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クラス転移したけど私(俺)だけFPSプレイヤーに転生

青空鰹

第5話

 総合ギルドに駆け込んだ俺は、ハァ〜・・・・・・。とため息を吐いた。


 「とにかく手続きと、原因の一端を問い詰めよう!」


 確かネネちゃんが総合ギルドで販売しているとか言っていたから、聞けば答えてくれる可能性があるはず!


 そう思いながら受付けの列に並ぶ。


 「救世主様だ」


 救世主様?


 「救世主様だって!」


 「本当や! 救世主様だぁっ!!」


 「救世主様ぁ・・・・・・」


 え、なになに? これはどういう事なんだ?


 受け付けの並びに並んでいたはずなのに、なぜか中心に周りに人集りが出来ていた。しかも、お祈りする人までいた。


 「えっとぉ・・・・・・皆さん、ここにいると周りの迷惑になるので、解散してください!」


 「救世主様ぁ〜!」


「ご慈悲をぉ〜!」


 ダメだ、全然話を聞いてくれないっ!! てか恐いよ、この人達。


 異様な光景に恐怖を感じ始めたので、たじろいでしまう。


 「そこでなにをしているんですかぁ!!」


 その声の主は どいて! どいて! と言って、人集りを縫うようにして俺のところまで来ると、俺を庇うように前にして周りの人達に話し始める。


 「アナタ達、こんなところで集ると周りの迷惑です! 解散してください!」


 なにこの人、カッコイイ!


 「でも、我々は救世主様のお姿を・・・・・・」


 「でも、しかしじゃありません! その救世主様を怯えさせてしまっていけないです! これ以上彼女に迷惑をかけるのでしたら、総合ギルドで対処しますよ」


 受付けの男性がそう言った瞬間、取り囲んでいた人達が去って行った。


 「ありがとうございます」


 「いえ、これも我々のお仕事ですから。えっとぉ〜、アナタはエルライナさんで間違いないですよね?」


 「あ、はい!」


 俺がそう言うと、受付けの男性は顔をニコニコさせて俺に接して来た。


 「アナタは応接室で対応させて頂きますね」


 「えっ!? どうしてですか?」


 「そうしないとまた先ほどのように取り囲まれてしまいますので」


 さっき散ったから大丈夫なんじゃぁ・・・・・・。


 そう思いながら辺りを見回すと、物かげからチャンスを窺うような目で俺を見つめてくる人や、チラチラと列に並んでいるフリをして、俺と受付けの人を見てくる人がいた。
 てかさっき俺の事を、救世主様って崇めていた人達じゃん!


 「ああ〜・・・・・・応接室にお願いします」


 この人が離れた瞬間、またこっちに来て崇められそうだから、応接室へ行く事にする。


 「では私について来てください」


 受付けの男性の後ろをついて行き、応接室へ入った。


「どうぞ、こちらに座ってください」


 「ありがとうございます」


 そうお礼を述べた後に、ソファーへ座る。


 「本日はどのようなご用件でいらしたのですか?」


 「オウカ様の護衛依頼完了報告と、手紙と荷物をリードガルム総合ギルド長の、ラミュールさんへ送って頂こうと思いました。可能でしょうか?」


 あの人に渡せば、手紙と洗剤をレンカさんに渡してくれるだろう。てかやって貰わないと困る!


 「どれも可能です。先ずに手続きの早い報告の方を済ませましょう」


 この数日間は朝から晩近くお城の修繕を手伝っていたので、総合ギルドの方に依頼完了の報告書を出しに行けなかった。


 「ふむふむ・・・・・・依頼お疲れ様でした。今回は大変でしたね」


 「そうですね。私自身も、まさかあんな事になるとは思いもしていませんでした」


 魔人の奇襲どころか、かつての教師が敵に寝返るとはね。


 「そうですか。少々お待ちください」


 彼はそう言うと部屋の外へと出て行き、ドア越しに誰かと話すと戻って来た。


 「報酬の方を用意するように言いました。少々お待ちしてください」


 「わかりました」


 「それでは次に、手紙と配達依頼の物を預かりたいのですがぁ・・・・・・もしかしてお忘れになられましたか?」


 「ああ、それなら大丈夫です。アイテムボックスの中に入れてました。今出しますね」


 受付けの男性にはアイテムボックスとウソを言ったが、実際はストレージの中からレンカさん宛ての手紙とボディーソープ二つ、シャンプー2つ、コンディショナー2つを取り出す。


 「えっとぉ。こちらの荷物はなんですか?」


 「洗剤です」


 「一応ウソを吐いていないか、【鑑定】させて頂きますね」


 えっ!? この人鑑定スキル持ちなんだ。


 俺が驚いている中、受付けの男性はそれぞれのボトルを手に取って鑑定をする。


 「はい、ご確認終わりました。エルライナ様のお出しした洗剤は、全て違法な物ではないので送る事が可能です。
 手紙とご一緒に送りますか? それとも別々で送りますか?」


