クラス転移したけど私(俺)だけFPSプレイヤーに転生
第32話
 「う、うぅ〜む・・・・・・」
 昨日大輝くんは必死になって弁解していたけれども説得出来なかった為、一人寂しく離れた場所で寝ていた。
 逆に俺は美羽さんと伊織ちゃんに挟まれる様な形で添い寝する事になったが、起きてみたら二人がもの凄い格好をしていた。
 伊織ちゃんが俺の身体をのし掛かっていて起き上がれない上に、美羽さんが左腕を抱き枕にしている。
 「ツライ。男の夢が叶ったぁ」
 このハーレム状態を解除するか、それともこのままにしておこうか迷っていると、伊織ちゃんが起きそうなのかモゾモゾと動き出した。
 「ん・・・・・・んん、おはよう」
 
 「おはよう伊織ちゃん」
 「美羽さんを起こそうか」
 後、なんで俺の胸をモミモミしているのかな。この子は?
 「美羽・・・・・・朝だよ」
 「ん、んん」
 そう言って肩を揺するが、全く反応しない。
 「起きないと・・・・・・エルライナが美羽にチューするよ」
 「いやしないよ!」
 あ、でも美羽さん美少女だからOKしてくれたら、やっちゃうかも。
 「ん・・・・・・おはよう伊織、エルライナさん」
 眠気まなこに寝巻き姿、グッとくるものがある。
 「今日も陛下の護衛を勤めるんだったのよね?」
 「ん・・・・・・それと陛下と一緒に他の方への挨拶した後に、会議に出席する」
 「また挨拶周りかぁ、笑顔で挨拶をしないといけないから、疲れるのよねぇ」
 ああそっか、美羽さん達は勇者だから、顔を知って貰う為に挨拶周りもしなきゃいけないのか。
 「エルライナの予定は?」
 「私はオウカさんの護衛だから、オウカさん次第です」
 「そうですか」
 「まぁ多分会議の時は一緒になると思うから、その時はよろしくね。あ、大輝くんも起きたっぽい」
 大輝くんが布団を翻して起きた。
 「おはよう、みんな」
 「おはよう大輝、よく眠れた?」
 「ああ、うん。ぐっすり眠れた」
 なんだろう。大輝くんがこっちを羨ましく見ているのは気のせいかな?
 「さてと、みんな起きた事だし。身支度をしましょうか」
 とりあえずストレージから、ブラシ3本と洗顔料を取り出す。
 「使いたかったらどうぞ使ってください」
 「ありがとうございます。助かります」
 「ん〜・・・・・・このままで良い。めんどくさい」
 うん、俺もめんどくさいと思っているよ。でも、これをやらないとメルティナさんに怒られるんだよな、俺の場合は。
 「もぉ〜、伊織はそういうところがズボラなんだから」
 「朝の身支度をやってない女性もいる・・・・・・私の様に」
 そうなの? メルティナさんがうるさく言うから、みんな普通にやってると思っていたけど、さすがに手ぐしは良くないんじゃないか?
 「私がやるので後ろ向いてください」
 「ん・・・・・・わかった」
 イヤ。と言われると思っていたけど、素直に背を向けてくれた。
 「じゃあ、髪を梳かしますよ」
 伊織ちゃんの髪を梳かしていくと、ふぁ〜あ。と欠伸が聞こえて来た。
 「ん・・・・・・ラクチン、ラクチン」
 「ただ単にめんどくさかっただけなのね」
 「・・・・・・YES」
 YESって言っちゃったよこの子。
 「美羽さんは自分で、ってぇぇぇええええええっっっ!!?」
 なにをやっているんだアイツはっ!?
