クラス転移したけど私(俺)だけFPSプレイヤーに転生
第36話
 キラヤは部屋から外に出て行くと塀の上から飛び降りて行く。ユウゼンさんがその後を追おうとしたが鳥型のモンスターに乗って飛んで行く姿を見て、追えないと思ったらしく断念してこっちを見て来た。
 「エルライナさん狙えますか!?」
 「無理です、もう射程外です!」
 7.62mmの方を持ってたら、すぐに対処出来たのに。クソッ!?
 「いだい、いだいぃぃぃいいいいいいっ!? だずけでぐれええええええええええええっっ!!?」
 それよりもこっちの問題を解決しないと!
 89式自動小銃を構えながら大野の方を向くと、信じられない光景が目に入って来た。
 さっきより身体が肥大化している。それにところどころ皮膚が破けている。急激な身体の肥大化の影響なのかもしれない。
 「ウゥッ!?」
 美羽さんは大野の歪な姿を見るのが辛いのか、目を逸らしてしまった。その隙を狙ったのか、人の胴よりも大きい拳を振るう。
 マズい!?
 俺がそう思った瞬間、美羽さんの前にガラスの板みたいなのが出て来て、大野の右腕を弾いたのだ。
 「美羽・・・・・・目を逸らさない」
 「ゴメン、伊織」
 良かった。伊織ちゃんが結界を張って助けたみたいだ。
 「ウギャアアアアアアッ!?」
 その結界を大野は痛そうに悲鳴を上げていた。
 「いだっ、いだいぃぃぃ・・・・・・右手がぁ」
 自分の意思ではないとは言え、素手で殴ったのだから痛いに決まっているだろう。
 「だずげで、俺をだずけてくれぇ〜!」
 敵に寝返った勇者・・・・・・いや、俺にとっては元クソ教師だった人が、泣きながら自分の意思で動ける左手を突き出して助けを求めてくる姿見て、俺は可哀想に思えて来た。
 「・・・・・・ねぇみんな。ここは私に任せて下がっていて」
 「な、エルライナさん。俺達は戦えますよ!」
 戦えます。か。
 「じゃあ自分達が持っている武器で彼を傷つけられるの?」
 俺がそう言うと、大輝くんはまっすぐ俺を見つめて来た。
 「出来ます」
 「場合によっては私は彼を殺す事も考えてるよ」
 「こ、殺す!?」
 俺がそう言うと、先程とは打って変わって動揺し始めた。
 「うん、もうこれ以上被害を拡大させない為にも、最終手段として彼の命を断つつもりだよ。覚悟は出来るの?」
 ヤツの身体がどんどん肥大化しているから、あの化け物の時にように強くなって襲ってくる可能性もある。
 だからこっちの体力が尽きる前に、さっさと決着をつけなければならない。
 「・・・・・・覚悟はあります」
 「本当に? 口だけだったら死ぬよ」
 「場合によっては彼を殺す。 もしかしてエルライナさんは彼を助けようとしてませんか?」
 「まぁね」
 そう大輝くんが言うように、憎いが彼を助けようと思っているが、助け出せないと判断したら殺す方に方針転換するつもりだ。
 「俺に考えがあります」
 「大輝くんに考え?」
 注意したのにフラッシュバン喰らった大輝くんは作戦を考えていたのか?
 「はい、伊織なら魔法でヤツの身体を凍らせて動けないように出来ます。そこを狙って」
 「右腕についている宝石を壊せば良い。って事ね」
 大輝くんは右腕についている宝石が、コアだと思っているらしい。
 「そういう事です」
 「残念だけど、右手首ごと切り落とさないとダメっぽい」
 「どうしてですか?」
 「彼の右腕を見て」
大輝くんは俺の言われた通り、大野の右腕を見つめると ハッ!? と気づく。
「右腕の手首から目が出ているでしょ。多分手首の方にコアが移動している可能性がある」
 右手首に目が一つ出ていて、こっちを見ている。
 見た目は違うけど、寄◯獣みたいだな。
 「そんな。じゃあ、やっぱり」
 「うん。手首ごと切り落とすか、コアをブチ抜くしかなさそうだよ」
 俺の考えでは、あの目と目の間にコアがある筈だ。
 「先ずはヤツの動きを止める!」
 89式自動小銃を構え、右腕と共に身体を支えている左脚に照準を合わせてトリガーを引き3点バーストを撃った。
 「ウギィッ!?」
 寄生された大野は短い悲鳴を出すのと同時に、バランスを崩して前のめりに倒れた。
 「やめろぉぉぉっ!! いだいぃぃぃっ!!? ころざないでぐれええええええっ!!」
 「いい加減覚悟を決めろ!」
 自分のせいでこうなっておいて、 助けてくれ! だの 殺さないでくれ! だの図々しいにもほどがあるぞ!
