45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしい

第574話 今の炉でこの素材を溶かして確認したいらしい

ドワーフ達が、素材とにらめっこしている。

「むう・・・・溶かすだけなら、この炉でもできるのではないか?」

親方がそう呟いているけれど・・・・

「ああ、溶かすだけならね。粘土みたいに柔らかくはなるみたいだけどね。だけど、目指すのはそこじゃない。3つの素材を混ぜ合わせ、新たな素材にする必要がある。」

何でもそうだけど、合金と言うべきか、色々な素材を混ぜると、例えばステンレスみたいな金属になる。
鉄にクロム、またはクロムとニッケルを含んでるんだよね、後は炭素?
詳しくは分からないけれど、これを削るとか、めっぽう難儀するんだよね。
おっさんフライス盤での加工をした事あるけれど、通常の刃では駄目で、専用の刃を・・・・価格が通常の何倍もするらしい・・・・回転数も抑え、一度の削る量も相当控えないと。
焼き入れ鋼もそうだけどね。
生鉄なら通常2ミリずつ削るのに・・・・横着して一度に5ミリとか削ると、流石に下手すりゃあ材料が飛んじゃうからね、物理的に・・・・、ステンなんか0.1~0.2ミリ?
0.5ミリは無理だったような・・・・
焼き入れ鋼もね、硬いのよ。
普通削らんけどね。超特急でやってくれって時に・・・・
採算度外視で、今すぐ型の部品がいるから作ってくれ!てな場合にね。
あ、どうでもよかったね・・・・

金属は混ぜると全く違う性質になるんだよ。
なので、この3つの素材を混ぜ合わす事で、全く違う性質の素材を作り出すんだよね。
だからなのか、確かおっさん精霊の剣を打った・・・・あれおっさんが打ったと言っていいのか甚だ疑問だけどね・・・・素材を溶かすまではこの炉を使ってたみたいで、問題はその後?溶けた素材は勝手に?融合と言うのか、混ぜ合わさったらしいけれど、、完全に溶けて新たな素材になるまでには至らず、カトリーンにブレスしてもらい、溶かした経緯があるみたいなんだよね。

「その、一度見せてくれんかね?このままでは素材の声が分からん。」
あれ?何だか親方の態度が変わった?

そして精霊が・・・・あ、上位の4人?4体?がおっさんの所にやって来たよ。
「マスター、素材の準備はできております。それとは別に、試されるのですか?丁度親方の腕も見ないといけませんから、ちょうど宜しいかと。それと、マスターが製作されたアイテム”回復くんいちごう”と”すんごい焔がでるよいちごうくん”の準備も万端ですわ。」

ああ、そんな名前だったね・・・・

「じゃあ親方、こちらの魔道具も準備できてるから、一度素材を溶かし、剣を打ってみるから・・・・まあ見といて。」

おっさん精霊の手助けで、またもや剣を打つ事にしたよ。

まあ既に炉は・・・・いつの間にか使える状態。
そこに3つの素材を、精霊の言われるがままに放り込み、暫し待つ。すると、またもや素材が輝きだし、3つの素地が混ざっていく。

そして”回復くんいちごう”を起動させ、おっさん素材を手に取りこね始める。
次に”すんごい焔がでるよいちごうくん”を起動させ、おっさんの持っている素材に焔を当てる。
ドンドン柔らかくなる素材。おっさんどんどん捏ねたよ。
暫くして、素材は完全に混ざり、何やら色々な輝き・・・・?文様が浮かんでね。
そして形を整え、台の上に置き、おっさん謹製?のハンマーで素材を打ちまくる。
そして更に精霊の言われるまま剣に魔力?を込めて、焔を当て再び打ちまくる。

どれだけ時間が経ったか分からないけれど・・・・
あれ?何でか2振りの剣が出来上がっていたよ。
後にこの剣は皇帝の手元に・・・・代々のセアリアス帝国の象徴として、ずっとセアリアス帝国を守護していく事になるようだが・・・・

「おい人間・・・・口出しはしないのがこの世界のルールだが、何だあれは?あんなの鍛冶じゃねえだろ?」

「えっと・・・・そうなのかな?おっさん誰かにずっと師事してたわけじゃないからね。よく分からないかな。」

「普通に考えて炉の中の素材を手で触るとかありえねえし!触った瞬間炭になるぞ?そもそもてめえのは鍛冶でもなんでもねえ!」

鍛冶じゃねえ!と言われてもねえ?
え?明らかに違うだろうって?

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