 「どうしたんですかエルライナさん?」
 「大輝くん、年頃の女の子がいる前で着替えるのは、さすがにモラルに欠けるよ!」
 「へぇ? ッ!?」
 着替えている最中の大輝くんを見た美羽さんは、顔を真っ赤にさせて硬直していた。
 「あ、すみません。気にしないと思って」
 いや、普通に気にするよ。
 「おはようエルライナさん! 昨日伝え忘れていた、今日の予定をぉ〜・・・・・・あれ?」
 部屋の様子を見たオウカさんはポンッと手を叩き、大輝くんを見つめる。
 「大輝くん、着替えるんだったら、隣の部屋を使ってね」
 「あ、はい」
 「それと、着替え終わったら朝食を用意してるわ。後で呼ぶわね」
 「はぃ」
 大輝くんはそう言うと、そそくさと隣の部屋へと行ってしまう。
 「さぁ、女の子は女の子で身支度を整えてね」
 「「「はい、わかりました」」」
 さすがミハルちゃんのオカンやぁ。しっかりしておるのぉ。
 「エルライナさん、なにか変な事を考えてませんでした?」
 「そんな事はないですよ。はい、伊織ちゃん終わったよ」
 「ん・・・・・・ありがとう」
 彼女はそう言うと、両手を畳につけてから頭を下げた。
 「このご恩は・・・・・・身体で返します」
 「変な言葉を使わないのっ!?」
 自分の髪を梳かしてながら、そう言う。ちなみに前々から愛用しているブラシに持ち替えている。
 「あら、エルライナさんはブラシも持っているのね。私が梳かしてあげるから、ちょっと貸して」
 「あ、はい」
 持っているブラシを素直にオウカさんに渡して、髪を梳かして貰う。
 「こうしていると思い出すわねぇ。ミハルにこうやろうとすると嫌がってたのを」
 「ミハルちゃん髪梳かすのを嫌がってたんですか?」
 「ええ、あの子ジッとしていられないタイプだったから、ヒドい時には途中で逃げちゃう時だってあったわ」
 あらまぁミハルちゃんって、おてんばだったんだねぇ。
 「ミハルちゃんって・・・・・・誰?」
 「ミハルちゃんはオウカさんの子供ですよ。私は前に会った事があるから知ってるんです」
 「へぇ〜、オウカさんに子供がいたのですか。会ってみたい」
 会ってみたいかぁ。
 「ちょっと天邪鬼な性格だけど、根は良い子だから変な事を言っても気にしないであげて」
 「ん・・・・・・ツンデレ?」
 「うん、まさしくその通り」
 もしかたら伊織ちゃんはオタク気質なのかもしれない。
 「はい、終わり」
 「ありがとうございます、オウカさん」
 「これぐらいお安い御用よ」
 そう言ってブラシを差し出すので、受け取ってストレージへと入れる。
 「洗顔をするので、今お風呂場を使っても大丈夫でしょうか?」
 「ああ〜、ゴメンなさい、朝お風呂を使えない様にしているから洗顔は諦めて」
 「そうですか、それなら仕方ないですね」
 心の中で、 よっしゃ! と思った。だってめんどくさかったんだもん。
 「着替え以外の身支度は朝食が済ませてからにします。なに分時間が掛かるので」
 「分かったわ。着替え終わるまで待っているわ」
 オウカさんにニコニコと見つめられつつも、コスチュームからPMC風の装備を選び出して服を着る。
 「エルライナさんは着替えが楽そうで良いなぁ。私なんかは胸当てをつけないといけないし、金具部分が擦れるのよねぇ」
 金具部分? ああそっか。こっちにはプラスチックのバックルがないから、薄い布越しだと擦れるよな。
 「金具がつく場所に厚手の布を縫いつけてみては?」
 「それもアリね。戦闘用の服にやってみるわ」
  うむ、私用と戦闘用で服を分けていたのか。俺なんか一貫して同じ様な服装だからなぁ、ファッションにチャレンジしてみようかな?
 そんな事を思っていたら、障子の向こう側から 失礼します。 と言う声が聞こえて来た。
 「皆さま、ご準備の方は出来ておられますか?」
 「ああ、そうだった。今丁度終わったところよ。大輝くんの方は?」
 「もう着替え終わって待っております」
 もう着替え終わっているんだ。やっぱり男の方が着替えるの早いよな。
 「そう、そっちに連れて行くわ。だから大輝くんにもう少しだけ待っている様に伝えて」
 「分かりました。では後ほど」
 オウカさんは女中のその言葉を聞いた後、こっちを向いて話しかけてくる。
 「首を長くして待っている大輝くんのところに、行きましょうか」
 「「はい」」
 「ん」
 オウカさんについて行く様にして部屋を後にしたが、なにかに見られている様な気がしたので、足を止めて周囲を見回してしまう。
 今、誰かに見つめられたはずなのに、どこにもいない。
 「どうしたんですか?」
 「あ、いや・・・・・・視線を感じたから気になってね」
 気配を消したのか? それともバレる前に逃げたのか?
