クラス転移したけど私(俺)だけFPSプレイヤーに転生
第1話
 カランッ! カランッ!
 食事が終わって、お店から出ようしているお客様に向かって俺は営業スマイルでこう言う。
 「またのご来店をお持ちしております、ご主人様ぁ☆」
 「はい! また来ますっ!! エルエル最高ぉぉぉおおおおおおっっっ!!!?」
 お客様はそう言いながら街へと消えて行った。けど正直言って恥ずかしいから止めて欲しいよ。ハァ〜・・・・・・あ! そういえば、そろそろ休憩時間か。
 「休憩入りまぁ〜す!」
 カウンターの奥から はーい! と言う返事を店長のみぃさんの返事を聞き、カウンターの向こうにある更衣室に入るとイスに座り机に突っ伏して、ものすごく疲れた様な顔をになる。
 「ハァ〜、あんな事をやるんじゃなかったよぉ〜・・・・・・」
 絶対やらない!って断ったのに、 ここでアナタを見逃したら、みぃは絶対後悔するニャ! ミハルン、手伝って!! と言って二人がかり取り抑えられて、抵抗も虚しくお店の奥に連れ込まれしまった。
 そして、更衣室でメイド服に着替えさせられて現状に至る。
 「うぅ〜〜〜・・・・・・ツラいよぉ〜」
 「まぁまぁ、そんな事を言わないで欲しいニャ」
 「あれ? みぃさん、なんでここに?」
 「それはほら、ちょうど手が空いたから休憩しに来たニャ! それよりも! エルエルのおかげで売り上げが昨日までに比べると上がったから感謝しているニャ!」
 ん? 昨日まで?
 「昨日までって、ここのお店の売り上げはどうだったんですか?」
 「う〜ん・・・・・・お客様が十人くれば良い方だったニャ」
 「じゅ、十人っ!? ホントにたったの十人?」
 「そうニャ」
 十人って、誰がどう考えても赤字経営しか思えないだろ。
 「まぁ始めたばかりって言うのもあるけど、まだこの国はメイド喫茶の認知が低いってのもあるニャン」
 「この国は。って事は、盛んな国があるんですよね?」
 「そうニャ、メイド喫茶が盛んな国はラクスラード帝国! メイド喫茶発祥の地でもあるニャ!」
 「へぇ〜、そうなんですか」
 ちょっと意外だなぁ。
 「しかも、発案者がスゴい人なの! 誰だと思うニャ?」
 「スゴい人って言うんだから、王様辺りですかね?」
 後、先代の勇者とか、いるかどうか分からないけど転生者とかね。
 「ハズレ! 正解は・・・・・・」
 「・・・・・・正解は?」
 「帝国で勇者召喚された勇者ダイキ様なのニャッ!!」
 ズルッ!?
 ダイキの名を聞いた途端、コントの様にイスからズッコケてしまった。
 「急にコケてどうしたニャ!?」
 「い、いやぁ、気にしないで下さい。それよりも、なんで勇者様がメイド喫茶の発案者なのか詳しいお話をお願いします」
 イスに座り直しながら、 なんで大輝くんが? と思ってしまった。
 「えっとぉ〜・・・・・・かい摘んで話しをするとぉ〜、ダイキ様はこの召喚されて間もない頃によく、 あぁ〜、メイド喫茶に行きてぇ〜。 って言いながら帝国の廊下を歩いてたみたいだニャン」
 おいっ! 公衆の面前でそんな事を言うなよっ! って言っても今さら遅いし、本人もいないから無意味だよね!!
 「で、その言葉を聞いた大臣が、 勇者様、メイド喫茶喫茶ってなんですか? って勇者様に聞いたニャ。
 その上で、 私の経営しているお店の内の一件を、試しにメイド喫茶してみましょう。って事で始めたら、なんとその日に大盛況したニャ!!」
 「えぇ〜〜〜っっっ!!!?」
 大輝くんは女神様から戦闘系のスキル他に、商業系のスキル貰ったのかな? 絶対違うと思うけどぉ!!
