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クラス転移したけど私(俺)だけFPSプレイヤーに転生

青空鰹

第3話

 俺は総合ギルドの出入り口に設置してあるベンチに腰を下ろして、深いため息をいてからこう言った。


  「疲れた・・・・・・本当に疲れた」


 ミハルが俺を盾にしたせいでエイドさんやシドニールさんから、 そこをどけエルライナ!? と言われてしまった。
 それに俺越しに隠れているミハルちゃんを怒っているのは理解してるんでけれでも、二人共怒りの表情をしながらチラチラ俺を見てくるので俺まで怒られている気分になった。
 しかも俺を盾にしていたミハルちゃんが俺を逃さないようにしていたのか、二の腕をガッチリ掴んでいて地味に痛かった。


 もうあんなのは懲り懲りだ。しかも手跡がベッタリ付いてるし・・・・・・。


 「クエストの報告もしたし、今日はもう帰って寝ようかな。ん?」


 また通信が入って来た。今度は神様からではなくメルティナさんからだ。


 『お久しぶりです。エルライナさん』


 「はい、お久しぶりです。メルティナさん」


 『先ほどガ、コホンッ!? 神様が失礼しました』


 「あー・・・・・・いつもの事なので気にしてませんよ」


 あの会話はもう慣れたしね・・・・・・うん。


 『そう言えば神様が、 スッゴいものをエルライナちゃんにあげたよっ! エルライナちゃんなら絶対気に入るはずだから後で話そ~っと!? って言ってましたけどぉ・・・・・・なにを貰ったんですか?』


 はぁ? スッゴイものをあげたぁ?


 「私は神様からなにを渡したのか聞いてないので、分からないんですけどぉ〜・・・・・・」


 「はぁ、そうですか・・・・・・恐らく渡した事を忘れているだけだと思うので、ご自身の武器庫や格納庫を確認してみて下さい」


 嫌な予感しかしない・・・・・・。


 そう思いながらメニューを開き武器庫を覗いて見るが見当たらないので、 う〜ん。 と唸り声を上げてしまう。


 『銃とアクセサリーが沢山ありますね。もしかしてこれって全部ご自身で全部集めたんですか?』


 「そうですよ。ビーグルよりもポイントをかけましたからね。あのFPSゲームの武器とパーツは、ほぼ集めましたよ・・・・・・あっ!?」


 『どうされました?』


 『神様が言ってたスッゴイものってぇ・・・・・・もしかしてこれの事ですか?』


 スナイパーライフルに買った覚えのない物があった。


 『え〜っとぉ、・・・・・・マ、マグ? マグ・フィッド?』


 「Anzioアンツィオ社のMag-Fed 20mmライフル・・・・・・神様はとんでもない物を渡して来たよ」


 『エルライナさん、もしかして新しい銃が貰えたのに嬉しくないんですか?』


 顔を青くさせながらメルティナさんにMag-Fed 20mmライフルの事を語り出す。


 「いや、メルティナさん。この銃に使用する弾って知ってますか?」


 『すみませんが、私にはちょっとぉ・・・・・・』


 まぁ、そうだよね。メルティナさんは銃とか興味なさそうだから、いきなり聞かれても分かんないよね。


 「50口径のスナイパーライフルは知ってますよね? バレットM82A1、もしくはOSV-96とか」


 『ええ、知ってますよ。確か対物ライフルもしくはアンチマテリアルライフルとも言われていて、とてつもない威力の銃と私は聞いています』


 「そう・・・・・・アンチマテリアルライフル類と言った類いは現代では長距離射撃で用いられる事が多く、人の体の中心に当たればにポッカリ穴が開く。
 そして腕や足に当たれば、真っ二つに裂けると言う恐ろしい威力の銃。因みに、あのゲームではバトルロワイヤル戦やチームデスマッチなどでは使用禁止にされているんだ。
 ゲームでの威力を簡単に説明すると、体力満タン状態でも弾が当たれば基本的に死ぬけど運が良ければ体力が10パーセント未満の状態で生きている」


 『現実、ましてやゲームでも恐ろしい武器なんですね。でも、そんな強い武器を頂けて嬉しくないんですか?』


 「嬉しいけどぉ・・・・・・これはまた別格の銃だからね」


 『はぁ・・・・・・別格の銃ですか?』


 「そう、12.7×99mmよりも口径の大きな弾、20×102mmとか14.5×114mmを使用する恐ろしい銃でプローン、つまり伏せた状態じゃないと撃てない銃な上に持ち運びにも困るんだ」


