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クラス転移したけど私(俺)だけFPSプレイヤーに転生

青空鰹

第11話

 領主が村人を捨てて逃げた。と言う事は領主は自分の身を守る為に村人達を囮ににして逃げたって事か。念の為に確かめてみるか。


 「見た感じ村の人達が屋敷の方へ籠もっているように見えたのですが・・・・・・籠城していたのですが?」


 「違います。領主様に ここは私と兵士達で抑えるから村人全員を屋敷に避難させろ。 と言う指示があったので、その通りにしたら領主様がどこかへ行ってしまったのです」


 うん、これはもう逃げる為の囮にされた確定だな。


 「ねぇネネちゃん」


 「どうしたのですか、お姉様?」


 「もうネネちゃんも分かっていると思うけど、囮だよね?」


 「その通りですね」


 しれっと言うねこの子は。


 「魔国ではこんな事許されるの?」


 「領主は土地と住人と秩序を守る義務があるので、こんな事をすれば切腹の刑に処されますよ。ここの国ではどうなっているか知りませんが」


 まぁ確かに、法律は国ごとに違うからな。そう考えてみると、この国では目の前にいる人の様に見捨てられても違法じゃないって事なのか?


 「やっぱり、領主様達は我々を見捨てて逃げたのですね・・・・・・」


 「状況を見るからに、そうにしか思えませんね」


 目の前にいる村人は悔しいのか、目に涙を浮かべながら握り拳を握った。


 「ところで、村の皆さんはどうするんですか? このまま村に居続けるのは流石に危ないかと」


 「アナタの仰る通りですね。街まで行こうと思います」


 「その街は近いですか?」


 「ええ、近いですよ」


 その街が近いのなら行った方が良いと思うが、懸念するところがあるな。


 「その街は大丈夫なんですか? もしかしたらここの領主が、その街にいる可能性があるかもしれませんよ?」


 「その時は俺達が文句言ってやる!」


 気づいたら他の村人達も屋敷から出て来て、そーだ! そーだ! と言っている。


 「我々を見捨てた領主など、もう信じられません! アナタ様の腕を見込んで頼みがあります。どうか我々を街まで護衛して頂けないでしょうか?
 もちろん我々一同お礼はします!」


 そう言って頭を下げるタキシードのおじさんとメイドさん達。


 タキシードにメイド服ぅ? って事はこの人はあのお屋敷の使用人か。その人まで見捨てるとは、どんだけ腐っているんだよ。


 「いいよ。とりあえず全員で役割分担して、移動の準備をして。あ、その前に! 怪我人は?」


 「はい、屋敷の方に八人ほどいます。その内の二人が重傷です」


二人が重傷か・・・・・・。


 「一応私が持っている回復薬を使ってあげるから、案内して」


 「良いのですか?」


 「ええ、いっぱいあるので構いません」


 Dランク試験の為に怪しまれない様に買っておいたのが、こんなところで役に立つとは・・・・・・売ろうか悩んでいたよ。


 「お姉様」


 心配そうな顔で見つめてくるので、耳元でそっと説明をする。


 「大丈夫。中級のポーションを四十個ほどアイテムボックス(※ストレージ)の中に入れているの」


 そう言ったら、ニコニコとした顔で俺を見つめて来た。


 「お姉様、私もお手伝いします!」


 「頼りにしているよ」


 ネネちゃんにそう言ってから使用人に顔を向ける。


 「怪我人のところへ連れて行ってください」


 「分かりました。こちらです。他の者達は出発の準備を!」


 『はいっ!』


 その後、使用人が案内してくれた部屋、多分食事をする場所に八人の村人が横たわった状態で並んでいたので、ネネちゃんと二人で看病してあげた。
 それと、重傷の二人も持っている回復薬でなんとかなったので、万々歳! と言いたいところだが・・・・・・。


 「あの・・・・・・アナタ方は一体なにをしていらっしゃるのですか?」


 「なにって? 不正な証拠がないか探しているの」


 そう、このお屋敷に住む領主になにかやましい事あるんじゃないかと思ったので、旦那様の部屋と仕事部屋を二手に分かれて探索しているのだ。因みに俺が仕事部屋担当でネネちゃんは自室担当。


 「はぁ・・・・・・そういえば、最近旦那様のお金の使い道が不透明になったようなぁ〜」


 なぬっ!? それは重要な情報だぞ!


 「あ、金庫見っけ!」


 本棚の本をどかしてみたら、なんと小さな金庫があるではないか!


 「そんなところに金庫があったのですか!」


 そう言いながら本棚を覗くと、 本当だぁ。 とおじさんは驚いていた。


 「使用人も分からなかった金庫となると、これは怪しい臭いがプンプンしますねぇ〜! 開けてみましょうか!」


 「でもどうやって開けるのですかこれ?」


 鍵穴式の小さな金庫を見つめて、ニヤリとする。


 「まぁまぁ、私にはいくつか作戦があるので信じてください」


 作戦その一。バールでこじ開ける!


 ガシャアンッ!!?


 「・・・・・・えぇ〜」


 作戦その一で開いちゃったよ。


 「これ金庫だよね?」


 「ええ、そうですね」


 「普通はこんな方法で開かない様になってるはずなんだけど、開いちゃったよ」


 ダメだったらグラインダーで蝶番切ってこじ開けようと思ったんだけど、不要だったよ! セキュリティー管理の意味を知った方が良いぞ!


