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クラス転移したけど私(俺)だけFPSプレイヤーに転生

青空鰹

第18話

 「全くお前と言うヤツは! 本当に反省しているのかっ!?」


 「・・・・・・はい」


 王都の総合ギルドの応接室で、腰に手を当てて怒気を含んだ声を出ながら見下ろすエイドと、床に正座して怯えた様子で見上げるエルライナがそこにいた。


 なぜこうなっているのか? その経緯いきさつを簡単に話すと、迷宮から出た俺達は今回の事を総合ギルドに伝える為に急いで王都に戻って来て総合ギルドの受付の人に報告をした。
 そして俺達を担当をしたその人は俺とピーチさんを応接室に連れて行くと、ここでエイド教官を呼んでくるので待ってて下さい。と言った後に応接室を出て行くと、一分も待つ事もなくエイド教官が扉を開けて来たが、呼吸も荒い上に鋭い眼光で俺を見つめながら怒ってきた。


 「お前が勇者に会わないようにする為の計画がパーになっちまったじゃねえかっ!? バルデック会長達と計画を考えるのにどれだけ苦労したのかお前に分かるか。アァン?」


 「で、でも・・・・・・あのまま勇者さんをほっといてたら・・・・・」


 「あ”ぁ“っ?」


 「ヒッ!?」


 エイドさんの顔が今まで見たことないぐらい怖い顔をして見下ろしてくる。


 謝ろう! 今すぐ謝まらないと取り返しのつかない事になるっ!!


 「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいっ!! もうこんな事をしないので許して下さぁぁああああああいっっっ!!?」


 そう言いながらエイド教官に向かって涙を流しながら、両手を地面に着いて何度も頭を下げて許しを請う。


 「エイドちゅぁん。もうそれぐらいにした方が良いんじゃないかしらぁ~? ライナちゅぁんも反省してるみたいだしぃ~・・・・・・ねぇ?」


 「し、しかしピーチさん・・・・・・」


 「それに女の子をこんな風に泣かせちゃうのは、エイドちゅぁんは男の子として最低とだと思ってないのかしらぁ~?」


 そう言われたエイドさんは俺とピーチさんの顔を交互に見ると下を向いて深くため息をいた後に、またピーチさんに顔を向ける。


 「すみません。俺も頭にきていたので、ついあんな事を言ってしまいました」


 「判ってくれれば良いのよぉ~!」


 「俺も反省します」


 エイドさんはそう言うと、また俺の方に顔を向けるので身体を強張らせてしまう。


 「あ、あうっ!? ・・・・・・あうっ!?」


 「そんなに恐がるな。あんなに怒った俺も悪かった」


 「はい・・・・・・グスッ!?」


 「それでだ。マズイ状況になっているのはお前自身分かっているよな?」


 「・・・・・・はい」


 俺はそう言い涙をぬぐいながら話を続ける。


 「こうなっちゃった以上、勇者さん達から勧誘がくるんですよね?」


 その勇者達は部室にいて他の人が担当しているらしい。


 メルティナさんは大丈夫だと言ってたんだけど・・・・・・本当に大丈夫なのかな?


 「それだけじゃない。お前が勇者達を助けた事はリードガルム王に伝えなければならない。それはお前にも分かるよな?」


 「はい、分かります。それ事態は問題ないと思いますが」


 多分、バルデック公爵が口止めをしてくれるから大丈夫だと思う。


 「いや、問題がある」


 「えっ!? い、一体どんな問題があるんですか?」


 「俺達はこの事をラクスラード帝国に絶対に報告しなければいけないんだ」


 「えっ!?」


 絶対に報告・・・・・・じゃあつまり帝国の皇帝にも俺の名前が知られるって事になるよね。その上、 勇者達とパーティーを組んで共に戦ってくれ。 なんて事も絶対言い始めるよね? ・・・・・・確認を取った方が良さそう。


 「魔人がダンジョンに現れた。 って言う報告の他に私が勇者達を助けた。と言う事も帝国に報告もするんですか?」


 「ああ、すまないがぁ・・・・・・そうするつもりだ」


 「前回みたく内緒にしているのは無理ですか?」


 「すまんがぁ、今回ばかりは無理だ」


 「あ、あああぁぁぁああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・」


 エイドさんに即答で答えられたのがショックで唸りながら下を向いてしまう。


 「・・・・・・エイドさん」


 「なんだ?」


 「エイドさん達の力で、なんとかならないんですかぁぁぁああああああっっっ!!? うわぁぁぁああああああんっっっ!!!?」


 エイドさんは自分の腰に抱きつき、泣き叫びながら懇願こんがんする俺の姿に戸惑いながら答えてくれる。


 「すまない。本当に今回だけは無理なんだ。なにせ勇者召喚した国なんだ。俺達総合ギルドは報告しなければならない義務があるんだ」


 「グスッ!? 勇者召喚した国だから報告する義務がある?」


 涙目で見上げながら言う俺に対して頷いた後に説明を始めてくれる。


 「そうだエルライナ。俺達総合ギルドは勇者達になにかあった場合は勇者召喚した国に報告する。それが俺達総合ギルドで定められた義務なんだ。
 他にも行く先の情報提供もなるべくするように言われている」


