性達がいた。


 「えっとぉ〜・・・・・・私は総合ギルドに所属しているエルライナです! この村に何か用ですかっ!?」


 俺がそう言いながらギルドカードを提示していると、デザインの違う甲冑を着た人が馬に乗ったまま前に出て来た。


 「私の名は ウォンツ・ドット・ライボルト 伯爵。魔物に襲われているこの村を助けに来たのだが、魔物はどこにいる?」


 「それでしたら私が倒しました」


 俺がそう言うと、彼は驚いた顔をしている。


 「噂には聞いていたが、うぅ〜む・・・・・・」


 信じられないのか、俺をジロジロ見つめてくるライボルトさん。


 「えっとぉ・・・・・・確認したいのですが、情けなく逃げたここの領主は?」


 なんとなく分かってはいるけど、確認しておこう。


 「ああ、アイツがその領主だ。村人を見捨てて逃げた罪人だ。ここにいた兵士達も我々が捕らえている」


 「そうですか」


 しかし、彼を信じて良いのだろうか? まさか敵マークは出てないけど領主と連んでいないよな?


 「ライボルト伯爵様!」


 「アシュフォンス婦人! 無事であったか!」


 振り返って見てみると、おじさんに担がれながらも、こっちに向かって来ているリゼットさんがいた。


 「はい、それでバゲンは?」


 「ああ、そこにいる」


 やっぱり、あの縛られている人がそうなんだ。


 「送って貰った手紙を読んでみた時、まさかとは思っていたが、本当に此奴は村を見捨てて逃げていたとはな。
 貴族の風上にも置けないな」


 ライボルト伯爵はそう言ってバゲンを睨む。本人は逃げようとしているが周りにいる兵士達が押さえ込む。


 「あの、手紙とは?」


 「私が馬車から落とされた時にライボルト伯爵様に手紙を書き、召喚獣に届けて貰ったのです」


 ああ、リズリナさんがやった様な感じね。


 「ネックレスがアイテムボックスになっていて助かりました。もしなかったら今頃どうなっていた事か」


 彼女はそう言いながらネックレスに触れる。


 「とりあえずまぁ・・・・・・彼が処罰されるのは確定なんですね?」


 「もちろん、爵位剥奪は確実だ」


 「じゃあ不倫については?」


 「「不倫?」」


 ネネちゃんに預けた証拠を持って来て二人に見せたら、スゴイ剣幕でバゲンに詰め寄った。


 「このクソ野郎がぁっ!!」


 あ、リゼットさんが殴り始めた。まぁ自業自得じゃなくてっ!! 怪我してるのにそんな事するんじゃないのっ!!


 俺と兵士さん達は夫を殴り続けているリゼットさんを必死になって止めるのであった。

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