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クラス転移したけど私(俺)だけFPSプレイヤーに転生

青空鰹

第33話

 食事も終えたので、本格的に護衛の準備をする。


 「フン、フン、フゥ〜ン」


 「エルライナさん上機嫌ですね。あ、その銃は自衛隊の・・・・・・」


 「大輝くん、気づいちゃった?」


 「自衛隊が持っている銃じゃないですか」


 そう、俺が持っているのはエイムポイントを乗せた89式5.56mm小銃だ。ゲームの中では普通に買えるアサルトライフルだ。


 「首に掛けているのは? 日本製じゃないですよね」


 「こっちも日本製の9ミリ機関拳銃だよ」


 こっちは9ミリ機関拳銃はゲームではレアに値する銃で、持っている人が少ないサブマシンガンである。


 「今日は自衛隊の銃で護衛をしようと思ったんだ」


 「ん・・・・・・でも、拳銃は違う。それにカランビットナイフもつけてる」


 うん、その通り。JERICHO941 PSL は愛銃だし、カランビットナイフは俺の格闘スタイルに合っているからそのまま装備している。


 「まぁ、服装とかそこら辺の事は目を瞑って貰えないかな?」


 「ん・・・・・・別に気にはしてない。エルライナの銃なんだから、エルライナの好きにすれば良い」


 うん、こだわりが強くなくてよかった。


 「準備が出来たから、オウカさんのところ行くよ」


 「ええ、後で会いましょうエルライナさん」


 障子を開き渡り廊下に出た瞬間、城の出入りから ドカァーンッ!? と言うような凄まじい爆発音がした後に、煙が立ったのがここから見えた。


 「なにが起こったんだ?」


 そう言っていると、鐘の音が激しく鳴り響き、 そこらじゅうから 敵襲だぁっ!? と言う声が聞こえて来た。


 『注意、正門から多数のモンスターがいます。その数170体』


 「なんだって!?」


 一体どっから湧いて出て来たんだよ!


 「ど、どうしたんですかエルライナさん?」


 「大輝くん、落ち着いて聞いて、今正門に170体ほどのモンスターが押し寄せているらしい」


「ええっ!?」


 驚いた顔をして俺を見つめるが、時間が惜しいのでそのまま話を続ける。


 「私は雇い主であるオウカさんのところに行って指示を問うから、大輝くん達は皇帝陛下のところへ行って、指示を受けて」


 「わ、分りました」


 「なにかあったら、スマホで連絡をしてね。誰かいる?」


 俺がそう言うと、女中の方が怯えた様子でこっちに走って来た。


 「エルライナ様、どうなされました?」


 「大輝くん達を皇帝陛下のもとへ案内してあげて、後私の方はオウカさんのところに」


 「え、でもぉ・・・・・・」


 でももヘッタクレもあるかぁっ!? まさかこの人、 私の一存では決めかねます。 なんて言わないよなぁ?


 「なにをしてるの! 早く大輝様達を案内しなさいっ!!」


 声のした方向に顔を向けて見ると、なんとそこにはオウカさんがいたのだ。


 「あれ、オウカさん?」


 「緊急事態だったから呼びに来たのよ。それよりもアナタ、頭を下げてないで早く彼らを連れて行きなさい!」


 女中は、 は、はいぃぃぃっ!? と返事をした後に どうぞ、こちらです。 と大輝くん達に言って去って行った。


 「急で悪いんだけど、正門にいるモンスターを退治しに行ってくれるかしら?」


 「構いませんよ。オウカさんの護衛の方は大丈夫ですか?」


 「私にはユウゼンが側にいるから大丈夫よ」


 なら安心か。


 「そうですか。それじゃあ、魔物退治に行って来ますね」


 俺は戦況確認の為に小型のドローンを自動で飛ばしてから、正門へと向かった。


 「ドローンまで自動で飛ばせるなんて、あの子の実力が底知れないわぁ」


 エルライナは関心していたオウカさんに気づいていなかった。


 「ああもう、クソッ!? 退いてくださいっ! どいてっ!」


 前線に行きたいのだが、守備兵達のせいで思うように進めない。人と人との間をすり抜けながら進んで行くと、突然肩を掴まれた。


 なんだ? と思いながら振り向いて見てみると、ひげ面のオッサンがもの凄い形相で俺を睨んでいた。


 「お主、この先に向かうのは危険じゃ!」


 「それは分かっています! オウカさんに、魔物の退治を依頼されたので向かっているんです!」


 「なに? それじゃあお主は、英雄エルライナなのか?」


 英雄ってなんだ英雄って? そんな事よりも、かなりマズい状況になってやがるな。


 飛ばしたドローンの映像を観ると、さっきの爆発で出来た正門の穴から、魔物がドンドン入って来ているのだ。しかも無理矢理通ろうとしているせいなのか、穴がドンドン広がって来ているのだ。
 守備を固めている兵士達が防御陣形を取り、なんとか引き止めている状況だが押され気味だ。


 このままじゃ侵入する魔物が増えていく一方だ。どうにかして食い止めないと・・・・・・ん?