 「一緒に送ってください」


 別々だと料金が掛かりそう気がするから、一緒の方が良いだろう。


 「わかりました。では銀貨一枚と銅貨2枚になりますね」


 「意外とお金がかかりますね」


 そう言いながらストレージから出した金額通りのお金を渡す。


 「はい。エルライナ様が送りたいと仰る荷物は、手紙を抜いて6点なのでそれだけ掛かります。もしもこれがひとまとめになっていらっしゃれば、三割ほどお安く出来たのだですが」


 まとめるだけで三割ほど安くなるのか。お金を出す前に聞いておけば良かった。


 そう思っていると、コンコンッ! とドアをノックする音が聞こえて来た。


 「どうしました?」


 『エルライナ様の報酬を持って来ました』


 「そうですか。どうぞ中に入って来てください」


 外にいる受付けの女性が 失礼します。 と言って部屋の中に入り、袋をテーブルに置くとペコリとお辞儀してから、すぐに部屋を出て行った。
 その後、目の前にいる受付けの男性が袋の中身を取り出して、金貨十五枚と銀貨五枚を見やすく分けてくれる。


 「こちらが報酬です」


 「あれ、報酬が多くないですか?」


 俺が書類で見た時の報酬額が金貨十枚ピッタリだった。


 「今回アナタ様はお城でも活躍を認められたので、依頼主が金額の上乗せをしたのです」


 「へぇ〜、そうなんですか」


 「なのでその活躍に見合う料金を上乗せされただけなので、気にせずそのままお受け取りください」


 俺は金額を貰いましたよ。と書いてある書類にサインしてから、お金をストレージの中へ入れていく。


 そういう事なら素直に受け取っておこう。あ、そうだ! 忘れるところだった。


 「あの、すみません。一つ聞きたい事があるのですが、聞いても良いですか?」


 「なんなりと聞いてください」


 「エルライナファンクラブって、総合ギルドが・・・・・・」


 「ご存知ありません」


 ・・・・・・ん?


 「本について」


 「ご存知ありません」


 目の前にいる受付けの男性はポーカーフェイスを貫こうとしているのか、ニコニコしているが焦っている感じも見受けられる。


 「なんかおかしい」


 そう言いながら疑いの目で顔を近づけたら、目をサッと逸らした。


 「私の事を書かれた本は、ここで購入出来るんですよね?」


 「さ、さぁ〜・・・・・・私は知りませんよぉ〜」


 おい、顔が知っていると語っているぞ。


 「すみません、先輩! お仕事を手伝って頂けませんか!?」


 急にドアが開いたと思ったら、女性の受付け係が部屋に入って来た。


  「えっ!? 緊急の事かい?」


 「はい! もの凄く緊急なので、早く手伝って欲しいです!」


 その言葉を聞いた瞬間、安心した顔をさせながらソファーから立ち上がった。


 「緊急の用となれば仕方ありませんね。すみませんエルライナ様、私はこれで・・・・・・」


 「ちょっと待って!」


 俺がそう言うと、ピタリと足を止めた。


 「まだなにか、用があるのですか?」


 「うん。女性が入ってくるタイミングが、妙に良いと思ってね。アナタ達グルじゃない?」


 俺がそう言った瞬間、二人の肩がビクリッと跳ね上がった。どうやら図星らしい。


 「違いますよぉ!」


 「なら、どんな仕事を彼に任せるのか言えるよね?」


 「機密事項の事なので、お話出来ません」


 「なら、書類仕事かな?」


 「その通りです」


 はい、罠に掛かりました。


 「ウソを言っちゃいけないよ」


 「えっ!? ウソなんて吐いてませんよ!」


 「書類仕事なら書類仕事って言って最初っから言ってるでしょうが! なにが機密事項ですか! どうせ私のファンクラブを隠し通したいんでしょ!」


 「それはぁ・・・・・・」


 彼女の目が泳いでいる。黒だ! 真っ黒な証拠だ! 


 どうやって聞き出そうか。と考えてながら二人の顔を交互に見るが、かんたんに話してくれそうにないので、2人に問い詰めるのを諦める事にしました。


 「・・・・・・仕方ないですね。今回は知らなかったって事にして帰るとします。お二人にも立場ってものがありますからね」


 「本当ですか!? 助かりますエルライナさん!」


 「良かった。私達、エルライナファンクラブに残れるよぉ〜!」


 半泣きで喜びあっているところ悪いが、キサマらを地獄に落としてやるぅぅぅううううううっっっ!!?


 「やっぱり、エルライナファンクラブの事を知っていたんですね」


 「「はい!」」


 「洗いざらい話して頂きましょうかぁ〜?」


 「「えっ!?」」


 そう、俺は二人に対してまたウソを吐きました。二人は 卑怯だぁ! ウソ吐き! と俺を罵って来ますが、お構いなし! ファンクラブの事を聞いたら、全て話してくれました。

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