 「大盛況した理由には勇者様がプロデュースしたのもあるけど、男性からは、 胸がキュンキュンする。そうか、これが萌えってやつなのか!! って好評だったニャ!」
 ああ、彼は異世界に萌えと言う言葉をもたらした様です・・・・・・ハイ。
 「女性からは、面白そう! 私もやってみたいっ!! しかも制服が可愛い! しかも買うんじゃなくて支給されるならお得じゃんっ!! って応募が殺到してるニャ」
 まぁ確かに、本業のメイド服と比べると可愛いよね。でも、俺が気になるのは。
 「もしかして、みぃさんは帝国でメイド喫茶の仕事をしてたんですか?」
 「そうニャ。さっき話していたお店で働いてたのニャ。それで、他の国にもメイド喫茶を広めようと派遣されたんだけどぉ〜・・・・・・」
 「あんまりお客さんが入ってこなくて困っていたんですね」
 「その通りだニャ。みぃもチラシを配ったり声をかけたりして宣伝したけど、ダメだったニャ。
 でも、あの有名なエルエルが働いてくれてるおかげで、今日は黒字になりそうだニャン!」
 うん、無理やりやらされてるけどね。
 「さてと。、そろそろ休憩を終わりにするニャ」
 「はい、店長」
 そう言うとイスから立ち上がり、店長について行く様に更衣室から出ると顔を笑顔にする。
 営業スマイルと言うヤツだ。
 さて、乗りかかった船・・・・・・多分使い方が違うと思うけど。やる事になってしまったのなら最後までやろう。
 カランッ! カランッ!
 おっ!? さっそくお客様が来たぞ! お出迎えをしなきゃね!
 「いらっしゃいませ、ご主人・・・・・・さぁ〜、まぁ・・・・・・せ?」
 お店に入って来たお客様を見た瞬間、引きつった笑みになってしまった。
 それもその筈、こんなところにくる筈がない人達が来たのだから。
 「おっ! 街で流れているウワサは本当だったんだなぁ〜!」
 「はい、その通りでしたね。奥方様」
 なんでアイーニャ様と本職のメイドさんがここに来てるんだよぉぉぉおおおおおおっっっ!!?
 「フゥ〜ン、アンタ可愛い服を着ているじゃないかぁ〜」
 いや、まぁ〜・・・・・・デザインされた仕事服ですから。
 「私と同じメイド服ですが、エルライナ様が着ていらっしゃるメイド服の方が可愛いですね。
 スカートの丈が短いのが少々気になりますがぁ〜、まぁこれはこれでアリですね」
 それはまぁね、太ももが見えた方がエロティックでおパンツが見えそうで見えないのが、ってこんな事を思っている場合じゃないっ!!
 「ど、どど、どうしてアナタ方が、こ、ここにいらっしゃるのですかぁ?」
 動揺しているのが分かるほど、声が震えてしまっている。
 だってしょうがないじゃんっ! だって、アイーニャ様と危険メイドさんだもん! なにをしてくるのか分かんない人達じゃんっ!!
 助けて、バルデック公爵様ぁぁぁああああああっっっ!!!?
 「そりゃまぁ、家が完成したから呼びに行こうと宿屋に行ったらアンタがいなくて、総合ギルドに行けば会えるかなぁ? って思って向かおうとしたら、ウワサ話しでここにいる。って聞いたから訪ねてみたら本当にいたのさ」
 ああ、そうかぁ〜・・・・・・ミハルンが俺がお店で働いてる事を街に出て宣伝していたし、さらにお店を出たご主人様達は、 エルエルサイコォォォオオオオオオッッッ!!!? って言いながら出て行ったからなぁ〜。
 広まるのも無理ないか。てか、俺の家が完成したんだ。しかも呼びに来たって事は、やったぁ! このバイトを辞められる! アイーニャ様サイコォォォオオオオオオっっっ!!!?
 「それよりもぉ〜、早くアタシ達をテーブルに案内しておくれよぉ〜!」
 ・・・・・・えっ!? 案内?
 「あのぉ〜、私を呼びに来たんですよね?」
 「そうさ、アタシはアンタを家を見せる為にここに来たんだよ!」
 「じゃあなんでメイド喫茶に入店しようとしているんですか?」
 早くこの羞恥プレイから助けて欲しいんですけどぉ〜。
 「いや、それはほら! おもしろそ、じゃなかった! お昼をまだ済ませてなかったからなぁ〜」
 今、おもしろそう。って言おうとしなかった?
 「そうですね。奥様は午前中は大忙しでしたから、ご昼食を済ませてませんでしたね。ちょうど良いですね」
 おいコラ! アンタはアイーニャ様に話しを合わせてウソを吐いているだけだろう!
 「ご主人様!」
 おお、店長! 助かった。これでようやくメイド喫茶から解放・・・・・・。
 「すみませんニャ! コラ、エルエル! ご主人様をいつまでもいけないニャッ!!」
 え、俺が悪いの? ・・・・・・いや、今の俺はメイド喫茶の従業員だから悪いのは俺かっ!?