 「伊織ちゃん!」
 「ん!」
 伊織ちゃんはそう返事をすると、足元から大野の方に道を作るようにして凍って行く。そして大野のところまでたどり着くと、大野の身体を凍らせていく。
 「ああああああああああああっ!? さ、寒いぃぃぃ・・・・・・」
 なんとか動きを封じた。
 「よし!」
 「やったぁ!」
 美羽さんと大輝くんが喜んだのもつかの間、凍らされて動けないはずの右腕が、血を撒き散らせながら暴れ出したのだ。
 「なんで? ッ!?」
 右腕が貼り付いていた畳みを見てみると皮膚らしきものがそっくりそのまま残っていた。
 「ギャアアアアアアアアアアアアッッッ!!?」
 悲痛な叫び声を上げる大野と手のひらを見て、寄生型モンスターがなにをやったのか悟った。
 「コイツ、無理矢理引っぺがしやがった!」
 そうだ。コイツ自身は寄生するモンスターなのだから、宿主が痛い思いをしようがしまいが関係ない。
 なぜなら、伊織ちゃんの凍らせる攻撃、それに俺が撃った弾丸。さらには引っぺがした皮膚も全て宿主が受けた攻撃だからだ。
 「どうにかして、あの暴れている腕を固定しないと」
 「そうですね。また凍らせたら今度は皮膚どころか筋肉を引っぺがすかもしれない」
 賭けになるけど動かなくなるまで撃つか? そう思っていた矢先に美羽さんが前に出て来た。
 「私に任せて」
 「任せて。って美羽さん!」
 彼女は大野に突っ込む。そこに獲物がやって来たと言わんばかりに、右腕が手を広げて美羽さんへと襲いかかる。
 ヤバいっ!?
 そう思った瞬間、美羽さんは高く飛んで躱し、槍を下向きに構えた。
 「ヤアアアアアアアアアアアアアッ!?」
 雄叫びを上げ、右腕の上から落ちて行くと、そのまま腕部分を貫き凍った畳の上に縫い付けた。
 「伊織!」
 「ん!」
 美羽さんが右腕から離れるのと同時に、伊織ちゃんが再び右腕を凍らせる。
 「大輝くん、今のうちに!」
 「はい!」
 大輝くんは返事をすると、右腕に向かい走り出した。
 「【スラッシュ】!」
 そう言って剣を振るい、斬撃で肘関節から切り落とした。
 「あぎゃぁぁぁああああああっっっ!!?」
 大野は相当痛かったのか、苦悶の表情を浮かべながら叫び声を上げた。
 「後は私の仕事だね」
 俺はそう言うと、もがいている右腕の手首を狙い、89式自動小銃を構えフルオートで撃ち抜くが、5.56mmがコアにまで届いてないのか、ピンピンしていた。それでも寄生モンスターは痛いのか、それともマズいとかんじているのか、もがいて暴れ出すが弾丸が身体を貫く度に徐々に鈍くなっていく。
 コイツ、生命力があるなぁ。
 そう思っていたが、三回目のリロードを挟んだところでピタリと動かなくなった。
 レーダーに敵反応がなくなったから、死んだっぽいな。
 「エルライナ!」
 「もう死んだみたいだから、大丈夫だよ」
 しかし、なにが原因で死んだんだ? 俺がコアを撃ち抜いたから。ってわけじゃなさそうなのは確かだけど。
 「エルライナ・・・・・・早く、彼を助けよう」
 「そう、だね」
 俺自身昔の事があるから胸くそが悪いと感じているが、コイツは容疑者の一人であり重要参考人だから、私情でどうこうして良い問題じゃない。
 それに間抜けズラで気絶している姿を見ていると、なんか昔の事がどうでもよくなって来た。
 「とりあえずその人は、必要最低限の治療だけしておいて後はオウカさん達に渡そうと思う」
 そう、ちゃんと治してしまうと逃げられる可能性があるから、切断された右腕と足の方は止血だけの治療だけしておくのがベストだ。だから俺の回復薬を使わずに医療キットを出す。
 「伊織ちゃんが回復魔法を使えたんだっけ?」
 「・・・・・・ん」
 彼女は頷く。
 「私は左脚の方を治療するから、伊織ちゃんは回復魔法を使って右腕の止血をして。再生させなくて良いよ。反撃のチャンスを与えちゃうからね。
 大輝くん達はこの人が急に動き出して襲ってこないか見張っておいて」
 まぁ、不意打ち狙っているヤツがアホヅラ見せるわけないと思うがけど・・・・・・念には念を。って言葉があるよね!
 「ん・・・・・・分かった。でも・・・・・・いくらなんでも腕の再生まで出来ない」
 伊織ちゃん、そこまでチートじゃなかったのか。
 「分かりました」
 「任せて!」
 二人はそう返事をすると、大野に武器を突きつけたまま警戒する。
 そこまで警戒しなくても良いんじゃないかなぁ?
