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クラス転移したけど私(俺)だけFPSプレイヤーに転生

青空鰹

第7話

 さてと、次の配達先は 牙鬼きばおに組商会 と言う名の商会だ。


 そう思いながら地図とスクリーンマップを照らし合わせながら次の目的地を確かめる。


 「なんか、名前からして極道の事務所みたいな感じがするけど総合ギルドに加入しているから大丈夫なはずっ!! ・・・・・・だよね多分。地図によるとぉ・・・・・・この道の突き当たりにあるのか」


 不安を抱えつつ商会を目指して道を歩いていると良い香りが鼻をくすぐる。


 「この匂いは・・・・・・ラベンダー?」


 周囲を見回して見ると生花店を見つけたので近づいて商品の花を眺める。


 良い匂い。しかも綺麗なラベンダーが咲いてる。向こうの世界の花がこっちにも存在してたんだ。
 ん? 見たことない花もあるなぁ、恐らくこの世界にしか咲かない花だと思う。


 「いらっしゃいませ!」


 店の商品を眺めていると後ろから声をかけられた。振り返って見てみるととメガネを掛けた兎族の女性店員さんと目が合う。


 「あ、どうも」


 大人びた綺麗な人だなぁ~。


 「綺麗なお花達でしょ」


 「はい」


 多分ダメな花は間引いていると思うけど、ここに飾ってある花は本当に綺麗だ。


 「ここにあるお花は全部私が育てたんだ。アナタと同じような人がここに見に来るのよ」


 「へぇー、お姉さんが全部育てたんですか、すごく綺麗花ですね!」


 「うふふ、誉めてくれてありがとうね。アナタも綺麗な女性よ」


 「ひゃうっ!?」


 「ん?」


 「ら、らいじょうぶれしゅ・・・・・・・すみませんがこの花を三つ下さい」


 せっかくだしラベンダーを買って宿に飾ろう。あのお婆さんの事だから飾ろうとしたら怒ると思うけどね。


 「このラベンダーを三つですね。銅貨一枚と鉄貨五枚になります」


 え、値段安くないっ!?


 「随分安いですね」


 俺はそう言いながらアイテムボックスからお金を取り出してから店員さんに手渡すと、店員さんは笑顔で受け取ってから話し出す。


 「フフフッ、普通は束で買うか鉢に植えてる物を買っていく物だから、アナタみたいにカットしてる花を指折り数えるぐらいの本数を買わないわ」


 そうなのか。束買いならプレゼントかお供え物かな? あ、そうだ!


 「あの、すみませんがぁ・・・・・・」


 「ん? なにかしら?」


 梱包途中の女性店員さんに話しかけると長い耳だけ傾けたまま作業を進める姿を見て、あのウサ耳便利だなぁ〜。と思ってしまう。


 「ここの治安と第一騎士団の事を聞きたいんですけどぉ、今大丈夫ですかね?」


 その言葉を聞いた瞬間、女性店員さんの手がピタリと止まりこっちを向いてくる。


 顔が怖い。なんかヤバい事を聞いちゃった感じかな?


 「なんでアナタはその事を聞きたいのかな?」


 「え!? あの、それは総合報「すみませぇ~んっ!」・・・・・・ん?」


 声のした方に顔を向けると、魔法少女みたいなピンク色の服装を着た 筋肉モリモリマッチョマンッ!! が後ろに立っていた。


 「お、おうっっっ!!?」


 な、なんだコイツはっっっ!!? と思いながら固まっている白い髪の女性と。


 「キャァァアアアアアアアアアアアアッッッ!!?」


 と悲鳴をあげる獣人の女性がそこにいた。


 「ちょっと待ってぇ~! アタシは怪しい人じゃあないわよぉ~!!」


 「「充分怪しい」わよ!!」


 その格好で言われても説得力があるわけないっ!! でも敵マークがないし、暴れるような事はしないから・・・・・・大丈夫か?


 「まぁいいや。おじさ、ッ!?」


 俺の目の前にこぶしが突然現れ風を顔に感じる。しかも拳その先を見ると変質者がニッコリした顔で見つめてくる。


 は、早いっ!? 油断してたのもあるけど、今のパンチを見て分かった事がある! 師匠と同じ敵に回しちゃいけない人だっ!!


 「アタシはおじさんじゃないわよ。お・ね・え・さ・ん! もしくはピーチよぉ〜!」


 謝ろう! 今すぐ謝らないと殺されるっ!?


 「す、すみませんでしたっ!!」


 俺は頭をおもいっきり下げて謝る。


 「分かってくれればいいのよぉ」


 許して貰えたけど、今後は注意しよう。


 「あの、ピーチさん。一つ聞いていいですか」


 「なにかしらぁ?」


 「ここになにをしに来たんですか?」


 「そ・れ・は・ねぇ~。久々に会うアタシの家族のお土産にお花を買いにきたのよぉ~っ!!」


 家族に会いに来ただって! こんな身なりしているのに、この人には家族がいるのかよっ!!


 「だから、アタシのぉ、妻の好きなティルカナの花の束を一つ下さるかしらぁ~?」


 「は、はい! 少々お待ち下さいっ!!」


 店員さんはそう言うと俺が頼んだラベンダーをそっちのけにして、ピーチさんが頼んだ花束を用意し始める。


 「ところでアナタ」


 「は、はい。なんですか?」


 出来れば話かけて貰いたくないんだけど。


 「さっきの総合ギルドに報告とか言う話を、アタシに話してくれるかしら?」


 う、う~ん・・・・・・この人に話しても良いのかな? 話すだけなら大丈夫か。


 「実はですね。さっき道具屋さんと鍜治屋さんから、ここ東地区の治安の悪さを聞いたので総合ギルドに報告するんですけど、情報は多い方が良いと思って立ち寄った花屋さんにも話を聞こうとしてました」


 「あらぁ~? アタシが勤めていた時はそんな治安が悪くなかったんだけれどもぉ、おかしいわねぇ~?」


 「つ、勤めてた?」


 「ええそうよぉ。こう見えてアタシは騎士団に勤めていたのよぉ~!」


 ウソ! この人が騎士団だとっ!? 信じられないっ!!