 「す、すみません。ご主人様、今お席の方へご案内しますので、どうぞこちらへ」
 「そうだ、アンタがここの店長なのかい?」
 「ハ、ハイ! そうですニャッ!!」
 貴族であるアイーニャ様が話し相手なせいなのか、みぃさんは両耳をピクピクと小刻みに揺らして怯えている。
 ネコって怯えている時は耳が小刻みに揺れるって聞いた事あるけど、獣人も見る限りだと同じそうみたいだね。
 「悪いけどこの子、エルライナを一日借りて良いか?」
 「えっ!? お、お客様! みぃのお店は風俗ではないのでぇ〜、そういったサービスは行なってぇ〜・・・・・・」
 アイーニャ様がポケットから金貨を三枚取り出すと、見せつける様にみぃさんの顔の前まで近づけた。
 「ニャ、ニャァ〜〜〜ッ!!?」
 三枚の金貨を間近で見たみぃさんの目が輝きだした!
 あれぇ? この表情ってヤバくない?
 「そうかい、レンタル料金としてこの金貨を渡そうと思ったんだけど、一日レンタルがダメなら・・・・・・」
 「アイーニャ様でしたらエルエルをレンタルしますニャッ!」
 オィィィイイイイイイッッッ!!? 俺を売ったぞこの人ぉぉぉおおおおおおおおおおおおっっっ!!!!
 しかも金貨を受けっとってるんじゃないよっ!! お願いだから、その金貨をアイーニャ様に返してぇぇぇええええええっっっ!!!?
 「さぁエルエル、早くご主人様をテーブルにご案内するニャ!」
 うん、顔を見ると 断らせないニャ! と言っているのがイヤでも伝わってくる。
 「いや・・・・・・あの、そのぉ〜・・・・・・・ヒャアッ!!?」
 「お客様、いえ、ご主人様である私達を待たせてはダメですよエルエル」
 う、うわぁ!? 危険メイドが背後から俺の胸を鷲掴みにして逃がさないようにしてくるよ!
 「まどろっこしいのでこのまま行きましょうか」
 「それが良さそうだなぁ。店長、エルエルの代わりに案内アタシ達をしてくれ!」
 「かしこまりましたニャ! ご主人様!」
 うわぁぁぁああああああんっっっ!!!? どうしてこうなっちゃったんだぁぁぁああああああっっっ!!!?
 みぃさんがアイーニャ様達を案内している中、エルライナは心でそう叫んでいた。
 食事が終わって、お店から出ようしているお客様に向かって俺は営業スマイルでこう言う。
 「またのご来店をお持ちしております、ご主人様ぁ☆」
 「はい! また来ますっ!! エルエル最高ぉぉぉおおおおおおっっっ!!!?」
 お客様はそう言いながら街へと消えて行った。けど正直言って恥ずかしいから止めて欲しいよ。ハァ〜・・・・・・あ! そういえば、そろそろ休憩時間か。
 「休憩入りまぁ〜す!」
 カウンターの奥から はーい! と言う返事を店長のみぃさんの返事を聞き、カウンターの向こうにある更衣室に入るとイスに座り机に突っ伏して、ものすごく疲れた様な顔をになる。
 「ハァ〜、あんな事をやるんじゃなかったよぉ〜・・・・・・」
 絶対やらない!って断ったのに、 ここでアナタを見逃したら、みぃは絶対後悔するニャ! ミハルン、手伝って!! と言って二人がかり取り抑えられて、抵抗も虚しくお店の奥に連れ込まれしまった。
 そして、更衣室でメイド服に着替えさせられて現状に至る。
 「うぅ〜〜〜・・・・・・ツラいよぉ〜」
 「まぁまぁ、そんな事を言わないで欲しいニャ」
 「あれ? みぃさん、なんでここに?」
 「それはほら、ちょうど手が空いたから休憩しに来たニャ! それよりも! エルエルのおかげで売り上げが昨日までに比べると上がったから感謝しているニャ!」
 ん? 昨日まで?
 「昨日までって、ここのお店の売り上げはどうだったんですか?」
 「う〜ん・・・・・・お客様が十人くれば良い方だったニャ」
 「じゅ、十人っ!? ホントにたったの十人?」
 「そうニャ」
 十人って、誰がどう考えても赤字経営しか思えないだろ。
 「まぁ始めたばかりって言うのもあるけど、まだこの国はメイド喫茶の認知が低いってのもあるニャン」
 「この国は。って事は、盛んな国があるんですよね?」
 「そうニャ、メイド喫茶が盛んな国はラクスラード帝国! メイド喫茶発祥の地でもあるニャ!」
 「へぇ〜、そうなんですか」
 ちょっと意外だなぁ。
 「しかも、発案者がスゴい人なの! 誰だと思うニャ?」
 「スゴい人って言うんだから、王様辺りですかね?」
 後、先代の勇者とか、いるかどうか分からないけど転生者とかね。
 「ハズレ! 正解は・・・・・・」
 「・・・・・・正解は?」
 「帝国で勇者召喚された勇者ダイキ様なのニャッ!!」
 ズルッ!?