 「つまり総合ギルドは勇者さん達をバックアップしているし、今回は勇者さん達に顔も名前も知られちゃったから誤魔化しようがない。と考えて良いんですね?」


 「・・・・・・本当にすまないが、そう言う事だ」


 「・・・・・・ふぇぇぇええええええんっっっ!!?」


 俺の自由がなくなってしまったぁ〜〜〜・・・・・・もう、お仕舞いだぁ~〜〜・・・・・・。




 力なくその場に項垂うなだれている俺に誰かが頭をでてくる。


 「・・・・・・ふぁ?」


 「エルライナちゅぁん、女の子がそんな顔をしちゃダメよぉ~」


 「ピーヂざん、グスッ!? だっでぇ~・・・・・・」


 「アタシは勧誘された時は断固だんこ断るつもりよぉ~!」


 「ヒック!? ・・・・・・断るつもり?」


 いや、アナタは勧誘が来ないと思うんですけど・・・・・・。


 「そうよ! だからライナちゅぁんもその気持ちで断り続けるのよぉ~っ!!」


 「・・・・・・そうですね。うん」


 立ち上がり二人顔を見ながら話し始める。


 「私も勇者さん達の勧誘が来たら断ります!」


 しつこく勧誘されても、絶対に NO! しか言わない。よし、これで行こう!


 「ピーチさんのおかげで気が楽になりました。ありがとうございます!」


 「ウフフ~! 元気が出てくれて良かったわぁ~っ!!」


 「ピーチさんは心の恩人ですっ!!」


 「あらぁ、そう言ってくれるのぉ~、嬉しいわぁ~っ!!」


 「・・・・・・まぁ、元気になってくれて良かったと言えば良かったか」


 エイドは小さな声でそう言い、はしゃいでいる二人の姿を微笑ましい顔で見つめていると扉を軽く叩く音がする。


 「どうした?」


 「私だエイド、部屋に入って大丈夫か?」


 「ギルド長でしたか、失礼しました!」


 「気にしていない。それよりも私が部屋に入って大丈夫か?」


 「はい、大丈夫です!」


 エイドは慌てたようすでそう言いながら扉を開くと、ギルド長のラミュールを応接室へ招き入れる。


 「どうぞお入り下さい」


 「うむ、失礼する。お前達も入れ」


 ラミュールさんがそう言うと勇者達が申しわけなさそうな顔をしながら部屋中に入ってくる。


 「お、お邪魔しまぁ~す・・・・・・」


 「お取り込み中にすみません」


 「失礼、します・・・・・・はい」


 「あらぁ~、勇者ちゅぁん達はもう教会の人達との話は終わったのかしらぁ~?」


 「はい・・・・・・今日は俺達を助けて頂いて下さり、ありがとうございました!!」


 彼はそう言いながら勢いよく頭を下げるので、驚いて慌てながら両手を顔の前で振ってしまう。


 「そんな、勇者さん頭を上げて下さい! そんな大したことはしてないんですから!!」


 「いえ、アナタ方が居なければ俺達はドーゼムに殺されてました。それに今回の戦いでアナタ達から学んだ事がありました」


 「学んだ事?」


 俺がそう聞いた途端に浮かない顔を見せた上に悲しそうな声で話し始めた。


 「俺達が帝国で魔人と戦った事があるのはご存知ですよね?」


 「ああ、知っている」


 「アタシもその話は知ってるわよぉ~!」


 「俺もうわさで聞いてる」


 エイドさん達はそう言いながら頷くが俺は首を横に振り否定する。


 「私は知らないんですけど、気にせずに話を続けて下さい」


 勇者達が魔人戦った話は後でエイドさん達に聞いておこう。


 「はい、帝国で訓練をしていた時に俺達の目の前に突然現れた魔人と戦い自分達の力で撃退ました。
 その時は 勝って良かった! みんなを守れて良かった! 俺達の力で魔人を追い返したんだ!? と喜びました・・・・・・けれど!」


