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クラス転移したけど私(俺)だけFPSプレイヤーに転生

青空鰹

第5話

 あんな醜態をさらしてしまった俺は直ぐ様私服に着替えてキースさんと一緒に洋服屋を出て銀色の竜亭に向かって歩き始めたのだが、なんとも言えないような気不味い雰囲気が漂っていているので、お互いに少し離れたながら歩いている。
 因みにレンカさんが、 どうしても下着が欲しいんですっ! 譲って! いや、渡してっ!! って言うので買ったばかりの方と交換して貰った。だって生理的に・・・・・・ね。


 でも気不味い、本当にこの状況気不味いよ・・・・・・あ〜もう、じれったいっ!!


 「あの、キースさん!」


 「ん、なにかな?」


 「もう気にしていないので大丈夫ですよ! 本当に・・・・・・はい」


 「フフッ!」


 勇気を出して話したのに、なんで笑うんだろう?


 「いやなに・・・・・・デートで気を使って頂いた女性は始めてでして、ついね」


 「そうですかぁ・・・・・・ん? デートで気遣いするのって普通の事じゃないんですか?」


 最初っから馴れ馴れしく接していたら相手に嫌われる要素だと俺は思うし、なによりも俺が読んだマンガやライトノベルのデートシーンは、お互いを気遣いながらデートしているのが多かったし。


 「気遣いするのが普通ですかぁ・・・・・・エルライナさん」


 「はい! 何ですか?」


 真顔でこっちを向いて来たので、また褒めて遊んでくるのかと思い身構えてしまった。


 「アナタは普通の女性と少し変わってますね」


 「はぁ・・・・・・私は今まで男として育って来たから普通の女の子とは違う考え方や仕草が出ちゃうんですよね。最近は気をつけているんですけどぉ・・・・・・」


 「僕はそう言う意味でキミに言ってるわけじゃないんだけどな」


 「へ?」


 そう言う意味でキミに言ってるわけじゃない・・・・・・どう言う事?


 「さぁ着いたよ、エルライナさん」


  前を向くと銀色の竜亭が目に写った。


 「あっ!」


 キースさんとの話に夢中になってたから銀色の竜亭の目の前まで来ていたのに気がつかなかった。


 「それではエルライナさん。僕はもう行くね」


 「もう行っちゃうんですか?」


 「ええ、今日はもう充分楽しめましたからね。それに明日はエルライナさんのDランク昇格試験ですから、余り長く付き合わせるわけには行けませんしね」


 キースさんが俺の試験日を知ってるだとっ!?


 「どうしてその事を知ってるんですか?」


 「エイドから話を聞いたんだよ。僕に話してくれた張本人のエイドはキミが受かると信じているみたいだよ」


 「エイド教官・・・・・・」


 エイド教官が信じてくれてる・・・・・・ヤバい、泣きそう。


 「それに僕もキミが受かると信じているよ」


 「そうですか」


 「なんかエイドの時と反応が違う気がするけどぉ・・・・・・まぁ良いです。それじゃあ明日頑張ってね」


 「はい! 明日頑張りますねっ!!」


 キースさんがこっちを向きながら笑顔で手を振り歩くので、俺もキースさんを手を振って見送ったのだが。


 「あっ!」


 姿が見えなくなったところで、さっき言った言葉がどういう意味で変わってるのか聞き忘れていたのを思い出す。


 「・・・・・・今度会った時に聞けば良いか」


 そう言った後に銀色の竜亭に入った瞬間に可愛らしい女の子が俺のお腹に突撃しながら出迎えてくれるので、抱きしめて受け止める。


 「おかえり、エルおねえちゃん!」


 「ただいまリマちゃん。お婆さんはどうしたの?」


 「おばあちゃんはね、かいものにいってるの!」


 なるほどぉ、買い物してるのか。


 「それじゃあリマちゃん、私の部屋のカギお願いね」


 「はぁ〜い!」


 元気な返事と共にカギを取りに行く姿を見ると、なんだか微笑ましくなってくる。


 この前までは嫌気がさすようなクラスに行って陰口や嫌がらせを受けながら勉強をした後は、放課後は誰とも話さずに一人で家に帰ってトレーニングとゲームをする毎日だったのを思い出す。