 ダイキの名を聞いた途端、コントの様にイスからズッコケてしまった。
 「急にコケてどうしたニャ!?」
 「い、いやぁ、気にしないで下さい。それよりも、なんで勇者様がメイド喫茶の発案者なのか詳しいお話をお願いします」
 イスに座り直しながら、 なんで大輝くんが? と思ってしまった。
 「えっとぉ〜・・・・・・かい摘んで話しをするとぉ〜、ダイキ様はこの召喚されて間もない頃によく、 あぁ〜、メイド喫茶に行きてぇ〜。 って言いながら帝国の廊下を歩いてたみたいだニャン」
 おいっ! 公衆の面前でそんな事を言うなよっ! って言っても今さら遅いし、本人もいないから無意味だよね!!
 「で、その言葉を聞いた大臣が、 勇者様、メイド喫茶喫茶ってなんですか? って勇者様に聞いたニャ。
 その上で、 私の経営しているお店の内の一件を、試しにメイド喫茶してみましょう。って事で始めたら、なんとその日に大盛況したニャ!!」
 「えぇ〜〜〜っっっ!!!?」
 大輝くんは女神様から戦闘系のスキル他に、商業系のスキル貰ったのかな? 絶対違うと思うけどぉ!!
 「大盛況した理由には勇者様がプロデュースしたのもあるけど、男性からは、 胸がキュンキュンする。そうか、これが萌えってやつなのか!! って好評だったニャ!」
 ああ、彼は異世界に萌えと言う言葉をもたらした様です・・・・・・ハイ。
 「女性からは、面白そう! 私もやってみたいっ!! しかも制服が可愛い! しかも買うんじゃなくて支給されるならお得じゃんっ!! って応募が殺到してるニャ」
 まぁ確かに、本業のメイド服と比べると可愛いよね。でも、俺が気になるのは。
 「もしかして、みぃさんは帝国でメイド喫茶の仕事をしてたんですか?」
 「そうニャ。さっき話していたお店で働いてたのニャ。それで、他の国にもメイド喫茶を広めようと派遣されたんだけどぉ〜・・・・・・」
 「あんまりお客さんが入ってこなくて困っていたんですね」
 「その通りだニャ。みぃもチラシを配ったり声をかけたりして宣伝したけど、ダメだったニャ。
 でも、あの有名なエルエルが働いてくれてるおかげで、今日は黒字になりそうだニャン!」
 うん、無理やりやらされてるけどね。
 「さてと。、そろそろ休憩を終わりにするニャ」
 「はい、店長」
 そう言うとイスから立ち上がり、店長について行く様に更衣室から出ると顔を笑顔にする。
 営業スマイルと言うヤツだ。
 さて、乗りかかった船・・・・・・多分使い方が違うと思うけど。やる事になってしまったのなら最後までやろう。
 カランッ! カランッ!
 おっ!? さっそくお客様が来たぞ! お出迎えをしなきゃね!
 「いらっしゃいませ、ご主人・・・・・・さぁ〜、まぁ・・・・・・せ?」
 お店に入って来たお客様を見た瞬間、引きつった笑みになってしまった。
 それもその筈、こんなところにくる筈がない人達が来たのだから。
 「おっ! 街で流れているウワサは本当だったんだなぁ〜!」
 「はい、その通りでしたね。奥方様」
 なんでアイーニャ様と本職のメイドさんがここに来てるんだよぉぉぉおおおおおおっっっ!!?
 「フゥ〜ン、アンタ可愛い服を着ているじゃないかぁ〜」
 いや、まぁ〜・・・・・・デザインされた仕事服ですから。
 「私と同じメイド服ですが、エルライナ様が着ていらっしゃるメイド服の方が可愛いですね。
 スカートの丈が短いのが少々気になりますがぁ〜、まぁこれはこれでアリですね」
 それはまぁね、太ももが見えた方がエロティックでおパンツが見えそうで見えないのが、ってこんな事を思っている場合じゃないっ!!
 「ど、どど、どうしてアナタ方が、こ、ここにいらっしゃるのですかぁ?」
 動揺しているのが分かるほど、声が震えてしまっている。
 だってしょうがないじゃんっ! だって、アイーニャ様と危険メイドさんだもん! なにをしてくるのか分かんない人達じゃんっ!!