 『持ち運びに困る?』


 「そうですよ。実際に持って見せた方が分かりやすいかな」


 そう言いながら武器庫からMag-Fed 20mmライフルを取り出すが。


 「重っ!?」


 ズッシリと重いMag-Fed 20mmライフルを落としそうになったが、なんとか耐えてMag-Fed 20mmライフル抱え込む。


 『うわぁ〜・・・・・・私が想像していた大きさとは全く違いますね。しかもエルライナさんの背よりも大きくて、スゴく重そうですね』


「そう、だからこう言う武器は軍では余り使ってないんですよ。よいしょっと!!」


 ストックを床に付けて銃身を持って支える。


 「フゥ〜・・・・・・これはゲームに存在しない銃で使い道に困りますが、これはコレクションとしては嬉しいですね」


 ホント、嬉しいけどこれを使う機会が恐らく来ないと思う。


 『神様がアナタに渡したのでしたら、その銃はもうアナタの物なのです。なので好きに使って良いと思いますよ』


 メルティナさんが右手で頭を押さえながら呆れている。多分、この通信を切ったら神様を怒りに行くんだろうなぁ〜・・・・・・神様、ご愁傷様です。


 「メルティナさんが言うのでしたら、そうなんでしょうね。大事に取っておきますね」


 『フフッ・・・・・・どうぞ。さて、私も仕事に戻りますね。それでは!』


 「はい、どうもありがとうございました!」


 そう言って通信を切った後に、改めてMag-Fed 20mm ライフルを見つめ直す。


 しかし本当にこの銃はスゴいなぁ〜。20mm対物ライフルの大きさと重さを知識では知ってたけど、まさかここまで重いとは思わなかった。
 しかもこれマズルを取り替え出来るようになってる。もしかしたら、これ用のサプレッサーとかあるのかな? 後で神様に聞いてみよう。


 「おお、エルライナ! ここにいたのか、探したぞ!」


 「ほら、アタシが言った通りでしょ? エルライナはここにいるって」


 「ああ、アイーニャの言う通りだったな」


 そう言いながら笑顔で見つめ合う夫婦の二人。リア充感をかもし出すが、会話の中に気になった一言があった。


 「探していた・・・・・・私をですか?」


 「ええ、そうですよ。旦那様達はエルライナ様に話したい事があったので探していたのですよ」


 後ろから声が聞こえたかと思った瞬間に両脇から両手が伸びて来て胸を鷲掴みにされた。


 「ミニャァァァアアアアアア〜〜〜〜〜〜ッッッ!!!?」


 俺の悲鳴が総合ギルドに轟く中、胸を掴んで来た謎の人物は気にしたようすもなく揉み続けてくる。


 「相変わらず可愛い悲鳴ですね。それにこの胸は奥様が言う通り揉みごたえのある良い胸ですね。
 私も気に入ってしまいましたぁ!」


 「ハウッ!? ・・・・・・アッ! ・・・・・・ニャァ〜アッ!?」


 可愛い・・・・・・可愛いって褒められた。


 意識が朦朧もうろうとする中でも、Mag-Fed 20mmが横に倒れないようにしっかり握る。


 「でしょ! やっぱアンタも気に入ると思っていたわよ」


  「アウ〜ッ!? た・・・・・・ ちゃおれにゃいように・・・・・・し、しにゃいとぉ〜・・・・・・ちゃおれにゃいいいいいい〜〜〜!!」


 「そろそろ止めてやんな。この前みたいな事になるからね」


 「・・・・・・分かりましたわ」


 不満そうな声を出しながら手を離したので誰が胸を揉んで来たのか確認する為に後ろ振り向くと、メイドさんが立っていた。


 こ、この人は! バルデック公爵様の屋敷を出る時に見送ってくれたメイドさんじゃないかっ!! 要注意人物がなぜここに?


 「フフッ! そんなに警戒しなくても大丈夫ですよ。充分堪能させて頂いたので今日はもう揉みません」


 ”今日は”って事は明日も揉むつもりなのかな? この人は。


 「それよりも、エルライナ様」


 「は、はい!」


 「公爵様がアナタに話したい事があるので聞いて頂けてませんかね?」


 「別に構いませんが場所を移した方が良いですかね?」


 ここだと目立から公爵様に失礼だ。


 「いやいや大丈夫。そんなに手間取るような話じゃないから、ここで話をしよう」


 バルデック公爵様はそう言うとベンチに座る。


  「キミもここに座ってくれ」


 「あ、はい」


 ベンチをポンポンと自分の隣を軽く叩いて促してくるので、Mag-Fed 20mm ライフルを武器庫に仕舞い、そこに座るとアイーニャ様が俺の隣に素早く座り抱きついて頬ずりしてくる。


 「フッフッフッフッ! 相変わらず良いお肌してるわねぇ〜。ホント羨ましいわぁ〜!」


 「アウゥゥゥ〜〜〜〜〜〜・・・・・・」


 頬ずりするの止めて欲しい。そう言いたいけど・・・・・・相手が貴族だから言いずらい。


 「エルライナ、キミに色々伝えたい事があるけど今日は時間がないから二つだけ先に伝えておこう」


 「はぁ・・・・・・分かりました」


 二つだけって・・・・・・一体なんだろう?