 ホント・・・・・・あの時よりも充実した日々を過ごしているよ・・・・・・しかし未だに気になっているのは俺のクラスメイト達が勇者として召喚されているのは噂話で聞いているのだが、その後の話しを一切耳にしていない。


 「・・・・・・ん〜」


 王国内で訓練中? それだったら、そう言う情報が出るはずだ。もしかして情報規制をしているのか。魔人達にバレないように?
 いや、だったら勇者召喚成功の情報なんて出回らない・・・・・・・もしかしたらアイツらはぁ。


 「おまたせ、エルおねえちゃん! ・・・・・・おねえちゃん?」


 「ん? ・・・・・・あ! カギありがとうね。リマちゃん」


 リマちゃんに向かって手を差し伸べるが、なぜか怯えた顔をしながら後ずさってしまった。


 「エルおねえちゃん・・・・・・こわいかおしてたよ。おこってたの?」


 考えていたら恐い顔になってしまってたみたいだ。多分アイツら元クラスメイトに対しての怒りが気づかぬ内に顔に出てしまったんだろう。そんな事より今はリマちゃんだ。


 「リマちゃんに怒ってたんじゃないよ。考え事をしてたら嫌な事を思い出したしてね。それで恐い顔に出ただけだよ」


 「ホント? リマにおこってない?」


 「怒ってないよ」


 「・・・・・・はい、おねえちゃん」


 「はい、ありがとう。部屋に行くね」


 「うん!」


 俺はリマちゃんからカギを受け取り、自分の部屋に入ると自己嫌悪に落ちてしまう。


 「ハァ〜・・・・・・」


 リマちゃんを恐がらせちゃったよ。嫌われてなければ良いけど。


 「・・・・・・明日どうしようかなぁ」


 俺とエイド教官だけなら簡単に迷宮を進められるんだけども、あの子ミハルが同伴となると時間がかかるかもしれない。そもそも俺のペースについて来られるのかも怪しい状態だ。


 「・・・・・・あの子のようすを見ながら進むしかないか」


 迷宮の一階でようすを見てから進むペースを上げるか、それともペースを下げるかを決めるしかないな。


 「後は明日の準備をしてから今日は部屋でゆっくり休もうか」


 えーっとぉ・・・・・・用意しなきゃいけないのは武器や防具は出そうと思えば出せるから心配なし。
 食糧は買っておいたのがあるから必要な時に出せば良い、もし足りなかったら買えば済む事。回復薬とかは常備してるから大丈夫。後最後はライト・・・・・・あの迷宮は明るいから必要ないな。


  「明日朝早く起きて、また考えれば良いか。ふぁ〜・・・・・・」


 なんだか眠い・・・・・・ご飯まで時間があるから一眠りしようかな?


 スクリーンを出してからタイマーを二時間に合わせた後にベッドに寝そべり布団を被る。


今日は本当に色々あったなぁ。ラミュールさんの指名依頼が孤児院の掃除だったとは・・・・・・報酬を弾ませてくれたのは有り難かった。


 「・・・・・・たった銅貨二枚だけだけどね」


 その後に総合ギルドに報告しに行こうとしたらシドニールさん達と知り合って、シドニールさんの弟子ミハルちゃんが俺のサポートとしてとして、ついて来てくれるのは良いんだけども・・・・・・あの子の顔を見ていると不安を感じてしまう。


 「なんだろう。あの子は言葉はああだけど、私を見下しているような感じの顔じゃなかった」


 じゃあ、一体なんであんなに偉そうなんだ?