 正門の側面がとても高い塀になっている事に気がついた。


 ここを利用をするか!


 「あの、あそこの塀の上に案内してくれませんか?」


 指をさして行った場所を見て、え? と言いたそうな顔で俺を見つめて来た。


 「あそこは正門から遠くなるのだが?」


 「そこから攻撃をするから、案内してください!」


 「わ、分かった。案内しよう」


 その人はそう言うと、俺の手を引っ張って案内してくれる。着いた時には二人して息を切らしていた。


 「ハァ・・・・・・ハァ・・・・・・ここが側面の塀じゃ」


 そこにはたくさんの兵士がいて、屋根の上に登り石やら矢を降らしていた。


 「穴が空いてない」


 普通なら壁に空いた穴を覗いて見張りをする為や、弓矢や鉄砲を放つ為の穴も空いているはずだ。


 「仕方ない」


 俺は大漁に入って来ている魔物の列の中心ら辺の壁に近づき、そこにC4を設置してから離れる。


 「みなさん、爆発するので離れてください!」


 俺がそう言うと、周りにいた人達がビクッと反応した。


 「ば、爆発っ! なにを考えているんだ、お前は!」


 「問答無用! カウント五秒前! 四、三、二、一、爆破!」


 その言葉と同時に ドカァンッ!? と言う爆発と共に瓦礫が落ちて行き、魔物達に降り注いていく。


 「良し!」


 「良しじゃない! なんて事をしてくれたんだ、キサマは!」


 「これで射角が取れる! 先ずはこれで」


 怒ってくる兵士を無視して俺はMK3手榴弾のピンを抜き下の通路へ落とし、魔物の頭に当たってから地面に落ち、1〜2秒ほどの間があった後に爆発を魔物をぶっ飛ばす。


 「おおっ!?」


 今ので爆破のタイミングが分かった


 二つ目のMK3手榴弾のピンを引っこ抜いた後に、安全レバーを取り外して、一秒後に下に落とす。


 下にいた魔物の一匹が手でキャッチをするが、そのまま爆発する。


 「おお、また一気に魔物を吹き飛ばしおった!」


 「チッ!?」


 グレネードの爆破で少しは怯んで止まってくれると思ったのだが、衰えずに進行している。


 コイツらに知性がないせいか、それとも恐怖を感じていないせいなのか。どちらにしても止めなきゃいけないな。


 そう思い、最前列に近い魔物を89式5.56mm小銃で撃ちまくって支援しながら考えるが焼け石に水と言って良いほど、戦況が不利なのが変わらない。


 「こうなったら禁じ手を使ってやる!」


 やりたくなかったがやむ終えん! と思いながらストレージからライター一個、武器庫から火炎瓶を三十五個ほど取り出して地面置く。


 「なんじゃそれは? お主酒でも飲むのか?」


 「良いから、黙って見てて!」


 火炎瓶についている布にライターで火をつけてから下へと投げた。火炎瓶が破れると同時にその周囲にいた魔物は火ダルマになり、のたうちまわるが他の魔物にぶつかる度に燃え移って行く。


 「お、おお・・・・・・」


 周りで兵士が感心しているのかどうか分からないが、続け様に火炎瓶を投げ落として行く。


 三十五個全て使い終わる頃には通路のそこらじゅうから火柱が上がっていて、火炎瓶が当たってしまい燃えて苦しんでいる魔物と、火から逃げようとしている魔物の混乱状態の地獄絵図が出来ていた。
 前線の指揮をしていたと思われるトウガさんと目が合い、頷いてくれた。


 「チャンス! 一斉攻撃をして!」


周囲にいる兵士達は オオーッ!! と雄叫びを上げて、石やら矢を降り注ぎ始める。そんな中、大輝くんから連絡が入って来た。


 なにかあったのか?


 そう思いながら通話に出ると、大輝くんの荒い息づかいが聞こえて来た。


 『エ、エルライナさん。どうか、戻って来てください!』


 「戻って来てって、なにかあったの?」


 『魔人が二人出て来て、対応しきれないんですっ!』


 「魔人が、二人も!」


 それはマズいな。


 「分かった。そっちに向かうから、なんとか持ち堪えて! 大輝くん達のいる部屋にドローンを飛ばして!」


 『了解、目標人物にいる部屋へとドローンを飛ばします』


 そう返事が聞こえた瞬間、ドローンが城の方へと飛んで行った。


 「おじさん!」


 「ど、どうしたエルライナ殿」


 「城内に魔人が出たから、私はそっちの対応しに行きます。ここは任せました!」


 「魔人じゃと! おいコラ、待つのじゃエルライナ殿!」


 おじさんの言葉を無視して、大輝くん達の元行く為に走るのであった。

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