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クラス転移したけど私(俺)だけFPSプレイヤーに転生

青空鰹

第1話

 「・・・・・・んだよそれ」


 オウカさんの説明を聞いたエルライナは怒りに燃えていた。


 大半のヤツが訓練が終わったら城下街に遊びに歩いて行ってるなんて、なにを考えているんだよ。


 「その、アナタが怒るのも分かりますよ」


 「大丈夫。分かってますよ、ユウゼンさん。でも内容が内容だから元クラスメイトとして情けないですよ」


 しかも一部じゃ我が物顔をして歩いていて、無銭飲食どころかお店の商品を掻っ払ってるとか元の世界じゃ捕まってもおかしくねぇ問題だぞ!


 「まぁ自分達が世界を救う勇者って立場を利用してるのね。最低としか思えないわ」


 「ん・・・・・・まさに外道」


そんな事するヤツらは大体予想がつく。俺をイジめていた連中だろうな。


 「でも、流石に森へ訓練しに行ったのは、あの大野さんを含めてたったの十人しかいなかったのはぁ〜・・・・・・流石にウソですよね?」


 「ダイキさん、事実みたいよ。オオノに確認も取ったから間違いないわ」


 流石に大輝くんも引きつった笑みになった。


 「もしかしたらじゃけど、そやつらはお主らがなんとかしてくれると思っているから、遊び回っているのやも知れぬな」


 「どう言う事ですか、トウガ殿?」


 「ユウゼン。お主なら同胞が活躍をしておれば、自分も頑張ろうと思うじゃろう?」


 「そう思いますよ」


 まぁ、俺もアイツに負けないぐらいに頑張ろうと思うけどな。


 「しかし、そやつらの場合は考え方が違う。ダイキ殿にミウ殿にイオリ殿、そしてなによりもエルライナ殿の勇猛は、その国にも届いておるだろう。自分達の代わりに彼らがやっている。そんなに強いのなら自分達はなにもしなくても大丈夫じゃないか。とな」


 つまり、他人任せにしている。ってトウガさんは言いたいのか。


 「でも、トウガさん。仮にですよ。私達が魔人達にやられてしまったら、彼らはどうするつもりなんでしょうか?」


 「ふむ、良い質問じゃな。その手の人間は今の現状を見つめる事しか出来ない状態だから、マズイと気づき必死になって鍛えて始めるか、それとも責任転嫁をして逃げようとするかの二つじゃないかと、ワシは睨んでおる」


 真面目に森へ入ったグループなら、必死になって鍛えそうだが・・・・・・。


 「森に入らなかったグループが、逃げそうな気がする」


 ほとんどのヤツが俺が虐められてるのに、チラチラ見ながらヒソヒソ話をするばかりで意味がなかったからな。


 「自国の事なら必死なるだろうが、異界から来た者達からすれば他国じゃからなぁ〜」


 「ああそっか。勝手に呼んでおいて戦えなんて都合の良い事言うなよ。って言いそうですね」


 「その通りじゃ」


 ん? ちょっと待てよ。


 「ならなんで召喚される前に、断らなかったんでしょうか? 断れば帰れたのに」


 「多分、その子達はゲーム感覚で受けたんじゃないかしら?」


 「ゲーム感覚?」


 オウカさんにそう言ったら、 うん。 と頷いた。


 「私が大輝くんぐらいの歳だった頃は、学校で漫画雑誌を読んでいるだけでオタクだと忌み嫌われていたけど、アナタ達の場合はそんなに気にしないでしょ?」


 「まぁ、そうですね」


 昼休みにスマホでゲームアプリを開いてやっているヤツもいれば、ラノベを読んでいるヤツもいた。でも、俺だけは嫌みったらしく言われていたけどな!