 下を向いた上に沈黙をすると、両手に拳を作り目から涙を流し始める。


 「今回の戦いで俺は気付きました・・・・・・俺は、俺達は魔人を撃退出来た事に嬉しくて、舞い上がっていただけだったんだ。って!」


 「いや、そんな事はないと思いますよ。誰だって勝てば嬉し「いいえ違いますっ!!」」


 フォローしようと言っていたら言葉の途中でさえぎられてしまった。


 「ドーゼムが言ってました! 俺達が帝国で相手した敵は一番弱いヤツだって!! そしてドーゼムと戦った時に軽くあしらわれた上に、たった一撃で倒されたんですよっ!!」


 確かにそうだった。しかも、あの時に俺の邪魔もしてたよね。


 「・・・・・・だから自分が情けないんです。思い上がっていただけの馬鹿だったんじゃないか? とも考えております・・・・・・」


 「大輝」


 「・・・・・・大輝」


 悔しそうにしている大輝と言う少年に二人の少女が寄り添う。


 「・・・・・・大輝さん、悔しいのは分かりました。それで今後はどうするんですか?」


 「俺達はラクスラード帝国に戻って一から鍛え直します。ドーゼムみたいなヤツらと戦えないと自分達が死んでしまいますから」


 「「えっ!?」」


 大輝の言葉に俺とピーチさんは驚いて声を出してしまった。


 「ん? お二人共どうしたんですか?」


 「えっとぉ~・・・・・・私達は勧誘してくると思ってましたのでぇ・・・・・・はい」


 NO! の一点張りをするつもりだけどね。


 「え、勧誘? もしかして俺達について来て頂けるんですグフッ!?」


 隣にいる女の子がみぞおちにこぶしを勢いよくめり込ませた瞬間に、大輝は床に崩れ落ちてしまう。


 「な、なにするんだ? 美・・・・・・海」


 「教会の人達はこの人達をパーティーに入れるのはなし。って言ってたでしょっ! 忘れたの?」


 「大輝、約束守らないと、ダメ」


 「ゴホッ!? ゴホッ!? 伊織までそう言うのかよ・・・・・・俺が悪かった」


 みぞおちを殴られた彼は喋りはするが未だに立ち上がらない。ホント、大丈夫? 内臓潰れてないよね?


 「お見苦しいところをお見せしてすみません」


 「いや、いいよ・・・・・・うん」


 「私達からもお二方にお礼を言わせて頂きます。ありがとうございます」


 「ん、ありがと」


 「ウフフ~! 色々あったけどアナタ達が無事で良かったわぁ~! まぁ強くて可憐かれんなライナちゃんのおかげねぇ〜っ!!」


 「ヒャウッ!?」


 か、身体がぁぁぁ〜〜〜〜〜〜、身体が反応してしまうううううううううううううっっっ!!!?


 「アウ~・・・・・・ウウウゥゥゥ~〜〜ッ!?」


 「その人、顔を赤くしているけど大丈夫ですか?」


 「あ~、いつもの事だから気にするな」


 「勧誘はしないのは変わりはないんですけどぉ〜・・・・・・」


 「まだなにかあるのか?」


 「すみませんがぁ〜・・・・・・」


 美海はそう言いながら顔を赤くしているエルライナの手をつかんで側に寄せる。


 「この人を今日一日だけ私達に貸して頂けないでしょうかぁ〜?」


 「・・・・・・ふぇっ!?」


 「エルライナになにをするつもりだ?」


 「一緒お買い物に行くだけですよ!」


 「カワイイから、連れ回したい。ショッピング」


 「え? ええええええええええええっっっ!!?」


 なんで俺を連れ回そうとしてるの?


 「そうか。それなら俺は構わない」


 いやエイドさん、助けてよっ!!


 「私の方から試験は予定通りに行うから安心しろ。それだけ伝えればお前にようはない」


 ラミュールさん! アナタはむしろ、 邪魔だから早く出て行け。 って言いたそうな顔をしてますねっ!?


 「アタシは構わないよぉ~! 女の子同士の楽しく遊んでらっしゃぁ~いっ!」


 ええ〜っ! ピーチさん! 見送るよりも助けて欲しいんですけどっっっ!!?


 「私は行か、ムグッ!?」


 なんで口を押さえるのっ!?


 「「それじゃあ行ってきます!」」


 「「「「行ってらっしゃい」」」」


 「ン~ッ!? ムグゥゥゥ~~~ッ!!?」


 ちょっ!? 私の、私の意見は無視ですかぁ~!!?


 美海と伊織二人に両腕を掴まれながら応接室から連れ出された俺は色んなところや色んなお店に連れ回されてしまった。
 後から聞いた話だがメルティナさんともう一人の女神が自分達の使者を使って勇者達に、 彼女は今まで男として育ったから女性の常識が薄い。だから今日一日ミッチリとー女の子のたしなみを教えて欲しい。 と言ったらしい。


 そして今回二人に連れ回されて分かった事はたった一つだけ。


 女の子って本当に大変なんだなっ!?

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