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クラス転移したけど私(俺)だけFPSプレイヤーに転生

青空鰹

第4話

 食事を終えた皆さんが満足そうな顔をしているのは俺としては嬉しかったが、食事が終わった途端に影のお姉さんがネネちゃんのえり首を掴んで出て行った。
 多分この後、ネネちゃんをお説教するんだろうなぁ〜。だってネネちゃん、 イヤアアアアアアッ!? お姉様助けてええええええええええええっっっ!!? と言いながら、俺に向けて手を伸ばしていたしね。


 「さて、みんなが食べ終わったから、私も自前で握った寿司を食べながら手紙を書きますか」


 ちなみにユウゼンさんとトウガさんは、食べたらすぐに職場に戻って行き、大輝くん達は食事が済んだところで皇帝陛下が呼んでいると言われたので皇帝陛下のところへ行った。


 「紙とペンいる?」


 「大丈夫です。自前のがあるので。後、私の分のお寿司を食べようとしないで下さいね」


 オウカさんはギクッと言って、動きを止めていた。


 「視界の片隅で見えてましたよ。アナタの動きが」


 てか、さっき もうお腹一杯。 って言ってなかったっけ?


 「あ、アハハハハ・・・・・・ゴメンなさい」


 「分かればよろしい」


 オウカさんにそう言いつつも、レンカさん宛の手紙に “別大陸の勇者に会いに行く事になったから、お留守番を継続して欲しい。帰る時も手紙を書いて手紙を送ります。” と一筆書いて折りたたんだ後に、便箋の入れてふたをする。


 「あっ! こっちからお願いする形だから、なにか贈り物をしておかないと」


 「一応言っておくけど、総合ギルドでは生物は送れないけど干物ならOKよ。もちろん違法な薬を届けてくれなんて言ったら、その場で捕まるわよ。後は金銭に関しては審査が入るから注意してね」


 なるほど。なら、シャンプーとコンディショナーとボディーソープのボトルを送ろうかな。詰め替えタイプだと、やり方が分からないと思うからね。


 「なら問題なさそうですね。それじゃあオウカさん、行ってきます」


 そう言ってから立ち上がると、廊下へと出て行く。


 「行ってらっしゃい。あれ? アナタ総合ギルドの場所知っているの?」


 「ああ、私にはマップがあるので平気ですよ」


 あら、便利そうね。 と言うオウカさんに手を振ってから正門へと向かったら、門番に止められた。


 「エルライナ様、どちらに向われるのですか?」


 おい、俺がここに来た時と態度が違う気がするのは、俺の気のせいか?


 「総合ギルドの方に手紙を出そうと思いまして」


 「お一人では危ないのでは?」


 まぁあんな事があったんだから、門番さんが心配するのは当たり前か。


 「大丈夫ですよ。私はそれなりに実力がありますから」


 「でも・・・・・・」


 「それに私の周りに影の方が隠れているのに、門番さんは気付いてました?」


 「えっ!?」


 門番さんがキョロキョロと辺りを見回していると、横にシュタッと影の人が降りて来たので門番さんがビックリしていた。


 「いつから気づいておられました?」


 「客間から出た辺りから 追われているなぁ〜。 と思ってました」


 この人はお姉さんの部下の一人だろう。


 「・・・・・・なるほど、エルライナ様の実力は本物でしたか。お見それしました」


 そう言って頭を下げて来た影の人。


 「頭を上げてください」


 「はい」


 頭を上げて見つめて来たところで、俺は影の人に話しかける。


 「とりあえず、ご自身のお仕事をこなしてください」


 「と、申しますと?」


 「引き続き、私の追跡を続けてください」


 ここで帰ってください。 と言ってしまったら、この人がネネちゃんみたく怒られてしまうからね。仕方のない事だ。と思うしかない。


 「分かりました。エルライナ様のご厚意に感謝いたします」


 その人はそう言うと、シュッとどっかへ消えて行ってしまう。


 「と言う訳で、私の身は守られているので安心してください」


 「あ、はい。分かりました。あのぉ・・・・・・大変失礼な事を聞きますが、影の者がどこに隠れたのか分かりますか?」


 「うぅ〜んとぉ。ゴメン、分からない」


 ウソです。木の上でこっちを見て来ています。


 「それで、街の方に出ても問題ない?」


 「はい。大丈夫です。どうぞ、お気をつけて行って来てください」


 「お仕事ご苦労様です」


 門番にそう言いつつ城下街へ出るとマップを開き、AIに総合ギルドまでのルートを割り出して貰った。


 AIがなるべく危険性が低いルートを選んでくれたけど、本当にそうかなのかな?


