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クラス転移したけど私(俺)だけFPSプレイヤーに転生

青空鰹

第3話

 馬車に乗って自分の家に向かって移動している中、俺は不機嫌な顔をしながら外の光景を見ていた。しかもメイドさんにお胸を揉まれているのを気にせずに。


 「そんな不機嫌な顔をしないでおくれよ。悪かったって」


 「むぅ〜・・・・・・」


 そっぽを向いたまま頬を膨らませて、 俺は今、怒ってますよ。 と態度でアピールする。


 「そんな顔をしてはいけませんよ、エルエル」


 「私が不機嫌になっているのは誰のせいだと思っているんですか?」


 「ア、アハハハハ・・・・・・そ、それよりもさ! アンタの家に着いたら色々と話しておかなきゃいけない事があるから、長居すると思うよ」


 「話しておかなきゃいけない事?」


 一体なんだろう、もしかしてこの間の事件の事かな?


 「まぁ、アタシと最初に会った時に話していた事とか色々と引っくるめてね。それよりも、もうすぐ着くから降りる準備をしておくれ!」


降りる準備って、荷物なんて一つも持ってないからそんな必要はないから大丈夫・・・・・・ん? はぐらかされた様な気がするのは、俺の気のせいなのか?


 「ほら、あそこに見えるのがアンタの住まいさ!」


 「えっ!? どれどれ?」


 アイーニャ様が指をさした方向を見てみると、周りとは比べものにならないぐらいの真っ白な色が特徴的な一戸建てが見えた。


 「アイーニャ様、もしかしてあの白いお家が私の住まいですか?」


 「そうさ! 良い住まいだろう?」


 バルデック公爵の事だから邸宅を渡されると予想をしたけれども、そうでもなかった。


 「もしかして、エルエル様はもっと大きな住まい。もとい邸宅みたいなのを想像してましたか?」


 「ええ、バルデック公爵様とアイーニャ様が用意して下さるお家だから、てっきりそういうお家を用意したのだと思ってました」


 「もしかして、邸宅をご用意した方が良かったですか?」


 「いいえ、私は一人で住む事を考えていたので管理のしやすい普通の一軒家の方が良いと考えてました。
 なので、あれぐらいの一軒家で充分です」


 俺がそう言うと、アイーニャ様が俺のお胸を触り続けるメイドをニヤニヤした顔で見つめたのとほぼ同時に、変態メイドさんはアイーニャ様から目を逸らしたのだ。


 ん? もしかしてこの家を買う時に、アイーニャ様とメイドさんは揉めたのかな?


 「家の前に着いた事だし、二人共降りようか」


 「・・・・・・そうですね。奥方様」


 「あ! は、うわぁっ!?」


 返事をする暇もなく馬車から二人に無理やり降ろされてしまった上に、ズガズガと運び込まれる様にドアの前まで歩かされた。
 そして、アイーニャ様がドアを ドンドンッ!! とドアを叩く。公爵夫人なのに、淑女とは思えない様な行動をしまくっている。


 「ネルソォーーーンッ!! エルエル、じゃなかった! エルライナを連れて来たわよぉーーーッ!!!」


 『アイーニャ!? すぐにドアを開けるから、ちょっと待っててくれぇっ!』


 ドタドタと廊下を走る音が近づいて来た後に、ガチャ! と言う様な音を立てながらトビラが開かれてバルデック公爵様が出迎えてくれた。
 って言うか、こういう出迎えって付き添いの使用人がやる事じゃないのかな?


 「遅かったねアイーニャ、エルライナを見つけるのにぃ〜・・・・・・」


 あ、バルデック公爵様が俺を見た瞬間に固まった。


 「なんでエルライナはメイド服を着ているんだ? もしかしてアリーファに無理矢理着させられたのか?」


 うん、この格好を見たらそういう反応になるよねぇ〜。てか、アリーファって誰?


 「旦那様、勘違いなさらないで下さい。私が無理矢理メイド服を着させたのではなく、エルエルがメイド喫茶と言うところでこれを着て働いていたのですよ」


 「着て働いていた? ってウソを吐いていないよな?」


 えっ!? この隣にいる人がアリーファさんなの? 知らなかった!


 「はい、私はウソを吐いていませんよ。旦那様」


 「あとぉ〜・・・・・・その、なんだ。その旦那様って呼び方を止めてくれないか? お前は・・・・・・」


 「まぁまぁ旦那様。立ち話もなんですから、早くエルエルのお家の中に入りましょう」


 「えっ!? うわっ! ちょっ、分かった! 分かったから落ち着けっ!!」


 うわぁ〜・・・・・・あの人バルデック公爵様をグイグイ家の中へ押し込んでるけど、大丈夫なのかな? 不敬罪で仕事をクビされないのか?


 「プッ! クククク・・・・・・」


 ん? アイーニャ様が笑っている。


 「アイーニャ様」


 「なんだい?」


 「なんで笑っているんですか?」


 「まぁアタシにとっては面白い光景だからさ」


「え、面白い・・・・・・光景?」


 まさか、バルデック公爵様はあのメイドさんに弱みを握られていて、 言う事聞かないとあの時の事をバラしますよ。 って常に脅されているから素直に従っているのかな?
 そうだとしたら、知っているのに助け舟を出さないアイーニャ様はヒドくないか?