 そう思いながら大野の左脚の治療をするのであった。
 「エルライナさん狙えますか!?」
 「無理です、もう射程外です!」
 7.62mmの方を持ってたら、すぐに対処出来たのに。クソッ!?
 「いだい、いだいぃぃぃいいいいいいっ!? だずけでぐれええええええええええええっっ!!?」
 それよりもこっちの問題を解決しないと!
 89式自動小銃を構えながら大野の方を向くと、信じられない光景が目に入って来た。
 さっきより身体が肥大化している。それにところどころ皮膚が破けている。急激な身体の肥大化の影響なのかもしれない。
 「ウゥッ!?」
 美羽さんは大野の歪な姿を見るのが辛いのか、目を逸らしてしまった。その隙を狙ったのか、人の胴よりも大きい拳を振るう。
 マズい!?
 俺がそう思った瞬間、美羽さんの前にガラスの板みたいなのが出て来て、大野の右腕を弾いたのだ。
 「美羽・・・・・・目を逸らさない」
 「ゴメン、伊織」
 良かった。伊織ちゃんが結界を張って助けたみたいだ。
 「ウギャアアアアアアッ!?」
 その結界を大野は痛そうに悲鳴を上げていた。
 「いだっ、いだいぃぃぃ・・・・・・右手がぁ」
 自分の意思ではないとは言え、素手で殴ったのだから痛いに決まっているだろう。
 「だずげで、俺をだずけてくれぇ〜!」
 敵に寝返った勇者・・・・・・いや、俺にとっては元クソ教師だった人が、泣きながら自分の意思で動ける左手を突き出して助けを求めてくる姿見て、俺は可哀想に思えて来た。
 「・・・・・・ねぇみんな。ここは私に任せて下がっていて」
 「な、エルライナさん。俺達は戦えますよ!」
 戦えます。か。
 「じゃあ自分達が持っている武器で彼を傷つけられるの?」
 俺がそう言うと、大輝くんはまっすぐ俺を見つめて来た。
 「出来ます」
 「場合によっては私は彼を殺す事も考えてるよ」
 「こ、殺す!?」
 俺がそう言うと、先程とは打って変わって動揺し始めた。
 「うん、もうこれ以上被害を拡大させない為にも、最終手段として彼の命を断つつもりだよ。覚悟は出来るの?」
 ヤツの身体がどんどん肥大化しているから、あの化け物の時にように強くなって襲ってくる可能性もある。
 だからこっちの体力が尽きる前に、さっさと決着をつけなければならない。
 「・・・・・・覚悟はあります」
 「本当に? 口だけだったら死ぬよ」
 「場合によっては彼を殺す。 もしかしてエルライナさんは彼を助けようとしてませんか?」
 「まぁね」
 そう大輝くんが言うように、憎いが彼を助けようと思っているが、助け出せないと判断したら殺す方に方針転換するつもりだ。
 「俺に考えがあります」
 「大輝くんに考え?」
 注意したのにフラッシュバン喰らった大輝くんは作戦を考えていたのか?
 「はい、伊織なら魔法でヤツの身体を凍らせて動けないように出来ます。そこを狙って」
 「右腕についている宝石を壊せば良い。って事ね」
 大輝くんは右腕についている宝石が、コアだと思っているらしい。
 「そういう事です」
 「残念だけど、右手首ごと切り落とさないとダメっぽい」
 「どうしてですか?」
 「彼の右腕を見て」
大輝くんは俺の言われた通り、大野の右腕を見つめると ハッ!? と気づく。
「右腕の手首から目が出ているでしょ。多分手首の方にコアが移動している可能性がある」
 右手首に目が一つ出ていて、こっちを見ている。
 見た目は違うけど、寄◯獣みたいだな。
 「そんな。じゃあ、やっぱり」
 「うん。手首ごと切り落とすか、コアをブチ抜くしかなさそうだよ」
 俺の考えでは、あの目と目の間にコアがある筈だ。
 「先ずはヤツの動きを止める!」
 89式自動小銃を構え、右腕と共に身体を支えている左脚に照準を合わせてトリガーを引き3点バーストを撃った。
 「ウギィッ!?」
 寄生された大野は短い悲鳴を出すのと同時に、バランスを崩して前のめりに倒れた。
 「やめろぉぉぉっ!! いだいぃぃぃっ!!? ころざないでぐれええええええっ!!」
 「いい加減覚悟を決めろ!」
 自分のせいでこうなっておいて、 助けてくれ! だの 殺さないでくれ! だの図々しいにもほどがあるぞ!