 「ん・・・・・・ここを守る忍者に見つめられたのかも・・・・・・ニンニン」
 伊織ちゃんが忍者ポーズをするので、思わずクスッと笑ってしまった。
 「そうかもしれないね」
 気にする事はないか。会議も普通に終わるだろう。
 そう思った後にまた歩き出した。庭園の片隅につけられた足跡に気づかずに。
 昨日大輝くんは必死になって弁解していたけれども説得出来なかった為、一人寂しく離れた場所で寝ていた。
 逆に俺は美羽さんと伊織ちゃんに挟まれる様な形で添い寝する事になったが、起きてみたら二人がもの凄い格好をしていた。
 伊織ちゃんが俺の身体をのし掛かっていて起き上がれない上に、美羽さんが左腕を抱き枕にしている。
 「ツライ。男の夢が叶ったぁ」
 このハーレム状態を解除するか、それともこのままにしておこうか迷っていると、伊織ちゃんが起きそうなのかモゾモゾと動き出した。
 「ん・・・・・・んん、おはよう」
 
 「おはよう伊織ちゃん」
 「美羽さんを起こそうか」
 後、なんで俺の胸をモミモミしているのかな。この子は?
 「美羽・・・・・・朝だよ」
 「ん、んん」
 そう言って肩を揺するが、全く反応しない。
 「起きないと・・・・・・エルライナが美羽にチューするよ」
 「いやしないよ!」
 あ、でも美羽さん美少女だからOKしてくれたら、やっちゃうかも。
 「ん・・・・・・おはよう伊織、エルライナさん」
 眠気まなこに寝巻き姿、グッとくるものがある。
 「今日も陛下の護衛を勤めるんだったのよね?」
 「ん・・・・・・それと陛下と一緒に他の方への挨拶した後に、会議に出席する」
 「また挨拶周りかぁ、笑顔で挨拶をしないといけないから、疲れるのよねぇ」
 ああそっか、美羽さん達は勇者だから、顔を知って貰う為に挨拶周りもしなきゃいけないのか。
 「エルライナの予定は?」
 「私はオウカさんの護衛だから、オウカさん次第です」
 「そうですか」
 「まぁ多分会議の時は一緒になると思うから、その時はよろしくね。あ、大輝くんも起きたっぽい」
 大輝くんが布団を翻して起きた。
 「おはよう、みんな」
 「おはよう大輝、よく眠れた?」
 「ああ、うん。ぐっすり眠れた」
 なんだろう。大輝くんがこっちを羨ましく見ているのは気のせいかな?
 「さてと、みんな起きた事だし。身支度をしましょうか」
 とりあえずストレージから、ブラシ3本と洗顔料を取り出す。
 「使いたかったらどうぞ使ってください」
 「ありがとうございます。助かります」
 「ん〜・・・・・・このままで良い。めんどくさい」
 うん、俺もめんどくさいと思っているよ。でも、これをやらないとメルティナさんに怒られるんだよな、俺の場合は。
 「もぉ〜、伊織はそういうところがズボラなんだから」
 「朝の身支度をやってない女性もいる・・・・・・私の様に」
 そうなの? メルティナさんがうるさく言うから、みんな普通にやってると思っていたけど、さすがに手ぐしは良くないんじゃないか?
 「私がやるので後ろ向いてください」
 「ん・・・・・・わかった」
 イヤ。と言われると思っていたけど、素直に背を向けてくれた。
 「じゃあ、髪を梳かしますよ」
 伊織ちゃんの髪を梳かしていくと、ふぁ〜あ。と欠伸が聞こえて来た。
 「ん・・・・・・ラクチン、ラクチン」
 「ただ単にめんどくさかっただけなのね」
 「・・・・・・YES」
 YESって言っちゃったよこの子。
 「美羽さんは自分で、ってぇぇぇええええええっっっ!!?」
 なにをやっているんだアイツはっ!?