 「それよりも中身を確認しましょう!」


 「その通りだね」


 念の為に中に入っている物全部取り出して広げてみたら、おじさんが一枚の手紙を持って これは! と言った。


 「どうしたのですか?」


 「旦那様の恋文です!」


 「そんな物必要ありません!」


 期待して損したわ!


 「いえ、ただの恋文ではありませんよ!」


 「ただの恋文じゃない? どういう事ですか?」


 「浮気相手への恋文ですよ!」


 「ええっ!?」


 なんとここの領主は不倫をしていたの・・・・・・ん?


 「不倫って、重婚が認められているから大丈夫なのでは?」


 「普通ならそうなのですが、相手も既婚者で貴族なので穏便には済ませられませんよ!」


 うわぉっ!? 既婚者に手を出すとか、クズいな。


 「しかも、奥様を殺す計画をしているではありませんか・・・・・・」


 「えっ!?」


 俺も気になったので内容を読んでみたら、ベッドインまでやってしまっている内容も書かれており、しかも奥様が亡くなった後に結婚をしよう。とも書かれていた。


 「今奥様はどうされているのですか? 」


 「奥様はここに残り村人と共に戦うと仰っていたのですが、旦那様に無理やり連れられてしまいました」


 「奥様の身がヤバくないですか?」


 「奥様の身が危ないですね」


しかしなんか歩に落ちないなぁ。


 「私が領主だったら奥様をここへ置いて行こうと考えるのに、なんで連れて行ったんだろう?」


 そうすれば罪人の称号がつかずに済むはずなのに。


 「もしかしたら奥様を道中で捨てるつもりなのかもしれません」


 「どういう事ですか?」


 俺がそう聞くと、おじさんは怒り口調で語り始める。


 「奥様は元騎士だったので、旦那様は一筋縄ではいかないとお考えになったんだと思います」


 「つまり・・・・・・死に際を自分の目で確かめたいと?」


 「その通りでございます」


 なるほど、ここに置き去りにすれば生きている可能性の方が大きいし、仮にこの村で傷を負わせてから逃げたとしても、村人の誰かが治療する可能性があるから道端で見捨てる事を選んだのか。本当のゲス野郎だなぁ。


 「お姉様っ!!」


 「そんなに慌ててどうしたの、ネネちゃん?」


 「領主の奥様が村に戻って来たみたいです!」


 「なんだって!?」


 俺は驚いた様子でおじさんの顔を見つめたら、向こうも同じ顔で俺を見つめていた。


 「それで使用人達が保護したのですが、村人達が興奮状態でそのぉ・・・・・・殺せと」


 「分かった。今すぐ向かう! ネネちゃん、この証拠品をまとめて持ってきて」


 俺は あ、はい! と言う返事を背にその人がいる外へと向かった。


 外に出ると、村人がなにか取り囲む様にして騒いでいる。多分そこに奥さんがいると踏んだので、 JERICHO941 PSL を片手に持ちそこへ向かう。


 「その女を殺せっ!!」


 「俺達を見捨てやがってっ!!」


 「恥を知れっ!!」


 「殺せっ!!」


 「殺しちまえっ!!」


 農具やなんかを持って今にも襲いかかりそうな村人を見て、これはマズイと感じたので大声で語り掛ける。


 「みんな止まって! 落ち着いてっ!! 私の話を聞いてっ!!」


 村人達の声のせいで、俺の声が聞こえてない。


 やむ終えない。


 JERICHO941 PSL 上に掲げて、パァンッ!? パァンッ!? と撃った瞬間、ピタリと声が止んでこっちを見て来た。


 「これはなんの騒ぎなの?」


 「エルライナさん、これはその・・・・・・」


 「裏切り者の領主の妻が帰って来たんだよっ!」


 やっぱり旦那さんと同じに見られている。


 「ちょっと見せて貰うよ。退いて」


 俺がそう言った瞬間、みんな素直に退いてくれたので真ん中で横たわっている人に近づいた。


 「っ!?」


 使用人の一人がその人を庇う様に俺の前に出て来た。


 「大丈夫。彼女の容態を見るだけだから」


 そう言ってその横を通り抜けて、横たわっている女性の容態を見る。


 「これはヒドいなぁ。擦り傷だけじゃなく腕と背中に打撲。それに左腕にヒビが入っているかもれない。これはキミ達がやった事なの?」


 「いや、最初っからそうだった」


 「それに首を縄で縛られた跡がある。誰かが殺そうとした」


 そう言って村人達を睨んだら、全員否定する様に首を横に振った。


 「俺達はまだなにもやってない!」


 「そうでしょうね。まぁ犯人に目星がついていますから安心してください。それに彼女も領主の被害者なので、無外にしないであげてください」


 俺がそう言った瞬間、村人達がざわついた。


 「エルライナさん、どういう事なのですか?」


 「領主は彼女が目障りな存在だった様です。なので、どさくさに紛れて奥様を殺して不倫相手と結婚しようとしていたみたいです。
 気になる方は後で確認しに来てください」


 俺はそう言ってから、使用人達を連れてお屋敷へと向かった。

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