 「先ず始めに、この間お前が第一騎士団に襲われた事件の事なんだがぁ・・・・・・話しても良いか?」


 「ええ、聞かして下さい。私がまた第一騎士団に襲われる可能性があるかどうか確認したいので」


 もしアイツらが今後襲ってくる可能性があるなら、対応策を考えなきゃいけないから。


 「そうだな、先に答えを言ってしまえば襲われる可能性が低い」


 「それなら安心ですね!」


 「ああ、安心して良い。で、ここからは本題に入るぞ」


 「はい」


 「実は第一騎士団は三年前に新しい団長に変わったと共に内部の腐敗が始まったんだ」


 「悪い人が責任者になったからですかね?」


 「ああ、エルライナの言う通りだ。就任直後から問題が上がってきたからな。内容が驚く物ばかりだったよ」


 「驚く物ばかり?」


 俺がそう言うと今度はアイーニャ様が話し始める。


 「そうよ。金の横領疑惑から始まって国から支給された武器や補給物資の転売疑惑に騎士団に入るほどの能力の無い者を入れる行為。
 ましてや第一線で戦わなければ行けない連中が後者に回っていたと言う事もあったからね。国からしてみれば、堪ったもんじゃない! 状態だったのよ」


 そこまで疑いがあって今の今までなにもしなかったのも問題あるな。
 もしかしたら、第一騎士団を支援している貴族から圧力をかけられて調べられなかったのかもしれない。


 「それで、王様が考えて思いついたのが東地区の警備を担当させる事だったのよ」


 ん? なんで東地区を担当させる事を思いついたんだろう? ・・・・・・う〜ん。


 「今、 なんで王様がそんな事を命じたんだろう? と思っているんだろう?」


 「え!? あ! ・・・・・・はい」


 なんでバルデック公爵様にバレたんだ?


 「まぁ良い。理由は簡単。東地区を警備をちゃんと仕事をこなしているか監視する為だ」


 「監視? ・・・・・・あっ!?」


 「気づいたみたいだね」


 「そっかぁ・・・・・・遠く行かれるよりも近く居た方が仕事をちゃんとこなしているのか把握出来る。
 それに第一騎士団が問題を起こしたとしても隠ぺいされる前にすぐに報告出来るし、捕まえる事も出来る」


 「その通り、まぁ任せてみたらあんな状態だったからな。兄上は怒りを通り越して呆れてしまったよ」


 昼酒に店潰しにその他諸々もろもろ・・・・・・問題だらけだよホント。


 「ん? ベイガーさんが持ってた令状って・・・・・・もしかして、就任させた時と同じ日に作った物なんですか?」


 「その通り。兄がその時に用意した令状なのだ。それで、第一騎士団達は現在内部調査の真っ最中なんだ」


 「へぇ〜・・・・・・」


 「調べれば調べるほど隠ぺいされてた悪事が出てきてね。第一騎士団の五割の人間が逮捕されている。
 今後、調査が進んで行けば逮捕者が増えると見込んでいる」


 逮捕者が増えるってぇ・・・・・・どんだけ悪事を働いたんだ? それに第一騎士団の五割って失った人材の数が半分って事だろ? そうなるとしばらくの間は活動出来そうにないなぁ。


 「この話はこれで終わり。二つ目の話をしよう」


 「はい」


 二つ目はなんだろう? ・・・・・・この前の勇者達の事かな?


 「私達の方でキミの家を用意した」


 家! マジで家を用意してくれたのっ!?


 「ありがとうございます!」


 「でも建物自体が少し傷んでいたから改装工事をしているんだ。それが済んだら家に案内するからね。楽しみにしていてね。」


 「分かりました!」


 やった!苦労なくマイホームを手に入れたっ!! あ、でもバルデック公爵様の事だから、邸宅みたいなのを用意したんだろうなぁ。


 「そこでまた話をしよう。良いね?」


 「はい」


 どうしよう。ラノベの知識と照らし合わせると邸宅を貰うパターンだよこれ・・・・・・邸宅で一人暮らしなんて出来ないなぁ〜。


 「時にエルライナ様」


 「あ、はい! なんでしょうか?」


 いつの間にか俺の目の前に立っていたメイドが俺に話しかけて来た。


 「アナタにご家族、ご両親はいますか?」


 「えっ!? ・・・・・・いませんけどぉ」


 両親かぁ・・・・・・この世界に居たとしても両親には絶対に会いたくないなぁ。


 「そうですか。失礼な事をお聞きしました」


 「いいえ、お気になさらず」


 てか、この人はそんな事を聞いてきたんだ?


 「まぁ話は済んだから、そろそろ行こうか?」


 「それもそうね。明日楽しみにしていてねぇ〜!」


 「それではどうも、失礼しました」


 「こちらこそ、ありがとうございました」


 そう言って手を振り見送ると俯いて自分の手を見つめる。


 両親かぁ・・・・・・あの二人の事を両親とは思った事はない・・・・・・この先も、絶対に・・・・・・・・・・・・。


 彼女はしばらくの間、そこに座っていたのだった。

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