そう思いながらウィンドウショッピングをするような感じでルート通りに進んで行く。


 ホント、見れば見るほど異世界じゃなく江戸時代にタイムスリップした感覚なるなぁ。


 着物を着た魔族が話しあったり、馬車も走っているけど二人の男が駕籠かごを担いでいるし、道に水を撒いている人もいる。
 そんな人達を見ながら総合ギルドの前まで来たのだが、その反対側の噴水の前で人集りが出来ていた。
 しかもその人集りには子供連れが多く、用意されたイスに座っている。


 「なんか、ヒーローイベントみたいなのをやってんのかな?」


 ちょっと興味を持ったので、人集りに近づき様子を見に行く事にした。


 「あっ! これは人形劇か」


 横長で大きめの枠の真ん中に準備中と書かれた板があった。


 一回だけ小学校のイベントで見た事があるが、体育館でやっていたからプロジェクターで拡大した映像で楽しんでいたなぁ。後、教育番組とかね。


 などと思っていたら、台本らしき本を持った女性が枠の外側に立った。


 「お集まりの皆さま、お待たせしました! 人形劇の始まりまぁ〜すっ!!」


 お姉さんの言葉に観客(主に子供達)が ワァーッ!? と盛り上がる。


 「今日のお話は、勇猛果敢な戦士のお話をするよぉ! タイトルは、白雪の戦士! 始まり始まりぃ〜!」


 司会のお姉さんはそう言うと、準備中と書かれた板を外した。


 「これはごく最近の話」


 むかしむかしから始まらないんだ。つーか、最近の話を物語りにしてんのかよ!


「優しい評判な貴族の夫婦は馬車で王都へと帰ろうとしていました。夫婦はその道中で、一人で道の上を歩くフードを被った少女見つけて声をかけました」


 ナレーションに合わせて、人形が馬車から降りて来た。 ちゃんと馬車から夫婦が降りて来ているから、造りが凝っているなぁ〜。 と思ってしまう。


 『そこのお嬢さん。一人で歩いていると危ないよ』


 『そうよ。ここには魔物や盗賊いるからね、私達の馬車に乗って行きなさい。その方が安全よ』


 『すみません。お気持ちだけ受け取っておきます』


 「彼女はそう言って立ち去ろうとしましたが、夫婦は彼女の身を案じ止めました」


 その夫婦が少女の身体に抱きつく、変態だぁ〜! と思ってはダメだろうね。


 その後も 危ないよ。 お世話になるのはちょっと。 と言って攻防戦を繰り広げるが、最終的にフードを被った少女が折れて馬車に乗る事になった。


 「夫婦と楽しく話していた彼女でしたが、なにかを危険を感じたらしく、夫婦に語り掛けました」


 『あの、馬車を停めて貰えませんか?』


 『どうしたのですか?』


 『前から危険が迫っている気がするのです。確認したいので停めて貰えませんか?』


 んん? どっかで聞いた事があるようなないようなぁ〜・・・・・・。


 「ご夫婦の危ないよ。と静止する声を聞かずに彼女は外へと出て行くと、なんと正面から盗賊達が走って来ていた!
 迫り来る盗賊達を彼女は自身が持つ魔道具で盗賊達を蹴散らしていき、見事に夫婦を守ったのだった!」


 いや、うん。ちょっと待てよ・・・・・・まさかね?


 俺がそんな事を思っていると、少女は馬車の近くにいる夫婦に近づいて行く。


 『お二人共、大丈夫ですか?』


 『あ、ああ。私達は大丈夫。キミは?』


 『私は大丈夫です』


 「彼女は被っていたフードを取って夫婦に話しかける。夫婦は彼女の宝石とも思えるような紫色の瞳に合う白い髪に、夫婦は見惚れていたのでした」


 俺の事じゃん!!


 フード取った少女人形を見ながら、心の中でそう叫んだのだった。


 つーか、バルデック公爵様達との出会いが全然ちげぇじゃん! 馬車から降りてゲロ吐いていたぞ、ゲロをよぉ!! 後、アイーニャさんはいなかったぞ、ゴラァ!! グエルさん達はどこへ行ったぁ!!


 「あっ!? おねぇちゃんの髪、あれと同じだぁ!」


 「えっ!?」


 隣にいた子供が指をさしながら、そう言って来たのを皮切りに観客が次々と俺を見つめる。


 「あ、本当だぁっ!!」


 「お人形と一緒だぁっ!?」


 「あらあら、本人かしらぁ?」


 「絶対あれは本人よっ!!」


 これはこれでマズい状況じゃないか?


 「アハハハハ・・・・・・み、皆さん! 人形劇を楽しんで行ってくださいねぇっ!!」


 そう言ってから、逃げるようにして総合ギルドへと入って行ったのだった。因みに、この様子を見ていた影の人は一人で爆笑していたのだった。

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