第204話　いやあ・・・・美女と勝負って・・・・

「一応準備はできたけど・・・・本当におっさんとするの？」
「何をいまさら！この工房を守るのが私の使命なのね、きっと。さあ、勝負なさい、けだもの！そして店長を解放し、とっととこの場から去って、二度と来ないでもらいたいわね！」
「・・・・じゃあおっさんが勝ったら何してくれるの？」
「そんな事は万が一にもないけれど・・その時は、いいわ、私を好きになさいよ！」
・・・・余程自信があるんだねえ・・・・。
「じゃあ、おっさん勝ったら・・・・そうだなあ・・・本当は間に合ってるんだけど、周囲がもっと妻を娶れっていうからさ、おっさんの妻になって、沢山子供を産んでちょうだいよ！」
「やっぱりあんたけだものね！死んじゃえ、そして土に還れ！」
あー周囲はめっちゃ羨ましがってる・・・・だってこの娘、特にニーナが求めてるおっさんの妻になるのが確定だからね・・・・
「あ、君の要望沢山あったからさ、もしおっさんが勝ったらさらにね・・・・ニーナも妻にしちゃうよ！」
「なんて事を！もうあんた死ぬしかないわね！この私が誰か知ってたら、そんな事言わなかったでしょうに？」
「ああ、そうそう、君誰なん？見ない顔だなあって思ってたんだよ。こんな別嬪さん見たらおっさん忘れる訳ないしさ。」
「べ・・・別嬪って・・・・そうなのかしら？そんな事言われた事なかったわ、今まで・・・・そうなのかしら・・・・ってそうね、名乗ってなかったわね。冥土の土産に覚えておきなさい。S級冒険者のウェンディ・ターラントよ！聞いた事ぐらいあるでしょ？」

「いやごめん、おっさんそんなに冒険した事ないから知らないよ！でも、その、君はまだ若いご婦人なのに、S級なのかい！驚きだよ！S級の冒険者はクィンシー君ぐらいしか知らないなあ・・・・あ、エルヴィーラもS級だっけ？」

ちなみに、おっさんもいつの間にやら？S級なんだよね。あれだけ活躍をして、最後にはフェンリルをテイムしたからね。

「クィンシーって、あんたあのけだものとつるんでたの！けだもの共滅んでしまえ！だから男って嫌なのよ！」
クィンシー君、君この女性に何したの？
そしておっさん一行？なんかすごい人だかり・・・・もうみんな作業止めちゃっていて、工場中の人間が集まってるんじゃない？・・・・が外に出てね。
「なあ、本当に勝負するの？」
「あたりまえよ！さあ、剣を抜きなさい！」
あ、この娘おっさんに剣を抜いたな！マジでするのかよ！というかこっちの名前聞かんのかい？
「抜いたね。本当にするのかい？今なら後戻りできるけど・・・・それと、おっさんの名前聞かないの？」
「このまま勝負よ！死んじゃう奴の名前なんか聞いても仕方ないでしょ！さあ、かかってきなさいよ！」
しゃーない。おっさん、最近おっさんソード（仮）と同じ剣を何本かさらに打ったんだよね。
そのうち一本を使うか・・・・あーあの嬢ちゃんの剣、それなりの物なんだろうけど、壊しちゃっていいのかな？
「なあ、その剣でするのかい？おっさん同じ剣いくつか持ってるけど、そっちでしない？」
「自前ので十分よ！・・・・では参る！！」