45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしい

第114話 饕餮

”なあ、フェンリルさんよ、これはいったいどういう事?”

”どういう事とは何がなのだ?”

”おっさんの目の前に、饕餮とうてつだろこれ?どう見ても。何であるの?”

”お主、饕餮を討伐したかったのであろう?だから先に討伐しといただけだ。”

”いや、言いたいのはそこじゃないんだけど。だったら何で今まで自分で倒さなかったのよ?”

”何だその事か。何、お主と繋がったのでな、テイム前より力があるからだ。その所為でな、奴より大幅に強くなったのだ。以前でも倒せたが、こちらも大怪我をしてしまうのでな。”





フェンリルとの念話なのだが、フェンリルをテイムした後、拠点で寝てたんだけど、朝起きてみたら、御覧の通り饕餮の死体が置いてあってね。

いや、倒す手間は省けたけど、けど・・・・まあいいか。



そういう訳で、残りはケルベロスとなった訳なんだけど、フェンリルに言わせれば、奴自体は弱いが、倒した後が問題らしく、倒したらケルベロスが守っていた冥界の門が開いてしまって、そこからハーデスが現れるらしい。

そして、侵入者を排除した後、新たなケルベロスに門を守らせるらしい。



いや、冥界の門って、ハーデスって・・・・

フェンリルに言わせれば、地下に潜った駄神で、奴に関わると後々面倒だから関わらないようにしているらしい。

いや、駄神って・・・・

何か似たようなのと関わったような気がするんだけど、気の所為か?





あーフェンリル、饕餮を食べはじめたよ。”腹が減った”らしく、お主に見せたからもういいだろうとの事。

まあいいんだけどさ。



そして、ガルムとは意外と馬が合うらしい。てっきり似た者同士で反発するのかとも思ったんだけどね。

しかし、フェンリル大食いだな。こんなのまともに飼えないぞ。

放し飼いか?勝手にモンスター討伐させとけばいいか?

”なあフェンリルさんよ。”

”何じゃ、食事中だ。”

”それ全部食べ切れるの?”

”おう、食べ溜め出来るからな。”

”おっさんそんな食べ物用意できないからさ、自分で取ってきてよ。”

”何じゃ、主は。テイムしておいて放置か。まあ、今まで通りでよいなら好き勝手させてもらうがな。”

”人間や人間にかかわるのはだめだぞ。野良のモンスターのみだ。”

”我が襲われたらどうするのだ?”

”なるべく逃げて。”

”それは困る。殺さないから蹴散らすのはどうだ?”

”まあ、殺さないならいいよ。”



はあ、実力があるから、色々問題ありだな、好戦的みたいだし。

”しかしお主、一体何者だ?我の身体を簡単に貫くとは。こんな相手は初めてだ!”

”何って異世界からの召喚者?”

”む!異世界人はそんなに強いのか?”

”さあ?戦う召喚者はおっさん見た事ないから分からないなあ。”





さて、今日はゆっくりして、明日ケルベロスを討伐しに行こうってなったんだけどね、意外とケルベロスの住んでいる場所は海に近いんだって。

お?ひょっとして港とか作れちゃう?

港があれば交易とか凄く便利だよな。

おっさんこの国の地図とか見た事ないから知らないんだよね。

なので、エルヴィーラに聞いてみたら、港になりそうな場所は確かにあり、しかも大型の船も接岸できそうらしくてね。ただ、他と同じく手付かずの状態だから、港にするには一から整備が必要らしい。

「あなたの魔術なら、簡単に港など作ってしまえますわ!」

・・・・さいですか。



ただ、港を作っても、この付近は強力な魔物が住んでいるらしく、やっぱり討伐しないと港として使えないだろうって言われちゃったよ。

えーこの後もまたモンスター討伐?



・・・・

・・・

・・





翌日、フェンリルの案内でケルベロスの近くに行ってみる事にしたんだよね。

で、やっぱり付近に拠点を作ってね。

ちょっと様子を見る事にしたんだよ。

しかし、こいつらの縄張り付近はモンスター出ないなあ。

やっぱり避けるんだろうかね?

ただ、フェンリルはおっさんがテイムし、饕餮はフェンリルが倒しちゃったから、今は縄張りにケルベロスしかいないんだよね。

これって他のモンスターが寄ってくるとかになるんじゃないだろうか?

ならまた面倒事が起こるんかいな?



で、遠目にケルベロスが見えるんだけど、3つの頭とかどうなってんの、あれ。

喧嘩とかしないんだろうか?

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