 「どうしたんですかエルライナさん?」
 「大輝くん、年頃の女の子がいる前で着替えるのは、さすがにモラルに欠けるよ!」
 「へぇ? ッ!?」
 着替えている最中の大輝くんを見た美羽さんは、顔を真っ赤にさせて硬直していた。
 「あ、すみません。気にしないと思って」
 いや、普通に気にするよ。
 「おはようエルライナさん! 昨日伝え忘れていた、今日の予定をぉ〜・・・・・・あれ?」
 部屋の様子を見たオウカさんはポンッと手を叩き、大輝くんを見つめる。
 「大輝くん、着替えるんだったら、隣の部屋を使ってね」
 「あ、はい」
 「それと、着替え終わったら朝食を用意してるわ。後で呼ぶわね」
 「はぃ」
 大輝くんはそう言うと、そそくさと隣の部屋へと行ってしまう。
 「さぁ、女の子は女の子で身支度を整えてね」
 「「「はい、わかりました」」」
 さすがミハルちゃんのオカンやぁ。しっかりしておるのぉ。
 「エルライナさん、なにか変な事を考えてませんでした?」
 「そんな事はないですよ。はい、伊織ちゃん終わったよ」
 「ん・・・・・・ありがとう」
 彼女はそう言うと、両手を畳につけてから頭を下げた。
 「このご恩は・・・・・・身体で返します」
 「変な言葉を使わないのっ!?」
 自分の髪を梳かしてながら、そう言う。ちなみに前々から愛用しているブラシに持ち替えている。
 「あら、エルライナさんはブラシも持っているのね。私が梳かしてあげるから、ちょっと貸して」
 「あ、はい」
 持っているブラシを素直にオウカさんに渡して、髪を梳かして貰う。
 「こうしていると思い出すわねぇ。ミハルにこうやろうとすると嫌がってたのを」
 「ミハルちゃん髪梳かすのを嫌がってたんですか?」
 「ええ、あの子ジッとしていられないタイプだったから、ヒドい時には途中で逃げちゃう時だってあったわ」
 あらまぁミハルちゃんって、おてんばだったんだねぇ。
 「ミハルちゃんって・・・・・・誰?」
 「ミハルちゃんはオウカさんの子供ですよ。私は前に会った事があるから知ってるんです」
 「へぇ〜、オウカさんに子供がいたのですか。会ってみたい」
 会ってみたいかぁ。
 「ちょっと天邪鬼な性格だけど、根は良い子だから変な事を言っても気にしないであげて」
 「ん・・・・・・ツンデレ?」
 「うん、まさしくその通り」
 もしかたら伊織ちゃんはオタク気質なのかもしれない。
 「はい、終わり」
 「ありがとうございます、オウカさん」
 「これぐらいお安い御用よ」
 そう言ってブラシを差し出すので、受け取ってストレージへと入れる。
 「洗顔をするので、今お風呂場を使っても大丈夫でしょうか?」
 「ああ〜、ゴメンなさい、朝お風呂を使えない様にしているから洗顔は諦めて」
 「そうですか、それなら仕方ないですね」
 心の中で、 よっしゃ! と思った。だってめんどくさかったんだもん。
 「着替え以外の身支度は朝食が済ませてからにします。なに分時間が掛かるので」
 「分かったわ。着替え終わるまで待っているわ」
 オウカさんにニコニコと見つめられつつも、コスチュームからPMC風の装備を選び出して服を着る。
 「エルライナさんは着替えが楽そうで良いなぁ。私なんかは胸当てをつけないといけないし、金具部分が擦れるのよねぇ」
 金具部分? ああそっか。こっちにはプラスチックのバックルがないから、薄い布越しだと擦れるよな。
 「金具がつく場所に厚手の布を縫いつけてみては?」
 「それもアリね。戦闘用の服にやってみるわ」
  うむ、私用と戦闘用で服を分けていたのか。俺なんか一貫して同じ様な服装だからなぁ、ファッションにチャレンジしてみようかな?
 そんな事を思っていたら、障子の向こう側から 失礼します。 と言う声が聞こえて来た。
 「皆さま、ご準備の方は出来ておられますか?」
 「ああ、そうだった。今丁度終わったところよ。大輝くんの方は?」
 「もう着替え終わって待っております」
 もう着替え終わっているんだ。やっぱり男の方が着替えるの早いよな。
 「そう、そっちに連れて行くわ。だから大輝くんにもう少しだけ待っている様に伝えて」
 「分かりました。では後ほど」
 オウカさんは女中のその言葉を聞いた後、こっちを向いて話しかけてくる。
 「首を長くして待っている大輝くんのところに、行きましょうか」
 「「はい」」
 「ん」
 オウカさんについて行く様にして部屋を後にしたが、なにかに見られている様な気がしたので、足を止めて周囲を見回してしまう。
 今、誰かに見つめられたはずなのに、どこにもいない。
 「どうしたんですか?」
 「あ、いや・・・・・・視線を感じたから気になってね」
 気配を消したのか? それともバレる前に逃げたのか?
 「ん・・・・・・ここを守る忍者に見つめられたのかも・・・・・・ニンニン」
 伊織ちゃんが忍者ポーズをするので、思わずクスッと笑ってしまった。
 「そうかもしれないね」
 気にする事はないか。会議も普通に終わるだろう。
 そう思った後にまた歩き出した。庭園の片隅につけられた足跡に気づかずに。
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