 「それよりも、ダンナの他に待たせているヤツらがいるからアタシらも家の中に入るよ!」


 ダンナの他にも待たせているヤツらがいる?


 「あの、他って誰ですか? もしかしてグエルさんとか、リズリナさんとかですか?」


 「まぁまぁまぁまぁ、それは会ってみてからのお楽しみさ。はい、アタシについて来たついて来たぁ!」


  アイーニャ様に半ば強引に腕を引かれながら家の中へ連れてかれてる途中で、 この人もこの人で強引だなぁ〜。 と思っていた。


 「フッフ〜ン! どうよ、ここの玄関は?」


 「おお〜!?」


 前世の日本とは違って靴箱とか収納物がないから広く感じるし、なによりも壁紙がまっ白なので見栄えが良い。って、あれ?


 「あのぉ〜・・・・・・聞きたい事があるんですけどぉ〜」


 「聞きたい事? なんだい? 言ってみな」


 「家具が用意してあるのは、もしかして」


 「ああ、アタシらの方で用意したのさっ!」


 やっぱり! 予想していた通りだったっ!!


 「いやぁ、その、あのぉ〜・・・・・・ですね。そこまでしなくても良いんじゃないんでしょうか? 私ならバルデック公爵様から頂いたお金を使えば、必要な家具ぐらいはすぐに用意出来ましたよ」


 それとアイーニャ様には言えないけど、コンセントがなくても稼働する便利な電化製品がある。
 多分、物によってはアイーニャ様がわざわざ用意した家具を捨てる場合があるかもしれない。たとえばソファーとかベッドとかをね。


 「なに言ってるの、アンタはさぁ?」


 あ、あれっ!? なんで逆ギレされてるの俺? しかもアイーニャ様の顔が近いから余計に怖く感じる!


 「アンタはリードガルムを救った英雄なんだから、これぐらいのお礼をされてもおかしくはないって!」


 「え、英雄!? わたしがですかぁ?」


 英雄って、神話に出てくる様な凶悪なドラゴンとか退治してないし、ましてや魔王すら倒してないのだから英雄なんて呼ばれる様な人物じゃないないだろう!?


 「そうさ! アンタは東地区の抱えていた問題を解決しただけじゃなく、魔人から勇者を助けた! その上に未曾有の危機に晒されたリードガルム王国を一人で救ったヤツを英雄と呼ばないでなんて言うのさっ!!」


 「もしかして私がゾンビの軍団を制圧したの、国民にバレたんですかっ!?」


 「いや、エルエルがゾンビの軍団を制圧した。って事実はアタシを含めた一部の人間にしか知られてないから大丈夫」


 あ、それならよかったぁ〜。バレたらこの国を・・・・・・ん?


 「あれ? なんでアイーニャ様は私がゾンビの軍勢を制圧したのを知ってるのに普通に話せるんですか?」


 バルデック公爵様達が話そうとしたら、契約の魔法紙の効果で苦しくなるほど笑い続けるのに。


 「ああ、アタシは契約の魔法紙を書いてないから平気なのさ」


 なんですとぉぉぉおおおおおおおおおおおおっっっ!!?


 「な、なんで書かなかったんですかぁ!?」


 「それよりも、早くリビングに行くよ! ダンナをこれ以上待たせる訳にはいかないからね!」


 アイーニャ様はそう言いながら俺の腕を掴むと、そのまま歩き出した。


 クソォッ!? またはぐらかされたぁ! もう拗ねてやるもんねっ!!


 ムスッとした顔をしながらリビングに入るとバルデック公爵様がイスに座っていてその隣にアリーファさんが立っていけど、一緒にいる人達は誰だ?


 「あのぉ〜、バルデック公爵様?」


 「ん? どうしたエルライナ? って言うよりも、今はアイーニャがレンタルしているからエルエルか」


 バルデック公爵様までエルエルって言わないで欲しい! って、それよりも!!


 「そちらにいらっしゃる、おじさんとおばさんはどちら様ですか?」


 「お、おじっ!?」


 「プゥッ!!? アーーーッッッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッ!!!?」


 あ、あれ? バルデック公爵様達のこの反応って、もしかしてマズい事を言っちゃった感じなのか?


 「お前、もしかしてぇ〜・・・・・・ここにいる二人を知らないのか?」


 「あ、はい。知りません」


 下手に誤魔化すと悪い方向へ行きそうなので、正直に答える事にした。


 「ここにいるお二人は私の兄のゼオンとその妻のメイラさんなんだ」


 へぇ〜、バルデック公爵様のお兄さんで、その隣にいるおばさんが妻のぉ〜・・・・・・って、おいおいおいおいおい! まさかぁっ!?


 「手っ取り早く言ってしまうと、リードガルム王国の国王様と王妃様なんだ」


 バルデック公爵様がそう語った瞬間、頭から冷水をぶっ掛けられたかの様に俺の顔が青ざめさせたのだった。

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