 などと会話していたら女性店員さんが慌てたようすで花束を持ってくる。


 「お、お待たせしました! 銅貨五枚になります!」


 「あら、ありがとぉ~!」


 ピーチさんはそう言った後に女性店員さんに銅貨五枚を渡すが、店員さんはピーチさんが気持ち悪いのか銅貨を受け取る手が震えていた。


 「ふぅ~・・・・・・はいこっちがアナタの分のラベンダー」


 あ! 店員さん俺が頼んでいたラベンダーの梱包もやってくれたんだ。ピーチさんのが先に来たから忘れている。って思ってた。


 そう思いながらラベンダーを受け取りアイテムボックスの中に入れる。


 「ありがとうございます」


 「良いのよ。それでさっきの話なんだけど総合ギルドへの私からもお願いするわ」


 女性店員さんは先程とは違い笑顔で俺を見つめてくる。


 「えっと、良いんですけどぉ・・・・・・さっきはなんで険しい顔をしたんですか?」


 「それはね。私がアナタの事をウルブ商会の人間だと疑ったからよ」


 なんとっ!? 俺は疑われていたのか。


 「話を聞いてて違うと分かったから話してあげるわ」


 「ありがとうございます」


 「アタシも聞かしてもらうわよぉ~」


 「ハイハイ。聞いていいわよ」


 店員さんはピーチさんに呆れた顔をながら返事した後に真顔で俺達に話し始める。


 「そうね、一週間前に第一騎士団が東地区担当になってからは治安がガラッと変わったわ」


 「どんな風にですか? 第一騎士団は犯罪を見て見ぬふりをしていると聞いたんですが」


 「その二軒のお店からもう聞いてると思うけど、巡回とか言って昼間から酒場で飲んだくれてるわ。
 鍜治屋や商会に入っては店の商品に文句をつける上に店に来ていた客を帰らすわ。なによりヒドいのは店の名前を出しながらウソの悪評を言って回ってるのよ。
 東地区以外に住んでいる人達は信じてないと思うけど。それにウルブ商会にとって都合の悪い連中を"取り締まり"って形で店を潰し回ってるのよ」


 もはやソイツら外道だな。


 「・・・・・・相変わらずのグズ達ね」


 「え! 知ってるんですか?」


 「ええそうよぉ~。アタシはそこに勤めてたわけじゃないけどぉ~、悪評はよくきいていたわよぉ」


 前々から第一騎士団の悪評があったのに、なんでこの国の王様は第一騎士団を東地区に任命したんだ? それに気掛かりなのはウルブ商会だ。


 「お姉さん、ウルブ商会ってどんな人達なんですか?」


 「表向きは食堂に鍜治屋関係の経営をしつつ、鉱石や魔物から取れる素材売買をしている商会よ。
 けどね、ウルブ商会に加入した店はろくな事がない。っ言ってるのよ。加入したほとんどの店は潰れてるし、裏では違法売買をしていると言われているわ」


 なるほど、今の言葉でなんとなく分かってきたぞ。第一騎士団はワイロと優遇をウルブ商会から貰う見返りに、好き勝手やらしているって感じだな。


 「第一騎士団とその商会と関わりがありそうですね。後で総合ギルドに話しておきますね」


 「お願いね。くれぐれも、あの第一騎士団とウルブ商会に目を付けられないようにね。いくらアナタが総合ギルドに加入しているとしても、相手は騎士団だから・・・・・・」


 「私は心配いりませんよ。私には第二騎士団に知り合いがいるので」


 まぁ言ってもグエルさん達だから、当てになるかどうなるか分からないけどぉ・・・・・・。


 「そう・・・・・・でも気を付けて、アイツらは揉み消す為ならどんな手でも使うみたいだから」


 その時は借りを作っているバルデック公爵様を頼るから安心してね! って言ったらダメだよね?


 「分かりました。それじゃあ次の配達先があるので、ここら辺でお暇させて頂きますね!」


 「そう、それじゃあね」


 心配した顔をしながら俺を見るけど、安心してて良いと思うよ。


「じゃあアタシも行くわぁ~! 素敵なお花をありがとうねっ!」


 ピーチさんはそう言った後に店員さんに向かってウィンクをするが。


 「・・・・・・ああ、うん・・・・・・アナタもぉ・・・・・・気を付けて、ね?」


 ピーチさんから目を反らしながら歯切れの悪い答えをする。


 「それじゃあ、ありがとうございました!」


 「こちらこそ、どうも色々ありがとうね。可愛いアナタなら何時でも歓迎するわ!」


 「ひにゅっ!?」


 体が反応してしまう。


 「ん? アナタどうしたの?」


 「きゅ、きにゅしゅ・・・・・・ないでくだしゃいっ!!しょ、しょれじゃあっ!!」


 俺は赤くなった顔隠しながらそう言って、そのまま店を出る。


 「あら、あの子どうしたのかしらぁ? まぁ良いわぁ~。それじゃあねぇ~!」


 「あ、はい・・・・・・どうも、ありがとうございました・・・・・・うん」


 店を立ち去るピーチを女性店員は、もう来るなっ!! と言いたそうな顔で見送るのであった。

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