 助けて、バルデック公爵様ぁぁぁああああああっっっ!!!?
 「そりゃまぁ、家が完成したから呼びに行こうと宿屋に行ったらアンタがいなくて、総合ギルドに行けば会えるかなぁ? って思って向かおうとしたら、ウワサ話しでここにいる。って聞いたから訪ねてみたら本当にいたのさ」
 ああ、そうかぁ〜・・・・・・ミハルンが俺がお店で働いてる事を街に出て宣伝していたし、さらにお店を出たご主人様達は、 エルエルサイコォォォオオオオオオッッッ!!!? って言いながら出て行ったからなぁ〜。
 広まるのも無理ないか。てか、俺の家が完成したんだ。しかも呼びに来たって事は、やったぁ! このバイトを辞められる! アイーニャ様サイコォォォオオオオオオっっっ!!!?
 「それよりもぉ〜、早くアタシ達をテーブルに案内しておくれよぉ〜!」
 ・・・・・・えっ!? 案内?
 「あのぉ〜、私を呼びに来たんですよね?」
 「そうさ、アタシはアンタを家を見せる為にここに来たんだよ!」
 「じゃあなんでメイド喫茶に入店しようとしているんですか?」
 早くこの羞恥プレイから助けて欲しいんですけどぉ〜。
 「いや、それはほら! おもしろそ、じゃなかった! お昼をまだ済ませてなかったからなぁ〜」
 今、おもしろそう。って言おうとしなかった?
 「そうですね。奥様は午前中は大忙しでしたから、ご昼食を済ませてませんでしたね。ちょうど良いですね」
 おいコラ! アンタはアイーニャ様に話しを合わせてウソを吐いているだけだろう!
 「ご主人様!」
 おお、店長! 助かった。これでようやくメイド喫茶から解放・・・・・・。
 「すみませんニャ! コラ、エルエル! ご主人様をいつまでもいけないニャッ!!」
 え、俺が悪いの? ・・・・・・いや、今の俺はメイド喫茶の従業員だから悪いのは俺かっ!?
 「す、すみません。ご主人様、今お席の方へご案内しますので、どうぞこちらへ」
 「そうだ、アンタがここの店長なのかい?」
 「ハ、ハイ! そうですニャッ!!」
 貴族であるアイーニャ様が話し相手なせいなのか、みぃさんは両耳をピクピクと小刻みに揺らして怯えている。
 ネコって怯えている時は耳が小刻みに揺れるって聞いた事あるけど、獣人も見る限りだと同じそうみたいだね。
 「悪いけどこの子、エルライナを一日借りて良いか?」
 「えっ!? お、お客様! みぃのお店は風俗ではないのでぇ〜、そういったサービスは行なってぇ〜・・・・・・」
 アイーニャ様がポケットから金貨を三枚取り出すと、見せつける様にみぃさんの顔の前まで近づけた。
 「ニャ、ニャァ〜〜〜ッ!!?」
 三枚の金貨を間近で見たみぃさんの目が輝きだした!
 あれぇ? この表情ってヤバくない?
 「そうかい、レンタル料金としてこの金貨を渡そうと思ったんだけど、一日レンタルがダメなら・・・・・・」
 「アイーニャ様でしたらエルエルをレンタルしますニャッ!」
 オィィィイイイイイイッッッ!!? 俺を売ったぞこの人ぉぉぉおおおおおおおおおおおおっっっ!!!!
 しかも金貨を受けっとってるんじゃないよっ!! お願いだから、その金貨をアイーニャ様に返してぇぇぇええええええっっっ!!!?
 「さぁエルエル、早くご主人様をテーブルにご案内するニャ!」
 うん、顔を見ると 断らせないニャ! と言っているのがイヤでも伝わってくる。
 「いや・・・・・・あの、そのぉ〜・・・・・・・ヒャアッ!!?」
 「お客様、いえ、ご主人様である私達を待たせてはダメですよエルエル」
 う、うわぁ!? 危険メイドが背後から俺の胸を鷲掴みにして逃がさないようにしてくるよ!
 「まどろっこしいのでこのまま行きましょうか」
 「それが良さそうだなぁ。店長、エルエルの代わりに案内アタシ達をしてくれ!」
 「かしこまりましたニャ! ご主人様!」
 うわぁぁぁああああああんっっっ!!!? どうしてこうなっちゃったんだぁぁぁああああああっっっ!!!?
 みぃさんがアイーニャ様達を案内している中、エルライナは心でそう叫んでいた。
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