45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしい

第438話 G『やあ!』

ダンジョンに入ろうとしていると・・・
何やら子供と大人が揉めている。

揉めているというか、子供と大人が言い合ってる?

様子を見ていると・・・

大人が、子供のカバンを取り上げ、中身を出している?何やってるんだ?

「ガキが勝手しやがって!ここは俺らの縄張りなんだよ!勝手に果物採ってくんな!」

「え?ダンジョンは誰のものでもないじゃないか!しかも誰かの物なら、それは領主さまのだよ!」


「は!ここにその領主さまがやって来るのか?今まで一度だって見に来てねえじゃねえか!ならばと俺様が管理してやってるんじゃねえか!」

「そんな勝手許されないよ!」

・・・見たくないもん見てしまった・・・・

おっさん気配を消して、子供のうちの一人に接近、こっそり話しかける。

「なあ、あれ何かな?」

びくっとする子供のうちの一人。

「おじさん誰?気が付かなかったけど・・・・」

「まあ、本当はおっさんが管理しないといけなかったんだよね・・・・で、あの阿呆は何者?」

「僕たち小さい連中から、ああやって果物巻き上げてるの。」

「・・・・君のも渡す必要あるの?」

「うん・・・・」

・・・・これは考えものだな。あ、いい事考えた。

「ねえ・・・・それおっさんが買い取ってあげよう。金貨一枚でどう?」

「え?金貨?いえいえそこまで高くないよ?」

「ああ、カバンも欲しんだよ。カバンも含め、その値段でどうだい?」

すると・・・・

「ねえ姉ちゃん、このおじさん、金貨一枚でこのカバンごと全部買いたいって。」

するとそのお姉ちゃんと言われた女の子は・・・・

「え?どういう・・・・っておじさん何?」

「はは・・・まあいいじゃないか、どうだい、そのかばん、譲ってくれないかい?」

「でも・・・・カバンが無いと・・・」

「あ、そうか、なら別のをあげるよ。これだけど・・・」

おっさん適当にカバンを一つ取り出して、渡す。

「いいんですか?」

「ああ、ちょっとね・・・・それおっさんが以前使ってたお古だけど、そんなのでいいなら使って。」

そしておっさん、さっと中身を入れ替え・・・というか、果物は渡したカバンに入れてあげたんだよ。

「ちょっと待ってて・・・・」

おっさん少し離れた場所へ行き・・・・

『やあ!』

おっさん久しぶりにGと対面したよ。

「すまないけどね、仲間とカバンに入っていてほしいんだ。袋が空いたらあの大きい奴に挨拶してほしいんだよ。」

『わかってるぜ旦那!』

何故かそう言った気がします。

で、仲間と共に・・・

カサカサカサカサカサカサ
カサカサカサカサカサカサ
カサカサカサカサカサカサ

袋にかなりのGが入っていきます。

「すまないね。あとでこの辺りに餌置いておくから、勤めが終わったら食べてね。」

おっさんGにお礼を言いつつ、カバンを子供に渡す。

「蓋を開けちゃあいけないよ。で、あの阿呆にカバンごと渡すんだ。」

おっさん戻ってさっきの子供にそう言う。

「このカバンは、終わったら改めて渡すから、あいつに取り上げられたくないだろ?」

そう言うと・・・

「おい!そこのガキ!てめえもさっさと出せよ。」

「あ、カバンごと渡してあげて。」

「うんおじさん・・・」

その子は言われたように渡す。

「あ?カバンごとか?きったねえカバンだが・・・・まあいい、中身入れ替える手間が省けるってなもんだ。あ、これで全部か、サッサと消えちまえ!」

あろう事かあの阿呆は子供を蹴り飛ばし追い返しています。

・・・・ああ云った輩には、一度痛い目に合ってもらわないとね。

さて・・・どうなる事やら?

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