 「俺も、最初はそうでしたね」


 「そうね。ドーゼムに負ける前は魔物にどんどん突っ込んでいたし」


 「ん・・・・・・準備不足で私達から道具を借りる時もあった」


 俺がジィーッと大輝くんを見つめたら、慌てた様子で話し出した。


 「いや、そのっ! 心のどこかなんとかなるだろう。って思っていたんですよ。自分は勇者、いや・・・・・・主人公だからって思っていたところがありましたから、はい!」


 美羽さん達に迷惑をかけていたのは置いといて、俺自身も転生初日は大輝くんと同じ考えを持っていたところがあったからなぁ。強く言えないな。


 「つまり、アナタが現実と認知したのは魔人ドーゼムに惨敗した時だったって訳ね?」


 「その通りです」


 彼はどことなく悔しそうだった。無理もない彼は敵に弄ばれた上に、たった一撃で倒されたんからな。


「あの、皆さんに聞いて貰いたい事があるんですけど」


 「ん、なにかしら?」


 「私はその勇者達に会いに行ってみよう思っています」


 俺がそう言った瞬間、大輝くん美羽さん伊織ちゃん達は驚き、ユウゼンさんとトウガさん、それにオウカさんは無表情で俺見つめて来た。


 「どうしても行くの?」


 「はい。元クラスメイトがどうなっているのか気になるし、それに・・・・・・」


 「それに?」


 「間違いを正せられる人物は私だけだと思うので」


 どうでもいい。と思っていたが、なんだかんだでクラスメイト。だから彼らのやっている事を見過ごせない。


 「・・・・・・そう、じゃあ別大陸に詳しい人を用意するわ」


 オウカさんが手を叩いたら、影のお姉さんがやって来た。


 「お呼びですか、オウカ様」


 「エルライナさんが別大陸にいる勇者に会いに行くの、だからアナタの部下を一人付き添い人として仕えさせなさい」


 「承知しました。 ネネ 、こちらに来なさい!」


 お姉さんがそう言った瞬間、その後ろから耳が長く背の低い褐色の女の子が出て来て頭を下げた。


 「お初にお目にかかります。隊長に仕えております、ダークエルフ族の ネネ と申します。以後お見知り置きを」


 「こちらこそ丁寧にありがとうございます。総合ギルドの冒険科に所属しているエルライナと言います」


 俺がそう言い終えた瞬間、なぜか彼女はキラキラした目で俺に近づて来て手を握って来た。


 「噂通りのお方ですね! ネネ感激ですぅっ!!」


 え? あ、んん・・・・・・これどういう事?


 「ネネ、離れなさい」


 影のお姉さんがそう言うが、ネネさんはお構いなしに俺に話しかけてくる。


 「ネネはアナタ様のファンなのです! この本にサインをお願いします!」


 サイン自体を書くのはいいけど、なんでほ、んんん?


 ネネさんが差し出された本の表紙に  “白髪少女の戦物語” と書かれていたのを見た瞬間、嫌な予感がしてならなかった。


 「あ、あのぉ〜・・・・・・それなに?」


 「えっ!? エルライナ様はこれをご存知ないのですか?」


 「うん、全く知らない」


 「ウソッ!? ご自身の武勇伝が書かれた書物を知らなかったのですかっ!?」


 知りませんよそんな事ぉっ!?


 「エルライナ様ファンクラブ会員になってから、総合ギルドで購入申し込みすれば手に入る品物です! レアな本ですよぉぉぉおおおおおおっ!!」


 そっちの方も知らなかったよ、私はぁぁぁああああああっっっ!!? って、しかも総合ギルドが関わっているのかよ!?


 「・・・・・・本当にあったんですね。会員クラブ」


 「えっ!? 美羽さん知ってたの?」


 「ええ、噂程度に聞いていたんだけど。まさか本当に実在していたとは思わなかったわ」


 俺の知らないところで、そんなクラブが出来ていたなんて。


 「総合ギルドに頼んで、解散して・・・・・・」


 「解散させるのですかぁ〜?」


 「いや、だって。恥ずかし・・・・・・」


 ネネさんの今にも泣きそうな瞳を見た瞬間、罪悪感を感じてしまい、言葉が詰まってしまった。


 「・・・・・・やっぱ、続けて良いですよ。本を貸して」


 本の裏表紙にペンで俺の名前を書いて渡した瞬間、喜びながら飛び回り始めた。


 「この本は宝物です! 家宝にします! 先祖代々受け継いでいきますぅぅぅ〜〜〜〜〜〜っ!!?」


 「アハハハ・・・・・・」


 喜んで貰えてなによりだ。 


 死んだ魚の目で喜んでいるネネを見つめながら、そう思っていた。


 「優しいのね」


 「エルライナは優しいね」


 「まぁ・・・・・・うん。優しい人だね」


 オウカさんに美羽さん、それにユウゼン。そう言って貰えると助かります。


 「・・・・・・甘い」


 「優しすぎる」


 「甘過ぎます」


 ちょっと、アナタ達三人は俺のファンサービスを貶さないで貰いたいね!


 「あのぉ〜、エルライナさん」


 「ん、どうしたの大輝くん?」


 「お願いします! 俺にもサインをください!!」


 彼もそう言って白髪少女の戦物語を差し出して来たのだ。


 「「「「「「「・・・・・・ハァ?」」」」」」」


 はしゃいでいる一人を除いた全員が、目が点の状態で大輝くんを見つめた。


 えっとつまり、ネネさんと同じこの本を差し出すって事は。まさか、大輝くんも?


 「えっとぉ〜、実は俺もファンクラブに入っていて、そのぉサインが・・・・・・欲しいです」


 「・・・・・・・・・・・・キサマは別だ!」


 大輝くんの素早く背中に回ると、首に腕を回し締める技、スリーパーホールドをかける!


 「知っていたなら教えてくれたって良かったでしょうがぁぁぁああああああっ!?」


 「ぐ、ぐるじいっ・・・・・・だすげて!」


 大輝くんがそう言い周りに助けを求めるが、全員白い眼で見つめるばかりで誰も助けなかったのだった。

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