 「・・・・・・そこら辺は本人に聞かないと分からないなぁ」


 俺とあの子は他人だから、 アンタには関係ないでしょ! そう言われるのが落ちだと思う。明日の試験について来るとなると、あの性格が心配の種になってしまう。


 「考えても分からないや、もう寝よう・・・・・・ん?」


 寝ようと目を閉じたら、 コンコン。 とドアを叩く音がしたので、そっちに顔を向ける。


 「はい、どちら様?」


 『エルおねえちゃん、おへやにはいっていい?』


 「入っておいで」


 「・・・・・・うん」


 リマちゃんはそう返事をした後に部屋に入ってくるが、どこか浮かない表情をしている。


 「どうしたのリマちゃん?」


 「おねえちゃん。もうおこってない?」


 「怒ってないよ。もしかして私の事を心配してくれたのかな?」


 「うん! とっても、とーってもこわかったの。リマ、エルおねえちゃんのこと、しんぱいしたんだよ」


 「ッ!?」


 こんな良い子に恐い思いをさせてしまうだなんて・・・・・・俺はなんて最低な人間なんだっ!!


 そう思いながらリマちゃんに駆け寄って行き、強く抱きしめてから頭をナデナデする。


 「本当にゴメンねリマちゃん。今度から気をつけるからね」


 「エルおねえちゃん・・・・・・苦しいよ〜!」


 「あ! ゴメンね」


 「でも、エルおねえちゃんがげんきになって、よかった〜!」


 ああ〜〜〜・・・・・・この子は天使の生まれ変わりに違いない。


 「アンタらそこで一体なにをしてるんだい」


 「あ、◯ーガ」


 どこかの格闘マンガに出てくる地上最強の生物の事です。もしかしたらあの婆さんが本気を出したら、背中に鬼の顔が浮かび上がるに違いない。


 ベシッ!!


 「痛っ!?」


 お玉で頭を叩かれてしまった。しかも顔を見てみると眉を吊り上げながら怒気を体から発している。まるで範○ 勇○郎だっ!!


 「誰がオーガじゃ! 誰が!! アタシャは図体がデカくもなけりゃあ、馬鹿力なんざ待ってないよ!!」


 「そうですよねー」


 多分お婆さんがイメージしているオ◯ガは、この世界に存在しているモンスターだろう。


 「まぁ良いやい。お前さん、リマを恐がらせたんじゃろう?」


 「ええ、はい。もう仲直りしましたよ」


 「うん! おねえちゃんと、なかなおりっ!!」


 リマちゃんが俺の体を頭をグリグリ押しつけながら両手でギューっとしてくるので、俺もギューっと抱きしめる。


 「そうかいそれは良かった・・・・・・でも!」


 「でも?」


 なんだろう。嫌な予感しかしない。


 「アタシの可愛い孫をよくも恐がらせたね! リマが許してもアタシャ許さないよっ!!」


 ヒェェェエエエエエエ〜〜〜ッッッ!!!? お婆さんがマジで怒ってらっしゃるっ!!


 「あの〜、ほらお婆さん! リマちゃんと本当に仲直りしたんですから、そんなに怒らなくても・・・・・・ね?」


 「それとこれとは話が別! アンタにお仕置きしなきゃなんないねぇ〜!」


 「お、お仕置きですか?」


 「そうじゃお仕置きじゃ。ほれっ!」


「うわっとっとっ!?」


 お婆さんが投げた物を慌てながらキャッチした後に手に持っている物を確認する。


 「箒、バケツと雑巾。それにちり取りもある・・・・・・まさかっ!?」


 「気がついたみたいだね。各部屋と風呂を掃除して来なっ!!」


 「いやいやいやいやっ!? こんな事をお客様に頼んで良いと思ってるんですか? むしろ目の前にいる人が掃除をしている最中に客室の物を盗むかもしれない。って考えないですか?」


 てか、タダで働かせる理由を見つけったって顔をしている気がするけど気のせいかなぁっ!?


 「なんかなくなった時はアンタを兵士に突き出せば良い事だ。それにそんな事を言ってるヤツに盗みなんて出来はしないよ」


 あぁなるほど。この人は経験談で言ってるんだ。まぁ本当に盗む気もないんだけどね。


 「そんな事よりさっさと掃除をしてきなっ! 終わらなかったら晩飯抜きだからねっ!!」


 「はわわわわわわわっ!!」


 ○ーガが・・・・・・オー○が目の前にいる〜〜〜っ!!


 「は、はいっ! 行ってきますっ!!」


 そう返事しながら駆け足で部屋を出て行くと、お婆さんに言われた通り掃除を始めるのであった。

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