 「伊織ちゃん!」
 「ん!」
 伊織ちゃんはそう返事をすると、足元から大野の方に道を作るようにして凍って行く。そして大野のところまでたどり着くと、大野の身体を凍らせていく。
 「ああああああああああああっ!? さ、寒いぃぃぃ・・・・・・」
 なんとか動きを封じた。
 「よし!」
 「やったぁ!」
 美羽さんと大輝くんが喜んだのもつかの間、凍らされて動けないはずの右腕が、血を撒き散らせながら暴れ出したのだ。
 「なんで? ッ!?」
 右腕が貼り付いていた畳みを見てみると皮膚らしきものがそっくりそのまま残っていた。
 「ギャアアアアアアアアアアアアッッッ!!?」
 悲痛な叫び声を上げる大野と手のひらを見て、寄生型モンスターがなにをやったのか悟った。
 「コイツ、無理矢理引っぺがしやがった!」
 そうだ。コイツ自身は寄生するモンスターなのだから、宿主が痛い思いをしようがしまいが関係ない。
 なぜなら、伊織ちゃんの凍らせる攻撃、それに俺が撃った弾丸。さらには引っぺがした皮膚も全て宿主が受けた攻撃だからだ。
 「どうにかして、あの暴れている腕を固定しないと」
 「そうですね。また凍らせたら今度は皮膚どころか筋肉を引っぺがすかもしれない」
 賭けになるけど動かなくなるまで撃つか? そう思っていた矢先に美羽さんが前に出て来た。
 「私に任せて」
 「任せて。って美羽さん!」
 彼女は大野に突っ込む。そこに獲物がやって来たと言わんばかりに、右腕が手を広げて美羽さんへと襲いかかる。
 ヤバいっ!?
 そう思った瞬間、美羽さんは高く飛んで躱し、槍を下向きに構えた。
 「ヤアアアアアアアアアアアアアッ!?」
 雄叫びを上げ、右腕の上から落ちて行くと、そのまま腕部分を貫き凍った畳の上に縫い付けた。
 「伊織!」
 「ん!」
 美羽さんが右腕から離れるのと同時に、伊織ちゃんが再び右腕を凍らせる。
 「大輝くん、今のうちに!」
 「はい!」
 大輝くんは返事をすると、右腕に向かい走り出した。
 「【スラッシュ】!」
 そう言って剣を振るい、斬撃で肘関節から切り落とした。
 「あぎゃぁぁぁああああああっっっ!!?」
 大野は相当痛かったのか、苦悶の表情を浮かべながら叫び声を上げた。
 「後は私の仕事だね」
 俺はそう言うと、もがいている右腕の手首を狙い、89式自動小銃を構えフルオートで撃ち抜くが、5.56mmがコアにまで届いてないのか、ピンピンしていた。それでも寄生モンスターは痛いのか、それともマズいとかんじているのか、もがいて暴れ出すが弾丸が身体を貫く度に徐々に鈍くなっていく。
 コイツ、生命力があるなぁ。
 そう思っていたが、三回目のリロードを挟んだところでピタリと動かなくなった。
 レーダーに敵反応がなくなったから、死んだっぽいな。
 「エルライナ!」
 「もう死んだみたいだから、大丈夫だよ」
 しかし、なにが原因で死んだんだ? 俺がコアを撃ち抜いたから。ってわけじゃなさそうなのは確かだけど。
 「エルライナ・・・・・・早く、彼を助けよう」
 「そう、だね」
 俺自身昔の事があるから胸くそが悪いと感じているが、コイツは容疑者の一人であり重要参考人だから、私情でどうこうして良い問題じゃない。
 それに間抜けズラで気絶している姿を見ていると、なんか昔の事がどうでもよくなって来た。
 「とりあえずその人は、必要最低限の治療だけしておいて後はオウカさん達に渡そうと思う」
 そう、ちゃんと治してしまうと逃げられる可能性があるから、切断された右腕と足の方は止血だけの治療だけしておくのがベストだ。だから俺の回復薬を使わずに医療キットを出す。
 「伊織ちゃんが回復魔法を使えたんだっけ?」
 「・・・・・・ん」
 彼女は頷く。
 「私は左脚の方を治療するから、伊織ちゃんは回復魔法を使って右腕の止血をして。再生させなくて良いよ。反撃のチャンスを与えちゃうからね。
 大輝くん達はこの人が急に動き出して襲ってこないか見張っておいて」
 まぁ、不意打ち狙っているヤツがアホヅラ見せるわけないと思うがけど・・・・・・念には念を。って言葉があるよね!
 「ん・・・・・・分かった。でも・・・・・・いくらなんでも腕の再生まで出来ない」
 伊織ちゃん、そこまでチートじゃなかったのか。
 「分かりました」
 「任せて!」
 二人はそう返事をすると、大野に武器を突きつけたまま警戒する。
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